職業と職種の違いは?
まず、「職業」という言葉はとても幅広く使われています。職業とは、社会の中で生計を立てるために継続的に従事する仕事の総称です。一般的には、「医師」「教師」「会社員」「公務員」「農家」など、収入を得て生活を成り立たせるための活動そのものを指します。この職業には、具体的な業種や仕事内容が含まれていて、人々がどのような形で社会に関わり、どのようにして対価を得ているかを大きな枠で説明する言葉です。
職業には、その人の人生における社会的役割や、生活の基盤となる仕事という側面もあります。つまり、職業はその人の社会的な立場を示す一種の肩書きとして使われることが多いのです。
職種とは何か
一方、「職種」は、職業よりもさらに細かい分類になります。職種とは、同じ職業の中でも仕事内容や役割によって分けられる細分化された区分を指します。たとえば、「会社員」という職業の中でも、「営業」「経理」「人事」「開発」「総務」などの職種があります。つまり、職業はその人の全体的な仕事の大枠を示し、職種はその中で担当している具体的な業務内容や専門分野を表します。
また、職種は転職活動や求人票などでよく使われ、募集要項や求人票に記載されている「募集職種」は、どのような仕事内容を担当するのか、どんなスキルや経験が必要とされるのかを明確に示すものです。求職者は自分の希望やスキルに合った職種を選びやすくなります。
ビジネス用語としての「職業」と「職種」
ビジネスでの「職業」の意味
ビジネスの場面で「職業」という言葉が使われる時は、個人がどのような社会的役割を持っているか、またはどの分野の仕事に従事しているかをざっくり示すことが多いです。会社の履歴書や面談、行政の書類などでは「あなたの職業は何ですか?」と問われることがありますが、ここで求められているのは、その人の社会的な肩書きや、どういった業界で働いているのかという大枠の情報です。
- 例えば、新卒採用のエントリーシートや面接の際に「なぜこの職業を志したのですか?」と質問される場合、自分がどういった業界や分野で働きたいのか、その動機や将来像を語る場面でよく使われます。
- 一方で、行政書類や統計調査、アンケートなどでも「職業」という項目があり、「自営業」「会社員」「パート・アルバイト」「学生」「専業主婦(夫)」などの選択肢が用意されていることが多いです。これは、社会全体を分析するための基礎的な情報として職業が利用されているからです。
ビジネスでの「職種」の意味
ビジネスの現場で「職種」はさらに重要なキーワードです。企業側は求人を出す際に、「営業職」「事務職」「技術職」「企画職」などのように細かく職種を分類して募集します。これは、求める人材がどんな業務を担当するのか明確にすることで、採用活動のミスマッチを防ぐためです。また、社員一人ひとりがどの職種に属しているかを明確にすることで、社内の人材配置やキャリアパス設計にも役立ちます。
- 職種ごとに必要とされるスキルや知識、経験が異なります。たとえば、営業職ではコミュニケーション能力や交渉力、事務職では正確な事務処理能力やパソコンスキル、技術職では専門的な知識や資格が必要になる場合があります。
- 近年ではIT分野や専門職種の多様化により、「WEBエンジニア」「データアナリスト」「カスタマーサクセス」「プロダクトマネージャー」など、より細かい職種分類が登場しています。求職者が自分の得意分野やキャリアを明確に選ぶ手助けになっています。
職業と職種のまとめ
- 職業は大きな枠組みであり、その人の社会的立場や業界を示す言葉。
- 職種はその中で担当している具体的な仕事の種類や役割を指す。
- ビジネスでは職種が求人や社内管理で重視され、職業は社会的役割や大枠での説明に使われる。
- 職種ごとに求められるスキルや経験が異なるため、希望や適性に合わせた選択が重要。
職業と職種の一般的な使い方は?
