「委託」と「依頼」との違いは?一般での会話やビジネスメールでの使い分けは?例文を添えて解説

「委託」と「依頼」の違いは?どのように使い分けるのが適切か

ビジネス用語としての「委託」と「依頼」の違い

「委託」と「依頼」はどちらも「人に何かを頼む」という意味を持っていますが、ビジネスの現場では使い分けがとても重要です。この違いをきちんと理解することで、社内外とのやりとりや契約時の誤解を防ぎ、信頼関係を築く上でも役立ちます。

まず「委託」は、ある仕事や業務、または役割などを、自分の代わりに第三者や他の会社などに正式に任せることを意味します。ここで重要なのは、委託する側(委託者)が「その仕事自体を任せる」ということです。そのため、仕事の進め方や成果物について、一定の管理や監督、責任が発生します。「委託」は業務委託契約などのように、文書や契約書でしっかり内容や範囲、責任の分担を明確にするのが一般的です。たとえば、会社が清掃業務を専門会社に任せたり、システム開発を外部企業に頼んだりする時が「委託」です。

一方「依頼」は、もう少し広い意味で「お願いごとをする」「やってほしいと頼む」というニュアンスがあります。日常的なちょっとしたお願いから、ビジネスでの業務のお願いまで幅広く使われますが、「委託」のように責任範囲や契約書を作成するまでの正式なものではありません。「依頼」はあくまでも「お願いベース」なので、口頭やメールで気軽に頼めることも多いです。例えば、「資料作成をお願いする」や「出席をお願いする」といった使い方です。

まとめると、下記のような違いがあります。

  • 委託:正式に仕事や業務そのものを任せる。契約や合意が必要。責任や管理が明確。ビジネスや法律上で使われやすい。
  • 依頼:何かを頼むこと全般。お願いの度合いが軽く、契約書などは必要ない。日常的・気軽なお願いにも使われる。

このように「委託」と「依頼」は意味や使いどころに大きな違いがあります。ビジネスメールや会話では、「委託」は業務や役割をきちんと任せる時、「依頼」は簡単なお願いや一時的な仕事を頼む時に使うと、意図が正確に伝わりやすくなります。

「委託」と「依頼」の一般的な使い方は?

  • 社内清掃業務を外部の専門会社に任せることにしました。
  • 新商品の配送業務を専門の物流会社に任せています。
  • ウェブサイトの運用を外部の制作会社に任せることになりました。
  • システム開発を専門業者に任せる契約を締結しました。
  • 経理業務を外部の会計事務所に任せることを決定しました。
  • 会議資料の作成をお願いしたいです。
  • 来週のイベント参加をお願いしてもよろしいでしょうか。
  • お客様への連絡をお願いできますか。
  • 契約書の確認をお願いしたいと思います。
  • 企画書の作成をお願いしたいのですが、ご対応いただけますか。

「委託」「依頼」が使われる場面

ビジネスやメールでの正しい使い分け

「委託」と「依頼」を間違えないように使うためには、その業務やお願いごとの「重さ」や「責任の範囲」を意識することが大切です。

たとえば、会社として一定期間にわたって何かの業務やプロジェクト全体を誰かに任せたい場合や、専門性が高く、自社でできない業務を外部に任せたい場合には「委託」を使います。委託の場合は契約や書面で範囲や責任分担を明確にし、金銭的な対価や成果物の提出義務が発生することがほとんどです。

一方、「依頼」は日常的なちょっとした頼みごとから、社内で誰かに作業をお願いする場合、取引先に簡単な対応をお願いする時など、気軽に使える言葉です。依頼の多くは契約書や文書を交わさず、メールや口頭で済ませるケースが多いのも特徴です。

ビジネスメールの場面では、「委託」と「依頼」をきちんと使い分けることで、相手に与える印象や信頼度が変わります。「委託」は正式で責任ある協力、「依頼」はその都度のお願い、という意識を持つと良いでしょう。

失礼がない使い方

ビジネスや目上の方、取引先などに「委託」や「依頼」を伝える場合、できるだけ相手の立場や負担を考え、丁寧な言葉を選ぶことが大切です。急なお願いや業務を任せる際は、配慮や感謝の気持ちもきちんと伝えるようにしましょう。

