「こととふ」とは?意味は?使い方は?大河ドラマや古語・古典を詳しく現代風に解説

「こととふ」とは?意味は?使い方は?大河ドラマや古語・古典を詳しく現代風に解説

「こととふ」という語は古典文学において丁寧で品のある語として用いられていましたが、時代が進むにつれ、その意味や使われ方が変化しました。古典における「こととふ」は、本来「訪ねる」「安否を問う」「挨拶をする」などの意味を持ち、相手への配慮や思いやりを込めて使われていた言葉です。成立は奈良時代から平安時代にかけてで、宮中や貴族社会において、礼節を重んじた場面で用いられていました。一方、江戸時代以降の口語では、「伺う」「尋ねる」などの意味に転じ、時代劇や大河ドラマなどでは、武士が礼儀を持って「御用を伺いに参りました」といった使い方で登場します。現代では「訪ねる」や「聞く」という意味で誤解されやすく、単なる情報収集の意味として使われがちですが、本来の語源的意味はもっと丁寧な対人配慮を含みます。語源的には「言(こと)問ふ」に由来し、相手の言葉や様子を問うという精神が込められています。

一言で言うと?

  • 古典:相手の安否や様子を丁寧に訪ねる(to inquire politely about someone’s well-being)
  • 近世以降:用件を伝えに訪問する(to visit to convey a message)
  • 現代的解釈:質問する、尋ねるの丁寧な言い換え(to ask or inquire respectfully)

こととふの一般的な使い方と英語で言うと

  • 本日はご多用のところ恐縮ではございますが、近況をごことといたしたくご連絡申し上げました。

    (I hope you don’t mind my reaching out, but I wished to respectfully inquire about your recent situation.)

  • 先日のお加減が気にかかり、ご容態をこととい申し上げた次第でございます。

    (I was concerned about your condition the other day and wished to inquire about your health.)

  • 突然のご連絡にて恐縮でございますが、先般の件につきましてご意見をことといたしたく存じます。

    (I apologize for the sudden message, but I would like to respectfully ask your opinion on the recent matter.)

  • 先方のご都合について詳細をことといたしたく、改めてご連絡差し上げました。

    (I am contacting you again to politely ask about the details of the other party’s schedule.)

  • お忙しいところ恐縮ながら、本件についてのご所見をこととい申し上げたく存じます。

    (I regret disturbing you during your busy schedule, but I wish to respectfully ask your views on this matter.)

似ている言い回しと失礼がない言い換え

  • 伺う
  • お問い合わせ申し上げる
  • ご教示いただく
  • お話をお聞かせ願う
  • ご様子をお聞きする

こととふが人格や性格に用いられた場合の意味

性格として使われる場合、「こととふ」は他者への思いやりや関心を持ち、丁寧に接する人物像を指すことがあります。すなわち、相手の状態を気にかけ、きちんと挨拶や声がけを行う誠実で礼儀正しい人物に対して、「こととふ心がある」や「こととふ人柄」などと表現されます。これは決して話しかけること自体を意味するのではなく、相手に対する配慮の姿勢や、礼節に満ちた心構えを意味しています。現代ではあまり人格描写として用いられる機会は多くありませんが、古風で丁寧な印象を与える表現として理解されています。

こととふをビジネスで使用する場面の例文と英語

  • お忙しい折に恐縮でございますが、近日のご予定についてごことと申し上げたくご連絡差し上げました。

    (I apologize for disturbing you during your busy time, but I am reaching out to politely inquire about your schedule.)

  • ご提案内容に関しまして、一点確認のためことといたしたく存じます。

    (I would like to respectfully inquire about one point regarding your proposal.)

  • 本件につきまして、関係部署のお考えをことと申し上げたく、代筆にて失礼いたします。

    (I am writing on behalf of our team to respectfully ask for your department’s views on this matter.)

  • 貴社のご意向をこととするため、日程調整のお願いを差し上げた次第です。

    (I am reaching out to coordinate the schedule so I may respectfully understand your company’s intentions.)

  • このたびはご協力いただき誠にありがとうございました。今後のご意向についてもことと申し上げます。

    (Thank you very much for your support. I would also like to respectfully inquire about your future intentions.)

こととふは目上の方にそのまま使ってよい?

