「手を切る」意味は?言い換えは?ビジネスでも使える?失礼ではない使い方例文
「手を切る」とは、誰かや何かとの関係を完全に断ち切ることを指す慣用句です。もともとは、刀で手を切るようにスパッと明確に関係を絶つというイメージからきており、後腐れなく完全に縁を断つという意味合いがあります。日常的には、人間関係、仕事、契約、あるいは悪習慣との決別など、幅広い場面で使われます。特に感情的なもつれや未練を残さず、決意を持って関係を断ち切るというニュアンスが込められています。
この慣用句を英語にする際、完全な一語一訳は難しいものの、近い意味を持つ表現としては “cut ties” や “break off relations”、”sever ties”、”end a relationship” などが挙げられます。たとえば、長年の付き合いだった人と完全に縁を切る場合には “I decided to cut all ties with him.” という具合に使えます。悪縁を断つ、悪習をやめる、あるいは不適切な関係から抜け出すような場面にも適応できる柔軟な表現であり、意志の強さや覚悟を表す際にも非常に効果的な言いまわしです。
「手を切る 慣用句」や「手を切る 意味」で調べると、もともとは賭博や悪事の世界に足を踏み入れていた人物が、その世界と縁を切るという場面で使われていたこともあります。つまり、「手を切る」という言葉には、単に「距離を取る」だけでなく、人生における大きな決断や転機、あるいは価値観の変化といった要素が含まれていることが多いのです。よって、単なる離別ではなく、そこには多かれ少なかれ覚悟や意志が伴っているという背景があります。
「手を切る」の一般的な使い方と英語で言うと
- 長年付き合っていた友人が何度も裏切るので、もう我慢の限界と思い、きっぱりと手を切る決断をしました。
(After being betrayed repeatedly by a long-time friend, I decided it was time to cut ties once and for all.) - 恋人が借金を繰り返し、私の生活にまで影響を与えるようになったため、泣く泣く手を切るしかありませんでした。
(My partner kept borrowing money and affecting my life, so I had no choice but to break off the relationship.) - 長年勤めた会社のやり方に疑問を感じ、自分の信念を貫くために手を切ることに決めました。
(After questioning the company’s practices for years, I decided to sever ties in order to stay true to my beliefs.) - ギャンブルに依存していた頃の仲間たちとは、人生を立て直すために完全に手を切ることにしました。
(I completely cut ties with my old gambling friends in order to rebuild my life.) - 悪質な業者と付き合い続けていては信用に関わると判断し、取引先として手を切る決断を下しました。
(I decided to end the business relationship with the dishonest company to protect my reputation.)
似ている言い方
- 縁を切る
- 決別する
- 絶交する
- 関係を断つ
- 足を洗う
「手を切る」をビジネスで使用する場面の例文と英語
ビジネスにおいて「手を切る」は、取引先や業務提携先との関係解消、もしくは信頼を損なったパートナーとの契約終了などの場面で用いられます。特に、契約違反や不誠実な対応があった場合などに、信頼関係が破綻したと判断され、関係を終える際に使われます。また、経営方針の変更や合理化によって、今までの協力体制を見直す際にも使用されることがあります。
- 先方の度重なる納期遅延により業務に支障が出たため、これ以上の継続は困難と判断し、手を切る決断をいたしました。
(Due to repeated delivery delays causing operational issues, we have decided to cut ties with the vendor.) - コンプライアンス違反が発覚した企業とは、当社の理念と合致しないため、速やかに手を切る対応を取りました。
(We took immediate action to sever ties with the company due to its compliance violations, which conflict with our corporate philosophy.) - コスト削減と効率化の観点から、業務委託先との契約を見直し、一部と手を切ることとなりました。
(As part of cost reduction and efficiency measures, we reviewed and ended contracts with certain outsourcing partners.) - 長年協力してきた企業ですが、今回の不誠実な対応を受け、苦渋の選択ながら手を切ることにいたしました。
(Despite a long-standing partnership, we had to make the difficult decision to break off relations due to their dishonest conduct.) - 技術提携を進めていた企業が予定よりも著しく成果を出せなかったため、将来的な成長を考慮し手を切りました。
(As the technology partner failed to meet expected milestones, we chose to end the partnership for future growth considerations.)
「手を切る」は目上の方にそのまま使ってよい?
