「顔に泥を塗る」意味は?言い換えは?ビジネスでも使える?失礼ではない使い方例文
「顔に泥を塗る」という慣用句は、主に他人の名誉や評判を傷つける、あるいは恥をかかせるという意味で使われます。日本語では非常に強い否定的な意味合いを持ち、信頼関係や尊敬の念を根本から揺るがすような行動を指す時に用いられます。「顔」というのはここでは“体面”や“名誉”の象徴として使われており、そこに“泥を塗る”ということは、汚してしまう、台無しにしてしまうという比喩的な表現になります。
英語で似た意味を持つ言い回しは “to disgrace someone” や “to bring shame upon someone” などがあります。よりカジュアルに言えば “to embarrass someone” や “to humiliate someone” という表現も近いでしょうが、日本語の「顔に泥を塗る」の重さに近いニュアンスを出すには、やはり“disgrace”や“dishonor”といった語のほうが適切です。
この慣用句は、個人的な関係はもちろん、会社や団体の中でもよく用いられる表現です。例えば、親や上司、恩師などの大切にしてくれた人に対して、自分の不誠実な行動や失敗によって、彼らの信用や立場を悪くしてしまった際に「顔に泥を塗ることになった」と言います。また、自分自身が誰かから裏切られたり、信用を失うような行動を取られたときに、「自分の顔に泥を塗られた」と表現することもあります。
信頼関係を重視する日本文化において、この言い回しは単なる恥や不名誉というだけでなく、人間関係全体を損なう可能性を持つ、非常に深刻な言い回しとなっています。そのため、この言葉を使う際には、誰が誰に対して何をしたのかという関係性や背景をしっかり理解しておく必要があります。
顔に泥を塗るの一般的な使い方と英語で言うと
- 彼は恩師の信頼を裏切る行為をして、まさにその顔に泥を塗るような結果になってしまった。(He betrayed the trust of his mentor, which was nothing short of bringing disgrace upon him.)
- 社長の指示を無視して勝手な行動を取り、会社の評判を落としたのは完全に顔に泥を塗る行為だ。(Ignoring the president’s orders and damaging the company’s reputation was clearly an act of disgracing the company.)
- 両親が長年築き上げてきた信用を、息子の事件が一瞬で台無しにしてしまい、顔に泥を塗る形になった。(The incident involving their son instantly ruined the trust their parents had built over the years, shaming them deeply.)
- 上司の推薦でプロジェクトに抜擢されたのに、大きなミスをしてしまい、完全に顔に泥を塗ってしまった。(Although I was chosen for the project through my boss’s recommendation, I made a huge mistake and brought shame upon him.)
- 仲間のために尽力してくれたリーダーに対し、無責任な発言をして顔に泥を塗るような真似は絶対にしてはいけない。(One should never make irresponsible comments that would disgrace the leader who worked so hard for the team.)
顔に泥を塗るに似ている言い回し
- 面目をつぶす
- 恥をかかせる
- 信用を落とす
- プライドを傷つける
- 評判を汚す
顔に泥を塗るのビジネスで使用する場面の例文と英語
この表現はビジネスの世界でも非常に強い意味を持ち、取引先や顧客、上司や部署など、関係者に恥をかかせたり信頼を損なったりする行動を指す際に使われます。自分の不注意な言動が組織全体の信用を落とすことにつながるため、特に注意が必要です。
- プレゼンで事前に合意された資料と違う内容を提示してしまい、上司の顔に泥を塗る結果となった。(I presented content different from what had been agreed upon in advance, which resulted in disgracing my supervisor.)
- 納期を守らず、取引先に迷惑をかけてしまい、会社の顔に泥を塗ったようなものだ。(Failing to meet the deadline and troubling the client brought shame upon the company’s reputation.)
- ミスを隠して報告しなかったことが発覚し、チーム全体の顔に泥を塗る事態となった。(It was discovered that I hid a mistake, leading to a situation that disgraced the entire team.)
- 大事な会議に遅刻してしまい、同席していた部長の顔に泥を塗る形となってしまった。(Arriving late to an important meeting ended up embarrassing the director who was with me.)
- 企業の代表としての立場を理解せず、不適切なSNS投稿をしてしまい、顔に泥を塗る行為となった。(Posting inappropriate content on social media as a company representative resulted in shaming the organization.)
顔に泥を塗るは目上の方にそのまま使ってよい?
