準ずると倣うの違い?意味とビジネスでの使い分け
「準ずる」と「倣う」は、どちらも「何かを参考にしてそれに従ったり似せたりする」というニュアンスがある日本語ですが、実はその本来の意味や使い方には明確な違いがあります。ビジネスメールや一般会話の中でも使われる場面や、相手に伝える印象が異なるため、正しく理解し使い分けることが大切です。
ビジネス用語としての「準ずる」と「倣う」の説明
準ずるの意味
「準ずる」とは、ある規則や基準、手順などに「ほぼ同等のものとして扱い、それに従って対応する」という意味を持っています。「厳密には全く同じではないが、それにできるだけ近い形で扱う」「本則に準拠し、同じような処理や対応をする」というニュアンスです。
ビジネスの現場では、何かのルールや前例、規定などに当てはめて判断を下したいときや、直接的な適用ではなくても「ほぼ同じように扱う」という場合に使われます。たとえば、「海外支社の処遇は本社の規定に準ずる」「社外からの応募についても、社内規定に準じて対応します」などのように使われます。
この「準ずる」は、そのまま本則を適用するのではなく、「ほぼ同じ」もしくは「一部だけ異なるが、基本的には同じ扱い」とする時に便利です。したがって「完全に同じではないが、それを基本として従う」という柔軟性を持った表現と言えます。
倣うの意味
一方、「倣う」は「誰かや何かのやり方・例・前例・慣習などを真似して同じように行う」という意味です。基本的には「良い例や前例があり、それに合わせて同じようにやる」ことを指します。日本語の「真似る」に近いイメージですが、「倣う」はより丁寧で公式的な印象があります。
ビジネスで「倣う」という言葉を使う場合、先人や先行事例のやり方を手本とし、それをお手本として自社のやり方を決める時などに使われます。例えば、「成功している他社の取り組みに倣い、新たなサービスを導入する」「過去の優れた事例を倣って手順を見直す」などが代表的な使い方です。
ここで大切なのは、「倣う」は「模範とする」「見習う」「真似る」というニュアンスであり、「準ずる」よりも「対象に寄せて同じやり方をする」という意識が強いという点です。また、法律や公式な基準よりも、慣習や事例、考え方を真似る場合に用いられやすいのが特徴です。
準ずると倣うの違いまとめ
- 準ずるは「規則や基準に近い形で扱い、同等とみなして対応する」意味。多少の違いを許容しつつ、ほぼ同じとして従うイメージ。
- 倣うは「他の事例ややり方を真似て、その通りに行う」意味。模範・手本・前例に強く寄せて同じ行動をするイメージ。
- 準ずるは規則や公式な決まりに関連しやすく、倣うは事例や慣習、先例などのやり方に関連しやすい。
- ビジネスでは「規定・規則・ルール」には準ずる、「先例・成功事例・慣習」には倣うを使うと自然。
このように、両者は一見似ているようでも、適用範囲や対象、ニュアンスに大きな違いがあるため、状況に合わせて適切に使い分けましょう。
準ずると倣うの一般的な使い方は?
