「顧客」と「ユーザー」との違いは?一般での会話やビジネスメールでの使い分けは?例文を添えて解説

「顧客」と「ユーザー」の違いは?意味と使い分けについて

「顧客」の意味と特徴

「顧客」という言葉は、商品やサービスを購入・利用することで、その対価として金銭などを支払う人や法人を指します。つまり、企業にとっての「お金を払ってくれる相手」や「お取引先」が顧客です。日常会話からビジネスまで、売買関係・サービス提供における最も基本的な存在となります。

「顧客」は主にビジネスの現場でよく使われ、取引関係や契約関係を明確にするためにも重要な用語です。販売実績や売上集計の際にも「顧客数」「顧客データ」などと表現され、マーケティングや営業活動においても中心的な指標となります。

また、「新規顧客の獲得」「既存顧客へのサービス向上」など、会社や組織の戦略として顧客を分類し、それぞれに適切な対応を行うことが求められます。

「ユーザー」の意味と特徴

「ユーザー」は英語の「user」に由来し、直訳すると「利用者」「使用者」という意味になります。「ユーザー」は、商品やサービスを実際に利用する人を指しますが、必ずしも対価を支払う人(顧客)と一致するわけではありません。

たとえば、ある企業が法人向けソフトウェアを購入した場合、購入した会社が「顧客」であり、実際にそのソフトを使う社員が「ユーザー」です。また、スマートフォンのアプリや無料サービスなど、料金を支払わなくても利用できる場合にも「ユーザー」と呼ばれます。

インターネットサービスやアプリ開発、システム管理の分野では「ユーザー」という言葉が圧倒的に多く使われ、操作を行う人全体を指すこともあります。

ビジネス用語としての「顧客」と「ユーザー」の説明

ビジネスの場で「顧客」と「ユーザー」は明確に区別されることが多いです。

  • 顧客は「購入や契約の主体となり、会社の売上や利益に直接的に関与する存在」となります。そのため、顧客満足やリピート率の向上、新規獲得といった目標設定は、主に「顧客」を対象としています。
  • ユーザーは「商品やサービスを実際に使う利用者」として、使い勝手や機能性、サポート体制の満足度が重視されます。特にデジタル製品やソフトウェアでは、ユーザーエクスペリエンス(UX)という言葉があり、ユーザー視点での利便性や快適さの追求が重要な指標となります。

両者を混同してしまうと、企業の方針やサービス提供のターゲットがぶれてしまう恐れがあるため、目的や場面ごとに適切な言葉を使い分ける必要があります。

まとめ

  • 顧客は「お金を払う相手」、ユーザーは「実際に使う人」
  • 顧客はビジネス・売買・取引の主体、ユーザーは利用・操作の主体
  • サービスによっては両者が一致しない場合も多く、明確な区別が必要
  • 企業では顧客戦略とユーザー戦略が分かれることが多い

「顧客」と「ユーザー」の一般的な使い方は?

  1. 顧客のご要望に応えるため、サービス内容を改善しました。
  2. ユーザーの利便性を向上させるため、アプリの操作画面を一新しました。
  3. 新規顧客獲得のため、キャンペーンを実施しております。
  4. ユーザー登録をしていただくことで、より多くの機能をご利用いただけます。
  5. 顧客からのフィードバックをもとに、商品開発を行っています。

「顧客」が使われる場面

ビジネスやメールでの使い分けとそのコツ

「顧客」が使われるのは、主に会社が商品やサービスを提供する「取引」や「契約」にかかわる場面です。営業、販売、契約更新、アフターサービスなど、「お金を支払う相手」としての立場を明確にする時に使います。

たとえば、見積書や契約書のやりとり、売上管理、マーケティング活動の報告書、営業会議の資料など、公式な場面で使うことが多いです。「顧客対応」「顧客満足度」などもこの範疇に入ります。

一方、アプリ開発やシステム運用、サービス提供においては、実際に操作したり利用する人を指して「ユーザー」を使います。ユーザーサポートやユーザーアンケート、ユーザーインターフェース(UI)設計などは、実際にサービスを触る立場の人たちに向けた取り組みとなります。

このように、金銭の授受や取引にかかわる場合は「顧客」、実際の使い勝手や利便性を重視する場合は「ユーザー」という使い分けを意識するのが大切です。

顧客・ユーザーを言い換えて失礼がない伝え方

大切な取引先や目上の方、社外への丁寧な言い方を紹介します。

  • いつもご愛顧賜り、誠にありがとうございます。
  • 日頃よりご利用いただいている皆さまに、心より感謝申し上げます。
  • お客様のお声を反映し、より良い商品づくりに努めてまいります。
  • ご利用いただいております皆さまのご期待に沿えるよう、日々改善を重ねております。
  • ご愛用いただいている皆さまからのご要望を大切に、サービス向上を目指します。
  • 皆さまから頂戴したご意見をもとに、さらなる品質向上に努めます。
  • 当社サービスを長年ご利用いただいている皆さまに、心から御礼申し上げます。
  • ご契約いただいている皆さまのご信頼にお応えできるよう、誠意を持って対応いたします。
  • 日頃のご厚情に感謝し、今後とも変わらぬご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。
  • これからも皆さまにご満足いただけるサービスを提供できるよう、努力してまいります。

「顧客」と「ユーザー」の間違えた使い方は?

