「当事者」と「関係者」との違いは?一般での会話やビジネスメールでの使い分けは?例文を添えて解説

「当事者」と「関係者」の違い・意味の違いは?

「当事者」の意味と使い方

「当事者」とは、ある出来事や問題、契約などに直接かかわり、その中心にいる人物や組織を指します。つまり、その事柄について一番大きな影響や責任を持っている人が「当事者」です。例えば、契約を結ぶ際の「当事者」は、実際に契約書に署名し、契約内容に対して権利や義務を持つ人や企業を指します。

この「当事者」は、トラブルや事件、交渉ごとなどでもよく使われ、話題の中心となる本人や、その直接利害が及ぶ範囲の方々です。第三者や周囲の人とは区別され、「その問題について一番の当人」と言い換えてもよいでしょう。

また、ビジネスの場面においても「当事者意識」という言葉が使われるように、「自分がこの出来事の中心だ」という主体的な姿勢も含まれています。

ビジネス用語としての「当事者」の説明

ビジネスシーンで「当事者」という言葉は、特にプロジェクトや交渉、契約書作成など、さまざまな場面で用いられます。例えば、「本件の当事者は誰か」「当事者同士で協議を行う」といった形で使われますが、これはその業務や案件について最終的な判断や責任を負う人や組織を明確にするためです。

「当事者」を明確にしておくことで、責任の所在がはっきりし、業務の進行やトラブル発生時の対応がスムーズに行えます。特にプロジェクトマネジメントや契約交渉など、複数の部署や企業が関わる場面では、「当事者が誰か」を明文化しておくことで、トラブルを未然に防ぐことにもつながります。

また、社員同士の協力や責任意識を高めるうえでも「当事者意識を持つこと」は重要視されます。「自分は部外者だから関係ない」ではなく、「自分が中心となってこの業務を進める」という意識を持つことで、主体的な行動や建設的な議論が促され、結果的に組織全体の成果向上にもつながります。

  • 「当事者」は、その事柄や案件の中心に立ち、責任や権利を持つ人・組織
  • 事件・契約・交渉・トラブルなどの「中心」にいる存在
  • ビジネス上では、責任者や担当者、最終的な判断を下す人を明確にするために使う
  • 「当事者意識」は、自分ごととして主体的に取り組む姿勢を指す

「関係者」の意味と使い方

一方で、「関係者」とは、その出来事や案件、問題などに何らかのかたちで関わりを持つ全ての人や組織を広く指します。「当事者」と比べると、その中心ではない場合でも、直接・間接的に関与している人が含まれます。

たとえば、あるイベントで「関係者にお知らせします」と言えば、そのイベントの運営スタッフや協力企業、取引先、サポートメンバーなど「運営に関わるすべての人」が対象となります。また、会社のトラブルや事故が起こった際、「関係者にご連絡ください」となれば、被害を受けた本人以外にも、その部署や関連部門のスタッフ、管理者、担当役員など、広く「その件に関わる人」が含まれます。

ビジネス用語としての「関係者」の説明

ビジネスにおいて「関係者」という言葉は、さまざまな場面で使用されます。特に大きなプロジェクトや組織内外の協力が求められる業務で、各部署の担当者、取引先企業、協力会社、委託業者、そして必要な場合は関連する行政機関まで、幅広く「関係者」とされます。

この言葉を使うことで、「この出来事に直接かかわっているわけではないが、何らかの影響や利害関係がある人」を網羅的に表現できます。そのため、緊急時の連絡網や通知、説明会への招集、資料共有の際にもよく使われます。

また、「関係者の承認が必要です」「関係者と調整してください」といった形で業務を進める際には、より広い範囲の人たちとの合意や連携が求められることを示しています。

  • 「関係者」は、その出来事に直接・間接的に関わる全ての人・組織を含む
  • 中心ではなくても、何らかの影響や責任、利害が生じる人を広く指す
  • 社内外の多くの部署や協力会社も「関係者」とされる
  • ビジネスでは通知や調整、合意形成などで重要な役割を担う

まとめ

  • 「当事者」は中心となる人・組織(直接の責任や権利を持つ)
  • 「関係者」は広く、その事柄にかかわる全員(直接・間接問わず含む)
  • ビジネスでは、責任の明確化や連絡・調整範囲の違いで使い分ける必要がある

「当事者」と「関係者」の一般的な使い方は?

