スキルとコンピテンシーの違い?使い分けは?
スキルの意味
ビジネスの現場で「スキル」という言葉が使われる場面は非常に多いですが、この言葉には単なる知識だけではなく、実際の行動として成果を生み出せる力という意味が含まれています。例えば、「エクセルが使える」「英語でメールが書ける」「プレゼンができる」など、具体的に何ができるかを指します。つまり、スキルとは実践的な技術や能力、仕事を遂行するための具体的な行動力です。
また、スキルは「専門的スキル」と「汎用的スキル」に大別されます。前者は営業スキルや会計スキル、ITスキルのように職種や分野に特化した技術を指し、後者はコミュニケーション力や論理的思考力、問題解決力のようにどんな仕事でも求められる能力を意味します。ビジネスでは、これらのスキルがバランス良く備わっていることが大切だと考えられています。
コンピテンシーの意味
一方で「コンピテンシー」は、単なるスキルや知識を超えて「高い業績を出す人に共通して見られる行動特性」を指します。言い換えれば、職務で優れた成果をあげている人が持つ思考パターンや行動習慣、価値観や姿勢を含めた総合的な行動基準です。たとえば、「常に顧客視点で考えて行動する」「困難な状況でも前向きに取り組む」「周囲と協力して目標達成に貢献する」など、内面的な動機や意識・態度も含まれます。
企業が人材評価や採用、育成にコンピテンシーを導入する理由は、スキルだけでは測れない「成果に直結する行動」を明確にし、社員全体のレベルアップや企業文化の形成を図るためです。スキルは目に見える具体的な技術や知識ですが、コンピテンシーはその根底にある「行動様式」や「考え方」「取り組み姿勢」も評価対象となる点で大きく異なります。
ビジネス用語としての「スキル」と「コンピテンシー」の説明
ビジネスの現場では、「スキル」と「コンピテンシー」はどちらも重要ですが、その意味合いや活用される場面には大きな違いがあります。まず、スキルは社員一人ひとりが業務を遂行する上で最低限必要な能力を指し、採用や研修、日々の業務の中で明確に求められるものです。例えば、新入社員が営業職に配属された場合、電話応対や資料作成、提案書作成など具体的な「できること」がスキルとされます。
一方で、コンピテンシーは「なぜその人が高い成果を出せるのか」という行動面に着目し、人材評価やリーダーシップ開発、組織全体の人材育成方針の中で活用されます。企業によっては「自律的に行動する」「協調性を発揮する」「変化に柔軟に対応する」など、職種や等級ごとに求めるコンピテンシーのモデルを作成し、これに基づいて評価やフィードバックを行います。
ビジネスにおける「スキル」と「コンピテンシー」の違いをまとめると、以下のようになります。
- スキルは「できること」「目に見える技術や能力」
- コンピテンシーは「成果につながる行動特性」「考え方や価値観・態度を含む」
- スキルは主に業務遂行に必要な知識や技術に着目
- コンピテンシーは高い成果を生み出す行動の質や姿勢・意欲に着目
- 採用や育成、評価の場面で求められる内容や指標が異なる
このように、スキルは業務の遂行力を測るもので、コンピテンシーはより包括的に「どう成果につなげるか」を示す概念です。ビジネスで活躍するためには、まず必要なスキルを身につけ、その上で自分らしいコンピテンシーを磨いていくことが大切です。
スキルとコンピテンシーの一般的な使い方は?