「こととふ」という語はもともと丁寧で礼儀正しい語ですが、現代においては一般的な語彙とは言いがたく、やや古風な響きを持ちます。そのため、目上の方や取引先に対してそのまま使用すると、不自然さや格式ばりすぎた印象を与える可能性があります。特に現代のビジネス環境では、理解されにくい言い回しは避けるべきです。代替語として「伺う」や「お尋ね申し上げる」などがより適切であり、相手に配慮しつつも通じやすい表現となります。また、「こととふ」を使用する場合には、文脈全体が古典的な語調で統一されている必要があります。部分的に使用することで浮いてしまうと、かえって不自然な印象を与えかねません。

  • やや古風な印象を持つため、使用には注意が必要です。
  • 現代では理解されにくい語であるため、誤解を招く可能性があります。
  • 丁寧すぎる表現となり、形式的な印象を与えがちです。
  • 代わりに現代的で分かりやすい敬語を用いた方が無難です。
  • あえて使用する場合は、文全体を統一した文語調にすることが重要です。

こととふの失礼がない言い換え

  • お忙しいところ恐縮ではございますが、ご都合のほどをお伺い申し上げたく存じます。
  • 先日のご面談の件につきまして、改めてお考えをお尋ね申し上げたく存じます。
  • このたびの案件について、関係各所のご見解をお教えいただければ幸いに存じます。
  • 大変恐縮ではございますが、本日中にご返答いただけますようお願い申し上げます。
  • 御社のご意向を確認させていただきたく、誠に恐れ入りますがご教示願えますでしょうか。

こととふに注意すべき状況や場面は?

「こととふ」は古典的で丁寧な語として価値のある言葉ですが、現代において使用する際にはいくつかの注意点があります。まず、一般的な会話やビジネス文書ではあまり馴染みがないため、相手によっては意味が伝わりにくい可能性があります。また、言葉としての重みが強いため、気軽に使うと堅苦しさやわざとらしさを感じさせることがあります。特に、若年層やカジュアルなやりとりにおいては避けた方が無難です。さらに、内容が軽いものであるにも関わらず「こととふ」を用いると、過剰に丁寧すぎる印象を与え、かえって失礼になる場合もあるため、使用する文脈や相手の年齢層・立場に十分配慮する必要があります。

  • 現代では一般的な語ではないため、通じない可能性がある
  • カジュアルな相手や若年層には不自然に響くことがある
  • 軽い内容には不釣り合いな敬語になることがある
  • 文章全体の文体と合わないと違和感が出やすい
  • 目上や取引先に使う際は別の丁寧語の方が無難

「こととふ」のまとめ・注意点

「こととふ」という語は、古典においては相手の安否や心中を丁寧に訪ねる、美しい敬意表現として用いられてきました。語源的には「言(こと)問ふ」に由来し、人との関係を重んじる貴族社会の礼節や配慮を反映しています。近世以降では、訪問する・用件を伝えるなどの意味で使われ、時代劇などでは武士や役人が「ご用をこととふ」などと使用しています。現代ではすでに一般的な語ではなくなり、使用には注意が必要です。特にビジネスにおいては、あえて古風な表現として使うならば文章全体を整える必要があり、そうでなければ「伺う」など現代的な語に置き換えるのが賢明です。誤って使うことで相手に不自然な印象を与える可能性もあるため、文脈に応じた適切な語の選択が求められます。現代において「こととふ」は、相手の気遣いや礼儀を込めたい特別な場面に限定して使うのが適しており、一般的な問い合わせには適しません。使用時には相手の理解度や文全体の調和にも気を配る必要があります。

古語とは何か

古語とは、昔の時代に使われていた言葉のことで、現代ではほとんど使われなくなった語句を指します。たとえば『いとをかし』『あはれなり』『あいなし』などのように、今の会話では聞かれない表現がそれにあたります。これらは平安時代や鎌倉時代の文章、特に『源氏物語』や『徒然草』といった古典文学の中で使われており、その時代の人々の感情や考え方を知る手がかりとなるものです。現代でも古典の授業や伝統文化を学ぶ際に使われますが、日常生活ではほとんど用いられません。

古語の特徴

古語には、今とはまったく違う語順や助動詞の使い方があることが特徴です。また、一つの言葉に複数の意味があることも多く、文脈によって意味が変わることもあります。たとえば『あはれ』は、感動・悲しみ・愛しさなど、いくつもの感情を含んだ言葉であり、現代語にそのまま訳すことが難しいものです。そのため、古語を学ぶ際には、単に意味を覚えるのではなく、その背景にある文化や当時の生活まで理解することが求められます。

古語の他の言い方

古語にはいくつかの別の言い方があり、場面によって使い分けることができます。たとえば『旧語』という表現は、古語と同じように過去に使われていた言葉を意味しますが、より学術的・記録的な印象を与えます。また『古典語』という言い方もあり、これは特に古典文学の中で使われる言葉に限定して用いられることが多いです。さらに『昔言葉』という呼び方はややくだけた言い回しで、会話の中で親しみをこめて使われることがあります。いずれも内容としては似ていますが、使う相手や文脈によって選び分けることが大切です。

現代での使われ方

古語は学校の授業や古典文学の研究だけでなく、舞台演劇や時代劇の脚本、伝統芸能のせりふ、あるいは文学作品の中でも使われることがあります。特に歌舞伎や能などの世界では、今でも古語がそのまま使われており、当時の雰囲気や世界観を再現するための大切な要素となっています。一般の人にとっては難しく感じるかもしれませんが、意味を知れば知るほど、昔の人の感じ方や考え方に触れることができるため、学ぶ価値の高い分野と言えます。