当事者と関係者の言葉の使い方について、日本語でよく使われる例を紹介します。

  1. 問題が発生した際は、まず当事者から事情を聴取してください。
  2. 契約内容については、当事者同士で最終確認をお願いします。
  3. 会議には、関係者全員の参加が必要です。
  4. 関係者への連絡は、担当者が一括して行ってください。
  5. 事故が起きた場合、当事者と関係者の区別をはっきりさせて対応します。

「当事者」が使われる場面

ビジネスやメールでの使い分けについて

当事者が使われるのは、トラブルや契約、責任問題が生じた場合に「その中心となる人や組織」を明確にする必要がある時です。たとえば、事故やトラブルが発生した場合、まずは当事者から事実関係を確認することが重要です。これは「誰が一番深く関わっているか」を明らかにするためです。

また、契約交渉や合意文書の作成でも、「当事者」間で直接協議や調整を行うことが一般的です。ここで関係者という言葉を使うと、責任が曖昧になってしまう恐れがあるため、当事者と明確に使い分けることが大切です。

間違えないように使い分けるには、当事者は「直接その出来事や責任にかかわる人」、関係者は「間接的でも何らかのかたちで関与している人」と意識して使い分けると良いでしょう。

当事者・関係者を言い換えて失礼がない伝え方

大切な相手や目上、取引先に送る際の失礼がない自然な表現を紹介します。

  • 本件に直接かかわっておられる皆さまに、まずは深くお詫び申し上げます。
  • 関連する皆さまにご迷惑をおかけしておりますこと、心よりお詫び申し上げます。
  • ご担当いただいている皆さまに、改めて感謝申し上げます。
  • ご協力いただいております全ての皆さまへ、厚く御礼申し上げます。
  • 事案の中心に立たれている皆さまへ、今後のご対応についてご連絡差し上げます。
  • この度の件につきましては、特にご負担をおかけしております皆さまに、重ねてお礼申し上げます。
  • 事柄の関係者の皆さまには、多大なご理解とご協力を賜り、誠にありがとうございます。
  • 本件の当事となる皆さまに、詳細なご説明を行う機会を設けさせていただきます。
  • 本件の解決に向けて、ご尽力いただいている皆さまへ敬意を表します。
  • 業務にご協力くださっている皆さまに、今後ともご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます。

「当事者」と「関係者」の間違えた使い方は?

まず、誤った使い方の代表的な例を解説し、その後に自然な日本語での具体例を紹介します。

「当事者」と「関係者」は似たように使われることが多いですが、「当事者」でなければ責任の範囲が違います。関係者全員が当事者になるわけではなく、逆も同じです。そのため、「全員が当事者」として扱うと、責任の所在が曖昧になります。

  1. 契約書にサインしたのは関係者です。
    (実際には「当事者」がサインします。)
  2. 事故の当事者全員にメールを送りましたが、実際は間接的な関係者にも送ってしまいました。
  3. 問題が発生した時、関係者同士で直接解決してくださいと言いました。
    (責任の所在を明確にするには「当事者同士」とすべきです。)
  4. 本件の関係者から意見を聞いたので、これで当事者の意見も揃いました。
    (関係者全体の意見=当事者の意見ではありません。)
  5. 当事者でないにもかかわらず、会議に呼ばれたので困惑しました。

英語だと違いはある?