「顧客」と「ユーザー」は似ているようですが、厳密には違います。誤った使い方をすると、相手に誤解を与えたり、対応がずれてしまうことがあります。

  1. 商品を購入したユーザーに領収書を発行しました。
    (実際には購入した「顧客」に発行します。ユーザーが必ずしも購入者とは限りません。)
  2. 顧客アンケートを実施したが、実際にはサービスを使ったユーザーから意見を集めた。
  3. ユーザー登録をしないと顧客にはなれません。
    (ユーザー登録と顧客登録は必ずしも同じではありません。)
  4. 当社顧客の皆さまに、システム利用マニュアルを配布しましたが、実際は利用者(ユーザー)向けの内容でした。
  5. ユーザーサポート窓口で顧客情報のみをお伺いしました。
    (利用者=顧客とは限らないため、利用者情報も確認する必要があります。)

英語だと違いはある?

顧客・ユーザーの英語での違い

英語では、「顧客」は”customer”や”client”、「ユーザー」は”user”と訳されます。

“customer”は商品やサービスを購入・利用する対価を支払う人や法人に使われます。特に小売やサービス業、オンラインショップなどで使われます。

“client”は、主にコンサルティングや法律事務所などの専門サービス業で使われることが多く、やや長期的な関係性や個別対応が重視される際に用いられます。

“user”は実際に商品やサービスを使う人であり、必ずしもお金を払っていない場合も含まれます。システム、ソフトウェア、アプリなどの分野では”end user”という表現もよく使われます。

それぞれの意味と用途の違いを意識することで、グローバルなビジネスでも的確なコミュニケーションが可能です。

目上にも使える丁寧な言い回し方は?

顧客・ユーザーに対する敬意を込めた言い方

目上や大切な取引先、またはお客様に伝える際には、直接的に「顧客」「ユーザー」というよりも、「お客様」「ご利用者さま」「皆さま」など、より配慮ある呼びかけが自然です。

たとえば、メールや案内状などでは、「ご利用いただいている皆さま」「日頃よりご愛顧くださっている皆さま」など、敬語や尊敬語を交えて伝えることで、温かく丁寧な印象を与えられます。

特にビジネスメールでは、相手の立場や背景を想像しながら、柔らかく敬意を持って表現することが重要です。直接的な呼称を避け、相手を大切にする言い回しを意識すると良いでしょう。

メール例文集

  • 日頃より当社サービスをご利用いただき、誠にありがとうございます。今後ともお客様のご期待に沿えるよう、より一層努めてまいります。
  • この度は、当サービスの新機能につきまして、多くのご意見を頂戴し心より感謝申し上げます。
  • ご契約いただいている皆さまには、引き続き安心してご利用いただけるよう、万全のサポート体制で臨んでまいります。
  • ご利用者さまからのご要望を大切にし、サービス改善に努めております。
  • お客様により便利にお使いいただけますよう、引き続きシステムの改善に取り組んでまいります。
  • 今後とも皆さまのご満足を第一に、安心と信頼をお届けできるよう尽力してまいります。
  • 新サービス開始にあたり、これまでご利用いただいた皆さまに心より御礼申し上げます。
  • 何かご不明点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。引き続きよろしくお願いいたします。
  • ご利用中のお客様には、ご迷惑をおかけいたしますことを深くお詫び申し上げます。
  • 皆さまからのご要望やご意見は、今後のサービス向上のための貴重な参考とさせていただきます。

「顧客」と「ユーザー」相手に送る際・伝え方の注意点・まとめ

顧客とユーザーは似ているようで、その本質や役割には明確な違いがあります。顧客は「購入者」「契約者」として、ビジネスの成果や収益に直接的な影響を与えます。一方、ユーザーは「利用者」として、実際に商品やサービスを使う人を指し、その満足度や使い勝手が企業の評価や将来の発展に大きく関わります。

このため、相手が顧客かユーザーかを明確に意識したうえで、伝える内容や対応方法を選ぶことが重要です。たとえば、契約内容や料金、サービスに関する案内は顧客に対して送るべきですが、実際の操作方法や利用手順、サポート案内はユーザーを対象にすることが適切です。

メールや案内文、サービス案内などでは、相手の立場を尊重しながら、分かりやすく誤解のない表現を心がけましょう。「皆さま」「ご利用者さま」「お客様」など、相手に敬意を持った言葉を添えることで、温かく誠実なコミュニケーションにつながります。

両者の違いを理解し、それぞれに合った配慮ある対応を行うことで、信頼関係を築き、長期的な良好な関係を育むことができるでしょう。今後も顧客とユーザー、両方の視点を大切にしながら、より良いサービス提供を目指すことが大切です。