「提示」と「提出」との違いは?一般での会話やビジネスメールでの使い分けは?例文を添えて解説

「提示」と「提出」の違い?使い分けは?

ビジネス用語としての「提示」と「提出」の意味と使い分け

「提示」と「提出」は、どちらも「相手に何かを差し出す」「見せる」「出す」という共通のイメージを持っていますが、その目的や場面、伝えたい意図には大きな違いがあります。ビジネスの現場で正しく使い分けることで、相手との意思疎通や信頼関係がより円滑になるため、両者の違いをしっかりと理解しておくことがとても重要です。

まず「提示」とは、相手に対して「見せること」「示すこと」を意味します。相手に理解や判断を求めたり、参考情報として内容を確認してもらうために、一時的に書類や資料、証拠などを相手の前に示すというイメージです。「提示」には、あくまでも相手にその場で内容を見てもらったり、説明したりする意味合いが強く、必ずしも相手に「受け取ってもらう」ことが前提ではありません。たとえば身分証明書や見積書、提案書をその場で見せて説明したい場合や、必要に応じて内容を確認してもらいたい場合に使われます。

一方、「提出」とは「決められた相手や場所に、必要な書類や資料、申請などを正式に渡すこと」を意味します。「提出」は、提出物がその場で相手に「正式に受け取られる」こと、または後々の審査や処理のために保管されることが前提となっています。たとえば書類を会社や役所、上司に正式に渡す場合や、レポート、申請書、経費精算書などを所定の手続きに従って出す場合に使います。「提出」には責任や義務、手続き上の正式さが求められる点が大きな特徴です。

このように「提示」と「提出」は、相手に「その場で見せる・参考にする」か、「正式に渡す・受け取ってもらう」かという目的や手順、責任の度合いが異なります。

まとめ

  • 提示は「相手に見せて説明したり、内容を確認してもらうこと」
  • 提出は「正式な手続きや責任のもとで、相手に渡すこと」
  • 提示はその場での確認や説明が中心、提出は受理や保管、審査が前提
  • 提示には一時性や説明・証明の意図、提出には手続きや義務・責任の意図が強い
  • ビジネスでは「資料の提示」「証明書の提示」「書類の提出」「申請書の提出」などで使い分ける

こうした違いをしっかり意識して言葉を選ぶことで、相手に自分の意図が伝わりやすくなり、業務上の誤解やトラブルも未然に防げるようになります。

「提示」と「提出」の一般的な使い方は?

提示の使い方

  1. 身分証明書を相手に見せた。
  2. 提案内容について資料を相手に示した。
  3. お見積りを相手にその場で見せて説明した。
  4. 本人確認のため、保険証を窓口で見せた。
  5. 契約条件について一覧を示して説明した。

提出の使い方

  1. 申請書を会社に正式に渡した。
  2. 報告書を上司に手渡した。
  3. 経費精算書を所定の場所に出した。
  4. 履歴書を応募先に送付した。
  5. 取引先への書類を期日までに渡した。

提示・提出が使われる場面

ビジネスやメールで使用する際の使い分け

ビジネスの現場では「提示」は、たとえば「見積書を相手に見せて条件を説明したい」「身分証明書や資料の内容をその場で確認してもらいたい」といった場面で使われます。これは相手に理解や判断、説明、証明を求める場面で、内容を一時的に示すニュアンスが強いです。会議や商談、本人確認など、その場のやり取りや説明に適しています。

一方で「提出」は、レポートや申請書、契約書などを正式な手続きや義務として、所定の相手や部署に受け取ってもらう必要がある場合に使われます。これは後で記録や審査、保管などの業務処理を前提としているため、責任や期限が伴うのが特徴です。経費精算や申請手続き、納品書類のやり取りなど、公式な場面や手続きに用いると効果的です。

使い分けのコツとしては、「その場で一時的に見せて説明したいか」「正式に受け取ってもらう責任があるか」を意識するとよいでしょう。迷ったときは、「見せる」「示す」=提示、「出す」「渡す」=提出、という違いで考えると自然な使い分けができます。

