「しのぎを削る」意味は?言い換えは?ビジネスでも使える?失礼ではない使い方例文
「しのぎを削る」という言い回しは、日本語の慣用句の中でも特に競争や戦いの激しさを表現するために使われるものです。「しのぎ」とは、刀の側面にある稜線の部分のことを指し、刀と刀が接触し、激しく擦れ合う様子から転じて、互いに譲らず激しく競り合う様子を示します。このことから、「しのぎを削る」とは、ライバル同士が全力を出し切り、一歩も引かずに真剣勝負を繰り広げている状況を意味します。
現代では、スポーツやビジネス、受験、芸術の世界など、さまざまな分野で使われています。たとえば、「各社が新製品の開発でしのぎを削っている」といった言い回しでは、企業が競争に全力を尽くしている様子を表しています。また、「予選からしのぎを削る激戦だった」といった使い方では、参加者全員が勝利を目指して努力し、その競争が熾烈であったことを強調しています。
英語で近い意味を持つ言い回しとしては、“fierce competition”(激しい競争)や“go head to head”(直接対決する)などがあります。また、より文学的に表現したい場合は“locked in a battle”や“fight tooth and nail”といった表現もふさわしいです。これらはいずれも互いに妥協せず競い合う様子を伝えるのに適しています。
「しのぎを削る」の一般的な使い方と英語で言うと
・地方大会で優勝するために、選手たちは毎日しのぎを削って練習に取り組んでいます。まさに努力の結晶といえる日々です。
(They practice every day, locked in fierce competition to win the regional championship. Their daily efforts truly show their dedication.)
・この地域では多くの飲食店がひしめき合い、どの店も生き残りをかけてしのぎを削っています。サービスと味の両方で勝負です。
(Many restaurants in this area are fighting tooth and nail for survival, competing in both service and taste.)
・新たな製品の発表を前に、各企業は市場のシェア獲得に向けてしのぎを削っている状態です。業界全体がピリピリとした雰囲気に包まれています。
(Companies are going head to head to gain market share before launching their new products, creating a tense atmosphere in the entire industry.)
・志望大学合格を目指して、生徒たちは模試でしのぎを削り合いながら日々成績向上に励んでいます。切磋琢磨の空気が漂っています。
(Students are constantly pushing each other in mock exams, striving to improve and battling fiercely for admission to their desired universities.)
・この大会では実力が拮抗した選手たちが揃っており、初戦からしのぎを削るような熱戦が続いています。どの試合も見ごたえがあります。
(The tournament features equally skilled players, and from the first match, they’ve been engaged in intense, closely fought battles.)
似ている表現
・火花を散らす
・切磋琢磨する
・一歩も譲らない
・競い合う
・真っ向勝負を挑む
「しのぎを削る」のビジネスで使用する場面の例文と英語
「しのぎを削る」はビジネスの世界では、特に市場競争や社内の昇進争い、企画競合などで使われます。ただの努力ではなく、相手と真正面からぶつかるような状況で使われ、熱意や真剣さが込められます。特に、新規事業開発やプレゼン対決、営業成績争いなど、成果が問われる状況に用いられやすい表現です。
・今期の営業成績でトップを目指し、各チームがしのぎを削って顧客獲得に動いています。
(Each team is striving fiercely to acquire customers and claim the top spot in this quarter’s sales results.)
・商品開発のコンペにおいて、複数の部署がそれぞれの強みを活かしてしのぎを削っていました。
(Several departments competed intensely in the product development contest, utilizing their respective strengths.)
・新規案件の受注をめぐり、我が社と他社がしのぎを削る交渉を続けています。
(Our company and a rival firm are locked in tough negotiations to win the new contract.)
・マーケティング戦略の見直しを進める中で、担当チーム同士がしのぎを削るような議論を繰り広げています。
(Teams are engaged in passionate discussions, fiercely debating marketing strategy revisions.)
・海外市場でのシェア拡大を目指して、各国の拠点がしのぎを削る取り組みを展開中です。
(Branches in different countries are putting forth fierce efforts to expand market share overseas.)
「しのぎを削る」は目上の方にそのまま使ってよい?
