「一般的」と「概して」の違い?使い分けは?
「一般的」と「概して」は、どちらも「多くの場合に当てはまる」「全体を大まかにまとめる」という意味合いで使われることが多いですが、実は細かなニュアンスや使いどころに違いがあります。会話やビジネスメールでの印象や伝わり方も異なってくるため、それぞれの特徴をしっかりと理解し、適切に使い分けることが大切です。
一般的の意味とビジネス用語としての説明
「一般的」は、「多くの場合に当てはまる」「多くの人がそうしている」「標準的・平均的である」といった意味を持つ言葉です。何かを説明するときに「例外はあるが、大多数のケースで見られる」「標準的な考えややり方」として使われます。
ビジネスの場では、「一般的な方法」「一般的な意見」「一般的な傾向」など、標準や慣習、または広く受け入れられているやり方を伝えたい場合によく使います。相手に対して「これは特殊なケースではなく、多くの場合に通じる話ですよ」と柔らかく伝えられるので、提案や説明時にも便利です。
まとめると、「一般的」の特徴は以下の通りです。
- 多くの人や場合に当てはまるが、例外も含まれる
- 標準的、平均的、慣例的な意味合いがある
- ビジネスでは、客観的な説明や広く認識されている内容の補足に役立つ
- 具体的な内容や手順、方法論の説明時によく用いられる
「一般的」を使うことで、「誰にでも分かりやすい」「普通はこうですよ」といった安心感や客観性を相手に伝えることができます。
概しての意味とビジネス用語としての説明
「概して」は、「全体的に見て」「大まかにまとめると」「大体の場合は」といった意味合いで使われる言葉です。何かを細かく見ず、全体の傾向や大筋でどうかを述べたいときに使います。例外や細かい違いがあることを認めつつも、総合的に判断して「おおむねこうである」とまとめたい時に用いられます。
ビジネスの場面では、「概して好評です」「概してこの傾向が強いです」など、個々の違いを強調しすぎず、全体としての傾向や評価をざっくりと伝えたい場合に使います。報告書や会議、説明の場面で「細かい数字はさておき、全体としての流れはこうですよ」と総括するニュアンスになります。
- 全体を大きくまとめた時の傾向や評価を示す
- 例外や個別の違いを許容した上で「大体こうだ」と言いたい場合に使う
- ビジネスでは全体の流れや大筋を要約したり、印象や総評を伝える時に便利
- 客観的というより、まとめや総括に適している
「概して」を使うと、「細かい違いはあるが、全体としてはこう考えてよい」という柔らかい印象を与えることができます。
「一般的」と「概して」のビジネスでの違いまとめ
- 一般的:広く多くの人や場合に当てはまる、標準や慣習を示す言葉
- 概して:個々の違いはあっても、全体としてはおおむねこうだとまとめる言葉
- 一般的は「多くの場合こうです」と伝え、概しては「全体を見て大体こうです」と伝える
「一般的」と「概して」の使い方は?
日常会話やビジネスメールで「一般的」と「概して」は次のように使われます。
- 一般的に、その方法がよく採用されています
- 一般的には、この考え方が主流です
- 一般的なやり方で進めて問題ありません
- 一般的な傾向として、若い人が多く参加しています
- 一般的な認識として、これが標準です
- 概して、プロジェクトは順調に進行しています
- 概して、社員の満足度は高いといえます
- 概して、今年の売上は堅調でした
- 概して、お客様から良い評価をいただいております
- 概して、全体の傾向として上昇しています
概してが使われる場面
「概して」は、個々に細かな差や例外があることを理解しつつ、「全体を見ればおおむねこうだ」とまとめたい時に活躍します。ビジネスメールや会話では、報告や評価のまとめ、大枠での説明をしたい場合に適しています。
たとえば、
- 月ごとの売上や顧客の反応が多少異なっていても、年間を通してみれば「概して好調だった」とまとめられる
- 社員それぞれ満足度にばらつきがあっても、全体的に見れば「概して高い」と言える
間違えないように使い分けるポイントは、「標準や平均」を伝えたいなら一般的、「全体の流れや大まかな印象」を伝えたいなら概してを選ぶことです。
失礼がない使い方・丁寧な言い換え例
相手が目上や取引先の場合、「一般的」や「概して」を使うときは、より丁寧な言い回しを意識すると印象が良くなります。
- 多くの場合に当てはまる方法を採用しております
- 広く用いられている手順で進行いたします
- 多くのお客様にご支持いただいているやり方です
- 皆さまに分かりやすい方法をご案内いたします
- ほとんどの場面でご利用いただける内容です
- 全体として見れば、順調に推移しております
- おおむねご期待に沿える結果となりました
- 大まかに申し上げますと、好評をいただいております
- 総合的に評価いたしますと、満足度が高いと考えております
- 全体的な傾向として良好な状況です
- 多くの方にご利用いただいている方法を選定しております
- 大きな流れで見れば、前向きな結果を得ております
- 全体を通じて、良好なご反応をいただいております
- お客様の多くが満足されていると存じます
- 全体を俯瞰しても、課題は少ない状況です
- 幅広く受け入れられている内容でございます
- 総じて良い方向に進んでおります
- さまざまなケースを含めて、大きな問題は発生しておりません
- 皆さまのご協力により、全体的に安定した進行ができております
- 多くのご要望にお応えできるよう努めております
「一般的」と「概して」の間違えた使い方は?
