「生じる」と「発生する」との違いは?一般での会話やビジネスメールでの使い分けは?例文を添えて解説

「生じる」と「発生する」の違い?使い分けは?

「生じる」の意味と特徴

「生じる」という言葉は、もともと「何かがきっかけとなって、ある事柄が新たに現れる」「原因によって結果があらわれる」といったニュアンスがあります。特に、原因や経緯、そしてその結果に焦点をあてて説明したい時に使うことが多いのが特徴です。また、現象や事象の出現をやや客観的に、少し硬い印象で伝えるときに選ばれる表現です。

「生じる」は自然現象や物理的な現れにも使いますが、ビジネス現場では「トラブルが生じる」「誤差が生じる」「課題が生じる」といったように、変化や問題点、リスク、費用、疑問などが“ある要因によって”新たに出てきたことを伝えたいときに多用されます。

  • ある原因・要因から別の事柄が引き起こされる流れを強調できる
  • 少し硬いが、論理的な説明や客観的なレポート、契約書、報告書に向いている
  • 日常会話ではやや説明的、事務的な印象になりやすい

ビジネス用語としての「生じる」の説明

ビジネスの現場で「生じる」が選ばれる理由は、その論理性と客観性にあります。たとえば、「新たなリスクが生じる」「契約上の問題が生じる」「費用が生じる」といったように、何かの“原因”に対して“結果”が現れる過程を明確に示すことができます。これは、原因と結果の関係が重要な場面や、問題・課題・変更などについて丁寧に説明したい場合に非常に有効です。

また、経営会議の報告、契約交渉、顧客への説明資料、品質管理の報告書など、正確さや信頼性が求められる文章で多用されます。読み手が状況の因果関係を正しく理解できるよう、論理的かつ端的に伝える場面で重宝される言葉です。

  • 原因や背景、理由を説明したいときに最適
  • 変化・トラブル・課題などの「流れ」を強調したいときに使う
  • 客観的な立場や論理的な説明が求められる文書、報告で役立つ
  • 日常的な会話やラフなメールでは少し堅くなりやすい

【まとめ】

  • 「生じる」は、原因や経緯・プロセスを重視した説明に適している
  • 論理的・客観的に報告や説明を行いたいときに便利
  • 堅めな印象があるため、場面や相手によって選びたい

「発生する」の意味と特徴

「発生する」は、「新たに何かが起こる」「現れる」という意味です。日常生活からビジネス現場まで幅広く使われますが、どちらかといえば「思いがけず突然現れた」というニュアンスや、「これまで存在しなかったことが生まれた」というイメージが強い表現です。

「発生する」は事故、トラブル、リスク、費用、事象など、あらゆる物事の出現・発生について使うことができますが、その場に「突然感」や「新規性」が含まれることが多いのが特徴です。

  • 「突発的な出来事」や「新たに現れた事象」を客観的に伝えるときに便利
  • 「事象そのものの出現」に焦点があり、「なぜ」「どのように」といった経緯は省略しても違和感がない
  • 業務報告、トラブル報告、アラート、システムメッセージなどにも頻繁に使われる

ビジネス用語としての「発生する」の説明

ビジネスで「発生する」を使う主な場面は、事故・トラブル・エラー・追加費用・リスク・クレーム・問題などの“事象”を冷静に伝えたいときです。「発生した事象は何か」という点に重点を置き、内容を端的かつ客観的に伝えることができます。

「発生する」は、原因や経緯が不明確でも、「とにかく何かが起きた」という事実だけをまず報告したい場面で多用されます。そのため、原因分析がまだ終わっていないトラブルの第一報や、アラート通知、速報などでよく見かける言い回しです。

  • 何かが「新たに現れた」こと自体を重視したいときに使う
  • 冷静・客観的な印象で、感情や主観が入りにくい
  • 原因やプロセスは後から追加説明することもできる

【まとめ】

  • 「発生する」は、新たな事象が現れたことを端的に伝える
  • 速報や業務報告、トラブル連絡などでよく使う
  • 原因や流れがまだ分からなくても使いやすい

「生じる」と「発生する」の一般的な使い方は?