以下に職業と職種の一般的な使い方を例文でご紹介します。
- 私の職業は会社員ですが、職種は営業です。
- 父は医師という職業に就いていて、内科という職種を担当しています。
- 職業欄には自営業と書き、職種欄には飲食業と記載しました。
- 職業として公務員を選び、職種は市役所の窓口業務です。
- 職業は看護師で、現在は訪問看護という職種を担当しています。
職業が使われる場面
職業は、履歴書や自己紹介、各種申請書など、本人の社会的な立場や活動内容を問われる際によく使われます。例えば、面接や保険の申込書、統計調査などでも職業を答える必要があります。ビジネスの現場では、「御社でどのような職業の方が多いですか」や「異なる職業の人と交流することで視野が広がりました」といった使い方がなされます。
職種が使われる場面
職種は、就職活動や転職活動、社内の配属や異動、求人票など、より具体的な仕事内容を明らかにする場面でよく用いられます。企業側は「この職種を募集しています」と明示し、応募者は「希望職種を記載してください」と求められることが多いです。また、業務の分担や評価、キャリアアップの道筋を明確にするためにも、職種という区分が活用されています。
間違えないように使い分けるには?
職業はその人がどの業界や分野で働いているかという「大枠」を示すときに使い、職種はその中でどのような「業務」や「担当」をしているかという「詳細」を示すときに使います。たとえば、「私はIT業界で働いています」という場合は職業、「現在はエンジニアとしてアプリ開発を担当しています」という場合は職種に該当します。このように、使い分けを意識することで、相手に自分の役割や仕事の内容をより具体的に伝えることができます。
職業と職種を丁寧に伝える言い方・目上・取引先に送る場合
- お世話になっております。私は医療機関で勤務しており、職業は看護師でございます。担当職種は外来看護となります。
- いつもご指導いただき誠にありがとうございます。私の職業は会社員で、経理部門にて会計業務を担当しております。
- 平素より大変お世話になっております。現在は公務員として働いており、税務課に所属し窓口業務に従事しております。
- ご連絡いただき、誠にありがとうございます。私は自営業で飲食店を営んでおり、調理担当の職種でございます。
- いつも温かいご支援を賜り、心より感謝申し上げます。現在は教育機関に勤務し、職業は教師、学年主任という職種を担っております。
- 私は小売業に従事し、販売管理の業務を担当しております。日々お客様対応や商品管理に励んでおります。
- 現在はIT関連企業でソフトウェア開発に従事しております。プログラマーとして業務を行っております。
- 商社にて営業職として勤めております。国内外のお取引先様と日々交渉や提案活動を担当しております。
- 私は製造業で品質管理の仕事をしております。製品の検査や改善提案を行う職種でございます。
- 福祉施設にて介護業務に従事しており、ご利用者様の生活支援を担当しております。
- 現在は金融機関に勤務し、窓口業務を担当しております。お客様へのご案内や手続きが主な業務です。
- 教育現場にて教務担当として生徒指導やカリキュラム作成などの業務を担っております。
- 建設会社にて設計業務を担当しており、お客様のご要望に応じた図面作成などを行っております。
- 私は物流会社で配送管理の業務を担当しております。安全かつ効率的な配送を目指しております。
- 法律事務所にて事務職として書類作成や来客対応などの業務を行っております。
職業と職種の間違えた使い方は?
職業と職種は似ているようで意味が異なります。間違えやすいポイントを解説し、正しく伝えるための注意点をまとめます。
「職業」ではなく「職種」を答えてしまう場合
解説:大きな枠組みを問われているときに、担当業務のみ答えてしまうと全体像が伝わらないことがあります。
私は営業です。(→正しくは、会社員で営業職です。)
「職種」ではなく「職業」を答えてしまう場合
解説:業務内容の詳細を聞かれているのに、全体像だけを答えてしまうと具体性が不足します。
私は会社員です。(→正しくは、会社員で経理を担当しています。)
職業と職種を混同して使ってしまう場合
解説:職業と職種を区別せずに同じ意味で使うと、相手に誤解を与えてしまうことがあります。
私は医師職です。(→医師は職業で、内科医などが職種です。)
求人票や履歴書で職種欄に職業を書く場合
解説:職種欄には具体的な担当業務を書く必要があります。
職種:公務員(→正しくは、職種:窓口業務や技術職など)
アンケートや調査で職種と職業の欄を逆に記入する場合
解説:集計や分析の際に正確なデータが取れなくなってしまいます。
職業欄:営業 職種欄:会社員(→正しくは、職業欄:会社員 職種欄:営業)
職業と職種は英語だと違いはある?
