「起こる」と「生じる」の違い?使い分けは?
「起こる」の意味と特徴
「起こる」という言葉は、出来事や現象が発生することを表す、非常に広く使われる表現です。良いこと、悪いことの区別なく、何かが新たに始まったり、実際に生じたときに用います。会話ではもちろん、ビジネスメールでも使われますが、ややカジュアルな響きがあるのが特徴です。出来事の内容が特に限定されず、誰にでも分かりやすい、親しみやすい言い回しと言えます。
- 例:事故が起こる/問題が起こる/嬉しいことが起こる
この言葉は、日常のちょっとした出来事から、業務上のトラブルまで幅広く用いられます。特定の原因を強調せずに「何かが起きた」と伝えるとき、あるいは相手が状況を理解しやすいようにやわらかく伝えたいときにも便利です。
ビジネス用語としての「起こる」の説明
ビジネスの現場で「起こる」を使うときは、やや口語的なニュアンスを持ちます。主に口頭のやりとりや、親しい間柄でのメール、日報などラフな文章でよく使われます。トラブルや問題、変化が「自然に発生した」というイメージが強く、「起こった出来事にどう対応するか」を伝えたいときによく選ばれる表現です。
- 柔らかく伝えたいときや、複雑な事情を簡潔に説明したいときに適しています。
- 問題の発生について、原因や責任をあいまいにしたいときにも使われます。
- 公式な報告書や重要な通知では、やや曖昧な印象を与えるため、他の言い方と比較する必要があります。
【まとめ】
- 「起こる」は、カジュアルで幅広い使い方ができる
- 日常会話や口頭連絡、ラフなメールなどに適している
- 原因や背景を細かく説明しない、またはできないときにも使いやすい
- ビジネス文書ではややカジュアルな印象になることに注意
「生じる」の意味と特徴
「生じる」は、何かが原因となって新たな事象が現れる、あるいは生まれることを指します。こちらは少し硬い表現で、特にビジネスや公的な文章で多用されます。直接的な原因やプロセスが意識される言い方で、「Aが原因でBが生じる」といった因果関係を明確に伝えたいときによく用いられます。
- 例:摩擦によって熱が生じる/業務上のミスがトラブルを生じる
この言葉は、「自然に出現する」「必然的に現れる」というニュアンスを持っており、日常会話で使うとやや硬い、もしくは説明的すぎる印象になることがあります。
ビジネス用語としての「生じる」の説明
ビジネスで「生じる」を使うのは、原因や背景をきちんと説明したいとき、または文章を客観的かつ論理的にまとめたいときです。例えば、契約書や報告書、技術的な説明、リスクや問題の伝達など、しっかりした文章で相手に説明する際によく使われます。
- 客観的に状況や事象を説明したいときに役立ちます。
- 論理的な流れの中で、「この要因によってこの結果が生じた」と整理したい場合に最適です。
- 少し硬い印象を持つため、カジュアルな会話や親しい相手には不向きな場合もあります。
【まとめ】
- 「生じる」は、原因や経緯、結果を明確に説明したいときに適している
- ビジネス文書や契約、報告書、技術的な内容でよく使われる
- 文章を論理的・客観的にまとめたいときに便利
- 日常会話やラフなメールでは硬い印象になるので注意が必要
「起こる」と「生じる」の一般的な使い方は?
- 大きな問題が起こることは珍しくありません。
- 急な変更が起こった場合は、すぐにご連絡ください。
- 予期しない事態が起こることも考えられます。
- 社内で混乱が起こらないよう、準備を進めています。
- 業務上のトラブルが起こることは避けられません。
- トラブルが生じた際は、速やかにご連絡をお願いします。
- 契約上の問題が生じる場合は、事前にご相談ください。
- 業務の遅延が生じることが判明しました。
- システムエラーが生じた場合は、復旧作業に入ります。
- 経費が追加で生じる可能性がございます。
「生じる」が使われる場面
「生じる」は、ビジネスメールや報告書、契約書などで、特に事象の発生原因を明確にしたい場合に使われます。例えば、「新たなリスクが生じる」「コストが生じる」「トラブルが生じた」といった場面です。日常的な口頭会話よりも、文書や説明資料で多用されます。
- 公式な報告や説明文、契約書などで「発生した事象の原因や影響」を伝えるとき
- 技術的な内容や、研究発表、ビジネス上のリスク説明で
- 何かの行動や出来事の結果として別の事象が現れることを伝えたい場合
間違えないように使い分けるには、「自然に起きたこと」を柔らかく伝えたい場合は「起こる」、「原因や流れを明確に説明したい場合」や「文書をしっかりまとめたい場合」は「生じる」を使うのがおすすめです。
失礼がない使い方・目上や取引先への伝え方
相手が目上の方や取引先の場合、直接的に「起こる」や「生じる」と述べるよりも、もう少し丁寧に状況を伝える配慮が求められます。以下に、自然で丁寧な伝え方の工夫を紹介します。
- 予期せぬ問題が生じてしまい、ご迷惑をおかけしております。対応については改めてご連絡いたします。
- 新たな課題が生じたこと、ご報告申し上げます。今後の対応についてご説明させていただきます。
- 急な変更が発生し、ご心配をおかけして申し訳ございません。現在、詳細を確認中でございます。
- ご不便をおかけいたしますが、想定外のトラブルが生じております。早急に対応を進めておりますのでご安心ください。
- お問い合わせの件につきまして、業務上の問題が生じてしまいました。進捗があり次第、ご連絡差し上げます。
- お手数をおかけしますが、ただいま詳細な原因を調査中でございます。
- 新たな費用が発生する見込みです。ご理解いただけますと幸いです。
- 業務に遅延が生じてしまい、誠に申し訳ございません。
- ご協力いただきありがとうございます。今後、同様の問題が生じないよう、再発防止に努めてまいります。
- ご安心いただけるよう、進捗状況は随時ご報告いたします。
- ご心配をおかけし、誠に申し訳ございません。ただいま原因の究明を行っております。
- 追加で発生する費用につきましては、詳細が判明し次第お知らせいたします。
- 今後の業務に支障が生じないよう、事前にご相談させていただきます。
- 急なご案内となり恐縮ですが、ご確認いただけますと幸いです。
- 業務再開までに多少お時間をいただく場合がございます。ご理解のほど、よろしくお願い申し上げます。
- ご迷惑をおかけしないよう、社内体制の強化に努めております。
- お時間を頂戴し申し訳ありませんが、何卒よろしくお願いいたします。
- 何かご不明な点が生じましたら、いつでもご連絡くださいませ。
- 今後とも変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。
- 皆様に安心してご利用いただけるよう、努力を重ねてまいります。
「起こる」と「生じる」の間違えた使い方は?
