ASAPとは?ビジネスでの意味・日本語での言い換え・言い回しての使い方と注意点
ASAPは、英語の “As Soon As Possible” を略した言葉で、日本語では「できるだけ早く」や「なるべく急いで」という意味になります。ビジネスの場面では非常によく使われる略語で、メールや会話の中で「ASAPで対応をお願いします」「ASAPでご返信いただけますか?」といった形で見かけることが多いです。
この言葉は一見便利で効率的に感じられるかもしれませんが、その使い方には十分注意が必要です。ASAPという言葉には、相手に「急いでほしい」というニュアンスが強く含まれており、受け取り方によっては「急かされている」と感じさせてしまうこともあります。特に、相手との関係性や置かれている状況を十分に配慮せずに使用すると、無遠慮に感じられてしまうリスクがあります。
たとえば、上司や取引先、お客様など、立場や関係性に気を配るべき相手に対して「ASAP」と略語で伝えるのは、ビジネスマナーの観点からも好ましくないと言えます。略語はカジュアルな印象を与えるため、真剣にお願いしているようには見えず、逆に失礼な印象を与えてしまう可能性があるからです。
その一方で、社内のやり取りや親しい同僚との会話では、ある程度理解が共有されているため、効率的に意思疎通を図る手段として使われることがあります。ただし、その際も一方的な依頼ではなく、「できればお急ぎで」や「ご都合の良い範囲で早めに」など、相手に対する配慮の言葉を添えることが大切です。
また、ASAPには具体的な期限が含まれていないため、相手によって解釈が異なるという問題もあります。「今日中に」「今すぐに」と受け取る人もいれば、「今週中に」という程度に考える人もいるため、緊急性をしっかり伝えたいのであれば、できるだけ具体的な期日を明示する方が安心です。
英語で言うと?
ASAPは英語ではそのまま “ASAP”(エイサップまたはエイエスエーピー)と読まれますが、ビジネス英語では “as soon as possible” とフルで書くほうが丁寧な印象を与えます。
まとめ
- ASAPは「できるだけ早く」という意味の略語
- 社内では使いやすいが、社外や目上の方には注意が必要
- 略語ゆえにカジュアルで軽い印象を与えやすい
- 相手の都合を考えずに使うと、無理を強いているように受け取られる可能性がある
- 緊急性を伝えたいなら具体的な期限を示すことが大切
- 英語圏でも丁寧さを求める場面ではフルで書くほうが望ましい
ASAPの言い換え・言い回しは?
- なるべく早く
- できるだけ急いで
- ご都合のつく範囲でお早めに
- 可能な限り早急に
- 急ぎでお願いできれば幸いです
ASAPが使われる場面
- 資料提出の締め切りが迫っているとき
- 上司からの急ぎの対応を求められたとき
- 社内でトラブルが発生し、早急な対応が必要なとき
- 顧客から即時対応を依頼された場合
- 他部署とのやり取りでタスクの優先順位が高いとき
ASAPを言い換えて失礼がない伝え方・目上・取引先に送る場合
- ご多忙のところ恐れ入りますが、可能な範囲で早めにご対応いただけますと幸いです。
(We would greatly appreciate it if you could kindly respond at your earliest convenience.) - 大変恐縮ですが、なるべく早いご確認をお願い申し上げます。
(We apologize for the urgency, but would appreciate your prompt review.) - ご都合のつく範囲で結構ですので、早めのご連絡をいただけますとありがたく存じます。
(We would be grateful if you could respond at your earliest availability.) - 急ぎのお願いとなり恐縮ですが、できる限り早めにご返信いただけますと助かります。
(We sincerely apologize for the urgency, and would appreciate a prompt reply if possible.) - 事情により早急な対応が必要な状況でございます。ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。
(Due to the circumstances, your prompt assistance would be greatly appreciated.)
ASAP・社内メールで言い換えて使用する例文
- できるだけ早くご対応をお願いいたします。
(Please handle this matter as quickly as possible.) - お急ぎで恐縮ですが、優先的にご確認ください。
(Sorry for the urgency, but please prioritize this review.) - 可能な範囲で早めにご返信いただけると助かります。
(It would be helpful if you could reply as soon as you can.) - この件、優先対応をお願いできればと思います。
(We would appreciate your prioritizing this task.) - 至急で進めたい内容のため、ご協力をお願いいたします。
(Your support would be appreciated as this needs to proceed urgently.)
ASAPを使用した本文
丁寧なお願いとして使う文章
お忙しいところ恐縮ですが、こちらの資料についてなるべく早めにご確認いただけますと幸いです。急なお願いとなり申し訳ございませんが、ご協力のほどよろしくお願いいたします。
(I understand you are busy, but we would appreciate it if you could review these materials as soon as possible. Thank you for your support.)
緊急性を伝える依頼の文章
現在、案件の進行が差し迫っており、至急のご対応が必要な状況です。大変恐縮ですが、できる限り早急な対応をお願いできればと存じます。
(The project is currently time-sensitive, and we kindly ask for your prompt attention to this matter.)
