「中止」と「中断」の違いは?使い分けのポイント
「中止」と「中断」は、どちらも「途中でやめる」「止める」という意味で使われますが、実際にはニュアンスや使う場面が異なります。会話やビジネスの中でよく登場するからこそ、しっかり区別して使い分けることが大切です。ここでは、それぞれの言葉の意味を詳しく説明しながら、日常や仕事での使い方、そして間違えやすいポイントまで丁寧に解説します。
ビジネス用語としての「中止」の意味と役割
「中止」は、計画していたことや進行中のことを「完全に止めて、それ以上進めない」と決めることです。たとえば、イベントや会議、プロジェクトなどを、やむを得ない事情や上層部の判断などで、「もう続けません」と最終的に決定するのが「中止」です。
ビジネスでは、「悪天候のため、説明会を中止します」や「事業計画を中止することになりました」など、計画の全体や一部をこれ以上進めない、再開の予定もなく終わらせる時に使われます。つまり、「中止」とは、これからも続く予定だったものを、理由があって完全に終わりにすることを示します。
「中止」は、関係者全員に「もうやりません」「これで終わりです」という強いメッセージを伝えるために使われます。特に、ビジネスや公的な文書、社内外への正式な連絡などで多用されます。
まとめ
- 物事が完全に終わる場合に使う
- 再開する予定がなく、今後も実施しないことを伝える
- ビジネスの案内や公式なお知らせで多用される
ビジネス用語としての「中断」の意味と役割
「中断」は、「途中でいったん止める」「しばらくの間やめる」という意味を持ちます。ですが、完全に終わるわけではなく、「また再開する可能性がある」「一時的に止めているだけ」というニュアンスがあります。
たとえば、「急な電話が入り、会議が中断しました」や「作業を中断し、確認作業に移ります」など、その場では止めても、状況が整えばまた始めることを前提としています。「中断」は、時間や状況によって「続きがある」「途中で止まっている」ことを伝えるのに使われます。
ビジネスメールや会話の中では、「一時的な停止」を説明したいときや、相手に「また再開します」という意図を伝えたいときに適した表現です。
まとめ
- 物事を一時的に止めるときに使う
- 再開する可能性が高い、または前提としている
- 相手に「途中で止まった」「また始まる予定」と伝える場合に使う
「中止」と「中断」の一般的な使い方は
それぞれの言葉がどのような場面で使われるのか、日常会話やビジネスメールでよく見かける使い方を紹介します。
中止
- 雨天のため、予定していた運動会は中止になりました
- 新型ウイルスの影響により、イベントの開催が中止されました
- システムのトラブルで、サービス提供を中止します
- 経営判断により、計画中だった新事業を中止しました
- お申し込みの人数が集まらなかったため、セミナーは中止となりました
中断
- 会議中に緊急連絡が入り、議論が中断されました
- 電源トラブルのため、システムの作業が一時中断しました
- 打ち合わせを中断して、至急対応が必要な案件に移ります
- 休憩時間のため、作業を中断いたします
- 通信障害の影響で、作業が中断されています
「中止」が使われる場面
「中止」は、イベント、計画、業務など「もう行わない」と決めた時に用いられます。突然の事故や災害、会社の方針転換などが理由で「この先やりません」と伝えたい時に使われます。ビジネス文書や公式発表などでは「中止」という言葉を使うことで、関係者すべてに「決定事項」として明確に伝えることができます。
「中断」は、たとえば「作業中に予期せぬ問題が起きた」「外部からの指示でいったん止める」など、一時的な停止や休止を伝えたい場合に使われます。再開のタイミングが未定でも、「完全に終わったわけではない」という意味を持たせられるのが特徴です。現場の進捗報告や社内連絡、また業務の優先順位変更などの連絡時によく登場します。
間違えないように使い分けるには、「もう再開しないのか」「また始める可能性があるのか」を意識して選ぶことが大切です。
失礼がない使い方・目上や取引先への伝え方
相手に失礼にならず、丁寧に「中止」「中断」を伝えたい場合の自然な文例をご紹介します。
- いつもお世話になっております。この度のイベントにつきまして、諸般の事情により開催を中止する運びとなりました。ご迷惑をおかけし誠に申し訳ございませんが、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
- 平素より格別のご高配を賜り、心より御礼申し上げます。ご依頼いただいた件につきまして、関係各所との協議の結果、計画を中止することとなりました。ご期待に沿えず恐縮ですが、今後ともご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます。
- 日頃よりご愛顧いただき、誠にありがとうございます。システム障害により一時作業を中断いたしております。復旧次第、速やかに再開いたしますので、今しばらくお待ちいただきますようお願い申し上げます。
- ご連絡いただき、ありがとうございます。担当者不在のため、本日の会議を中断し、改めて日程調整をさせていただきます。ご不便をおかけいたしますが、どうぞよろしくお願いいたします。
- ご多用のところご対応いただき、心より感謝申し上げます。天候不良により現地調査の実施を中止いたします。新たな日程が決まり次第、ご案内申し上げます。
- ご依頼いただいておりました業務ですが、想定外の事象発生により一時中断しております。復旧に全力を尽くしますので、ご理解のほどお願いいたします。
- いつも大変お世話になっております。今回のプロジェクトは社内事情により中止とさせていただく運びとなりました。多大なご協力をいただいたにもかかわらず、ご期待に添えず申し訳ございません。
- お忙しい中ご連絡いただき、誠にありがとうございます。本日の打ち合わせは、緊急案件対応のため中断しております。ご調整いただいたにもかかわらず、重ねてお詫び申し上げます。
- 日頃よりご支援賜り厚く御礼申し上げます。新商品の発売は、市場状況を鑑みて中止となりました。ご検討いただいていた皆様には深くお詫び申し上げます。
- ご迷惑をおかけし申し訳ありません。システムの不具合により作業を一時中断しています。早期復旧に努めますので、引き続きよろしくお願いいたします。
英語だと違いはある?