解説:カジュアルなメールや日常会話で「生じる」を多用すると、やや堅苦しく不自然な印象を与えます。また、「起こる」は公式な書類や説明文で使うと、曖昧な印象や軽いニュアンスになりやすいので注意しましょう。
- 日常会話で「遅延が生じました」と言うと、不自然に堅く感じられることがある。
- 公式な報告書で「問題が起こりました」と書くと、責任や原因が曖昧なまま伝わる恐れがある。
- カジュアルな場面で「新たな課題が生じてしまいました」と言うと、重たすぎる印象を与えてしまう。
- 技術説明で「故障が起こった」と書くと、原因やメカニズムが明確に伝わらない場合がある。
- 上司や取引先への正式なメールで「起こる」を多用すると、ビジネス文書の信頼感が損なわれることがある。
英語だと違いはある?
「起こる」の英語での意味
「起こる」は、英語では「happen」「occur」「take place」などが該当します。「happen」は日常的で自然な出来事やトラブルについて広く使えます。「occur」はややかたく、レポートや正式な説明文で多用されます。
「生じる」の英語での意味
「生じる」は「arise」「result」「occur」「emerge」など、原因やプロセスを強調したい場合に使われます。特に「arise」は、「問題が生じる」=「A problem may arise」といったふうに、より堅い説明やビジネス文書に使われやすいです。「result from〜」は原因をはっきり説明する際に便利です。
目上にも使える丁寧な言い回し方は?
「生じる」を丁寧に伝える方法
目上の方や取引先に状況を伝える場合は、「生じる」を直接使うよりも、「〜が確認されました」「〜が発覚いたしました」「〜が発生しております」など、やややわらかく伝える言い方もおすすめです。さらに、「ご迷惑をおかけし申し訳ありません」「ご理解のほどお願い申し上げます」などの気遣いも添えると丁寧です。
「起こる」を丁寧に伝える方法
「起こる」の代わりに、「〜がございました」「〜が確認されました」「〜が明らかになりました」などを使うことで、柔らかく丁寧な印象になります。特に、報告や謝罪の際は、相手の立場を考えて丁寧な語尾や一文を添えることで、より信頼感を持ってもらえます。
メール例文集
- ご連絡いただきありがとうございます。新たな問題が生じてしまい、ご迷惑をおかけしております。迅速に対応いたしますので、ご安心ください。
- 先ほど確認したところ、想定外の遅延が生じていることが判明いたしました。ご理解のほどお願い申し上げます。
- お問い合わせの件につきましては、ただいま担当部署にて原因を調査中でございます。
- ご依頼の内容について、業務上のトラブルが生じてしまいました。復旧まで今しばらくお待ちください。
- 追加で発生する費用につきまして、詳細が分かり次第、速やかにご連絡差し上げます。
- 現在、システム障害が生じており、復旧作業を進めております。進捗は随時お知らせいたします。
- 急なご案内となり誠に恐縮ですが、予期せぬ事態が生じております。
- ご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。今後の対策についてご説明させていただきます。
- 何かご不明な点が生じました際は、遠慮なくお知らせください。
- 今後とも、安心してご利用いただけるよう、万全の体制で対応してまいります。
まとめ:「起こる」「生じる」相手に送る際・伝え方の注意点・まとめ
「起こる」と「生じる」は、どちらも何かが新たに現れる、発生するという意味で使われますが、そのニュアンスや適した場面には明確な違いがあります。「起こる」は、やわらかく幅広い出来事に使える一方で、ややカジュアルな印象を持っています。日常会話や簡単な連絡、あるいは相手との距離が近い時には便利ですが、公式なビジネス文書や重要な連絡では「曖昧」または「軽い」印象を持たれることもあります。
一方、「生じる」は、原因や背景をしっかり説明したい、または論理的に物事をまとめたい時にぴったりの表現です。公式なメールや報告書、契約書、説明資料など、相手にしっかりと伝えるべき場面では「生じる」を選ぶことで、客観性や信頼感が高まります。ただし、日常会話や親しい相手への連絡で多用すると、堅苦しく不自然な印象になりやすいため、使う場面には気を配りましょう。
また、どちらの言葉を使う場合でも、相手が目上の方や取引先である場合には、単に「起こる」「生じる」と述べるだけでなく、状況の説明やお詫び、今後の対応方針などもあわせて伝えることで、より信頼感や安心感を持ってもらえます。
言葉選びは、相手との関係やその時の状況、伝えたい内容によって慎重に考えることが大切です。より伝わりやすく、誤解のないコミュニケーションのために、適切な表現を心がけてください。相手に合わせて言葉を選ぶことで、信頼される関係を築くことができるでしょう。