スムーズな進行を願う表現
次回の会議資料を準備する関係上、今週中にはご意見をいただけますと非常に助かります。ご負担をおかけしますが、どうぞよろしくお願いいたします。
(As we are preparing for the upcoming meeting, your feedback within this week would be greatly appreciated.)
社内協力を依頼する文章
こちらの作業、なるべく早めに対応していただけると全体の進行がスムーズになります。急ぎで申し訳ありませんが、ご協力をお願いします。
(Handling this task quickly will help the overall progress. We appreciate your prompt cooperation.)
トラブル対応のお願い
予期せぬエラーが発生しており、至急の確認が必要です。可能な限り早めにご対応をお願い申し上げます。
(An unexpected error has occurred and requires immediate attention. We would appreciate your urgent response.)
ASAPをメールで使用すると不適切な場面は?
ASAPという略語は便利な反面、受け手によっては急かされているように感じることがあるため、メールでの使用には注意が必要です。特に、初めてやり取りをする相手や、目上の方、取引先の担当者に対して使用すると、「命令されている」といった印象を与えてしまう可能性があります。
また、ASAPには具体的な期限が明記されていないため、受け手にとっては「いつまでに対応すべきか」が曖昧になります。このような曖昧な依頼は、逆に業務の遅れや誤解を生む原因にもなりかねません。そのため、ビジネスメールで緊急性を伝える場合は、具体的な期限を示し、相手への配慮ある丁寧な表現を心がけることがとても大切です。
ASAP 細心の注意を払い誰にでも不快感を与えない伝え方
- お忙しいところ恐れ入りますが、なるべくお早めのご対応をお願い申し上げます。
(We understand you are busy, but would appreciate your prompt attention to this matter.) - ご都合のよろしい範囲で構いませんので、早めにご確認いただけますと助かります。
(At your convenience, we would be grateful for your early confirmation.) - 可能であれば、本日中にご返答いただけると幸いです。
(If possible, a reply by the end of today would be appreciated.) - 急ぎで大変恐縮ですが、優先的にご対応いただけますと幸いです。
(We apologize for the urgency, but your prioritization of this would be very helpful.) - 事情により早急なご対応が必要です。ご無理のない範囲でお願い申し上げます。
(Due to circumstances, we kindly ask for your prompt attention if possible.)
メール例文集
目上の方・取引先の企業へ言い換え適したメール例文
緊急の確認依頼を丁寧に伝えるメール
お世話になっております。先日ご相談させていただきました件につきまして、社内での調整が急を要する状況となっております。大変恐縮ではございますが、ご都合の許す範囲で、なるべくお早めにご確認いただけますと幸いです。ご多用のところ誠に恐縮ではございますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
納期に関するお願いを丁寧に伝えるメール
いつも大変お世話になっております。現在進行中のプロジェクトに関しまして、予定納期に間に合わせるため、いくつかの確認事項についてできるだけ早めにご連絡を頂戴できればと思っております。ご多忙の折、大変恐れ入りますが、ご協力のほどお願い申し上げます。
顧客・お客様へ言い換え適したメール例文
早期の対応をお願いする丁寧な案内
平素より格別のご愛顧を賜り、誠にありがとうございます。この度ご注文いただきました商品について、一点確認事項がございます。出荷に関わる重要な内容のため、恐れ入りますが、可能な範囲で早めにご確認いただけますと幸いです。何卒よろしくお願い申し上げます。
問い合わせへのご返信をお願いするメール
いつもご利用いただき誠にありがとうございます。先日お送りいたしましたご案内メールについて、ご確認とご返信をお願い申し上げます。今後の手続きに関係する内容となっておりますので、ご多忙のところ恐縮ですが、お早めにご対応いただけますようお願い申し上げます。
社内メールで使う際に言い換え適したメール例文
業務進行のための対応依頼
お疲れさまです。新規案件に関する見積もりについて、取引先から確認を求められております。なるべく早めの対応が求められているため、お手数ですが、明日中までに確認・共有をお願いできますでしょうか。ご協力をお願いいたします。
緊急対応の協力依頼メール
お疲れさまです。本日午後に発生したシステム不具合について、復旧作業を優先的に進めたいと考えております。恐れ入りますが、関係部署にて可能な限り早急にご対応いただけますようお願いいたします。急なお願いとなり申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。
ASAP 相手に送る際の注意点・まとめ
ASAPという略語は、便利でよく使われる一方で、相手の受け取り方次第でマイナスな印象を与えることもあります。とくにビジネスメールでは、文面がそのまま相手への態度と受け取られかねないため、言葉選びはとても大切です。
「できるだけ早く」と伝えたいときには、ASAPと略さず、丁寧な言い回しで伝えることを心がけると、相手への配慮や思いやりが伝わります。また、具体的な期日や時間を添えることで、無理のない範囲での対応をお願いすることができます。
急いでほしいという気持ちがあるときこそ、言葉に細やかな気配りを添えて伝えることが、良い関係を築くための第一歩になります。ビジネスでは、言葉が信頼をつくる大事な道具になりますので、略語に頼らず、丁寧な言葉で心を伝えることが大切です。

