ITストラテジスト試験とは?傾向は?過去問は役に立つ?AIに予想問題を作らせてみた
ITストラテジスト(通称:ST)は、企業や組織の経営戦略に基づき、最適なIT戦略を立案し、その実行を主導する高度な知識と技能を証明する、情報処理技術者試験の中でも特に難易度が高い「高度試験」の一つです。
ITストラテジストは、単なる技術者ではなく、経営者の視点から、ITをどのように活用すれば企業の競争力を高められるか、新しいビジネスモデルを創出できるかを考え、具体的な戦略に落とし込むことが求められます。この資格は、ビジネスとITの両方に精通した、いわば「IT経営のプロフェッショナル」としての能力を証明するものです。
具体的には、企業の事業環境を分析し、IT投資の評価を行い、情報システム全体のグランドデザイン(全体構想)を策定する、そしてその戦略を実現するためのプロジェクトを立ち上げるなど、多岐にわたる専門的な知識が問われます。
試験の難易度と合格率について
ITストラテジスト試験は、情報処理技術者試験の中でも、特に経営層に近い視点が求められる「マネジメント系」の高度試験に位置づけられています。合格率は毎回変動しますが、一般的に10%から15%前後で推移しており、非常に難易度が高い試験として知られています。この合格率からも、合格するためには、表面的な知識だけでなく、深い洞察力と実践的な応用力が不可欠であることがお分かりいただけるかと思います。
試験の出題傾向はどのように変わってきていますか?
ITストラテジスト試験の出題傾向は、近年の社会の変化や、新しいIT技術の登場に合わせて、常に変化しています。単に過去の知識を問うのではなく、現代のビジネス課題をITで解決するための思考力や判断力を試す問題が増えているのが特徴です。
午前問題の傾向
午前問題は、選択式の四肢択一形式で、IT戦略に関する広範な知識が問われます。
- 午前Ⅰ: 応用情報技術者試験の午前問題とほぼ同じレベルの内容が出題されます。マネジメント、テクノロジ、ストラテジの分野から幅広く出題され、基礎的な知識が問われます。
- 午前Ⅱ: IT戦略に特化した専門的な知識が中心となります。経営戦略、IT戦略、事業戦略の策定手法、IT投資評価、システム監査、そして知的財産権など、経営とITを結びつける幅広い知識が問われます。近年では、デジタルトランスフォーメーション(DX)、アジャイル開発、AI、クラウドサービスといった、新しい技術トレンドと経営の関係に関する問題も増えています。
これらの問題は、単に用語を覚えるだけでなく、その技術が経営にどのようなインパクトを与えるのか、どのような戦略に結びつけられるのかといった深い理解が求められます。
午後問題の傾向
午後問題は、記述式と論述式で構成されており、IT戦略の知識を具体的な事例に当てはめて、論理的に回答する形式です。これがこの試験の最大の難関と言えるでしょう。
- 午後Ⅰ: 企業の経営課題や事業計画を読み解き、最適なIT戦略を立案する能力が問われます。例えば、新しい事業を立ち上げる際のIT活用戦略や、既存業務の効率化に向けたIT導入計画など、具体的なケーススタディが出題されます。
- 午後Ⅱ: IT戦略に関するテーマについて、自身の経験や知識を基に論述する形式です。例えば、「ITを活用した企業の競争力強化策について述べよ」といったテーマや、「デジタルトランスフォーメーションを推進するために行った工夫」など、ITストラテジストとしての視点や考え方を問う問題が出題されます。
午後問題の傾向として、単一の技術知識だけでなく、ビジネス環境、経営資源、組織文化などを統合的に考慮し、現実的なIT戦略を立案する能力が求められる問題が増えています。また、近年のITトレンドを反映し、AIやクラウドを活用した新しいビジネスモデルの提案など、より実践的で応用的な内容が問われるようになっています。
過去問は試験対策に役立ちますか?
過去問はITストラテジスト試験の対策において、非常に重要な役割を果たします。過去問を解くことは、単に問題の答えを覚えるためだけではなく、以下のような、より深い学習効果をもたらします。
- 出題傾向と形式の把握: 過去問を解くことで、どのような分野からどのような形式で問題が出題されるのか、その傾向を肌で感じることができます。特に午後Ⅰの記述問題や午後Ⅱの論述問題では、問題文の読み方、設問の意図の汲み取り方、論理的な文章の構成方法など、独特のコツが必要になります。
- 時間配分の練習: 試験本番では、限られた時間内に膨大な量の問題を解き進める必要があります。特に午後問題は時間が足りなくなることが多いので、過去問を解くことで、どのくらいのペースで進めればよいのか、時間配分の感覚を養うことができます。
- 知識の定着と応用力の強化: 過去問を解いて間違えた問題は、ご自身の弱点を知る良い機会になります。解説をしっかり読み込むことで、なぜその答えになるのかを深く理解し、知識を定着させることができます。また、似たような問題でも少し視点を変えて出題されることが多いため、過去問を通して、学んだ知識を応用する力を鍛えることができます。
ただ、過去問をただ漫然と解くだけでは、十分な効果は得られません。大切なのは、「なぜその答えになるのか」を深く考察し、解説をしっかり読み込むことです。特に午後Ⅱの論述問題では、過去の模範解答を読み解き、論理的な構成や説得力のある表現方法を学ぶことが、合格への近道になります。
効果的な学習対策はありますか?
