「指摘」と「指導」の違いは?使い分けのポイント
「指摘」と「指導」は、どちらも相手に対して何かを伝える、または注意を促す意味を持つ言葉ですが、実際の内容やニュアンス、使われる場面には大きな違いがあります。この違いを理解して使い分けることで、相手に不快感を与えず、より円滑なコミュニケーションが可能となります。ここでは、それぞれの意味や使い方について、優しく詳しく説明します。
ビジネス用語としての「指摘」の意味と役割
「指摘」とは、「事実や問題点、誤りなどに気付き、それを相手に知らせること」を意味します。たとえば、書類の誤字や会議中の発言内容、仕事の進め方などに「ここにミスがありますよ」「この部分が不足しています」と伝える時に使います。「指摘」には、間違い・不備・改善点などを具体的に示すことで、相手に「現状を把握してもらい、改善につなげてもらう」という意図があります。
ビジネスの現場では、「ご指摘ありがとうございます」「ご指摘いただいた点を修正いたします」など、相手から問題点を教えてもらった際のお礼としてもよく使われます。ただし、「指摘」はあくまでも「気づいたことを伝える」段階であり、「どう直せばよいか」「どうしたら良くなるか」までは踏み込みません。
まとめ
- 事実や問題点、ミスなどを相手に知らせること
- 「ここが違っています」と指し示す役割
- 改善方法や具体的な指導は含まない
ビジネス用語としての「指導」の意味と役割
「指導」とは、「正しいやり方や方向性、考え方などを教えて、導くこと」を意味します。たとえば、新人研修で仕事の進め方を教える場合や、部下に目標達成のための方法を具体的に教えるとき、「指導」という言葉が使われます。「指導」は、単に問題点を示すだけでなく、「どう直せばよいか」「どのように進めれば良いか」という解決策や手本、手順などを伝えて、相手の成長や改善をサポートする働きがあります。
ビジネスでは、「ご指導のほどよろしくお願いいたします」「指導を受けて業務改善に努めました」など、上司や先輩、専門家からの教えや助言に対して感謝や敬意を表す言い回しとしてもよく登場します。「指導」は、相手の行動や考え方そのものに変化を促し、より良い方向へ導く役割が強調されます。
まとめ
- やり方や考え方、方針などを教え、導くこと
- 解決策や改善方法まで具体的に伝える
- 相手の成長や向上を促すサポートの意味合い
「指摘」と「指導」の一般的な使い方は
指摘
- レポートの誤字を指摘され、すぐに修正しました
- 会議で問題点を指摘していただき、改善策を検討しています
- 上司からの細かい指摘が仕事の質を高める助けになっています
- お客様からサービス内容についてのご指摘をいただきました
- 友人に態度を指摘され、反省するきっかけになりました
指導
- 新人研修で業務の基本を丁寧に指導していただきました
- チームのリーダーとして部下を適切に指導することが求められます
- 先生の指導があって、難しい課題も乗り越えることができました
- 上司の的確な指導を受けて、業務の進め方が大きく改善しました
- 後輩への指導方法について先輩に相談しました
「指摘」「指導」が使われる場面
「指摘」は、ミスや改善点、注意すべき部分が見つかった時に、相手に事実を伝えるときに使います。あくまで「ここが違う」「ここを直す必要がある」と知らせることが中心です。一方、「指導」は、問題点だけでなく、「どう直せばよいか」「これからどうすれば良いか」といった、解決や成長のための具体的な方法・方向性を教えるときに使います。
間違えやすいポイントは、「指摘」は現状を知らせるだけで終わることが多く、「指導」は相手がより良くなるように、積極的に関わるイメージだということです。相手との関係や立場、伝えたい内容に合わせて使い分けることが大切です。
失礼がない使い方・目上や取引先への伝え方
- いつもお世話になっております。ご指摘いただきました点につきましては、早急に修正を行い、再度ご確認いただけるよう準備いたします。
- 日頃よりご指導賜り、心より感謝申し上げます。今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
- 先日は貴重なご指摘をいただき、誠にありがとうございました。ご助言を受け、業務内容の改善に努めております。
- 平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。今後もご指導いただきますよう、何卒よろしくお願いいたします。
- この度は、製品に関するご指摘を賜り、誠にありがとうございます。早速内容を確認し、担当部署にて改善策を検討いたします。
- お忙しい中ご連絡いただき、ありがとうございます。日々の業務においてご指導をいただけますこと、大変心強く存じます。
- いつもご丁寧なご指摘をありがとうございます。ご意見をもとに、より良いサービスの提供に努めてまいります。
- お世話になっております。ご指導のもと、業務の精度向上を目指して努力いたします。引き続きご助言を賜りますようお願い申し上げます。
- ご指摘いただいた点を真摯に受け止め、改善に取り組んでおります。引き続きご指導いただけますと幸いです。
- 平素より温かいご指導を賜り、心より御礼申し上げます。今後もご指導ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願いいたします。
英語だと違いはある?
英語でも「指摘」と「指導」にはそれぞれ対応する言葉がありますが、日本語ほど明確に区別できる場合と、文脈に応じて単語を使い分ける必要がある場合があります。
指摘に近い英語
「point out」「indicate」「identify」「comment」などが使われます。point outは「間違い・問題点などをはっきり指摘する」意味で日常会話からビジネスまで幅広く使えます。indicateやidentifyも「特定して示す」という意味合いです。commentは「意見や気づいた点を伝える」場合に使われます。
指導に近い英語
「instruct」「guide」「coach」「mentor」「supervise」「train」などが適しています。instructは「具体的にやり方を教える」、guideは「道筋を示して導く」、coachやmentorは「成長を促しながら長期的に導く」といったニュアンスがあります。superviseは「監督する」、trainは「訓練・教育する」という意味です。
メール例文集
- 先日はご指摘いただき、誠にありがとうございました。ご意見を参考に、早急に改善策を実施いたします。
- 日頃よりご指導賜り、心より感謝申し上げます。引き続きご助言いただきますよう、よろしくお願いいたします。
- ご指摘いただいた内容について、社内で検討を進めております。今後もご指摘のほど、よろしくお願いいたします。
- 上司からの丁寧なご指導のおかげで、業務の進め方が大きく改善いたしました。
- 製品に関するご指摘をいただき、誠にありがとうございます。すぐに担当部署で確認し、対応を進めてまいります。
- いつもご指導を賜り、誠にありがとうございます。今後ともよろしくお願い申し上げます。
- ご多忙のところ、ご指摘いただきありがとうございます。今後は同様のことがないよう、十分注意いたします。
- 部署の皆様からご指導をいただき、チーム全体の業務効率が向上しております。
- 先日の会議でいただいたご指摘を受け、資料を修正いたしました。ご確認いただけますと幸いです。
- これからもご指導いただきながら、業務改善に努めてまいりますので、何卒よろしくお願いいたします。
「指摘」「指導」を相手に伝える際・まとめ
「指摘」と「指導」は、どちらも相手に働きかける言葉ですが、その役割や伝える内容には違いがあります。「指摘」は、誤りや不足、注意すべき点を具体的に示して知らせる言葉であり、相手に気づきを与える役割が中心です。一方、「指導」は、正しい方法や考え方を教えて、相手を成長・改善へと導くための言葉です。どちらの言葉も、伝える際には相手の立場や気持ちを考え、丁寧で配慮ある表現を心がけることで、良好な人間関係や信頼関係を築くことができます。
今後も、伝えたい内容や状況に合わせて「指摘」と「指導」を自然に使い分けていくことで、相手に安心感と敬意を届けるコミュニケーションができるようになります。