コンピテンシーとは?ビジネスでの意味・日本語での言い換え・言い回しての使い方と注意点
コンピテンシーとは、ビジネスの場において「高い成果を上げる人が共通して持っている思考や行動の特徴」のことを指します。単なるスキルや知識だけではなく、仕事に向き合う姿勢や考え方、行動の取り方など、目に見えにくいけれど成果に深く関わる要素が含まれます。
この言葉は、アメリカの心理学者であるマクレランドが提唱した概念が元となっています。彼は、「学歴や知識の量ではなく、実際に成果を上げている人の行動特性に注目すべきだ」と述べました。この考え方は、企業における人材評価や人材育成の分野で広く受け入れられ、日本でも1990年代以降に多くの企業で取り入れられるようになりました。
たとえば、同じ営業職であっても、成果の高い社員とそうでない社員がいます。その違いを生むのは「話すのがうまい」「知識がある」といったスキルだけではありません。顧客のニーズを的確に把握する観察力、粘り強く交渉を進める姿勢、自分なりの仮説を持って行動する力など、そうした行動パターンや価値観が「コンピテンシー」にあたります。
企業ではこのコンピテンシーを体系化し、自社の職種ごとに「求められる行動特性」として定義し、採用、評価、育成、配置転換などに活かしています。これにより、曖昧だった「できる人」の基準を明確にし、誰もがその行動に近づくことを目指して、より公正で納得感のある組織運営が可能になります。
コンピテンシーは、あくまで結果を生む行動の「中身」に注目している点が特徴です。単なる能力や経験年数ではなく、実際に「どう動いているか」に焦点を当てる考え方なので、職場での教育・成長支援においてもとても有効です。
まとめ:
- コンピテンシーとは、成果を上げる人に共通する行動や考え方のこと
- スキルや知識だけでなく、姿勢や価値観なども含まれる
- 採用・育成・評価・配置などで活用される
- 職種や組織ごとに求められる行動を明文化できる
- 公正な人事運用や成長支援の基盤となる考え方
「コンピテンシー」を英語で言うと?
Competency
コンピテンシーの言い換え・言い回しは?
- 成果を出すための行動特性
- 実力を発揮する行動の型
- 高い成果を生む考え方と動き方
- 結果につながる仕事のやり方
- 効果的な働き方の特徴
コンピテンシーが使われる場面
- 採用時に候補者の適性を判断するとき
- 社員の評価基準を明確にしたいとき
- 育成プログラムを作成するとき
- 昇進や異動の判断を行うとき
- 上司が部下の成長支援を行うとき
コンピテンシーを言い換えて失礼がない伝え方・目上・取引先に送る場合
- 高い成果を出されている方々に共通する行動パターンを参考に、今後の指針を検討しております。
(We are reviewing future directions based on common behavioral patterns observed in high-performing individuals.) - 優れた実績を持つ社員の行動を分析し、その傾向を育成の軸にしております。
(We are analyzing the behaviors of high-achieving employees and using them as a foundation for development.) - 成果に結びつく行動や姿勢を体系的に整理し、社内に共有しております。
(We have organized and shared internally the behaviors and attitudes that lead to results.) - 業務遂行において求められる考え方や取り組み方を明文化しております。
(We are clarifying the mindset and approaches expected in task execution.) - 実際に結果を出している方々の行動特性に着目し、研修計画に反映させております。
(We are focusing on the behavioral characteristics of those delivering results and reflecting them in training plans.)
コンピテンシー・社内メールで言い換えて使用する例文
- 今回の評価制度では、成果に結びつく行動の傾向を重視しております。
(This evaluation system emphasizes behavioral tendencies that lead to results.) - 業務上の動き方について、成果を上げる方に共通するポイントを整理しました。
(We have summarized key points in working styles common among those who achieve strong results.) - 育成計画においては、実力発揮の行動パターンを中心に設計しております。
(The development plan is designed around behavioral patterns that demonstrate capability.) - 昇進基準には、結果につながる日常の姿勢も加味されます。
(Promotion criteria will also consider daily attitudes that lead to results.) - 成果を生む動き方について、社内共有資料を更新しました。
(We have updated internal materials regarding behaviors that generate results.)
コンピテンシーを使用した本文
結果を生む行動パターンを活かした評価制度の説明
社員一人ひとりの行動に注目し、特に成果を上げている方に共通する取り組み方を可視化することで、今後の評価制度をより公平で納得感のあるものに整えていく方針です。
(We plan to enhance the fairness and clarity of our evaluation system by visualizing the work approaches commonly found among high performers.)
人材育成に活用するための行動特性の整理
育成方針として、実際に成果を生んでいる方の行動を参考にしながら、後輩たちが身につけるべき働き方を整理しております。
(Our development policy involves organizing effective work habits based on the behaviors of high achievers, providing clear guidance for newer employees.)
配置転換を検討する際の判断軸としての活用
部署異動の際には、業務の適性だけでなく、成果に結びつく行動パターンをもとに判断材料としております。
(When considering internal transfers, we refer not only to job suitability but also to behaviors that have led to solid performance.)