ITストラテジスト試験に合格するためには、計画的で効率的な学習が不可欠です。以下に、おすすめの学習方法をいくつかご紹介しますね。
1. 午前問題対策の進め方
- 基礎知識の定着: まずは、午前Ⅰで問われる応用情報技術者試験レベルの基礎知識をしっかりと固めましょう。もし応用情報技術者試験に合格済みであれば、午前Ⅰは免除される場合がありますので、ご自身の状況を確認してみてください。
- 専門知識のインプット: 午前Ⅱ対策としては、経営戦略、マーケティング、財務、そしてIT戦略に関する専門書や参考書を使って、体系的に知識をインプットすることが大切です。特に、SWOT分析やPPM分析といった経営分析手法、IT投資評価手法などは、ITストラテジストの基盤となる知識なので、重点的に学習しましょう。
- 繰り返し問題を解く: 過去問や予想問題集を繰り返し解くことで、知識を定着させます。間違えた問題は、解説を読み、なぜ間違えたのかを理解することが重要です。
2. 午後問題対策の進め方
午後問題は、単なる知識問題ではないため、特別な対策が必要です。
- 過去問を徹底的に分析: 午後問題の対策は、何よりも過去問が最も重要です。過去5年分程度の過去問を、時間を測って実際に解いてみましょう。
- 解答の思考プロセスを学ぶ: 午後Ⅰは、解説を丁寧に読み込み、正解に至るまでの思考プロセスを理解することが大切です。
- 論述練習: 午後Ⅱの論述問題は、実際に手を動かして文章を書く練習が不可欠です。過去の出題テーマを基に、ご自身の経験や知識を当てはめて、80分という制限時間内に論理的な文章を書き上げる練習を重ねましょう。
- 論文添削サービスやスクールの活用: 独学で論文を書くのが難しい場合は、専門の添削サービスやスクールを利用するのも一つの手です。客観的な視点からフィードバックをもらうことで、ご自身の弱点を克服することができます。
3. 専門用語を分かりやすく理解する
この試験には多くの専門用語が出てきます。例えば、「SWOT分析」や「バランススコアカード」、「DX」、「PoC」などです。これらの用語をただ覚えるだけでなく、どのような仕組みで、何のために使われているのかを、身近な例え話などを交えて理解すると、記憶に残りやすくなります。
例えば、「SWOT分析」は、ご自身のキャリアを棚卸しする際に使う「自己分析シート」のようなものだと考えてみましょう。「自分の強み(Strength)は何か」「弱み(Weakness)は何か」「どのようなチャンス(Opportunity)があるか」「どのような脅威(Threat)に直面しているか」を整理することで、今後のキャリアプランを考えるヒントになります。企業におけるSWOT分析もこれと同じで、自社の経営状況を客観的に分析し、今後の戦略を考えるための重要な手法なのです。このように、専門用語を自分の言葉で説明できるようになることが、深い理解につながります。
どのような仕事に役立ちますか?
ITストラテジストの資格は、幅広い職種や業務であなたの専門性を証明し、キャリアアップに繋がります。
1. ITコンサルタント
最も直接的に役立つのがこの職種です。お客様の経営課題を分析し、最適なIT戦略を提案する専門家として、国が認めた能力を証明する大きな武器となります。
2. 企業のIT部門の責任者/CIO
情報システム部門の責任者として、企業の経営戦略に基づいたIT戦略を立案し、実行する立場になった際にも、この資格で得られる知識は非常に役立ちます。組織全体のIT戦略を成功に導くための基盤となります。
3. プロジェクトマネージャ
ITストラテジストの知識は、プロジェクトマネジメントにも非常に有用です。戦略に基づいたプロジェクトの立ち上げや、プロジェクトの目的をチームメンバーに明確に伝えることで、プロジェクトの成功確率を高めることができます。
4. 事業会社の企画部門/経営企画部門
ITを活用した新しいビジネスモデルの企画や、既存事業のデジタル化を推進する仕事です。この資格を持つことで、技術的な裏付けに基づいた、説得力のある事業計画を立案できるようになります。
5. 企業のIT部門のシステム開発者
一見すると関係ないように思えるかもしれませんが、開発者もIT戦略の一翼を担っています。この資格を持つことで、自身が開発しているシステムが、企業の経営戦略の中でどのような意味を持つのかを理解し、より質の高い仕事ができるようになります。
転職時には有利になりますか?