「手を切る」という言葉は意味が強く、関係を断絶するニュアンスが明確に伝わる表現です。そのため、目上の方や取引先に対して直接使うには配慮が必要です。特に、ビジネス文書や丁寧な会話の場面では、「手を切る」という言い方は唐突で、相手に強い拒絶感を与える可能性があります。相手が年上であったり、会社の上層部、重要なクライアントである場合、あからさまに「手を切る」というのは失礼と取られる恐れがあります。そのため、やや遠回しながらも意志が伝わる言いまわしを用いることが望ましいです。意図としては「関係を見直す」「契約を終了する」「これまでのご厚意に感謝しつつも今後は控える」といった表現が好まれます。
- 相手に不快感を与える可能性があるため、直接的な表現は避ける
- 関係を断ち切るよりも、関係性の見直しや終了をやわらかく伝える言い方が望ましい
- 誠意や感謝の気持ちを先に述べてから、関係を終える意図を伝える方が丁寧
- 曖昧な表現にせず、今後の方針が明確に伝わるようにする
- 相手が納得しやすい理由を説明に含めることで円滑な関係解消が可能
「手を切る」の失礼がない言い換え
- 今後の方針により、これまでのご協力については一区切りとさせていただきたく存じます。
- 誠に勝手ながら、業務内容の見直しに伴い、本件については終了させていただきたくご連絡申し上げました。
- 長らくのご支援に心より感謝申し上げますが、今後は別の方針で進めることとなりました。
- ご協力の下、様々な成果が得られましたが、諸事情により一旦ご縁を控えさせていただきたく思います。
- お力添えいただきながら恐縮ですが、事業方針の変更に伴い今回をもちましてお取引を終了とさせていただきます。
適した書き出しの挨拶と締めの挨拶は?
書き出し
- 日頃より多大なるご尽力を賜り、心より御礼申し上げます。この度のご報告につきまして、誠に恐縮ながらご一読いただければ幸いです。
- 平素は格別のご高配を賜り、深く感謝申し上げます。さて、今回は重要なご連絡があり、恐れながら筆を執らせていただきました。
- 貴社には平素より並々ならぬご厚情を賜り、厚く御礼申し上げます。本日は今後の方向性につきましてご案内申し上げます。
- 日々のお引き立てに心より感謝申し上げます。恐縮ながら、今後の業務体制についてご説明申し上げたくご連絡いたしました。
- ご多忙のところ恐れ入りますが、重要なお知らせがございますので、本メールにてご案内申し上げます。
締めの挨拶
- 今後とも変わらぬご厚誼を賜れましたら幸甚に存じます。何卒ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。
- 誠に勝手ではございますが、今後のご対応にご配慮賜りますよう、何卒お願い申し上げます。
- 本件につきまして、何かご不明点がございましたらご遠慮なくお申し付けください。引き続きのご指導を賜れましたら幸いでございます。
- 今回の件によりご迷惑をおかけすることがございましたら、深くお詫び申し上げます。ご理解のほど重ねてお願い申し上げます。
- ご確認のうえ、ご不明な点などございましたらご連絡賜りますようお願い申し上げます。今後とも何卒よろしくお願いいたします。
注意する状況・場面は?
「手を切る」は関係を完全に断つ意味を持つため、相手との信頼関係やビジネス関係において慎重な判断が必要です。特に、長期間付き合いのあった相手や、立場的に自社よりも上の存在に対しては、感情的に響く恐れがあるため注意が必要です。この言い回しを不用意に使うと、冷淡な印象や高圧的な態度に映る場合があります。また、協議途中やまだ関係が継続している最中にこの表現を用いると、交渉破綻や信頼喪失に直結する危険性もあります。
- 相手との関係が継続中であり、正式な契約終了の通知前である場合
- 上位の役職者や取引先責任者に対して直接「手を切る」と表現すること
- 感情的に関係を絶ったと誤解されかねない場面
- 外部とのやりとりで第三者にも伝わるような文章で使用すること
- 将来的に再び関係を築く可能性がある場合の不用意な使用
細心の注意払った言い方
- 誠に恐縮ですが、諸般の事情により今回のご依頼につきましてはお引き受けを控えさせていただくこととなりました。
- 長らくのご厚情に深く感謝申し上げますが、今後の運営方針に伴い本件の契約については終了とさせていただきたく存じます。
- 今回の件につきまして慎重に社内協議を重ねた結果、誠に残念ながらご協力を一旦見合わせる運びとなりました。
- 当社といたしましても大変心苦しい限りでございますが、今後の事業展開に合わせてお取引の見直しを進めることとなりました。
- ご迷惑をおかけいたしますことを心よりお詫び申し上げますが、今後は別の体制で対応させていただきたく存じます。
「手を切る」のまとめ・注意点
「手を切る」という慣用句は、相手や物事との関係を断ち切るという強い意味合いを持ちます。その背景には、感情的な別れや価値観の変化、信頼関係の破綻といった複雑な事情が含まれていることが多く、単なる別れ以上の意志が込められていると理解する必要があります。日常生活では、悪習慣との決別や問題のある人間関係の清算などで使われますが、ビジネスの場面では特に注意が必要です。直接的に使うと、冷淡に映ったり相手を傷つけたりする可能性があるため、やんわりとした言いまわしに変換する工夫が求められます。今後の関係性に影響が出る場面では、感謝の意を忘れず、かつ自分の意志を丁寧に伝える言いかたが不可欠です。「手を切る」は便利な言葉である反面、誤った場面で使うと逆効果になるリスクをはらんでいます。そのため、文脈や相手との関係性を慎重に見極めながら使用すべき言葉といえるでしょう。