- 海外拠点の処遇については本社の規定に従って扱う予定です。
- 新制度の適用範囲は既存の基準を参考に決めることとしています。
- 成功した他社の方法を手本にしてサービスの改善を図る方針です。
- 先輩のやり方を見習って手順を修正することにしました。
- 過去の実績をお手本として、運用方法を見直しています。
準ずるや倣うが使われる場面と正しい使い分け
準ずるや倣うをビジネスやメールで使用する際の使い分け
ビジネスやメールで「準ずる」「倣う」を使う際は、まず「自分が従う対象が何か」を考えることが大切です。
「準ずる」は、会社の規定や公式な基準、方針など、明文化されたもの・ルールを基本にしている時に使います。たとえば、新しい取引先との契約条件について「既存契約に準ずる条件でご提案いたします」と書くことで、「前例や公式ルールを参考に、ほぼ同じ条件で進めます」という丁寧な印象を伝えることができます。
「倣う」は、誰かのやり方や他社の成功事例など、「模範となる行動・手法・考え方」が対象です。たとえば、新しい業務フローを導入する際に「成功している他部署の運用方法に倣い、当部署でも導入を検討いたします」と使うと、「良い事例を真似て自分たちも取り組む」前向きな姿勢を示すことができます。
間違えないようにするポイントは、「準ずる=ルールや基準を基本とする」「倣う=良い事例や人を真似る」と考えて使うことです。
準ずるや倣うを言い換えて失礼がない伝え方・目上・取引先に送る場合
- 今回の処理については、従来の規定に従い進めさせていただきます。何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
- 新規案件の取り扱いに関しましては、既存のルールに合わせて対応させていただきますので、ご安心ください。
- 本プロジェクトの進め方は、先行事例をお手本にしながら最適な方法を選定いたします。
- 他社での成功事例に学び、より良いサービスの提供を目指してまいります。
- 御社の優れた運用方法を参考にさせていただき、今後の施策に活かしてまいります。
- これまでの方針を基に必要な修正を加えたうえで対応してまいります。
- 過去の実績を土台にしながら、さらに改善点を見出していきたいと考えております。
- 社内での成功事例に学び、より効率的な運用体制を整備してまいります。
- 先輩方のやり方を手本として、今後も丁寧に業務に取り組みます。
- 既存の基準に沿った形で対応いたしますので、ご不明な点がございましたらご連絡ください。
英語だと違いはある?準ずるや倣うの意味
英語での準ずると倣うの違い
英語で「準ずる」に近い表現は「in accordance with」「in line with」「in conformity with」「based on」といったフレーズです。これらは「規定や基準、ルールに従う」「基準を基本として運用する」という意味合いを持っています。たとえば「We will handle this matter in accordance with the company’s policy.」は「会社の方針に準じて対応いたします」となります。
「倣う」は「follow the example of」「imitate」「model after」「take a cue from」などが該当します。これらは「他社や他人のやり方や事例を真似る、模範にする」というニュアンスです。「We will model our approach after successful cases in other companies.」は「他社の成功事例に倣い、進めます」という意味になります。
英語でも、公式な規則や基準には「in accordance with」、事例や手本には「model after」や「follow the example of」などと、しっかりと使い分けがなされています。
準ずるや倣うの英語メール例文集
- We will proceed in accordance with our company’s guidelines. Please let us know if you have any concerns.
- Our handling of the new request will be in line with the established procedures.
- We plan to model our new service after successful examples from other companies.
- Taking inspiration from your excellent operational methods, we will improve our own procedures.
- The project will be handled based on the existing policies with necessary adjustments as needed.
- Our new initiative will follow the example set by leading firms in the industry.
- Following past achievements, we will further enhance our operational framework.
- We appreciate the opportunity to learn from your approach and will apply it to our own processes.
- The handling will be consistent with current standards, but we remain open to your suggestions.
- If you have any questions regarding our procedure, please feel free to reach out at any time.
準ずるや倣うを相手に送る際・伝え方の注意点・まとめ
「準ずる」と「倣う」は、一見似た意味を持ちながらも、対象や使い方に明確な違いがあります。準ずるは、規則や基準、公式な方針を「ほぼ同じ扱い」として柔軟に対応する場合に使う言葉です。これにより、状況や相手に合わせた対応をしつつも、基本的なルールや考え方はしっかり守っているという安心感を伝えることができます。
一方、倣うは、模範となる事例や成功例、慣習などを「お手本として真似る、見習う」場合に使います。ビジネスでは、特に前例のない事案や新しい取り組み、他社の成功事例などを取り入れる時に適した言葉です。「倣う」を使うことで、学ぶ姿勢や柔軟な思考、前向きな改善意欲を相手に伝えることができます。
相手や状況に応じて、どちらの言葉がより適切かを考え、必要に応じて他の表現や具体的な説明を添えることで、より丁寧で分かりやすいコミュニケーションが実現します。また、相手の立場や背景を考慮しながら、「規定に準じるのか、事例を倣うのか」を明確に伝えることは、信頼関係を築く上でも大切なポイントとなります。
最後に、わかりやすい説明や誤解のない伝え方を心がけることで、相手にも安心感や納得感を持ってもらえるはずです。日々のビジネスコミュニケーションの中で、ぜひこの使い分けを意識してみてください。