「油を売る」意味は?言い換えは?ビジネスでも使える?使い方例文と英語では?
「油を売る」という慣用句は、もともとは江戸時代に油を量り売りしていた商人が、油を丁寧に注ぐ時間がかかることを言い訳に、客と長話をしていた様子から来ていると言われています。このことから転じて、現代では「仕事中に無駄話をして時間を浪費すること」や「やるべきことをさぼっている状態」を指す言葉として広く使われています。
この言葉は、職場や学校など日常の中で、「本来やるべきことがあるにもかかわらず、それを放っておいて他のことに気を取られている様子」を咎める場面でよく用いられます。ネガティブな意味合いを持つため、冗談めかして使うこともあれば、本気で注意を促す場合にも使われます。
英語で同じような意味合いを持つ言い回しとしては、「loafing around(ダラダラしている)」「goofing off(サボる)」「slacking off(怠ける)」などが挙げられます。いずれも、本来果たすべき責任や業務を怠けている状態を示します。
ただし、これらの言い方はややくだけた言い方になるため、目上の人に対して使うには慎重さが求められます。また、日本語の「油を売る」も人によっては直接的・失礼に受け取られる場合があるため、使う相手や文脈をよく考える必要があります。
油を売るの一般的な例文と英語で言うと
- 昼休憩が終わってもずっと同僚と談笑している彼を見て、上司が「いつまで油を売っているんだ」と注意していたのが印象的だった。確かにやるべき仕事が山積みのはずなのに、緊張感がなかったのは問題だったと思う。
(The manager told him off, saying, “How long are you going to keep slacking off?” even though lunch break was already over. It was true—he had tons of work to do, but he seemed too relaxed.) - 昨日は家事をしようと思っていたのに、テレビを見ながら油を売っていたら、あっという間に夜になってしまった。時間の使い方って本当に大切だと反省している。
(I was supposed to do housework yesterday, but I ended up wasting time watching TV, and before I knew it, it was nighttime. I’m really reflecting on how important time management is.) - 会議の資料作成を頼んだはずなのに、後輩が別の社員と雑談ばかりしていて、完全に油を売っていた。時間が迫っている中でのこの態度は、さすがに見過ごせなかった。
(I had asked my junior to prepare the meeting materials, but instead, he was just chatting away with another colleague. He was completely goofing off, and with the deadline approaching, I couldn’t ignore it.) - 店番をしているバイトが、お客さんを無視してスマホばかりいじっていたので、「油を売ってないで仕事に集中しなさい」とつい注意してしまった。
(The part-timer at the counter was too busy on their phone, ignoring customers, so I couldn’t help but say, “Stop loafing around and focus on your work.”) - 今日は集中して勉強しようと思っていたのに、ついスマホをいじって油を売ってしまって、結局やるべきことの半分も終わらなかった。
(I meant to focus on studying today, but I ended up wasting time on my phone, and I didn’t even finish half of what I had planned.)
似ている言い換え
- 時間をつぶす
- さぼる
- のらりくらり過ごす
- 怠ける
- ぐだぐだする
油を売るをビジネスで使用する場面の例文と英語
「油を売る」は、ビジネスの場面でも注意喚起ややや厳しめの指摘として使われることがあります。ただし、くだけた表現になるため、職位や相手との関係により適切な言い換えをした方が良い場合もあります。
- 社内での打ち合わせ中に、関係ない話題に逸れて油を売ってしまい、結局結論が出ないまま終わってしまいました。時間の管理をもう少し意識する必要があると痛感しました。
(During our internal meeting, we got sidetracked and ended up wasting time without reaching a conclusion. I realized we need to manage our time better.) - 営業に出たはずの社員が、カフェで油を売っていたことが発覚し、上司から厳重に注意を受けていました。職務に対する意識が問われる問題だと思います。
(A salesperson who was supposed to be out on a call was found loafing around at a café and was severely reprimanded by their supervisor. It raises questions about their sense of responsibility.) - 上司が席を外した途端、隣の席の同僚が油を売るように雑談ばかり始めてしまい、集中力を削がれてしまいました。
(The moment our boss stepped out, my coworker started chatting and slacking off, which disrupted my concentration.) - 納期が迫っているにもかかわらず、会議室で何人かの社員が油を売っていたことに、リーダーが苛立っていたのも当然です。
(With the deadline approaching, it was understandable that the team leader was frustrated to see some employees slacking off in the meeting room.) - 営業報告書の提出を遅らせた理由を問うと、「つい油を売ってしまって」との返答があり、今後は時間意識をもっと高めていこうと話し合いました。
(When asked why the sales report was delayed, the employee admitted to slacking off. We discussed the importance of improving time awareness from now on.)