ITストラテジストの資格は、転職活動において非常に有利に働きます。特に、ITコンサルティングファーム、システムインテグレーター、そして事業会社の経営企画部門やIT部門への転職を考えている方にとっては、大きな武器となります。
1. 専門性の証明
履歴書にこの資格を記載することで、あなたが経営とITを結びつけ、戦略を立案する専門的な知識と実践的な能力を持っていることを、明確にアピールできます。これは、採用担当者にとって、あなたのスキルレベルを判断する上で非常に分かりやすい指標となります。
2. 企業からの高い需要
近年、企業のDXが急務となる中で、経営課題を理解し、ITで解決できる人材の需要は非常に高まっています。しかし、こうした高いスキルを持つ人材は限られているのが現状です。そのため、ITストラテジストの資格を持つ人材は、多くの企業で求められています。
3. 信頼性の向上
この資格は、国が認定する国家資格であるため、その信頼性は非常に高いです。お客様や取引先に対しても、あなたの専門家としての信頼性をアピールすることができ、ビジネスの場で有利に働くことがあります。
4. キャリアチェンジのきっかけに
今とは少し違う分野、例えば、開発者から上流工程のコンサルタントや企画職へのキャリアチェンジを考えている場合、この資格は、その第一歩を踏み出すための強力な後押しとなります。
ただし、資格を持っているだけでは十分ではありません。資格に加えて、これまでの実務経験や、ご自身がどのようにIT戦略の知識を活かしてきたのかを、具体的なエピソードを交えて説明できるよう準備しておくことが大切です。
AIに奪われる可能性は?これからも必要とされますか?
「AIが発展したら、IT戦略立案の仕事もAIに取って代わられるのでは?」というご不安は、多くの方がお持ちだと思います。結論から申し上げますと、ITストラテジストのような専門家は、これからも必要とされ続ける可能性が非常に高いです。むしろ、AIの進化によって、その役割はより重要になっていくと私は考えています。
AIとIT戦略の関係
たしかに、AIは膨大な市場データを分析し、新しい事業機会を提案したり、IT投資の効果を自動で評価したりする能力に長けています。すでに多くのコンサルティングツールにAIが活用されており、定型的な分析業務の一部はAIが担うようになっていくでしょう。
しかし、ITストラテジストが担う仕事は、単にデータを分析することだけではありません。
- 経営者のビジョンの理解と共感: AIは、経営者の想いや、企業の文化、そして従業員の感情を深く理解した上で、最適な戦略を立案することは難しいです。
- 複雑な課題解決とリーダーシップ: IT戦略の実行には、組織内の抵抗や、関係者との交渉、そしてチームメンバーを巻き込んでいく「人間力」が不可欠です。AIが組織全体を動機づけ、変革を主導することはできません。
- 創造的な戦略と倫理的判断: AIは、既存のデータから最適な答えを導き出すことは得意でも、まだ誰も考えたことのないような、革新的なビジネスモデルをゼロから生み出す創造性は、人間にしかできない仕事です。また、AIの活用には倫理的な問題も伴い、それを判断するのは人間の役割です。
これからのITストラテジストの役割
AIの進化は、ITストラテジストの仕事を奪うのではなく、むしろ、より高度で創造的な業務に集中できる環境を整えてくれるものと捉えるべきです。
これからのITストラテジストは、AIを「ツール」として使いこなしながら、以下のような役割を担っていくことになります。
- AIを活用した戦略の検証者: AIが生成した戦略案が、企業のビジョンや倫理観といった、人間が持つ価値観に沿っているかを、専門家として評価・検証する役割です。
- AIを活用した新しいビジネスモデルの設計者: AIが提供する新しい技術やデータ分析能力を、どのようにビジネスに組み込めば価値を生み出せるかという、より大きな視点での戦略を立案する役割です。
- 組織全体の変革を主導するリーダー: 経営層と現場をつなぎ、AIを効果的に活用するための組織変革や、人材育成を主導する役割です。
このように、AIが進化すればするほど、その技術を深く理解し、適切に活用し、そして複雑なビジネス課題を解決できる、ITストラテジストのような専門家の価値は、ますます高まっていくと私は考えています。
ITストラテジスト試験AIに予想問題を作らせてみた
問題1:事業戦略とIT戦略の整合
自社は「高付加価値のカスタム製品」に集中する方針へ転換した。IT戦略として最も適切なのはどれか。
A. 在庫回転率重視の大量生産MES強化
B. 顧客別仕様管理と設計BOM連携の強化
C. 汎用品ECによる低価格販売網の拡大