「しのぎを削る」という言葉自体に失礼な意味は含まれていませんが、その語感や背景には激しい争い、対決のニュアンスが強く含まれているため、目上の方や取引先に対してそのまま使うことには注意が必要です。特に、ビジネスメールや正式な場では、相手に対して対抗意識を強調しすぎる印象を与えることがあり、場合によっては誤解や不快感を与える可能性もあります。
また、丁寧な関係を重んじる日本のビジネスマナーでは、直接的な言い回しを避け、柔らかい表現に置き換えることが望ましいとされます。そのため、「しのぎを削る」という表現を使いたい場合は、少し和らげた形で「競争が激化している」「互いに努力を重ねている」といった表現に変えるのが適切です。
・やや攻撃的な印象を持たれる可能性がある
・言葉の背景が「争い」であるため、柔らかく言い換えるべき
・正式な文書やメールでは避けるのが無難
・相手が業界のライバル企業などの場合は、誤解を生まないように注意
・直接的に対立を示す語は、ビジネス上では控えめに扱うのが礼儀
「しのぎを削る」の失礼がない言い換え
・各社が新製品に向けて、積極的な取り組みを続けております。
・関係各所が努力を重ね、より良い成果を目指して励んでおります。
・競争が激化する中でも、誠意を持って対応を続けております。
・それぞれの担当者が工夫を重ね、全力で対応しております。
・お互いに最善を尽くしており、良い形での成果を目指しております。
適した書き出しの挨拶と締めの挨拶は?
書き出し
・いつも格別のご配慮を賜り、誠にありがとうございます。本件に関しましては、関係各所が力を尽くしている状況でございます。
・平素より格段のご厚情を賜り、心より感謝申し上げます。現状は、各部門が緊密に連携し、対応に尽力しております。
・日頃より温かいご支援をいただきまして、誠にありがとうございます。現在、全社を挙げて取り組みを進めております。
・いつもお世話になっております。関係部署間で調整を重ねながら、前向きに進めております。
・このたびは迅速なご対応、誠にありがとうございます。社内でも積極的に議論を重ねているところでございます。
締めの挨拶
・今後ともご支援・ご指導のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。なお、一層の努力を重ねてまいります所存です。
・引き続き、ご理解とご協力を賜れますと幸いに存じます。今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
・ご多忙のところ恐縮ですが、今後ともご指導・ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
・何かご不明点などございましたら、どうぞご遠慮なくお申しつけくださいませ。今後ともよろしくお願い申し上げます。
・至らぬ点も多くございますが、精一杯努めてまいりますので、変わらぬご厚情を賜れますようお願い申し上げます。
注意する状況・場面は?
「しのぎを削る」は非常に強い競争や争いを連想させる言葉であるため、使用する状況や相手によっては不適切に受け取られてしまう場合があります。たとえば、ビジネス文書やメールで取引先に対して使うと、「対立している」「戦っている」といった印象を与えかねません。これが相手の気分を害し、信頼関係の構築に悪影響を及ぼすこともあります。特に、初対面の相手や、敬意を重んじる場面では注意が必要です。
また、「しのぎを削る」は感情を煽るような側面もあるため、落ち着いた対応が求められる場面では不適切とされることがあります。冷静な対応が大切な交渉の場面などでは、もっと中立的で柔らかな言葉を選ぶように心がけましょう。
・目上の方や取引先に使うと、攻撃的に受け取られる可能性がある
・ビジネスメールでは、文面の印象を悪くする恐れがある
・和やかな場では不似合いな強い語調になる
・同じ社内でも、上下関係によっては誤解を招く可能性がある
・冷静さや中立性が求められる会議・商談では避けるべき
細心の注意払った言い方
・関係者が真剣に取り組んでおり、日々前向きに改善を進めております。
・競合状況の中でも、皆が協力し合いながら最善を尽くして対応しております。
・各部署がそれぞれの役割を果たし、協調して進行しております。
・結果を重視しつつも、丁寧な取り組みを重ねております。
・お客様のご要望に応えるべく、関係者一同が誠心誠意努力しております。
「しのぎを削る」のまとめ・注意点
「しのぎを削る」という言い回しは、非常に生き生きとしたイメージを持つ一方で、使い方を誤ると相手に強い印象や誤解を与えてしまう可能性があります。意味としては、激しく競い合い、互いに譲らず努力を続ける様子を描写するために使われます。ビジネス、スポーツ、学業などあらゆる分野で応用できますが、対外的な文書や会話で使用する際は、表現のトーンに細心の注意を払う必要があります。特に、目上の方や取引先に対しては「対決感」や「敵対感」を強調しないよう、より柔らかく丁寧な言い回しに置き換えることが望ましいです。真剣な取り組みや努力を表現する際には、「しのぎを削る」以外の丁寧な言葉を用いることで、相手との関係性をより円滑に保つことができます。場面と相手をよく見極めて、表現を選ぶことが求められます。

