「肝(胆)が据わる」意味は?言い換えは?ビジネスでも使える?失礼ではない使い方例文
「肝が据わる(きもがすわる)」とは、非常に落ち着いていて、どんな場面でも動じない精神的な強さを持っている様子を指します。「胆が据わる」とも書きますが、意味は同じです。動揺しやすい状況でも冷静に対応できる度胸や勇気、そしてどっしりと構えた落ち着きのある人に対して使われます。この慣用句は、恐怖やプレッシャー、困難などに直面しても冷静でいる様子から、「あの人は肝が据わっている」と評されることが多いです。心の動揺が表情や言動に出ない人、むしろそうした場面でこそ力を発揮するような人を高く評価する意味合いが込められています。たとえば、事故現場で冷静に救助活動をする人や、失敗しても動じずに次の一手を考えるような人に使われることが多いです。
英語では、「have nerves of steel(鋼の神経を持つ)」「be cool-headed(冷静沈着である)」「have a strong stomach(強靭な精神力を持つ)」などが近い表現です。「have nerves of steel」は特に度胸があることを指し、戦場のような極限の場面でも動じない人に使われます。「be cool-headed」は冷静な判断力を指し、「have a strong stomach」は気持ちが悪くなるような場面でも平気な精神的な強さを表現する時に使われます。それぞれが若干異なるニュアンスを持っているため、文脈に応じて使い分ける必要があります。
「肝が据わる」の一般的な使い方と英語で言うと
- 彼女はプレゼンの最中に機材トラブルが起きても冷静に対処していて、本当に肝が据わっていると思いました。 She stayed calm and handled the technical failure during the presentation smoothly. She really has nerves of steel.
- 大勢の前で堂々とスピーチをする彼の姿を見て、肝が据わっているなと感心しました。 Watching him deliver his speech confidently in front of a large audience, I was impressed by how cool-headed he was.
- 彼は緊急事態にも動じず的確な指示を出していて、肝が据わっている人だと全員が認めていました。 He gave precise instructions without flinching in the emergency, and everyone agreed he had nerves of steel.
- 手術室での経験を語る彼女の話を聞き、普通の人には耐えられないだろうと思う場面でも落ち着いていたことに驚きました。まさに肝が据わっている人です。 Listening to her experiences in the operating room, I was amazed at how she remained composed in situations most people couldn’t handle. She truly has a strong stomach.
- 上司が突然怒鳴り始めたのに、彼女は全く顔色一つ変えずに対応していて、肝が据わっていると思いました。 Even when the boss suddenly started yelling, she kept a straight face and dealt with it calmly. She really is cool-headed.
似ている表現
- 度胸がある
- 腹が据わる
- 鋼の心臓を持つ
- 動じない
- 冷静沈着
「肝が据わる」のビジネスで使用する場面の例文と英語
「肝が据わる」はビジネスの場面でも、プレッシャーのかかる重要な場面で冷静さを失わず、落ち着いて物事に対処する人に対して使われます。特にプレゼンや交渉、緊急対応など、通常であれば動揺してしまうような場面でも、平常心を保ち適切な判断ができる人は信頼されます。そうした人物を評価する言い方として、この言い回しはとても重宝されます。
- トラブル発生時に動じず、冷静に指示を出すその姿に、肝が据わっていると社内でも評価が高まっています。 His calm and precise directions during the trouble enhanced his reputation as someone with nerves of steel.
- 大手企業との交渉でも全く緊張せず、冷静に対応する彼の肝が据わった姿勢に助けられました。 He handled the negotiations with the major corporation without a hint of nervousness. His cool-headedness was truly helpful.
- 納期が迫る中、メンバーが焦る中でリーダーが落ち着いて計画を見直し、肝が据わっていると皆が感心していました。 While the deadline loomed and the team panicked, the leader calmly reviewed the plan. Everyone admired his composure.
- 緊急会議でも焦ることなく、要点を的確にまとめたその発言は、肝が据わっているからこそ可能だったと感じました。 Even during the emergency meeting, his ability to summarize the key points calmly was a result of his strong nerve.
- 予期せぬクレームにも動じず、誠実かつ丁寧に対応したことで、彼の肝が据わった対応が社内外から評価されています。 He remained composed and handled the unexpected complaint with sincerity and care, earning recognition for his calm approach.
「肝が据わる」は目上の方にそのまま使ってよい?