D. 海外量産工場の自動化投資
回答
B
解説
差別化志向の事業方針では、顧客個別要件の正確な管理と設計から製造までの連携が成果に直結する。設計BOMと製造BOMの整合、見積・受注・設計・生産計画の一気通貫が重要で、ITは個別仕様の変更管理やトレーサビリティを支えるべきである。
問題2:SWOTから施策への落とし込み
SWOTの結果、強みS「高い設計力」、機会O「少量多品種市場拡大」が得られた。TOWSで最優先とすべき施策はどれか。
A. S×Oで設計自動化と受注前見積精度向上
B. W×Tで在庫評価損を圧縮
C. S×Tでコモディティ価格競争へ参入
D. W×Oで財務レバレッジを拡大
回答
A
解説
TOWSはSWOTの組合せから戦略オプションを導出する枠組みである。強みSと機会Oの組み合わせは攻勢戦略で、設計力を活かし見積リードタイム短縮や自動設計支援に投資することで、少量多品種の成長機会を獲得しやすい。
問題3:3C分析の着眼
自社(Company)、顧客(Customer)、競合(Competitor)を3Cで評価する際、ITストラテジストの初動として最も妥当なのはどれか。
A. 競合の技術詳細を特許から模倣
B. 顧客ジョブと価値仮説をデータで検証
C. 自社の保有特許数だけをKGI化
D. 競合の価格に機械的に追随
回答
B
解説
3Cは顧客価値中心で発想し、顧客が達成したいジョブと痛点を把握し、行動データや仮説検証で有効性を確かめるのが出発点である。仮説先行・検証駆動で価値命題を磨き、競争優位につながるIT投資へ翻訳する。
問題4:ファイブフォースの解釈
新規参入障壁が低下し、代替品の脅威も増している市場で取るべき戦略はどれか。
A. 単純な価格引下げ
B. 供給者依存を高める
C. スイッチングコスト設計と差別化
D. 取引先の交渉力を強める
回答
C
解説
脅威が増す状況では、価格のみの競争は持続しない。差別化要素をデジタルで組み込み、データロックインやワークフローへの深い組込みによりスイッチングコストを設計することで、参入圧と代替圧力を緩和できる。
問題5:バリューチェーン強化
設計〜調達〜製造の連携不全で手戻りが多い。最優先のIT施策はどれか。
A. 販促向けSNS広告自動化
B. PLMとERP・MESの連携基盤整備
C. 出張旅費精算の自動化
D. 役員向けダッシュボード刷新
回答
B
解説
手戻りは上流の設計情報と下流の調達・製造の断絶が原因で起きることが多い。構成情報の単一の真実源をPLMに置き、ERP・MESへ正しく連携することで、購買仕様の誤りや製造指示の不整合を根本から抑制できる。
問題6:BSCの視点
BSCの「学習と成長」視点に主として該当する指標はどれか。
A. 営業利益率
B. 顧客満足度
C. 従業員スキル保有率とデータ活用度
D. 受注残高
回答
C
解説
BSCは財務、顧客、内部プロセス、学習と成長の4視点で戦略を可視化する。学習と成長は人的資本・情報資本・組織資本に関する指標であり、スキル、データ利活用、知識共有などが将来の価値創出能力の源泉となる。
問題7:KGIとKPIの関係
KGI「解約率を年5%以下に抑制」を達成するための適切な先行KPIはどれか。
A. 四半期売上額
B. 月次NPSとオンボーディング完了率
C. 原価率
D. 受注件数
回答
B
解説
解約は顧客体験の結果であり、オンボーディングの成功やサポート体験、商品理解が先行指標になりやすい。NPSや初期活用度合いをKPIとして管理することで、KGIである解約率に先回りして打ち手を講じられる。
問題8:データドリブンの落とし穴
全社でダッシュボードを導入したが意思決定が改善しない。最もあり得る原因はどれか。
A. 色合いが地味
B. データガバナンスが弱く定義が不統一
C. 画面数が少ない
D. サーバのCPUが低い
回答
B
解説
意思決定は指標の定義と品質が揃って初めて改善する。所有者・定義・算出式・品質責任を明確にするデータガバナンス、単一の真実源、マスタ管理がないと、同じ数値でも部門で解釈が異なり、行動が一致しない。
問題9:DXの本質
DXの説明として最も適切なのはどれか。
A. 既存業務をRPAで置換すること
B. 新技術の導入件数を増やすこと
C. デジタルで価値提供の型や収益構造を変えること
D. IT部門の人員増強
回答
C
解説
DXは単なるIT効率化ではなく、価値提供の方法や顧客体験、収益モデルまで含む事業変革である。業務自動化や人員計画は手段に過ぎず、顧客価値とビジネスモデルの再設計にデジタルを活用することが核心である。
問題10:クラウドの選定
独自AI推論用のカスタム実行環境を迅速に作りたい。最も適切なサービス層はどれか。
