「きこしめす」とは?意味は?使い方は?大河ドラマや古語・古典を詳しく現代風に解説

「きこしめす」とは?意味は?使い方は?大河ドラマや古語・古典を詳しく現代風に解説

一言で言うと、「きこしめす」は古典では高貴な人が耳に入れる・召し上がるという敬語であり、近世以降では時代劇などで支配者が「お聞きになる」「ご判断なさる」の意に使われる、尊敬を込めた口語的表現です。

  • 高貴な方がお聞きになる(Heed with reverence)
  • 上の者が意志を持って聞く(Listen with authority)
  • 尊敬語としての召し上がる(Eat or drink respectfully)

古典では「聞く」と「食す」の二つの意味があり、いずれも敬語表現として使われます。特に貴族や天皇などに対し、「聞く」の尊敬語として「きこしめす」が用いられ、「お考えになる」「お耳に入れる」などの意味も担いました。平安時代の文語表現として成立し、「召し上がる」もその一つです。これは神への供物や天皇の食事に使われ、一般人には使われない格式ある語でした。江戸時代以降、時代劇などで武家や藩主が使用する口語的敬語として残りましたが、現代では使う場がほとんどなく、意味が曖昧に理解されがちです。例えば「お上がきこしめす」などと登場し、聞く・判断するという意味合いで使われますが、日常語では通用しない歴史的表現です。現在では誤って「お聞きになる」の丁寧語のように受け取られやすく、相手によっては違和感を与える可能性があります。特に時代劇用語と知らずに使うと、失礼な印象や皮肉にとられることもあります。

「きこしめす」の一般的な使い方と英語で言うと

  • 先ほどの件につきましては、上席の方がきこしめされた内容をもとに方針が定まりました。(The senior official determined the policy based on what was respectfully heard.)
  • 本件の内容は、すでにご当主がきこしめされており、迅速にご対応いただいております。(The head of the family has already respectfully acknowledged the matter and responded swiftly.)
  • このたびの提案は、上役がきこしめされてから結論が出される運びとなっております。(The proposal will be decided after the superior has respectfully considered it.)
  • その件に関しては、きこしめす方のお考えをうかがってから、社内での決定を行う予定です。(The company will decide after hearing the views of the person in authority.)
  • 重要事項につき、まずはきこしめされた上での判断を仰ぎたく存じます。(We would like to seek a judgment after the matter is respectfully heard.)

似ている表現と失礼がない言い回し

  • お耳に入れる
  • お目通しになる
  • お取り計らい
  • ご査収
  • ご高覧

性格や人格として言われた場合はどういう意味?

「きこしめす」は性格や人格を表す語としては基本的に用いられませんが、もし比喩的に使われた場合、相手の言葉を丁寧に聞き取る態度や、判断力に優れた姿勢を皮肉交じりに指している可能性があります。たとえば、相手が自分の意見を「きこしめす」ふりをして実は聞き流している場合、権威的な態度や上から目線をやんわりと批判する意図を含むこともあり得ます。こうした使い方はほとんどが比喩や皮肉としての特例であり、直接的に人格を評価する言葉ではありません。

「きこしめす」のビジネスで使用する場面の例文と英語

  • 貴重なご意見につきましては、部門長がきこしめし、今後の対応に反映させてまいります。(Your valuable opinion has been respectfully acknowledged by the department head and will be reflected in future actions.)
  • 弊社方針については、役員がきこしめし、迅速な判断を行っております。(The policy has been respectfully heard by our executives, leading to swift decisions.)
  • ご提案内容は、上席がきこしめされてからご返答させていただく予定でございます。(We plan to respond after your proposal is respectfully heard by the senior officer.)
  • その件につきましては、社長がすでにきこしめされており、前向きに検討しております。(The president has already respectfully acknowledged the matter and is considering it positively.)
  • お問い合わせの件は、関係部署の長がきこしめし、適切に対応いたします。(The department head has respectfully taken note of your inquiry and will handle it appropriately.)

「きこしめす」は目上の方にそのまま使ってよい?

「きこしめす」は本来、敬語でありながら非常に古風かつ限られた文脈でしか使われない語であるため、現代のビジネス会話や対人関係で目上の方にそのまま用いることは推奨されません。特にこの語は平安時代の文語や江戸期の時代劇に特化した言い回しであり、現代語として定着しているわけではないため、相手がその意味や背景を正確に理解しているとは限りません。むしろ、古風すぎて冗談や皮肉、過剰な敬語と受け取られる危険があります。また、聞く対象が自分ではなく目上である場合、敬語の重複や誤用にもつながります。したがって現代の会話では、無理に「きこしめす」を使うよりも、一般的で丁寧な言い回しを選ぶ方が適切です。

  • 相手にとって意味不明な語になりやすい
  • 過剰敬語や不自然な印象を与える
  • 時代劇の知識がない相手には通じにくい
  • 現代ビジネスでは避けられる傾向がある
  • 代替語の方が通じやすく、誤解もない

「きこしめす」の失礼がない言い換え

  • 本件につきましては、上司にお伝えし、判断を仰ぐ予定でございます。
  • この件はすでに責任者の耳に入っており、対応が進められております。
  • 貴重なご意見として、弊社上層部にお届けさせていただいております。
  • あらかじめ役員に内容を共有しておりますので、適切にご回答いたします。
  • 今回の件については、関係部署の長に申し伝えた上でご連絡申し上げます。

注意する状況・場面は?

