逐電(ちくでん)とは?|ニュースやビジネスで使われる際の意味・言い換え・メールの書き方・例文
「逐電(ちくでん)」は、もともと「雷(いかずち)を追うように素早く逃げる」という漢語的な意味合いを持ち、江戸時代から使われている古い日本語の一つです。現代では特にビジネスやニュースの場面で、「何らかの責任や義務を果たさずに突然姿を消す」「連絡もなく失踪する」といった意味合いで使われます。
たとえば、企業の経営者が巨額の債務や横領、不正会計の責任から逃れるために、会社や家庭を放棄し、行方をくらますといった事例で「逐電」が使われます。これは、単なる家出とは異なり、社会的責任を背負った立場の人間が、あえてその責務を放棄して逃げ出すようなケースに用いられることが多いです。
また、ニュースで取り上げられる場合には、例えば不正を働いた後に姿を消した人物や、警察の捜査を逃れるために所在をくらませた容疑者などに対しても使われます。この語の使用には、事態の重大さや、逃亡した人物の責任の重さを伝えるニュアンスが込められており、読む人に強い印象を与える言葉です。
一般的にこの言葉は、単なる退職や引っ越しとは明確に区別されます。何かから逃れるための行動、特に非合法や倫理的に問題のある背景を持った逃避行動に焦点が当たっているのが特徴です。したがって、逐電という言葉には、逃げた人物への批判や糾弾の意図が込められることが少なくありません。
【まとめ】
- 「逐電」とは、何らかの責任や義務から逃れるように突然姿を消すこと。
- ビジネスでは経営責任を放棄して姿を消した人物に対して使われる。
- ニュースでは警察の捜査を逃れるような逃亡劇で使われることが多い。
- 逃避行の重大性や非道徳性を強調する際に使われる。
- 単なる引退や転居とは明確に意味が異なる。
- 敏速に行動すること
「逐電」を英語で言うと?
“go on the run” / “flee” / “abscond” / “disappear without trace” / “skip town”などが文脈によって適切に使われます。
逐電(ちくでん)の言い換え・言い回しは?
- 姿をくらます
- 行方をくらます
- 逃げ去る
- 音信不通になる
- 姿を消す
逐電(ちくでん)が使われる場面
- 経営者が巨額の負債を抱えたまま連絡を絶って消息不明になった
- 脱税疑惑が浮上した会社役員が海外に出国し行方不明となった
- 詐欺事件の主犯格とされる人物が警察の捜査前に逃走した
- 社員が内部情報を持ち出した後に出社せず連絡も取れなくなった
- 賃貸契約を無断で破棄し、家賃を滞納したまま転居した
逐電を言い換えて失礼がない伝え方・目上・取引先に送る場合
- ご連絡が取れず、ご所在が確認できない状況でございます。
(We are currently unable to confirm your whereabouts or establish contact.) - しばらくご連絡がないため、ご無事を案じております。
(We have not heard from you for some time and are concerned about your well-being.) - 現在、所在が不明のため、今後のご対応についてご相談させていただければと存じます。
(As we are currently unaware of your location, we would appreciate an opportunity to discuss the next steps.) - ご退任以降、ご連絡が取れておりません。お手数ですがご一報いただけますと幸いです。
(Since your resignation, we have not been able to reach you. We would be grateful if you could get in touch.) - これまでの経緯を踏まえ、一度ご状況を確認させていただければと考えております。
(Considering the circumstances so far, we would appreciate a moment to confirm your current situation.)
逐電・同等の立場の方に合わせ言い換えて使用する例文
- 最近連絡が取れなくなっていて、何かあったのかと心配しています。無事ならそれで良いんだけど、ちょっと一報あると安心します。
(I haven’t been able to get in touch with you lately and I’m a bit worried. If you’re okay, that’s all that matters, but a quick message would really help.) - 連絡がつかないままでちょっと気になっています。落ち着いたらまた話せるといいなと思ってます。
(I’ve been wondering since I haven’t heard from you. I hope we can catch up once things settle down.) - 最近見かけないけど、元気かな?何かあったらいつでも連絡してね。
(Haven’t seen you around lately. Hope all is well. Reach out if there’s anything I can do.) - しばらく音沙汰がないから心配になって連絡しました。今どうしてる?