A. SaaS
B. PaaS(制約が多いマネージド実行環境)
C. IaaS(GPU付き仮想マシン)
D. DaaS(仮想デスクトップ)
回答
C
解説
独自実行環境や特殊ライブラリを要求する場合は、柔軟性の高いIaaSが適する。PaaSは運用負荷が低いが環境制約が大きいことが多く、推論用GPUやドライバの細かな制御が必要ならIaaSでの構築が妥当である。
問題11:マルチクラウドとハイブリッド
「複数のパブリッククラウドを使い分ける」構成はどれか。
A. オンプレミスと1つのクラウドの併用
B. マルチクラウド
C. ハイブリッドクラウド
D. プライベートクラウドのみ
回答
B
解説
マルチクラウドは複数のパブリッククラウドを採用する形態、ハイブリッドはオンプレミスとクラウドの組合せを指す。目的は冗長性、最適サービス選択、規制要件対応などで、設計と運用の複雑性に注意が必要である。
問題12:Make or Buy判断
業務で差別化源となるアルゴリズムを内製したい。適切な判断はどれか。
A. 差別化領域はBuy、非差別化はMake
B. 差別化領域はMake、非差別化はBuy
C. すべてBuy
D. すべてMake
回答
B
解説
戦略上の原則は、差別化や競争優位の源泉は内製・高度化し、コモディティな領域は外部調達で効率化することである。内製は人材・保守の負債も伴うため、活動基盤は外部活用、差別化核は自社強化が定石となる。
問題13:パッケージ選定
Fit/Gap分析で最も重視すべき観点はどれか。
A. 画面の色合い
B. 標準機能での適合率と業務側の受容可能なTo-Be
C. ベンダの営業人数
D. 価格のみ
回答
B
解説
パッケージは標準プロセスへの合わせ込みが前提である。Fit/Gapで標準適合率、拡張の有無、業務側が受容可能なTo-Beを評価し、カスタマイズの技術的負債やアップグレード影響を最小化する構想が重要である。
問題14:RFIとRFP
RFIとRFPの使い分けとして適切なのはどれか。
A. RFIは契約書、RFPは見積書
B. RFIは情報収集、RFPは提案依頼
C. RFIは発注書、RFPは検収書
D. RFIは請求書、RFPは領収書
回答
B
解説
RFIは市場やソリューションの幅を把握するための情報照会、RFPは要件・評価軸を明示し具体的な提案と見積を依頼する文書である。段階的に使い分けることで、過不足のない比較と公正な選定が可能になる。
問題15:契約形態
要件が流動的で調査・試作を繰り返すフェーズに適した契約はどれか。
A. 請負
B. 準委任(時間・成果の両管理)
C. 物品売買
D. 一括請負固定
回答
B
解説
要件が固まらない段階では、成果物の確定が難しく、作業時間や専門性の提供を目的とする準委任が適切である。請負は完成責任を伴い、要件確定後の段階や量産的開発に向くため、フェーズで使い分ける。
問題16:ベンダ選定の評価軸
最も戦略的に有効な評価軸の組み合わせはどれか。
A. 価格と営業対応の早さのみ
B. 技術力、保守体制、リファレンス、契約条件
C. 立地のみ
D. 役員との関係
回答
B
解説
選定は総合点よりも重要因子の適合が要である。実装・運用の実力、スケール可能な保守、同等規模の実績、責任分界とSLAなど、長期価値に直結する軸で評価し、価格はその中で相対比較するのが妥当である。
問題17:SLA設計
SLAに適さない項目はどれか。
A. 可用性
B. 応答時間
C. ベンダの売上高
D. 復旧時間
回答
C
解説
SLAはサービス品質の合意であり、可用性、性能、復旧目標、サポート時間帯など測定可能で顧客価値に直結する指標を定義する。ベンダの売上高は品質指標ではなく、SLAの対象として適切ではない。
問題18:OLAとUC
SLAを社内で支える内部合意の説明として正しいものはどれか。
A. OLAは外部委託先との契約
B. UCは社内部門間の合意
C. OLAは社内、UCは外部との下位合意
D. OLAもUCも請負契約
回答
C
解説
SLAを達成するため、社内の支援部門間で取り決めるのがOLA、外部サプライヤと結ぶのがUCである。両者はSLAの分解であり、責任・指標・測定方法を明確にし、全体のサービス品質を担保する仕組みとなる。
問題19:ITILサービス戦略
サービスポートフォリオに含まれないものはどれか。
A. パイプライン
B. カタログ
C. 退役
D. 稟議
回答
D
解説
ITILのサービスポートフォリオは、将来提供予定のパイプライン、現在提供中のカタログ、終了した退役サービスで構成される。稟議は組織の承認プロセスであり、ポートフォリオの構成要素ではない。