自己成長支援としての導入
社員が自らの強みと伸ばすべき点を把握できるよう、仕事で成果につながる動き方を紹介する機会を増やしております。
(To help employees understand their strengths and growth areas, we are offering more opportunities to learn about effective work behaviors.)
新卒採用の選考基準としての説明
新卒採用では、学歴や知識以上に、将来的に高い成果を出す可能性のある行動傾向を重視しております。
(For new graduate recruitment, we prioritize behavioral tendencies that indicate strong future potential over academic background or knowledge.)
コンピテンシーをメールで使用すると不適切な場面は?
コンピテンシーという言葉は専門性の高い言葉であるため、受け手によっては意味がすぐに伝わりづらいことがあります。特にビジネス用語に詳しくない相手や、社外の方へのメールで使用すると、「分かりにくい」「抽象的だ」と感じられてしまう可能性があります。
また、「コンピテンシーが足りない」といった使い方は、相手の能力を否定しているように受け取られやすいため、とても注意が必要です。メールで使う場合には、丁寧な説明を添える、あるいはよりやわらかく言い換えることで、誤解や不快感を避けることが大切です。あくまで育成や支援の文脈で、前向きに伝える工夫が求められます。
コンピテンシー 細心の注意を払い誰にでも不快感を与えない伝え方
- 成果を上げている方々に共通する行動を参考にし、今後の成長につなげたいと考えております。
(We hope to encourage future growth by referencing behaviors shared by high-performing individuals.) - 日々の働き方の中で、特に効果的な行動を整理してお伝えしております。
(We are sharing insights on especially effective behaviors in everyday work.) - 実際に結果を出している事例をもとに、具体的な働き方の提案をしております。
(We are making suggestions based on actual cases where strong results have been achieved.) - 組織として一貫した判断軸を持つために、行動の共通点をまとめております。
(To maintain consistent standards across the organization, we are identifying shared behavioral traits.) - 社員の強みを活かすことを目的に、日々の行動に注目しております。
(To bring out each employee’s strengths, we are focusing on daily behavior.)
コンピテンシー メール例文集
目上の方・取引先の企業へ言い換え適したメール例文
社員育成に関する取り組みのご報告
平素よりお世話になっております。このたび弊社では、社員育成の一環として、日々の行動や姿勢に注目し、特に高い成果を上げている方々に共通する取り組みを整理し始めました。これをもとに社内で共有し、全体の成長につながるような支援体制を整えてまいります。今後ともご指導のほど、何卒よろしくお願いいたします。
人材評価制度の改定に関するご案内
お世話になっております。弊社ではこのたび、社員の実力を正しく評価できる制度づくりの一環として、成果につながる行動や考え方に注目し、それらを明文化していく取り組みを進めております。業務の成果だけではなく、その過程や姿勢にも着目することで、より公正な評価につなげたいと考えております。
顧客・お客様へ言い換え適したメール例文
サービスの質向上に向けた取り組みについて
いつも弊社サービスをご利用いただき、誠にありがとうございます。このたび、対応品質のさらなる向上を目的に、業務の中で特に効果的だった対応や行動のポイントを社内で共有し始めております。これからもお客様に安心してご利用いただけるよう、社員一人ひとりが意識を高く持って取り組んでまいります。
担当者育成方針についてのお知らせ
平素より格別のご愛顧を賜り、心より感謝申し上げます。弊社では現在、担当者ごとの応対品質向上を目指し、仕事に対する姿勢や取り組み方についての振り返りと指導を強化しております。今後も安心してご相談いただける体制づくりに努めてまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
社内メールで使う際に言い換え適したメール例文
社員評価指針の共有について
お疲れ様です。人事部より、今年度の評価制度の考え方をお伝えします。今回は、成果を上げている方々の行動傾向を参考に、業務への取り組み方や考え方といった部分も含めて、評価項目を見直しました。詳細は別途資料をご確認ください。
育成支援に向けた行動パターンの整理について
各位、お疲れ様です。現在、育成計画の見直しを進めており、成果を生む仕事の取り組み方について、社内事例をもとに整理しております。配属先ごとに異なる特徴も踏まえながら、指導ポイントを共通化することを目指しています。
コンピテンシー 相手に送る際の注意点・まとめ
コンピテンシーという言葉は、便利で人材マネジメントの中核をなす考え方ですが、説明なしに使うと相手にとっては専門的でわかりづらく感じられることがあります。また、人の行動や姿勢に関わる言葉であるため、使い方を誤ると評価や人格に対する印象を与えてしまう恐れもあります。
そのため、使う際は相手が誤解しないように、意味をやさしく添えて伝える工夫が必要です。そして何より、相手を尊重する気持ちを忘れず、前向きな意図で使っていることが伝わるよう、丁寧な言葉選びを心がけることが大切です。人を支える言葉として、誠実に扱うことが信頼を築く第一歩になります。

