「鼻息が荒い」意味は?言い換えは?ビジネスでも使える?失礼ではない使い方例文
「鼻息が荒い」という言い回しは、感情が高ぶっていて興奮気味である、または何かに対して非常に意気込んでいる様子をあらわす慣用句です。特に、怒っていたり、強い意志や闘志を持っていたり、自分の主張を押し通そうとする態度を表現するときに使われることが多いです。これは文字通り、鼻から激しく息を吐く様子から来ています。人が怒っている時や、何かに燃えている時に鼻が鳴るほど呼吸が荒くなる、という体の反応がこの表現の由来です。
この言い回しは、日常の会話からビジネスの場面に至るまで、さまざまな場で用いられることがありますが、場合によっては相手に圧迫感や威圧感を与えるため、注意して使用する必要があります。例えば、部下が意欲的にプロジェクトに取り組んでいる様子を見て「鼻息が荒いね」と言うのは一種の賛辞や励ましになりますが、上司や目上の人に対して使うと失礼に受け取られることもあります。
英語では「鼻息が荒い」に相当する表現として、”he is breathing heavily” や “he is fired up”、あるいは “he’s all fired up and ready to go” などが用いられることがあります。ただし、直接的に「鼻息が荒い」を訳すことは難しく、文脈に応じて意訳する必要があります。また、怒りに関連して言う場合は “he is fuming” や “he is steaming” という表現がぴったりですし、前向きな気合いや闘志に焦点を当てたいときは “he is full of fighting spirit” なども適しています。
鼻息が荒いの一般的な使い方
・彼は新しい部署に異動してから、仕事に対する鼻息が荒くなっていて、朝早くから残業まで一人で突っ走っているようです。
(He has been all fired up since he was transferred to the new department, working from early morning till late without a break.)
・営業成績を競っている同期に負けじと、彼女の鼻息が荒くなるのも無理はないと感じました。
(No wonder she was breathing heavily with determination, trying not to be outdone by her colleague in sales performance.)
・息子は受験を控えて鼻息が荒く、家でも緊張感が漂っていて家族もそわそわしています。
(My son is all fired up as his entrance exams approach, and the whole family is feeling the tension.)
・会議で新しい提案を出すたびに、彼の鼻息が荒くなってきて、周囲が圧倒されるほどでした。
(Every time he presented a new idea in the meeting, his breathing got heavier, to the point where others felt overwhelmed.)
・新商品の企画が通ってからというもの、開発チームの鼻息が荒く、次から次へとアイデアを持ってくるのです。
(Ever since their proposal for a new product got approved, the development team has been fired up and bursting with new ideas.)
似ている表現
・気合が入っている
・燃えている
・血気盛ん
・やる気満々
・闘志むき出し
鼻息が荒いのビジネスで使用する場面の例文と英語
ビジネスの場面では、強い意欲や気合が前面に出ている様子を「鼻息が荒い」で表すことがあります。ただし、場面によっては「勢いに任せて強引に進めている」といったネガティブな印象も伴うため、言い方には細心の注意が必要です。
・プロジェクト立ち上げ当初から鼻息が荒く、誰よりも早く準備を整えていました。
(He was fired up from the very beginning of the project and got everything ready faster than anyone else.)
・営業部の若手が鼻息荒く新規開拓に取り組んでおり、会社全体の士気も上がっています。
(The young members of the sales team are all fired up about acquiring new clients, boosting the morale of the entire company.)
・取引先に対して過度に鼻息が荒く対応した結果、慎重さに欠けたと指摘されました。
(He dealt with the client too aggressively, being too fired up, and was criticized for his lack of caution.)
・新製品発表の準備にあたり、鼻息が荒く準備を進めているが、冷静さも忘れてはならない。
(While being fired up for the new product launch, we must not forget the importance of staying calm and collected.)
・上層部の期待に応えようと、部長が鼻息荒く指示を出し続けており、現場がやや混乱しています。
(The department head is so fired up to meet top management’s expectations that the team is becoming a bit overwhelmed.)
鼻息が荒いは目上の方にそのまま使ってよい?