(It’s been a while since I heard from you, so I just wanted to check in. How have you been?) - 突然連絡が途絶えたから少し驚いてるけど、無理せず連絡もらえたら嬉しいです。
(I was a bit surprised when the communication suddenly stopped, but I’d appreciate it if you could reach out whenever you’re ready.)
逐電を使用した本文
- 先日まで通常通り出社されていたのに、急にご連絡が取れなくなってしまい、会社としても対応に苦慮しております。万が一、事故や急なご事情があるのかもしれないと考え、まずはご本人の安全を最優先に考え、関係各所への確認を進めております。
(Until recently, the person had been attending work regularly, but suddenly became unreachable, causing difficulties for the company. We are prioritizing their safety, considering the possibility of an emergency, and are checking with relevant contacts.) - 契約期間中にもかかわらず、無断で連絡を絶たれたことで、信頼関係が揺らいでしまいました。今後の業務にも支障をきたす可能性があるため、何かしらのご連絡をいただけますと幸いです。
(Due to a sudden and unauthorized disappearance during the contract period, trust has been compromised. This may impact future operations, so any communication would be appreciated.) - 社内で管理していた重要な資料とともに退社された後、連絡がつかなくなっております。機密保持の観点からも、早急に対応が必要と判断し、しかるべき対応を進めております。
(After leaving the company with important documents under internal management, contact was lost. Due to confidentiality concerns, we are taking appropriate actions.) - 取引先からの報告により、担当者が突然所在不明になったとの情報を受け、社内での情報共有と今後の対応について緊急の会議を実施いたしました。
(We received information from a business partner that the person in charge suddenly became untraceable. We held an urgent meeting to share information and discuss future steps.) - ご本人の姿が確認できず、ご家族からも情報が得られない状況が続いております。関係各所と連携しながら、事態の収拾に向けて動いております。
(We are unable to confirm the person’s whereabouts and have no information from family members. We are working with related parties to resolve the situation.)
逐電をメールで使用すると不適切な場面は?
「逐電」という言葉には、「責任を放棄して逃げた」「姿をくらました」という否定的で厳しいニュアンスが強く含まれているため、相手を直接非難するような印象を与えてしまいます。特にメールのように文章のみで伝える場面では、相手の受け取り方によっては「逃げた」「無責任だ」といった感情的な言葉と受け取られるおそれがあり、不快感や不信感を抱かせる可能性が高いです。
また、相手が実際には病気や予期せぬ事情で連絡できない状況であった場合、そのような言葉を使ってしまうと、配慮に欠ける印象を与えてしまい、関係悪化につながることもあります。そのため、事情がはっきりしていない段階や、相手の立場に配慮すべき場面では、「逐電」という強い言葉を使用するのは避け、柔らかく丁寧な言い換えを使うことが求められます。
逐電 細心の注意を払い誰にでも不快感を与えない伝え方
- しばらくご連絡が取れていない状況が続いております。ご体調などお変わりないか心配しております。
(We haven’t been able to reach you for some time. We’re concerned about your well-being.) - 現在、所在が確認できないため、ご無事を案じております。ご都合の良い際にご一報いただけますと幸いです。
(We are currently unable to confirm your whereabouts and hope you are safe. Please contact us when convenient.) - 連絡がつかない状況が続いており、万が一の事態を心配しております。ご確認いただけますと幸いです。
(We are concerned as we haven’t heard from you and hope everything is alright. Kindly let us know.) - ご連絡を差し上げておりますが、まだお返事を頂けておらず心配しております。落ち着かれたらご返信いただけると嬉しく思います。
(We have been reaching out but haven’t heard back. We would appreciate a response when you are able.) - 体調やご事情があるかもしれないと拝察しております。ご無理のない範囲で構いませんので、お知らせいただけますと幸いです。
(We understand you may be dealing with something. Please feel free to contact us when you’re ready.)