「中止」と「中断」を英語に訳す際は、その意味の違いをしっかり意識して使い分ける必要があります。日本語のように一語だけで言い切るのが難しい場合も多いですが、状況に応じて適切な表現を選びます。
中止に近い英語
「中止」は「cancel」「call off」「abort」などが当てはまります。cancelは、予定されていたことを「完全にやめる」ことを意味し、会議やイベント、契約、計画など様々な場面で使えます。call offも似た意味で、特に話し言葉や社内メールなどでよく使われます。abortは、進行中のことを「途中でやめる」意味ですが、やや強い印象になるため、ITや開発の専門分野で多く使われます。
中断に近い英語
「中断」は「suspend」「interrupt」「pause」などが適しています。suspendは、何かを一時的に止めて、後で再開する場合によく使われます。interruptは「割り込む」「邪魔をする」という意味も含まれますが、会議や話し合いを一時止める時にも用いられます。pauseは「一時停止」という意味で、特に会話や作業、動画や音楽の一時的な停止などで使われます。
メール例文集
- いつもご支援いただき、誠にありがとうございます。誠に残念ながら、本日予定しておりました会議は急な事情により中止となりました。ご理解いただきますようお願い申し上げます。
- お世話になっております。現在進行中のプロジェクトですが、関係各所との調整の結果、中止が決定いたしました。これまでのご協力に深く感謝いたします。
- 日頃より格別のご高配を賜り、ありがとうございます。作業中に予期せぬ障害が発生し、ただいま作業を一時中断しております。復旧次第再開いたしますので、ご迷惑をおかけいたしますが何卒よろしくお願い申し上げます。
- ご依頼いただいておりましたシステム導入につきましては、諸般の事情により中止することとなりました。ご期待に沿えず誠に申し訳ございませんが、何卒ご理解くださいますようお願いいたします。
- いつも温かいご支援を賜り、心より感謝申し上げます。本日の研修は緊急事態発生のため中断となりました。再開の日程が決まり次第、改めてご連絡させていただきます。
- この度はご迷惑をおかけし申し訳ありません。現場の安全確保のため、一時作業を中断いたします。再開の際には改めてご案内申し上げます。
- 平素より大変お世話になっております。会議中に急用が入り、一時中断させていただきました。ご不便をおかけし恐縮ですが、引き続きご協力をお願いいたします。
- お忙しいところ恐れ入ります。本日予定されていた説明会は天候不良のため中止とさせていただきます。何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。
- ご連絡ありがとうございます。お申し込みいただいたサービスにつきましては、システムの不具合により一時中断しております。ご不便をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします。
- 日頃のご愛顧に深く感謝申し上げます。進行中の案件につきまして、状況が改善次第作業を再開いたしますので、ご理解賜りますようお願いいたします。
「中止」「中断」を相手に伝える際・まとめ
「中止」と「中断」は、どちらも予定や計画に変更が生じたときに使われる言葉ですが、実は大きな違いがあります。「中止」は、「完全に終わり」「もう続けない」ことを表します。これに対し、「中断」は「いったん止めるが、また再開する可能性がある」という意味合いです。ビジネスでも日常でも、相手が今後の予定や対応をどうするべきか判断する重要なポイントになります。
お知らせやメールで相手に伝える場合は、単なる事実だけでなく「どうしてそうなったのか」「今後どうするのか」「再開の可能性はあるのか」なども合わせて説明すると、相手に安心感や信頼感を持ってもらいやすくなります。
また、特にビジネスの場では、「ご迷惑をおかけすること」へのお詫びや、「再開の予定」「今後の対応」などをしっかり伝えることが信頼関係を築く鍵です。今回ご紹介したような丁寧な言い回しや使い分けを意識することで、伝えたい内容を的確かつ穏やかに届けることができるようになります。今後も迷う場面があれば、ここでのポイントを思い出し、状況に合わせて言葉を選んでいただければと思います。