「厳密」と「厳格」との違いは?一般での会話やビジネスメールでの使い分けは?例文を添えて解説

「厳密」と「厳格」の違い?使い分けは?

「厳密」と「厳格」は、どちらも「厳しい」「しっかりしている」といった意味で日常会話やビジネスメールで使われる日本語ですが、それぞれの言葉が持つ本来のニュアンスや使われる場面にははっきりとした違いがあります。この違いを理解していると、より伝わる表現や信頼感のある文章が書けるようになります。以下、それぞれの特徴や適切な使い分けについて詳しく解説します。

ビジネス用語としての「厳密」の説明

「厳密」とは、物事を細かく、誤差や曖昧さなく、正確に捉えることや、論理やルール、基準に一切の曖昧さを許さずきちんと適合させることを意味します。たとえば「厳密な意味では~」「厳密に言うと」「厳密な定義」「厳密な管理」など、物事を曖昧にせずに「細かく正確」に扱いたい時に使います。

ビジネスでは、例えば「計算結果を厳密に確認する」「契約条件を厳密にチェックする」「データを厳密に分析する」といったように、数字・定義・手順・ロジックなど、少しでも誤りや曖昧さがあっては困る場面で多用されます。「厳密」は、感覚や印象で済ませるのではなく、“事実としてどれだけ正確か・どこまで細部まで合致しているか”を重視する姿勢です。

また、「厳密」は「事実・理論・科学・規格・定義」など、客観的なものを正確に扱うときに最適な言葉であり、人の態度や規律というより「情報・内容・基準の正確さ」にフォーカスします。

【まとめ】

  • 物事を細かく正確に捉え、誤差や曖昧さを一切許さないこと
  • 数値、定義、理論、手順など「正確性・精密さ」を強調
  • 科学・技術・契約・分析・チェックなど、事実や基準が大事な分野で多用
  • 「細部まで誤りなく正しいか」を重視したい場面で最適

ビジネス用語としての「厳格」の説明

「厳格」とは、規則や基準、ルール、規律などを厳しく守り、甘さやゆるみを許さず、しっかりとした態度や運用をすることを指します。たとえば「厳格なルール」「厳格な管理」「厳格な指導」「厳格な規制」など、人や運用の“態度”や“管理の厳しさ”に関わる場面で使われます。

ビジネス現場では、「労務管理を厳格に運用する」「機密情報の取り扱いを厳格に管理する」「厳格な審査基準を設ける」といったように、「決められた規則や基準をしっかり守る姿勢」や「規律正しく、甘さや妥協がない運用・判断」が求められる場面で使います。

「厳格」は、「厳密」と違い、“どれだけ正確か”よりも「ルール・規律・基準を妥協なくしっかり守る」という運用面や人の態度、仕組みの運用そのものに重きが置かれています。
また、人の性格や組織風土、指導・教育などに関しても「厳格な人」「厳格な社風」など、融通がきかず、甘やかさない、規律を守らせるという意味で使われます。

【まとめ】

  • 規則・基準・ルールを甘さなく厳しく守ること
  • 管理・運用・審査・指導など“運用面や態度”の厳しさが中心
  • 人の性格や組織・体制のあり方、社風や教育方針などにも使う
  • 「ゆるみなく規律を徹底したい」場面で最適

【両者の違いまとめ】

  • 「厳密」=内容や定義・数値・事実の「正確さ」や「精密さ」を重視
  • 「厳格」=ルールや基準、態度、運用などの「厳しさ」「妥協のなさ」「規律」を重視
  • 「厳密」は“正確であること”、“厳格”は“厳しい運用・守り方・態度”
  • ビジネスでは「厳密」=分析・検証・契約・定義、「厳格」=管理・運用・規律・社風

「厳密」と「厳格」の一般的な使い方は?

【厳密】

  • この数字は細かく計算し直す必要がある。
  • ルールの内容をしっかり確認する必要がある。
  • 用語の意味をしっかり理解しておくことが重要です。
  • 記録内容が正確か細かくチェックしています。
  • どこまで正確かを重視して取り扱っています。

【厳格】

  • 規則を厳しく守ることが求められます。
  • 管理体制をゆるめることなく運用しています。
  • 社内のルールを徹底して守らせています。
  • 厳しいチェック体制で品質を保っています。
  • 指導方針をしっかりと貫いています。

「厳密」が使われる場面

「厳密」は、数字や契約、理論、手順、定義など「事実や情報の正確さ」を強調したいとき、たとえば「厳密な意味では違いがある」「厳密な定義が必要」「厳密にデータを検証する」などの表現がよく使われます。

「厳格」は、規則や管理、運用、社風、教育など「ルールや規律を甘やかさずしっかり守る」ことを強調したいとき、「厳格な態度」「厳格な指導」「厳格な管理体制」などの表現に適しています。