逐電 メール例文集
目上の方・取引先の企業へ言い換え適したメール例文
連絡が取れないため丁寧に確認する場合
いつも大変お世話になっております。〇〇株式会社の△△でございます。
先日よりご連絡を差し上げておりますが、現在のところお返事をいただけておらず、ご多忙でいらっしゃるか、あるいはご体調などにご無理があったのではと案じております。
本件につきましては今後の業務にも関係いたしますため、もし差し支えなければ、ご状況についてご一報いただけますと幸いです。
引き続き、どうぞよろしくお願い申し上げます。
事情を察して柔らかく依頼する場合
いつもお世話になっております。〇〇商事の△△と申します。
長らくご連絡をいただいておらず、何かご事情がおありではないかと心配しております。
お身体やご家庭のことでお忙しいようであれば、ご返信は後日でもかまいません。
恐れ入りますが、ご都合のよろしい際に一度ご連絡を賜れますと幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。
顧客・お客様へ言い換え適したメール例文
安否を気遣う気持ちを丁寧に伝える場合
〇〇様
平素より格別のご愛顧を賜り、誠にありがとうございます。
以前ご購入いただきました商品に関するご確認のご連絡を差し上げておりますが、いまだご返信をいただけておらず、少々気がかりに思っております。
万が一、ご体調などにご無理がございましたらとご心配申し上げております。
ご都合のよろしいときで構いませんので、改めてご連絡をいただけましたら幸いです。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
状況確認の依頼を丁寧に行う場合
〇〇様
いつも当店をご利用いただき、誠にありがとうございます。
このたびは、◯月◯日にご注文いただきました商品の件でご連絡を差し上げておりますが、ご確認がいただけていないようでございます。
もしかするとお忙しい中でお手間を取らせてしまっているかもしれず、心苦しく思っております。
ご都合のよろしい際で結構ですので、一度ご状況をお知らせいただければ幸いです。
今後とも変わらぬお付き合いをお願い申し上げます。
同等の立場で使う際に言い換え適したメール例文
心配を素直に伝える文面
〇〇さん
最近、ちょっと連絡が途絶えているので、どうしてるかなと思ってメールしました。
特に急ぎの話ではないんだけど、何か困ってることがあったりしたら言ってね。
仕事のことでも、プライベートのことでも、力になれることがあれば嬉しいです。
落ち着いたらでいいので、また一言でも連絡もらえると安心します。
気軽に返信をうながすやさしい文面
〇〇くん
こっちから何度か連絡してるけど、まだ返事がないのでちょっと気になってます。
何かトラブルとかじゃなければ良いんだけど、無理せずに、元気だったらそれで大丈夫。
気が向いたらでいいから、また連絡してね。みんな心配してるよ。
返信は急がないから、自分のペースで大丈夫です。
逐電 相手に送る際の注意点・まとめ
「逐電」という言葉は、非常に強い語感と否定的な意味を持っています。そのため、メールや文章で誰かに対して使う際には、細心の注意が必要です。相手の事情が分からない状態でこの言葉を使うと、「逃げた」「責任を放棄した」といった否定的な印象を与え、相手を追い詰めたり、不快にさせたりする可能性があります。
特に、ビジネスや取引関係、あるいはお客様対応といった信頼が最も重要な関係性では、「逐電」という表現を使うことで、相手の立場を軽視していると受け取られるおそれがあります。実際には健康上の問題や家庭の事情、あるいは通信トラブルなど、やむを得ない理由で連絡が取れないだけの場合も少なくありません。
したがって、まずは相手を責めるのではなく、思いやりや心配の気持ちを持って連絡することが基本です。そのうえで、状況を確認したり、協力をお願いしたりする姿勢が大切です。
【まとめ】
- 「逐電」は逃避・失踪を意味する強い言葉のため、安易に使わない。
- 相手に責任放棄の印象を与えかねず、誤解を招く。
- 連絡がつかない理由は様々で、柔らかく丁寧に確認する姿勢が重要。
- メールでは特に、相手への配慮が伝わる表現を選ぶこと。
- 信頼関係を守るためには、否定的な言い方を避け、思いやりある言い換えを工夫すること。
ご希望に応じて、他の言葉でも同様の構成で丁寧にまとめ直すことが可能ですので、どうぞお気軽にお知らせください。