油を売るは目上の方にそのまま使ってよい?
「油を売る」は砕けた表現であり、人に対して使う場合は、相手の立場や関係性に十分配慮が必要です。特に目上の方や取引先に対して使うと、失礼にあたる可能性が高いため、避けるのが望ましいです。
この表現には「だらだらと無駄な時間を過ごす」「さぼっている」といった、ややネガティブなニュアンスが含まれており、仮に冗談で使ったとしても、相手によっては不快に感じられる可能性があります。特にビジネスの場面では、業務への姿勢や敬意を疑われかねないので、丁寧な言い換えを用いるのが安全です。
- 相手の行動を軽視するような印象を与えかねない
- 親しい間柄以外では使用を避ける
- 代わりに時間の使い方への配慮を表す丁寧な表現を使う
油を売るの失礼がない言い換え
- 本件については、つい他の業務に手を取られてしまい、報告が遅れてしまいました。
- 集中力が途切れてしまい、想定より進捗が遅れております。
- 作業に取り掛かるのが遅れてしまい、大変申し訳ございません。
- 優先順位の判断に誤りがあり、対応が遅れましたことをお詫び申し上げます。
- 一時的に別件へ気を取られてしまい、全体の進行に支障をきたしてしまいました。
適した書き出しの挨拶と締めの挨拶は?
このような表現を含む内容を伝える際には、礼儀正しく丁寧な書き出しと締めくくりの言葉が大切です。特に自己の行動について触れる場合には、誠実さと反省の気持ちが伝わる言葉選びを心がけます。
書き出しをそのまま使用
- 平素より大変お世話になっており、心より感謝申し上げます。
- 日頃より温かいご支援を賜り、誠にありがとうございます。
- いつも格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
- ご多忙の中、日々のご対応に深く感謝申し上げます。
- 季節の変わり目となりましたが、貴社ますますのご繁栄をお祈り申し上げます。
締めの挨拶をそのまま使用
- 今後とも変わらぬご指導ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
- ご不明点がございましたら、どうぞお気軽にお知らせくださいませ。
- 今後ともご愛顧のほど、心よりお願い申し上げます。
- 引き続き何卒よろしくお願い申し上げます。
- ご確認いただけますと幸いです。何卒よろしくお願い申し上げます。
注意する状況・場面は?
「油を売る」という言い回しは、やや皮肉や非難のニュアンスを含むため、使い方を誤ると相手を傷つけたり、不快にさせたりする可能性があります。以下のような状況では特に注意が必要です。
- 相手の努力や事情を知らないまま使ってしまう
- 目上の方や外部の関係者に対して使う場合
- 書面やメールで使う場合、口調の柔らかさが伝わらない
- 社内でも緊張感のある場や公式な文脈での使用
- 冗談のつもりが通じず、真剣な批判と受け取られる恐れがある
細心の注意払った言い方
- 作業の進捗が一部遅れてしまい、ご心配をおかけし誠に申し訳ございません。以後、進行管理をより徹底してまいります。
- 他業務に時間を取られてしまい、報告が遅れましたことを深くお詫び申し上げます。今後はタイムマネジメントに一層注意いたします。
- ご依頼内容の優先順位を誤って判断してしまい、遅延を招きましたことを反省しております。再発防止に努めてまいります。
- ご期待に沿えず申し訳ございません。以後は計画性をもって業務にあたるよう意識を改めてまいります。
- 一時的に集中力を欠いていた自覚がございます。今後は気を引き締め、責任を持って取り組んでまいります。
油を売るのまとめ・注意点
「油を売る」という慣用句は、現代日本語においても日常的に使われる言い回しの一つで、「仕事や作業の最中に無駄な時間を過ごしている」「本来の目的から逸れている」といった意味で使われます。やや軽蔑的なニュアンスを含んでいるため、使用の際には場面と相手に十分注意が必要です。
特にビジネスにおいては、責任感や時間管理への意識が強く求められるため、「油を売っている」と見なされる行動は評価に影響することもあります。使う側も、軽い冗談のつもりが意図しない誤解や摩擦を生む可能性があることを理解し、言い回しや語調に注意する必要があります。
目上の人や取引先に対しては、この表現そのものを使わずに、丁寧な言い換えで誠意や反省の気持ちを伝えるほうが、結果として信頼につながります。言葉には力があります。その力を有効に、そして相手の心に配慮したかたちで使うことが、円滑な人間関係と信頼構築への第一歩になります。