「肝が据わる」という言い方自体は決して失礼ではありませんが、言葉の響きがやや砕けた印象を与えるため、目上の方や取引先に対して直接使う際には注意が必要です。特にメールなどの文面で使う場合は、相手との距離感や関係性を慎重に見極めるべきです。あくまで褒め言葉であるとはいえ、直接的すぎる表現に感じられることもあります。上司や取引先に対しては、より丁寧な言い回しや遠回しな褒め方に置き換える方が無難です。例えば、「冷静なご判断に感銘を受けました」「的確なご対応に安心いたしました」などの言い回しであれば、相手に対しても敬意を失わずに同様の意味を伝えることができます。
- 「落ち着きのあるご判断に、学ばせていただきました」
- 「非常時にも冷静なご対応を拝見し、安心いたしました」
- 「動揺を見せずご対応いただく姿に、心より尊敬いたします」
- 「どんな状況でも冷静でいらっしゃる点、見習いたいと存じます」
- 「貴重なご対応に、深い敬意を表します」
「肝が据わる」の失礼がない言い換え
- 冷静かつ的確なご判断を拝見し、大変心強く感じました。
- 緊急時のご対応から、平常心を保たれるお姿に深い敬意を覚えました。
- ご落ち着いたご対応を拝見し、さすがのご経験と感銘を受けました。
- 的確で動じないご判断をいただき、社内一同安心して業務に臨めております。
- ご指導のもと、慌てず落ち着いて対応できたことを感謝申し上げます。
適した書き出しの挨拶と締めの挨拶は?
書き出し
- 日頃より多大なるご尽力を賜り、心より感謝申し上げます。先日のご対応におかれましては、落ち着いたご判断に感銘を受けました。
- いつも変わらぬご厚情に深く御礼申し上げます。先般の件に関しまして、冷静なご対応に安心感を覚えました。
- 平素より格別のお引き立てを賜り、誠にありがとうございます。緊急時にも動じることなくご指導をいただき、感謝の念に堪えません。
- 何かとお忙しい中、いつもご丁寧にご対応いただきありがとうございます。先日お見受けしたご対応には、まさに落ち着きの大切さを学びました。
- 貴重なお時間を頂戴し、誠にありがとうございます。ご多忙の中でも変わらぬ冷静さに、深く敬意を表します。
締めの挨拶
- 今後ともご指導を仰ぎながら、落ち着いたご対応を見習い、精進してまいりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。
- ご対応のたびに、肝の据わったお姿に学ぶことばかりでございます。今後とも変わらぬご指導のほど、お願い申し上げます。
- 今回の件を通じ、改めて貴殿の冷静なご判断に感銘を受けました。今後ともご厚情を賜りますようお願い申し上げます。
- 今後とも変わらぬご支援をいただけますよう、肝の据わったご指導に倣い、一層の努力を重ねてまいります。
- 本件に限らず、落ち着いたご対応を常に拝見し、大変心強く存じます。今後とも変わらぬご厚誼のほど、よろしくお願いいたします。
注意する状況・場面は?
「肝が据わる」という表現は、肯定的な意味で使われるものの、使い方を間違えると相手に不快感を与える可能性があります。たとえば、真面目な場面や深刻な状況で「肝が据わってるね」などと軽く言ってしまうと、相手からすれば不謹慎に受け取られる場合があります。また、相手の性格を評価するような言葉でもあるため、目上の方や取引先に対して気軽に使うのは避けるべきです。特に、失敗やトラブルの直後にこの言葉を使うと、「感情がない人間」と言っているように受け取られることもあり得ます。そのため、この言い回しを使う際には、相手との関係性や会話の空気をよく見て慎重に判断する必要があります。
- 軽い冗談として使ってしまい、真面目な話の中で空気を壊す
- 目上の方に使い、失礼だと受け取られる
- 深刻な出来事の後に使い、不謹慎だと思われる
- 性格や内面を勝手に判断したように聞こえてしまう
- 他人の感情を軽んじたように受け取られることがある
細心の注意払った言い方
- ご多忙の中でも冷静に対応していただいたお姿に、心より感謝申し上げます。
- 想定外の事態にも落ち着いてご判断をいただき、貴殿のご経験とご見識に改めて敬意を抱きました。
- 厳しい状況下でも変わらず冷静な対応をいただき、非常に学びの多い経験となりました。
- どのような場面でも的確なご判断をいただけることが、我々にとって何よりの支えとなっております。
- 平常心を失わず、冷静に全体を見渡されるご対応に、改めて敬意を表させていただきます。
「肝が据わる」のまとめ・注意点
「肝が据わる」は、動じない、落ち着いている、勇気があるといった良い意味を持つ慣用句ですが、言葉の選び方によっては相手に対して不快感や不適切な印象を与えてしまう可能性があるため、使い方には慎重になる必要があります。特に、目上の方や取引先に対して使う場合には、その人の性格を直接的に評価するような言い回しではなく、間接的で丁寧な表現に言い換えることで、誠意や敬意を伝えることができます。また、メールやビジネス文書などの文章では、冷静な判断力や落ち着きある対応といった内容で表現する方が、社会人としての品位を保つことができ、相手にも好印象を与えます。使いどころを誤ると、逆に軽率に見られることもあるため、「肝が据わる」はその言葉の背景にある意味をきちんと理解したうえで使うことが大切です。