職業の英語での表現
「職業」は英語で「occupation」「profession」「job」などと訳されます。
「occupation」は一般的にその人が生活のために行っている仕事全般を指します。履歴書やパスポートの申請書などでは「Occupation」と表記されることが多いです。「profession」は専門的な知識や資格が必要な職業を指し、「lawyer(弁護士)」や「doctor(医師)」など、専門職を表す時に使われます。「job」は日常的な意味での仕事や職を指します。
職種の英語での表現
「職種」は英語で「job category」「job type」「position」「role」「job title」などと訳されます。
「position」は会社内での役割や担当を示し、「job title」はその人の肩書きや役割を示すものです。例えば「Sales Manager(営業部長)」「Software Engineer(ソフトウェアエンジニア)」のように具体的な業務内容を伝えます。「job category」や「job type」は求人票などで、どのような業務区分かを示す時に用いられます。
職業と職種の目上にも使える丁寧な言い回し方は?
職業の丁寧な言い方
職業を丁寧に伝えるときは、なるべく敬語や丁寧語を使い、相手に失礼のないように心掛けましょう。例えば、「会社員として勤務しております」「医療機関で勤務しており、看護師でございます」などのように、自分の社会的立場を控えめに伝えることで、相手に誠実な印象を与えることができます。
職種の丁寧な言い方
職種を伝える際も、業務内容や担当部門をわかりやすく丁寧に伝えることが大切です。「営業部門にて業務を担当しております」「開発部門に所属し、システム開発を担当しております」など、具体的な業務と所属を添えて説明することで、相手に伝わりやすくなります。特に目上の方や取引先などに自己紹介や挨拶を行う際は、謙虚で礼儀正しい言葉遣いを心掛けましょう。
メール例文集
- いつも大変お世話になっております。私は御社とのやり取りを担当させていただいております営業職でございます。今後ともよろしくお願いいたします。
- 先日はご丁寧なご案内を賜り、誠にありがとうございます。私はIT部門に所属し、システム運用を担当しております。
- 平素よりご愛顧いただき、心より感謝申し上げます。私は現在、製造業に勤務し品質管理の業務を担当しております。
- この度はご連絡をいただき、誠にありがとうございます。私は物流業界で配送管理の仕事に従事しております。
- いつも温かいご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。私は現在、教育機関にて教務担当をさせていただいております。
- お世話になっております。私は金融機関で窓口業務を担当しており、お客様対応を主な業務としております。
- いつもご指導いただき、ありがとうございます。私は人事部で採用業務を担当しております。何卒よろしくお願いいたします。
- ご連絡いただき誠にありがとうございます。私は商社で海外取引を担当しております。今後ともよろしくお願いいたします。
- 平素より大変お世話になっております。私は法律事務所に勤務し、事務業務を担当しております。どうぞよろしくお願いいたします。
- いつもご高配を賜り、深く感謝申し上げます。私は自営業で飲食店を営んでおり、調理業務を主に担当しております。
職業と職種を相手に送る際・伝え方の注意点・まとめ
職業と職種は似ているようで意味が異なります。相手に分かりやすく、そして誤解を与えないように伝えるには、職業は「どの業界や分野で働いているか」という大枠、職種は「どのような担当や業務をしているか」という詳細で説明することが大切です。特に履歴書や自己紹介、ビジネスメール、求人応募などの場面では、職業と職種を正しく使い分けることで、自分の立場や強み、担当分野を相手に明確に伝えることができます。
また、目上の方や取引先への連絡やメールでは、丁寧な言葉遣いと分かりやすい説明を心掛けることで、誠実な印象を与えることができます。逆に、職業と職種を混同したり、簡潔すぎる説明になってしまうと、相手に誤解や不安を与える原因となってしまいます。
今後も職業と職種の違いを意識し、正しく使い分けることで、ビジネスの場面でも自分の役割や価値をしっかり伝えられるように心掛け
ましょう。どちらも相手への配慮を忘れずに、自分自身を丁寧に紹介することが、信頼されるビジネスパーソンへの第一歩となります。