「顔に泥を塗る」という表現は、その語感の強さや、直接的に非難する響きがあるため、目上の方や取引先にはそのまま使うべきではありません。特にビジネス文書やメールでは、相手に不快感や誤解を与える恐れがあるため、言葉を選ぶことが求められます。日本語には敬意を持ってやんわりと指摘する文化がありますので、同じ意味を伝える場合でも、やや婉曲に、やわらかく伝える工夫が必要です。
直接的に「顔に泥を塗った」と言ってしまうと、相手に対して非礼で高圧的な印象を与えることがあります。また、相手が失敗したことを責めているように捉えられたり、立場を追い込むような表現になってしまう可能性もあります。以下のように、もっと穏やかで配慮のある言い回しを使うようにしましょう。
- 信頼を損なうような結果になってしまい、誠に申し訳なく存じます
- ご厚意に添えず、心苦しい限りでございます
- せっかくのお力添えを無にしてしまったこと、深く反省しております
- 面目を保てぬ結果となり、大変失礼いたしました
- 支援いただいたにも関わらず、ご期待に沿えなかったことが悔やまれます
顔に泥を塗るの失礼がない言い換え
- この度の件につきましては、ご信頼に背く形となり、深くお詫び申し上げます。
- ご期待を裏切るような結果となり、誠に遺憾であり、自身の責任を痛感しております。
- 多大なるご支援を頂いていたにも関わらず、それに報いることができず心苦しく存じます。
- お力添えを無にするような行動となり、面目次第もございません。
- ご指導をいただいていた立場でありながら、それに応える結果とならず、お恥ずかしい限りです。
顔に泥を塗るに適した書き出しの挨拶と締めの挨拶は?
書き出し
- このたびの件につきましては、私の不注意と判断の甘さにより、皆様に多大なご迷惑をおかけしてしまいましたこと、心よりお詫び申し上げます。
- いつもご指導を賜り誠にありがとうございます。しかしながら今回は、ご期待に反する結果となり、痛恨の極みでございます。
- ご尽力いただいたにも関わらず、それに応えられない形となり、大変申し訳なく思っております。
- ご厚意に満ちたご対応を頂いていたにもかかわらず、不本意な結果を招いてしまい、深く反省しております。
- 多大なるお力添えを賜りながら、それに見合う成果を出せず、誠に情けなく存じます。
締めの挨拶
- 今後はこのようなことが二度と起こらぬよう、誠心誠意努力を重ねてまいりますので、引き続きのご指導を賜りますようお願い申し上げます。
- 本件を厳粛に受け止め、再発防止に努めてまいりますので、今後とも変わらぬご支援を頂ければ幸いでございます。
- ご迷惑をおかけしましたことを改めてお詫び申し上げ、今後は誠意ある対応を徹底してまいります。
- 二度とこのような失態を繰り返さぬよう、自己の行動を見直し、業務に邁進してまいります。
- 今後は信頼回復に向け、一層の努力を重ねてまいりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。
顔に泥を塗るを使う時に注意が必要な場面とは?
「顔に泥を塗る」という表現は、強い言い回しであるため、使い方を誤ると相手を傷つけたり、意図しない誤解を生んだりする可能性があります。特に人間関係やビジネスにおいては、配慮に欠けた使用は信頼関係を損なう原因となります。そのため、この表現を使う際には、相手の立場や感情、関係性、場の空気を十分に考慮した上で、慎重に使うことが求められます。
以下のような場面では、特に注意が必要です。
- 目上の人や取引先に対して直接使う場合
- 感情が高ぶっている相手に向けて使う場合
- 書き言葉で公的に記録が残る場面
- 社内外の責任の所在が不明確なとき
- 誰かの失敗を指摘する文脈で使うとき
細心の注意払った言い方
- このたびは、ご信頼を損なうような結果となり、心よりお詫び申し上げます。今後はより慎重に対応してまいります。
- ご尽力いただいたにもかかわらず、期待に応えることができず、大変申し訳なく思っております。
- ご支援のもとで進めていただいた案件にも関わらず、成果を出せず、責任を痛感しております。
- せっかくの機会を台無しにしてしまう形となり、重ねてお詫び申し上げます。再発防止に努めます。
- ご指導を受けていた立場でありながら、期待に沿う行動ができず、深く反省しております。
顔に泥を塗るのまとめ・注意点
「顔に泥を塗る」という慣用句は、他者の名誉や体面を著しく傷つけてしまう行動を意味し、日本語の中でも非常に重いニュアンスを持つ言葉のひとつです。相手を恥ずかしい思いにさせたり、信用を損なう結果を招いた時などに使われますが、使用には細心の注意が必要です。
特にビジネスの場面では、直接的に相手に向けて使用すると、攻撃的あるいは責任を押し付けるように受け取られる恐れがあるため、遠回しで丁寧な言い回しを選ぶことが望まれます。日本語には敬語や婉曲表現が豊富にありますので、同じ意味を伝える際には、相手の気持ちに配慮した表現を用いることが大切です。