  • 予期しないトラブルが生じた場合は、速やかにご連絡をお願いします。
  • 契約上の問題が生じた際には、関係部署までご一報ください。
  • 業務の遅延が生じる可能性がございます。
  • ご不明点が生じた際は、お気軽にお問い合わせください。
  • 追加費用が生じる場合、事前にご案内いたします。
  • トラブルが発生したため、現在調査中です。
  • 新たな課題が発生しましたので、ご対応をお願いします。
  • システムエラーが発生しております。復旧まで今しばらくお待ちください。
  • 予期せぬ費用が発生する場合がございますので、ご注意ください。
  • クレームが発生した場合、担当部署までご連絡ください。

「生じる」が使われる場面

「生じる」は、ビジネスメールや報告書などで、「この事柄の背景にはこういった原因があった」「原因Aによって結果Bが生じた」という論理的な流れを強調したい時によく使われます。たとえば、品質管理、契約関連、リスク管理などで、原因→結果の説明を求められる文書で選ばれやすい言葉です。

  • トラブルや問題の経緯・背景を丁寧に説明する場面
  • 論理的な流れ、因果関係を重視する公式な文章や報告
  • 研究発表や技術的な解説でも多用される

「発生する」が使われる場面

「発生する」は、何か新しい出来事が生じたことを簡潔に伝えたい時や、原因が明確でなくとも“とにかく事象が現れた”こと自体を伝える場合に便利です。トラブルや事故、システム障害、費用の追加、リスクなどの第一報や速報、社内外への注意喚起に最適です。

  • 何かが新たに起こったことを、客観的かつ簡潔に知らせたいとき
  • 速報性のある業務連絡や緊急報告
  • トラブルや事故の連絡、システム障害や追加費用の案内

間違えないように使い分けるには、「プロセスや原因・背景を伝えたい」なら「生じる」、「新たな出来事そのものをまず伝えたい」なら「発生する」を選ぶのが適切です。

失礼がない使い方・目上や取引先への伝え方

ビジネスで目上や取引先に状況を伝える際、直接的な「生じる」「発生する」よりも、さらに丁寧な表現や、相手を気遣う一文を添えることが重要です。以下に丁寧な伝え方の例をまとめます。

  • 新たな課題が生じてしまい、ご迷惑をおかけしております。ご理解いただけますようお願い申し上げます。
  • 想定外の費用が生じる可能性がございます。詳細が分かり次第、改めてご連絡いたします。
  • 業務に遅延が生じましたこと、深くお詫び申し上げます。現在、原因を調査中です。
  • 本件について問題が生じた場合は、早急にご連絡いたします。
  • ご不明な点が生じましたら、遠慮なくご相談ください。
  • システムトラブルが発生し、皆様にはご迷惑をおかけしております。復旧作業に全力で取り組んでおります。
  • 予期せぬ事象が発生したため、対応を検討しております。今後の方針については改めてご案内いたします。
  • 新たな費用が発生する場合には、速やかにご説明申し上げます。
  • 追加のリスクが発生した場合、ご対応についてご相談させていただきます。
  • 問題が発生した際には、すぐにご連絡申し上げますので、ご安心ください。
  • ご不便をおかけし、誠に申し訳ございません。現時点での状況をご報告いたします。
  • 急なご案内となりますが、何卒ご理解いただきますようお願い申し上げます。
  • 今後ともご安心いただけるよう、体制強化に努めてまいります。
  • ご協力いただきまして、心より御礼申し上げます。
  • 皆様にご満足いただけるサービスを目指し、引き続き尽力いたします。
  • 何かご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。
  • 追加費用が発生する場合は、必ず事前にご連絡いたしますのでご安心ください。
  • 再発防止に向けて、迅速に対応を進めております。
  • 状況の変化が生じた場合は、速やかにご連絡いたします。
  • ご迷惑をおかけすることのないよう、万全の体制を整えております。

「生じる」と「発生する」の間違えた使い方は?