【使い分けのコツ】

  • 数字・内容・定義などの正確さ→厳密
  • 規則・基準・管理・態度の厳しさ→厳格
  • 迷った時は「何を厳しくするのか?(正確さか?運用・態度か?)」で判断

失礼がない使い方

目上の方や取引先、ビジネスメールなどで「厳密」「厳格」を使う場合は、配慮と丁寧さのある表現が大切です。

  • 本件につきましては、細部まで誤りがないよう内容をしっかり確認いたしました。
  • ご提出いただいた資料については、定義や数値の正確性をしっかり精査いたします。
  • 契約書の文言を細かく検証し、少しの曖昧さもないよう努めております。
  • 業務手順の確認に際しては、事実関係を正確に把握することを心掛けております。
  • データ分析については、細かな誤差にも注意を払い、正確性を重視しております。
  • 機密情報の管理につきましては、ルールを一切ゆるめず厳しい体制で運用しております。
  • 品質管理の現場では、基準を厳しく定めて徹底しております。
  • 労務管理においては、規則を甘くせずしっかりと守る体制を築いております。
  • 社内の教育方針は、妥協なくしっかりとしたものを貫いております。
  • 取引に際しては、ルールや約束を厳しく守る姿勢を大切にしております。
  • 新たな基準策定にあたり、内容の正確さに細心の注意を払っております。
  • 社内ルールは厳しく運用し、妥協を許さない体制を整えております。
  • ご提出いただいた契約内容は、定義の曖昧さがないよう丁寧に確認いたします。
  • 新しい運用体制については、管理の厳しさと正確さの両立を目指しております。
  • 今後も情報の正確さとルール遵守を徹底してまいりますので、ご安心いただければ幸いです。

英語だと違いはある?

英語にも「厳密」「厳格」に近い言葉があり、それぞれのニュアンスが使い分けられています。

英語における「厳密」の説明

「厳密」に近い英語は「strictly」「exactly」「precisely」「accurately」「in detail」などです。たとえば、「precisely speaking(厳密に言うと)」「an exact definition(厳密な定義)」など、事実や内容の正確さや精密さを強調する表現となります。

英語における「厳格」の説明

「厳格」に近い英語は「strict」「rigorous」「stringent」「disciplinary」などです。たとえば、「strict rules(厳格な規則)」「rigorous management(厳格な管理)」のように、ルールや運用の厳しさ、規律を強調したいときに使われます。

【英語での違いまとめ】

  • 「厳密」= strictly, exactly, precisely, accurately(正確さ・細部の正しさ)
  • 「厳格」= strict, rigorous, stringent, disciplinary(厳しい運用・規律)

メール例文集

  • ご指摘いただいた箇所については、内容の正確さを重視し、細かく確認いたしました。
  • 管理体制はルールを一切ゆるめることなく、厳しく運用しておりますのでご安心ください。
  • 新しい基準の策定にあたっては、定義の厳密さに注意を払っております。
  • 社内の労務管理は厳格に行い、すべての規則を徹底して守っております。
  • 契約条件については曖昧さを排除し、細部まで厳密にチェックしております。
  • 品質基準は厳格に定めて運用しております。
  • データの分析にあたり、正確さに細心の注意を払っております。
  • 新制度は規律をゆるめず、厳格な運用を目指しております。
  • ご提出いただいた資料については、定義や内容の正確性をしっかり確認いたします。
  • 規則違反には厳格に対応しておりますので、あらかじめご了承ください。

「厳密」と「厳格」相手に送る際・伝え方の注意点・まとめ

「厳密」と「厳格」は、どちらも「きちんとしている」や「間違いを許さない」という意味合いを持っていますが、その焦点や使うべき場面は大きく異なります。「厳密」は、内容や数字、定義、事実などの“正確さ・細かさ”を強調したい時に最適で、情報の精度や科学的な分析、契約や手順の確認など、間違いが許されない分野で力を発揮する言葉です。

一方、「厳格」は、ルールや規則、管理・運用・社風、態度などの“妥協のなさ・規律の厳しさ”を強調したい場面に適しています。人や組織の運用方針、指導体制、品質管理など、「しっかりとルールを守る・厳しく管理する」ことが必要な場面で用いると、相手に信頼感や安心感を与えることができます。

ビジネスや日常での使い分けは、「何について“厳しい”のか?」に注目し、「正確さ」なら厳密、「ルールや管理の厳しさ」なら厳格を選びましょう。どちらも伝え方や言い回しに丁寧さや配慮を忘れず、相手にとって分かりやすく、信頼されるコミュニケーションを心がけることが大切です。

今後もこの違いを意識し、場面や相手に合わせて的確に使い分けることで、より良い伝達と信頼構築につながるでしょう。