問題20:ガバナンスとマネジメント
ITガバナンスの説明として最も適切なのはどれか。
A. インシデント対応手順
B. 戦略目標に整合した意思決定と責任の枠組み
C. サーバ監視設定
D. 運用手順書の改訂
回答
B
解説
ITガバナンスは、ステークホルダの価値創出を目的に、目標・原則・責任・評価の仕組みを定める上位概念である。マネジメントはそれを実現する実務であり、両者は階層的・補完的関係にある。
問題21:COBITの基本
COBITの目的と最も近いものはどれか。
A. プログラミング規約の標準化
B. 企業ITの統治とマネジメントの体系化
C. UIデザインのガイドライン
D. 暗号化アルゴリズムの標準化
回答
B
解説
COBITは企業ITのガバナンスとマネジメントを包括的に整理し、目的階層、プロセス、指標、実践を提供する枠組みである。経営目標とIT目標の連結、成熟度評価などを通じ、価値・リスク・資源を最適化する。
問題22:エンタープライズアーキテクチャ
EAの4領域に含まれないものはどれか。
A. ビジネス
B. データ
C. アプリケーション
D. マーケティング
回答
D
解説
EAは一般にビジネス、データ、アプリケーション、技術の4領域で構成される。マーケティングはビジネス領域の活動であり、EAの主要アーキテクチャ領域としては独立して定義されないのが通例である。
問題23:As-Is/To-Beギャップ
EAでAs-IsとTo-Beの差分分析を行う主目的はどれか。
A. ドキュメントの枚数を増やす
B. 実行可能なロードマップと投資計画に落とす
C. 役員名の統一
D. データ項目名をすべて英語化
回答
B
解説
現状とあるべき姿の差分を明らかにし、影響範囲・優先度・依存関係を踏まえて段階的な移行計画を策定するのが目的である。単なる可視化で終わらせず、組織横断で実行できるポートフォリオへ落とし込む。
問題24:データガバナンス
データオーナの役割として最も適切なのはどれか。
A. ETLの実装
B. データ定義責任と品質基準の承認
C. サーバ配線
D. ネットワーク機器設定
回答
B
解説
データオーナはビジネス責任者としてデータの定義・品質・アクセス権限の方針に責任を持つ。実装や運用はスチュワードやエンジニアが担い、オーナは意思決定と承認を通じて全社整合性を確保する。
問題25:MDMの狙い
マスタデータ管理の主目的はどれか。
A. ビッグデータの容量増強
B. 取引データのリアルタイム処理
C. 主要マスタの単一性・整合性の確保
D. 画像検索の強化
回答
C
解説
顧客・製品・取引先などのマスタを単一の真実源で管理し、重複や表記ゆれを排除することで、分析・オペレーションの整合性を高める。チャネル間で一貫した体験や正しいレポートを実現する基盤となる。
問題26:情報戦略策定プロセス
適切な順序はどれか。
A. 施策立案→現状分析→課題整理→ロードマップ
B. 現状分析→課題整理→施策立案→ロードマップ
C. 課題整理→現状分析→ロードマップ→施策
D. ロードマップ→施策→課題→分析
回答
B
解説
戦略策定は現状と外部環境の分析から課題仮説を抽出し、施策へ構造化して投資規模・効果・依存関係を踏まえたロードマップへ落とす順序が基本である。循環的に見直しを行い、学習を反映する。
問題27:投資の優先順位
複数施策の優先度付けで妥当な軸はどれか。
A. 派手さ
B. 戦略整合性×価値貢献×実行容易性×リスク
C. 役員の好み
D. ベンダの空き状況
回答
B
解説
優先付けは戦略目標への寄与、定量・定性的価値、実行可能性、依存関係、リスクのバランスで決める。スコアリングで可視化し、短期成果と基盤整備のポートフォリオを組み合わせて全体最適を図る。
問題28:プロジェクトポートフォリオ
Run/Grow/Transformの分類で正しい説明はどれか。
A. 全てTransformに集中すべき
B. Runは運用維持、Growは拡大、Transformは変革
C. Growはコスト削減の別名
D. Runは新規事業
回答
B
解説
Runは既存事業の安定稼働、Growは既存の拡張・収益拡大、Transformはビジネスモデルの転換を狙う投資を指す。組合せ比率を定めることで、短期の安定と中長期の成長・変革を同時に実現する。
問題29:リスク対応戦略
重大だが発生確率が低いリスクに対する一般的な選択はどれか。
A. 受容のみ
B. 低減または移転(保険・契約)
C. 増幅
D. 放置
回答
B
解説
影響が大きいリスクは低減(予防・検知・緩和)や移転(保険、契約上の責任分担)を組み合わせる。発生確率が低くとも事業継続を脅かす場合は、対応計画と演習により復元力を確保することが重要である。