解説:「発生する」と「生じる」は似ていますが、原因やプロセスの説明が必要な場面で「発生する」を使うと説明不足になりがちです。また、カジュアルな場面や緊急速報で「生じる」を使うと不自然に感じられることもあります。

  • 速報メールで「障害が生じました」と伝えると、やや説明的すぎて速報性が薄れることがある。
  • 因果関係が明確な場面で「費用が発生しました」とだけ伝えると、理由や背景が分かりづらいことがある。
  • 報告書で「遅延が発生しました」とだけ書くと、なぜ遅延が起きたのか伝わりにくいことがある。
  • カジュアルな会話で「問題が生じました」と言うと、やや硬い印象になる場合がある。
  • 原因が分からない緊急事態で「課題が生じた」と表現すると、状況の深刻さが伝わりづらくなる場合がある。

英語だと違いはある?

「生じる」の英語での意味

「生じる」は「arise」「result」「occur」などで表現できます。原因や経緯を重視する場面で「arise」や「result from〜」が選ばれます。例えば、「A problem may arise due to human error.(人的ミスによって問題が生じることがある)」といった論理的な説明が特徴です。

「発生する」の英語での意味

「発生する」は「occur」「happen」「emerge」などが使われます。「A problem has occurred.(問題が発生しました)」のように、出来事そのものの出現や発生を、客観的に・簡潔に伝えたい場面でよく使われます。「happen」はよりカジュアルですが、「occur」はビジネスや公式な場面にも適しています。

目上にも使える丁寧な言い回し方は?

「生じる」を丁寧に伝える方法

「生じる」をそのまま使うよりも、「〜が確認されました」「〜が明らかになりました」「〜が発覚いたしました」などの言い回しに変えると、よりやわらかく、相手を気遣う印象を与えることができます。また、「ご迷惑をおかけし申し訳ありません」「ご理解のほどお願い申し上げます」など、気遣いの一文も添えると良いでしょう。

「発生する」を丁寧に伝える方法

「発生する」も、「〜が発生しております」「〜が判明いたしました」「〜が確認されました」といった言い方や、「ただいま対応中でございます」「ご安心いただけるよう、対策を講じております」といった安心感を与える表現を添えることで、より丁寧な印象になります。

メール例文集

  • ご連絡いただきありがとうございます。新たな課題が生じており、ご迷惑をおかけしております。迅速な対応を進めておりますので、ご安心ください。
  • 本日、追加費用が発生する可能性が判明いたしました。詳細については、改めてご説明申し上げます。
  • 業務の遅延が生じたことを、深くお詫び申し上げます。現在、原因調査と再発防止策を進めております。
  • システム障害が発生し、復旧作業に時間を要しております。ご不便をおかけし申し訳ございません。
  • お問い合わせいただいた件につきまして、ただいま関連部署にて状況を確認しております。
  • 予期せぬ事態が生じてしまいましたが、現在、社内で共有し対応中でございます。
  • 今後同様の問題が生じないよう、体制の見直しを行ってまいります。
  • 皆様にはご不便をおかけしないよう、細心の注意を払って業務を進めております。
  • ご要望について新たな費用が発生する場合は、速やかにご案内いたします。
  • 何かご不明な点がございましたら、遠慮なくお問い合わせくださいませ。

まとめ:「生じる」「発生する」相手に送る際・伝え方の注意点・まとめ

「生じる」と「発生する」はどちらも新たな事象や問題が現れることを意味しますが、そのニュアンスや適した場面には明確な違いがあります。「生じる」は、特定の原因や経緯、プロセスから“結果”として現れたものを丁寧に説明したい場面でよく使われます。ビジネスでの報告書、契約関連、リスク説明、品質管理など、論理性や因果関係が重視される文章で効果的です。

一方、「発生する」は、出来事そのものの新規性や、突発的な事象を端的に、冷静かつ客観的に伝えたいときに便利です。速報やトラブル報告、注意喚起、事実の第一報などで活躍します。原因がまだ分かっていなくても使いやすく、後から原因説明を付け足すこともできます。

どちらの言葉を使う場合も、相手や場面によってはより丁寧な言い回しや、状況説明、気遣いの一言を添えることで、信頼感や安心感を与えられます。不適切な使い方や、場面にそぐわない表現を避け、相手に合わせた言葉選びを心がけることで、より伝わりやすく誤解のないビジネスコミュニケーションが実現します。

言葉一つで印象や受け取り方が大きく変わるため、状況や目的に合わせて「生じる」と「発生する」を上手に使い分けてください。誤解のない円滑なやり取りのためにも、相手の立場に立った丁寧な言葉遣いを意識しましょう。