「鼻息が荒い」という言い方は、くだけた印象が強く、興奮や勢いをやや皮肉っぽく表す場合が多いため、目上の方や取引先に対して直接使うことはおすすめできません。特に相手が冷静さや落ち着きを重んじるタイプである場合、「鼻息が荒い」という表現は軽視や嘲笑のように受け取られてしまう危険性があります。また、「やる気がある」というポジティブな意味で使ったつもりでも、言い回しによっては不快に感じられることもあります。目上の方には、より丁寧で中立的な言い回しを心がけることが重要です。
・自分の考えを強く押し出している様子を伝える時
・意気込みを表現したい場面で安易に使ってしまう時
・ビジネス上の冷静さが求められる場面
・プレゼンなどで興奮を押さえたほうが良い時
・落ち着いた雰囲気を保つ必要があるやり取り
鼻息が荒いの失礼がない言い換え
・積極的に取り組まれている姿勢に感銘を受けました。
・強い意志をもって行動されていることが伝わってきました。
・前向きなお考えを尊重し、ぜひご協力させていただきたいです。
・高いモチベーションで進められているご様子、非常に心強く感じております。
・真摯な姿勢と行動力に、こちらも学ぶところが多くございます。
適した書き出しの挨拶と締めの挨拶は?
書き出し
・本日はご多忙のところお時間を頂き、誠にありがとうございます。貴重なご意見を拝聴し、身が引き締まる思いでございます。
・先日は温かいご対応を賜りまして、心より感謝申し上げます。今後の業務に活かしてまいりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
・日頃より格別のご高配を賜り、深く御礼申し上げます。改めて感謝申し上げる次第でございます。
・おかげさまで無事に進行しておりますことを、まずはご報告申し上げます。今後とも変わらぬご指導をお願い申し上げます。
・貴重なお時間を頂戴し、誠にありがとうございます。真摯に受け止め、次の改善に努めてまいります。
締めの挨拶
・引き続きお力添えをいただけますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。今後ともご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます。
・ご指摘いただいた点を真摯に受け止め、改善に努めてまいります。今後とも変わらぬご支援をお願い申し上げます。
・この度はご助言を賜りまして、誠にありがとうございました。今後も精進してまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
・今後の対応に全力を尽くしてまいりますので、何卒ご理解とご協力のほどお願い申し上げます。
・末筆ながら、皆様の益々のご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げます。
鼻息が荒いを使う際に注意する状況・場面は?
「鼻息が荒い」という言い方は、使う場によっては相手の感情を逆なでしてしまったり、軽んじているような印象を与えてしまうことがあります。特に注意が必要なのは、目上の方との会話、取引先や顧客とのやりとり、公的な会議など冷静さが求められる状況です。鼻息が荒いという言葉には、どこか「落ち着きを欠いている」という含みがあるため、相手を褒めているつもりでも逆に「焦っている」「空回りしている」と受け止められることがあります。
・目上の人への評価をする際に使うと、尊大な印象を与える
・社外の相手に対して使用すると、失礼に感じられる
・社内のメールなどで勢いだけを強調すると、冷静さを欠く印象になる
・業務に対して否定的な意味で用いると、本人を否定するような印象になる
・本人が意図せず感情的に見られる場合、余計に誤解を招くことがある
細心の注意払った言い方
・プロジェクトに対する前向きなご姿勢を拝見し、私どもも身が引き締まる思いで取り組ませていただいております。
・常に高い意識をもって業務に臨まれているご様子に、大変感銘を受けております。
・挑戦を恐れず積極的に取り組まれているご様子が周囲にも良い影響を与えていると存じます。
・真摯に向き合われる姿勢を日々感じており、私どもとしても大いに刺激を受けております。
・行動力と明確な意思をお持ちであることが、組織全体を前進させている大きな力だと感じております。
鼻息が荒いのまとめ・注意点
「鼻息が荒い」という慣用句は、意欲に満ちていたり、強い決意をもって行動している人の様子を、少しユーモアや誇張を交えて伝える言い回しです。身近な会話や親しい間柄で使う分には、熱心さややる気を表す良い言葉として機能します。しかし、使い方を誤ると「落ち着きがない」「感情的」「勢いだけ」といった否定的な印象を与えてしまう恐れもあります。特に目上の方や社外の方とのやりとりでは、この言葉を直接使うことは避けた方が良いでしょう。代わりに、「積極的」「意識が高い」「真摯なご姿勢」など、丁寧で敬意のこもった言い回しを選ぶことで、相手に好印象を与えることができます。また、本人に直接伝える場合でも、そのニュアンスが誤解を招かないよう配慮することが大切です。相手との関係性や場の空気をよく見極めた上で、状況に応じた適切な言葉を選びましょう。言葉一つで人間関係は良くも悪くもなるため、少しの丁寧さを忘れずに心がけることが重要です。