問題30:チェンジマネジメント
全社システム刷新で抵抗が強い。初手として適切なのはどれか。
A. 一斉強制移行
B. ステークホルダ分析と影響評価、スポンサー確立
C. 反対者の人事評価を下げる
D. 操作マニュアルだけ配布
回答
B
解説
チェンジマネジメントは、利害と影響度を分析し、スポンサーの明確化、メッセージ設計、教育・サポート計画を通じて受容を高める。抵抗は自然な反応であり、早期の関与と双方向の場づくりが鍵となる。
問題31:要件定義
非機能要件に含まれないものはどれか。
A. 可用性
B. 性能
C. 機能一覧
D. 保守性
回答
C
解説
非機能要件は品質特性(可用性、性能、拡張性、保守性、セキュリティなど)であり、機能一覧は機能要件に分類される。非機能は総所有コストやサービス品質に直結するため、定量指標で明確化する。
問題32:可用性設計
災害時の目標復旧時間と目標復旧時点に該当する組はどれか。
A. RTOとRPO
B. MTBFとMTTR
C. SLAとOLA
D. RPOとSLA
回答
A
解説
RTOはサービスを復旧させるまでの許容時間、RPOはどの時点のデータまで復旧できればよいかを表す。設計ではバックアップ、レプリケーション、冗長化、運用手順と演習を通じて実現可能な値を定める。
問題33:BCP/DR
本番と同リージョン単一AZのみで稼働している。最も重大な懸念はどれか。
A. ネットワーク遅延
B. リージョン障害で同時停止
C. コスト過小
D. 監査対応
回答
B
解説
単一AZは可用性リスクが高く、リージョン障害では復旧見込みが立ちにくい。マルチAZやクロスリージョンレプリケーション、フェイルオーバ手順の整備により、RTO・RPO目標に沿う冗長化が必要である。
問題34:セキュリティ戦略
ゼロトラストの要諦として最も適切なのはどれか。
A. 社内IPなら全許可
B. 常時検証と最小権限、コンテキストに基づくアクセス制御
C. パスワードを長くするだけ
D. 物理入退室だけ強化
回答
B
解説
ゼロトラストは境界前提を捨て、ユーザ・端末・アプリ・データのコンテキストを評価し、最小権限で継続的に検証する考え方である。認証強化、デバイス健全性、マイクロセグメンテーションが柱となる。
問題35:プライバシー影響評価
新サービスで個人データの新用途を追加する。適切な対応はどれか。
A. サイレントで収集範囲拡大
B. 目的・法的根拠・リスク評価の実施と告知
C. 同意撤回手段を削除
D. 保存期間を無期限に
回答
B
解説
プライバシー影響評価は、目的変更時にリスクを洗い出し、最小化策、透明性、ユーザ権利への配慮を確認する。告知や同意、保存期間と第三者提供の管理を明確にし、監査可能な記録を残すことが重要である。
問題36:AI導入の段階
PoCで精度は高いが運用に不安がある。本番化で優先すべきはどれか。
A. プレゼン資料の作成
B. MLOps基盤(監視・再学習・モデル管理)
C. 研究論文の投稿
D. 価格を先に倍にする
回答
B
解説
PoCから本番へは、データ・モデル・コードの再現性、監視指標、ドリフト検知、再学習パイプライン、権限・説明責任など運用要件を満たすMLOpsが鍵となる。精度だけでは継続的価値を提供できない。
問題37:ロードマップの整合
事業ロードマップと技術ロードマップの関係で適切なのはどれか。
A. 別々に作り随時調整
B. 事業マイルストンに必須技術の成熟時期を重ね合わせる
C. 技術側が主導で事業を後追い
D. 事業側が技術を無視
回答
B
解説
機能の市場投入時期は技術の成熟・スケール可能性に依存する。両ロードマップを統合し、依存関係とリスクバッファを明示して投資や人員計画に反映することで、実現性の高い計画となる。
問題38:収益モデル選択
初期導入障壁を下げ迅速にユーザ基盤を拡大したい。適切な価格戦略はどれか。
A. 高額買い切りのみ
B. サブスクリプション+無料トライアル
C. 従量課金のみ
D. 無償提供のみで収益化なし
回答
B
解説
初期費用障壁を下げるには、月額や年額のサブスクに無料トライアルを組み合わせ、価値体験のハードルを下げるのが有効である。利用データから拡張販売や上位プラン誘導もしやすく、LTV最適化に資する。
問題39:カニバリゼーション管理
新しいクラウド版が既存オンプレ版を食う懸念がある。適切な方策はどれか。
A. どちらも放置
B. 明確なセグメンテーションと価格・機能差別化
C. 旧製品を即時廃止
D. 新製品を値引き禁止
回答
B
解説