失礼がない使い方

目上や取引先などに配慮した自然で丁寧な使い方の例

  • ご指示いただきました内容について、関連資料をその場でご説明できるよう、ご用意しておりますので、必要に応じてお声がけください。
  • 本人確認のため、保険証をお見せいたします。ご確認をお願いいたします。
  • ご希望いただいた情報につきましては、一覧としてまとめてご案内申し上げます。必要に応じて内容をご覧いただければ幸いです。
  • 本日の打ち合わせでは、最新の見積書をご用意しておりますので、詳細はその場でご説明させていただきます。
  • ご契約条件のご説明時には、関連資料をその都度ご覧いただきながらお話しできればと考えております。
  • ご依頼いただきました書類につきましては、期日までに責任を持ってお渡しいたしますので、何卒よろしくお願いいたします。
  • 各種申請書類を本日付で担当部署にお渡しいたしましたことをご報告申し上げます。
  • ご指定の書類につきましては、所定の様式にて正式にお渡しいたします。ご確認をお願いいたします。
  • 報告書を上司に手渡しでお渡しいたしましたので、内容についてご不明点がございましたらご連絡いただければ幸いです。
  • 経費精算書を担当者様に受け取っていただきました。ご対応ありがとうございました。

英語だと違いはある?

英語での「提示」と「提出」の違い

英語で「提示」は「show」「present」「display」などが用いられます。「show」は「見せる」「示す」という意味で、その場で相手に内容を一時的に見せて説明するニュアンスが強いです。「present」はより公式な場面での「提示」や「説明」の意味も持っています。

一方、「提出」は「submit」や「hand in」などが一般的です。「submit」は「正式に書類や申請を提出する」という意味があり、責任や手続き、義務が伴うニュアンスです。「hand in」はやや口語的ですが、同じく「出す」「提出する」と訳せます。

たとえば「Please show me your ID.」は「身分証を提示してください」、「Please submit your report by Friday.」は「金曜日までに報告書を提出してください」となり、内容や責任の違いが明確です。

メール例文集

  • いつもお世話になっております。ご依頼いただいた資料につきましては、打ち合わせ時にご覧いただけるようご用意いたしますので、必要に応じてご確認ください。
  • 本日付で必要書類を担当部署に正式にお渡しいたしましたので、後日ご確認いただけますと幸いです。
  • ご依頼の内容につきましては、資料をまとめてご説明させていただきます。ご不明点がございましたら、遠慮なくご質問ください。
  • 今回の見積書は、その場で詳細をご説明しながらご覧いただけるよう準備しております。ご希望等ございましたら、お申し付けください。
  • 各種申請書類を、担当者宛に正式に提出いたしましたことをご報告申し上げます。手続きが完了次第、改めてご連絡いたします。
  • 身分証明書は窓口でご確認いただけますので、どうぞご指示ください。
  • ご指摘いただいた事項については、追加資料をまとめてご案内いたします。必要な際はご覧いただければ幸いです。
  • 経費精算書を所定の方法で提出いたしましたので、ご確認のほどよろしくお願いいたします。
  • 契約に関する必要書類は本日付で正式にお渡しいたしました。内容についてご質問等ございましたらご連絡ください。
  • 報告書の内容につきましては、会議の際に資料としてご提示いたします。ご確認のほど、何卒よろしくお願いいたします。

まとめ

「提示」と「提出」はどちらも「何かを相手に出す」という意味を持ちながら、その目的や責任、場面、意図が大きく異なります。「提示」は、相手にその場で内容を見せたり説明したりするための行為であり、説明・証明・理解促進といった意図が強いです。これは商談や会議、本人確認、資料説明など、短時間で一時的に内容を示したい時に使われます。

一方で「提出」は、書類や資料を正式な手続きとして相手に受け取ってもらう行為です。これは責任や期限、記録、審査、義務が伴うため、書類管理や申請、レポート、契約手続きなどに適しています。

ビジネスメールや日常会話でも、この違いを理解して使い分けることで、相手に自分の意図や状況を正確に伝えることができ、信頼されるやり取りが可能になります。迷ったときは、「見せる」「説明する」が提示、「出す」「渡す」が提出、と整理して考えると分かりやすくなります。今後も相手や場面に合わせて、安心して言葉を選んでみてください。