「きこしめす」は古語であり、現代の日常や職場では通用しにくい表現であるため、使用には十分注意が必要です。特にビジネス文書や会話の中でこの語を用いると、受け手に不自然さや過剰な敬語の印象を与えてしまい、誤解を招く恐れがあります。また、相手がこの語の意味や背景を知らない場合、意味不明な言葉と取られてしまうこともあり、場合によっては嘲笑や皮肉と受け取られかねません。さらに、「きこしめす」は歴史的敬語であるため、現代語としての敬意を表すには不十分であり、形式的な文章であっても避けた方が無難です。相手が公的な立場の方である場合や、役所・学術関係でのやり取りでも、かえって古めかしく見えて逆効果になる可能性があります。

  • 歴史的語として意味が伝わりにくい
  • 過剰敬語と取られる恐れがある
  • 相手が時代語に不慣れな場合、不快感を与える
  • 現代の敬語規範に即していない
  • 公文書やビジネス文脈では不適切

「きこしめす」のまとめ・注意点

「きこしめす」という語は、古典においては高貴な人物が「聞く」または「召し上がる」という行為を敬って述べるための尊敬語であり、平安時代を中心に貴族文化の中で用いられていました。語源は「聞く」「食す」の尊敬形であり、神仏や天皇など限られた対象にのみ使われた格式の高い語です。その後、江戸時代においては、武士や藩主などが使う口語表現として残り、時代劇や歴史文学などで登場するようになります。ただし、これらの文脈に慣れていない人には意味が通じづらく、特に現代においては敬語としての効果よりも古臭さや皮肉と受け取られることがあります。ビジネスや日常会話で使う場合は、相手の理解度や場面に配慮し、適切な言い換えを選ぶべきです。「きこしめす」を使うことで敬意を表すどころか、かえって距離感や誤解を生むこともあり得ます。従って、現代においてこの語を使用する際は、その歴史的背景と相手との関係性を十分に踏まえ、控えることが望ましいといえます。

古語とは何か

古語とは、昔の時代に使われていた言葉のことで、現代ではほとんど使われなくなった語句を指します。たとえば『いとをかし』『あはれなり』『あいなし』などのように、今の会話では聞かれない表現がそれにあたります。これらは平安時代や鎌倉時代の文章、特に『源氏物語』や『徒然草』といった古典文学の中で使われており、その時代の人々の感情や考え方を知る手がかりとなるものです。現代でも古典の授業や伝統文化を学ぶ際に使われますが、日常生活ではほとんど用いられません。

古語の特徴

古語には、今とはまったく違う語順や助動詞の使い方があることが特徴です。また、一つの言葉に複数の意味があることも多く、文脈によって意味が変わることもあります。たとえば『あはれ』は、感動・悲しみ・愛しさなど、いくつもの感情を含んだ言葉であり、現代語にそのまま訳すことが難しいものです。そのため、古語を学ぶ際には、単に意味を覚えるのではなく、その背景にある文化や当時の生活まで理解することが求められます。

古語の他の言い方

古語にはいくつかの別の言い方があり、場面によって使い分けることができます。たとえば『旧語』という表現は、古語と同じように過去に使われていた言葉を意味しますが、より学術的・記録的な印象を与えます。また『古典語』という言い方もあり、これは特に古典文学の中で使われる言葉に限定して用いられることが多いです。さらに『昔言葉』という呼び方はややくだけた言い回しで、会話の中で親しみをこめて使われることがあります。いずれも内容としては似ていますが、使う相手や文脈によって選び分けることが大切です。

現代での使われ方

古語は学校の授業や古典文学の研究だけでなく、舞台演劇や時代劇の脚本、伝統芸能のせりふ、あるいは文学作品の中でも使われることがあります。特に歌舞伎や能などの世界では、今でも古語がそのまま使われており、当時の雰囲気や世界観を再現するための大切な要素となっています。一般の人にとっては難しく感じるかもしれませんが、意味を知れば知るほど、昔の人の感じ方や考え方に触れることができるため、学ぶ価値の高い分野と言えます。