- 新入社員研修では、パソコンスキルの習得が重視されています。
- 営業職にはコミュニケーションスキルが欠かせません。
- マネージャー職に求められるコンピテンシーを明確にしています。
- 高い成果を出すためには、スキルだけでなくコンピテンシーも必要です。
- 社員の育成プログラムでは、スキルアップとコンピテンシー強化の両面を重視します。
スキルとコンピテンシーが使われる場面
ビジネスやメールでスキルやコンピテンシーという言葉を使う際には、それぞれの意味を正しく理解し、状況に合わせて選ぶことが大切です。スキルは主に個々の技術や知識について触れる場合に使われ、例えば新たなツールの操作方法や資格取得について話す際に自然です。
一方、コンピテンシーは評価や人材育成、組織としての行動指針について語る際に使われます。例えば、部下の人事評価で「自発的な行動」や「周囲との協調性」といった項目をチェックする場合、単にスキルだけでなく、行動特性まで含めて評価することが求められます。
間違えないように使い分けるには、スキルは「何ができるか」、コンピテンシーは「どう考え、どう動くか」という視点で捉えると分かりやすくなります。目に見える行動や成果にはスキルが、そこに至るまでの取り組み姿勢や工夫、意欲にはコンピテンシーが関わっているのです。
スキルとコンピテンシーを言い換えて失礼がない伝え方・目上・取引先に送る場合
- この度はご指導いただき、業務に必要な知識や能力の向上に努めております。
- 御社の担当者様には、日頃より高い専門的な能力を発揮いただき、誠に感謝申し上げます。
- いつもご丁寧なご対応を賜り、貴重なご経験と行動力に学ばせていただいております。
- 今後も引き続き、業務遂行力や行動基準の向上を目指し、精進してまいります。
- これからも変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
- この度は、御社のスタッフの皆様の専門分野における知識や能力の高さに感銘を受けました。引き続き、協力して業務を進めてまいりたいと考えております。
- 業務の進行に際し、貴重なご経験と実践的な能力を随所でご発揮いただき、大変心強く存じます。引き続きご指導くださいますようお願いいたします。
- 御社のご担当者様には、業務に対する取り組み姿勢や協調性、問題解決力など、多岐にわたる力を見せていただき、感謝しております。
- 今後とも、自己の知識や実践力の強化に努め、お客様や関係者の皆様のお役に立てるよう努めてまいります。
- 貴社の皆様が日頃から培われている高い能力や行動基準を、私どもも見習い、業務の質向上に繋げていきたいと考えております。
- 貴重なご意見やご経験をもとに、社内教育や人材育成の質をさらに高めてまいりたいと存じます。
- これからも貴社との協力関係を大切にし、相互に能力向上を図れるよう努力してまいります。
- 日々のご指導やサポートに感謝しつつ、より一層の業務精度と行動力の向上に努めてまいります。
- 貴重なご指導や助言を受け、今後の自己成長や業務改善にしっかりと活かしていく所存です。
- 常に高い基準を目指し、皆様とともに業務の遂行に努めてまいります。今後ともご指導のほどよろしくお願い申し上げます。
スキルとコンピテンシーの間違えた使い方は?
スキルとコンピテンシーは意味が異なるため、誤って使うと相手に誤解を与えたり、評価の基準が曖昧になることがあります。
- スキルを問われているのに、態度や価値観を答えてしまうのは誤りです。
- 新しいプロジェクトのスキルについて話す場面で「チームワークが得意です」と述べてしまう。
- コンピテンシーについての説明で、単なる資格や知識だけを述べてしまうことがあります。
- 成果を出すための行動特性として「英語検定を持っています」と答える。
- スキル向上研修なのに、参加者の意識改革だけを強調してしまうことも間違いです。
- 「この研修では、前向きな気持ちを持つことが大切です」としか説明しない。
- コンピテンシー評価面談で、業務に関係のない趣味や個人的な能力を話すのは適切ではありません。
- 「休日は料理が得意です」と述べる。
- スキルの有無だけで昇進や採用を決めてしまい、行動特性や姿勢を無視してしまうのは本来の使い方から外れます。
- 技術力が高いだけでリーダーに選んでしまう。
スキルとコンピテンシー英語だと違いはある?