「一般的」は標準や大多数の意味なので、少数派や特殊な場合に使うと不自然です。一方、「概して」は全体をまとめる言葉なので、個々の細かい事情や具体的な指示を説明したい時には合いません。
- この特殊な方法は一般的です(特別なものを「一般的」と呼ぶのは誤り)
- 概して、そのやり方が普通です(「概して」は大まかなまとめなので、「普通」の説明には向かない)
- 一般的に、全体的な傾向はこうです(全体的な傾向をまとめたい場合は「概して」が自然)
- 概して、皆さんがこの方法を選んでいます(具体的な人数や割合が分かっている場合は「一般的」が適切)
- 一般的な印象として、おおむね良好です(「おおむね」は「概して」と同じ意味なので、やや重複表現になる)
一般的と概しては英語でどう違う?
一般的の英語での説明
「一般的」は「general」「common」「typical」「standard」などが対応します。「一般的な方法」は「general method」「common way」など。「広く当てはまる」「標準的」といった意味合いを強調します。
概しての英語での説明
「概して」は「overall」「generally」「on the whole」「in general」などが対応します。たとえば「Overall, the results were positive.(概して、結果は良好でした)」「On the whole, customers are satisfied.(概して、顧客は満足している)」のように、全体をまとめて伝える場合に用います。
目上にも使える丁寧な言い回し方は?
一般的を丁寧に伝える場合
「多くの場合に当てはまる」「標準的」といった言葉に言い換えることで、より丁寧に印象よく伝えられます。
- 多くの方に支持されている方法を採用しております
- 幅広い場面でご活用いただける手順です
- 標準的な方法に沿って進行させていただきます
概してを丁寧に伝える場合
「全体を通して」「おおむね」「総合的に」といった言い回しを用いると、上品で柔らかな印象になります。
- 全体的に見て、順調に進んでおります
- 総合的に判断いたしまして、好評をいただいております
- おおむねご満足いただけている状況です
メール例文集
- いつもご利用いただき、誠にありがとうございます。多くのお客様に支持されている一般的な方法でご案内いたしますので、どうぞご安心ください。
- 標準的な手順に沿って作業を進めてまいります。ご不明な点がございましたらご相談ください。
- 全体を通じて大きな問題は発生しておりませんので、ご安心いただければ幸いです。
- おおむねご期待に沿える内容となっておりますが、ご要望がございましたらご指摘ください。
- 総合的に判断いたしましても、良好な評価をいただいております。
- 多くの方にご利用いただいている手順で、今後もご案内いたします。
- 全体的な傾向として、前向きな進捗が見られます。
- 皆さまのご協力により、一般的な流れに沿って円滑に進行しております。
- 総じて前向きなご意見を多く頂戴しております。
- おおまかな傾向といたしましては、今後も安定したご利用が期待できます。
「一般的」と「概して」を相手に送る際・伝え方の注意点・まとめ
「一般的」と「概して」は、どちらも「多くの場合」「全体として」といったニュアンスを含んでいますが、その用途や伝わる印象には明確な違いがあります。「一般的」は「大多数に当てはまる」「標準的・平均的」という説明や手順、方針に向いており、「多くの人がこうしています」と具体的な事実や慣習を伝える時に効果的です。一方、「概して」は「全体的にまとめる」「大枠で評価する」といった総括や印象、傾向の説明に向いており、「個別の違いはあるが、大筋ではこうです」と柔らかく全体像を伝えたい時に便利です。
メールや会話で使う際は、それぞれの言葉の特徴を理解し、内容に合わせて適切に選ぶことが大切です。特にビジネスメールでは、「一般的」は客観的な説明や標準を伝える時、「概して」は報告や全体的な傾向のまとめを伝える時に使い分けると、相手に分かりやすく誤解のない印象を与えられます。また、目上の方や取引先へのやりとりでは、より丁寧で柔らかい言い回しや補足を心がけると、信頼感と安心感につながります。
正しい使い分けを身につけ、場面に合わせて工夫することで、よりスムーズなコミュニケーションが実現します。どちらも便利な言葉ですが、相手に伝わる印象まで意識して使えると、より一歩進んだやりとりが可能になります。