  • 平素よりお世話になっております。今般、弊社業務の一部を貴社にお任せすることとなり、ご多用のところ誠に恐縮ですが、何卒よろしくお願い申し上げます。
  • このたび新規事業に伴い、御社に一定期間業務をお任せしたく存じます。詳細につきましては、改めてご相談させていただけますと幸いです。
  • 日頃から多大なるご協力を賜り、心より感謝申し上げます。業務委託の件につきまして、引き続きご尽力いただけますようお願い申し上げます。
  • 重要な業務をお任せすることになりましたので、何卒ご理解とご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
  • 業務の一部を外部にお任せする運びとなり、ご負担をおかけいたしますが、ご対応のほどお願い申し上げます。
  • 会議資料の作成につきまして、急なお願いとなり恐縮ですが、ご対応いただけますと大変助かります。
  • 明日の打ち合わせの調整をお願いできないでしょうか。
  • 本件についてご多忙の中恐れ入りますが、ご対応いただけますと幸いです。
  • 書類の確認をお願いしたく、ご一読いただければと存じます。
  • イベントの運営についてお力添えをお願いしたく、ご協力をお願い申し上げます。
  • 企画書のご確認をお願い申し上げます。ご多忙の折、誠に恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。
  • ご相談したい案件がございます。お時間を頂戴できましたら幸いです。
  • 新商品のパンフレット作成をお願いできませんでしょうか。
  • 緊急のお願いとなり恐縮ですが、至急ご対応いただけますと助かります。
  • お手数をおかけいたしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。

英語だと違いはある?

「委託」と「依頼」を英語でどう伝えるか

「委託」は英語で「outsourcing」や「commissioning」「entrusting」と表現されます。「outsourcing」は「外部委託」という意味で、ビジネスの現場でよく使われます。「commission」は公式に仕事や業務を依頼し任せるというニュアンスが含まれます。

一方、「依頼」は「request」や「ask」「call on」といった単語がよく使われます。「request」は正式なお願いにもカジュアルなお願いにも対応でき、広い意味で使える便利な言葉です。「ask」はより気軽なお願いをするときに適しています。

それぞれの単語を使い分けることで、英語でも相手に自分の意図を正確に伝えることができます。

メール例文集

  • 平素より格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。今般、弊社の業務の一部を御社にお任せすることとなりました。詳細につきましては改めてご相談させていただきたく存じます。
  • 本件業務を貴社にお任せしたく、何卒ご協力のほどお願い申し上げます。
  • ご多忙中とは存じますが、書類作成のご協力をお願いできれば幸いです。
  • 先日ご相談させていただいた案件につきまして、ご対応いただき誠にありがとうございます。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
  • 急なお願いとなり恐縮ですが、会議資料の作成をご対応いただけますと助かります。
  • お手数をおかけいたしますが、今後とも変わらぬご協力をお願い申し上げます。
  • このたびの業務委託契約に関しまして、今後ともご支援を賜りますようお願いいたします。
  • 新規プロジェクトの業務につきまして、ご相談させていただきたくご連絡差し上げました。
  • イベント運営について、ご協力いただけますと幸いです。
  • ご依頼させていただいた件につきまして、ご確認いただけますと大変ありがたく存じます。

「委託」「依頼」相手に送る際・伝え方の注意点・まとめ

「委託」と「依頼」は、どちらも「何かを頼む」という意味で使われますが、そのニュアンスや責任の重さ、必要とされる正式さが異なります。「委託」はビジネス上、特に業務や役割をしっかり任せる場合に使い、契約や責任範囲を明確にする必要があります。一方で「依頼」は日常的なお願いや一時的な仕事など、比較的気軽に頼む場合に使います。

相手に誤解を与えないためにも、業務の内容や責任の度合いを意識しながら正しく使い分けることが大切です。また、メールや会話で伝える際には、相手の負担を考え、配慮や感謝の気持ちを丁寧に言葉にすることで、円滑なコミュニケーションや信頼関係の構築に繋がります。

英語で伝える場合も「outsourcing」「commission」「request」など適切な単語を選ぶことで、海外の相手にも自分の意図が正確に伝わりやすくなります。

業務の性質や頼みごとの内容をよく考えて、「委託」と「依頼」を使い分けることで、仕事も人間関係もスムーズに進めることができます。