スキルの英語での説明
スキルは英語で「skill」と表現されます。Skillは、ある分野や職務において身につけた知識や実践的な技術、具体的な行動力を指します。たとえば、「communication skills(コミュニケーション能力)」や「technical skills(技術的な能力)」のように使われます。目に見える実務能力として、履歴書や職務経歴書でも頻繁に求められる要素です。
コンピテンシーの英語での説明
コンピテンシーは英語でも「competency」と表されます。Competencyは、単なる知識やスキルを超えて、行動特性や価値観、問題解決への姿勢、意欲など、職務で高いパフォーマンスを発揮するために求められる総合的な能力のことです。例えば、「leadership competency(リーダーシップの行動特性)」や「problem-solving competency(課題解決のための行動特性)」など、行動や思考パターンまで含めて評価されます。
スキルとコンピテンシー目上にも使える丁寧な言い回し方は?
スキルの丁寧な言い回し
目上の方や取引先に対して、スキルという言葉を使う際は、「ご経験や知識」「専門的なご能力」といった丁寧な表現を使うと、より配慮のある伝え方となります。たとえば、「貴社ご担当者様の高いご専門性や知識には、いつも感銘を受けております」というように、直接的なスキルという単語よりも柔らかく丁寧な表現を心がけると良いでしょう。
コンピテンシーの丁寧な言い回し
コンピテンシーについては、「行動特性」や「高いご意識」「ご姿勢」といった言い方が適しています。たとえば、「常に高いご意識を持って業務に取り組まれるご姿勢に、深く敬意を表します」というような表現が好まれます。単なる技術や知識以上に、その人が日常的に見せる行動や考え方まで含めて敬意を伝えるのがポイントです。
メール例文集
- いつもご丁寧にご対応いただき、貴重なご経験や専門性の高さに心より敬意を表します。今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
- この度はお力添えを賜り、心より感謝申し上げます。御社の皆様の高い能力や実務経験に学ぶことが多く、大変ありがたく存じます。
- 日頃より業務推進にご尽力いただき、御社のご担当者様の豊かな知識と的確な行動力に、改めて感謝申し上げます。
- 社員一同、貴社の皆様の高い専門性や柔軟な思考、前向きな姿勢を見習い、今後も努力してまいりますので、引き続きご指導を賜りますようお願い申し上げます。
- 御社のスタッフの皆様の経験や能力には、常に刺激を受けております。今後ともご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。
- 業務遂行にあたり、御社のご担当者様の高い知識や積極的な行動力に支えられ、大変心強く感じております。
- この度のご協力により、当社社員の能力向上にも大きな刺激となりました。今後もともに成長していければ幸いです。
- これからも皆様の実践力や行動基準を参考に、弊社社員の育成に力を入れてまいります。
- 目標達成に向けて、貴社の高い専門知識と組織力に助けられ、心より感謝しております。
- 今後もお互いの成長を目指し、ご経験や知識の共有を続けていければと願っております。
スキルとコンピテンシー相手に送る際・伝え方の注意点・まとめ
スキルとコンピテンシーは、どちらもビジネスの現場で重要な言葉ですが、その意味や役割は大きく異なります。スキルは、日々の業務を遂行する上で必要不可欠な具体的な知識や技術力を指します。一方、コンピテンシーは、成果に直結する行動特性や価値観、姿勢など、目に見える能力だけでなく、根底にある意欲や考え方まで含まれます。
相手にこれらの言葉を伝える際には、意味の違いをきちんと理解し、状況に合わせて丁寧な表現を使うことが大切です。特に目上や取引先の方には、直接的な単語ではなく「ご経験」「ご能力」「行動基準」「ご意識」など、配慮のある柔らかい言い回しを選びましょう。また、スキルやコンピテンシーを褒めるときや評価する場合は、相手の気持ちに寄り添い、失礼のないように注意することが信頼関係の構築につながります。
さらに、スキルだけを評価するのではなく、コンピテンシーの視点も取り入れることで、その人の本当の強みや成長可能性を正しく理解することができます。社員の育成やチームの強化を考える際には、どちらの要素もバランスよく取り入れることが、組織全体の成長や活躍につながります。