当事者と関係者の英語表現の違い

英語でも「当事者」と「関係者」には明確な違いがあります。

「当事者」は主に”party”や”principal”と訳されます。法律や契約関係では”party to a contract”のように使い、責任や権利を持つ人や団体を指します。

一方、「関係者」は”stakeholder”や”concerned parties”、”related parties”と表現します。これは直接的な中心ではなく、何らかのかたちでその件に関わっている人全体を広く指す言葉です。

特に”stakeholder”はビジネスやプロジェクト管理の場でよく使われ、社員、顧客、取引先、地域社会など幅広い関係する人々を含めます。

  • “party”は「当事者」
  • “stakeholder”や”concerned parties”は「関係者」

目上にも使える丁寧な言い回し方は?

丁寧な言い回しと注意点

目上や取引先、外部の大切な方に送る場合、当事者・関係者という言葉に「皆さま」「ご担当」「ご協力いただいている」などの丁寧な語尾や前置きをつけることで、より配慮のある伝え方となります。

たとえば、「当事者の皆さまには」「関係する皆さまにおかれましては」など、相手への敬意を含めることが大切です。加えて、「ご迷惑をおかけしておりますこと」「ご理解ご協力を賜りますよう」などの定型句も添えることで、より丁寧で温かみのある伝達になります。

また、単に「当事者」「関係者」という呼称だけでなく、相手の役割や立場に触れながら伝えることで、特に失礼のない印象となります。

メール例文集

  • この度は本件においてご迷惑をおかけし、当事者の皆さまには心よりお詫び申し上げます。
  • 本件に関係する皆さまには、改めてご案内させていただきますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
  • 当事者間での合意が必要となりますため、関係各位には今しばらくお待ちいただきますようお願い申し上げます。
  • 関係する部署の皆さまへ、本日の会議内容についてご報告申し上げます。
  • この度の件に関しまして、当事者となる皆さまにご相談させていただきたく、ご連絡差し上げました。
  • 関係者の皆さまには、迅速なご対応をいただきまして誠にありがとうございます。
  • 本件は当事者の間で協議が整い次第、改めてご報告いたします。
  • 関係する皆さまにはご理解とご協力を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
  • 今回の案件につきまして、当事者の皆さまへ詳細をご説明させていただく機会を設けます。
  • 関係各位にはご多用のところ恐縮ですが、引き続きのご協力をお願い申し上げます。

「当事者」と「関係者」相手に送る際・伝え方の注意点・まとめ

当事者と関係者は、どちらもビジネスや日常会話で頻繁に使われる言葉ですが、その意味や使い方には明確な違いがあります。特に責任や役割を明確にしたい場合には「当事者」を、広くかかわりがある場合には「関係者」を使うことで、伝えたい内容が正確になり、誤解やトラブルを防ぐことができます。

また、目上や取引先へ送る際には、単なる呼称で終わらせず「皆さま」「ご担当」「ご協力」などの言葉を添えたり、迷惑や感謝、配慮の言葉を加えることで、より丁寧で信頼感のある伝え方が可能です。

一方で、「当事者」と「関係者」を間違えて使うと、責任の所在が不明確になったり、相手に不要な負担や誤解を与えることがあります。そのため、業務連絡や重要な場面では、どちらの立場であるかを明確に意識して、丁寧な言葉選びを心がけることが大切です。

さらに、英語でもこの区別は重要視されています。グローバルなビジネス環境や多国籍チームとのやりとりでは、”party”や”stakeholder”など、それぞれの意味をしっかり理解して使い分けることで、よりスムーズなコミュニケーションが実現します。

日常会話でもビジネスメールでも、相手の立場を尊重しながら適切な言葉を選ぶことで、信頼関係を築き、円滑なやりとりにつなげていくことができます。相手の役割や状況を意識して、「当事者」「関係者」という言葉の使い方を工夫すると、より誠実で思いやりのあるコミュニケーションが実現できるでしょう。