顧客セグメント、提供価値、価格、販路を設計し、自己カニバリゼーションを前提に全体利益最大化を図る。移行パスとサポートポリシーを定め、顧客体験を損なわずに新陳代謝を促すことが重要である。
問題40:リーンスタートアップ
MVPの目的として最も適切なのはどれか。
A. 完成度を高めるため時間をかける
B. 価値仮説を素早く検証し学習する
C. すべての機能を実装
D. 競合を牽制するため大規模広告
回答
B
解説
MVPは最小限の労力で主要仮説を検証し、学習サイクルを回す手段である。実装量ではなく、検証に必要な価値体験と測定を重視し、迅速なピボットや継続的改良へつなげることが目的となる。
問題41:ジョブ理論
顧客の「雇用する理由(Job)」理解に直結する活動はどれか。
A. 機能一覧の比較のみ
B. 文脈観察とインタビューで代替行動を把握
C. 価格だけの調査
D. 社内の想像でペルソナ作成
回答
B
解説
ジョブ理論は、顧客が進歩を遂げるために製品を「雇う」状況・文脈・制約を理解することが核心である。現場観察と構造化インタビューで代替手段やスイッチの引き金を把握し、解決策の設計に反映する。
問題42:アウトソーシングの狙い
最も戦略的な狙いはどれか。
A. すべて外注化して責任回避
B. コアに資源集中し、非コアの効率化とスケール活用
C. 単価を下げるのみ
D. ベンダ任せでガバナンス不要
回答
B
解説
アウトソーシングはコア活動へ資源を集中し、外部の規模の経済や専門性を活用して効率化することが主目的である。委託しても成果責任は発注側に残るため、ガバナンスと契約管理が不可欠となる。
問題43:ロックイン回避
クラウドベンダ依存を抑えたい。最も効果的な設計原則はどれか。
A. 専用プロプライエタリAPIに全面依存
B. コンテナ化と標準インターフェース採用
C. ベンダ選定を毎年やり直す
D. 自社DCへ回帰
回答
B
解説
ロックインを抑えるには、コンテナ・IaC・標準APIの採用、データ抽出の容易性、結合度の管理が有効である。完全排除は非現実的なため、価値と依存のトレードオフを可視化して意思決定する。
問題44:ライセンス管理
SaaSのアカウントが遊休化している。適切な対策はどれか。
A. 全員に上位プラン付与
B. 利用実績の可視化と自動回収、権限最小化
C. 廃止せず放置
D. ベンダに任せる
回答
B
解説
SaaSは利用量に応じて費用が発生するため、利用状況を可視化し、一定期間未使用アカウントの自動回収や権限再付与のワークフローを整備する。最小権限の適用はセキュリティ強化にも資する。
問題45:KPIとOKR
OKRの特徴として適切なのはどれか。
A. 100%必達の業務指標
B. 野心的目標と測定可能な成果指標で学習を促す
C. 金銭報酬に直結
D. KPIと同義
回答
B
解説
OKRは挑戦的なObjectiveと、測定可能なKey Resultsで構成され、達成度よりも学習と方向付けを重視する。KPIは運用管理向けであり、両者を併用することで戦略実行と日常運用を両立できる。
問題46:役員向け資料構成
説得力の高い構成はどれか。
A. 詳細仕様から始める
B. エグゼクティブサマリ→課題→打ち手→効果→投資→リスク
C. 参考文献のみ
D. 画面キャプチャを多数
回答
B
解説
意思決定者は限られた時間で本質を掴む必要がある。冒頭で結論と意思決定事項を提示し、現状課題、解決策、効果・費用、リスク・代替案の順で論理を組み立てることで、合意形成が進みやすい。
問題47:ステアリングコミッティ
主な役割として最も適切なのはどれか。
A. 日々のタスク割当
B. 戦略整合・優先度・資源配分の決定
C. コーディングレビュー
D. 監視アラート対応
回答
B
解説
ステアリングコミッティはプロジェクトやポートフォリオの戦略整合性を担保し、優先度、資源、重大リスク・方針を決定する場である。日々の実務はプロジェクトマネジメントに委ね、役割を分担する。
問題48:IT投資評価
金銭指標に偏らず評価する際に適切な枠組みはどれか。
A. 初期費用のみ
B. NPVだけ
C. 戦略整合・リスク・柔軟性を含むバランス評価
D. 期間を無視
回答
C
解説
NPVなどの財務指標は重要だが、戦略適合、リスク低減、将来の選択肢価値、コンプライアンスなど非財務面も評価する必要がある。定量・定性を併用し、ポートフォリオ全体で価値最大化を図る。
問題49:事例問題(営業DX)
老舗機器メーカー。見積作成が属人化し、受注率が低下。最初に実施すべき施策はどれか。
A. 値引率の一律引上げ
B. CPQ導入を前提に要件化
C. 商談データ可視化と見積ロジックの標準化・検証
D. 受注後の請求自動化
回答
C
解説
受注率低下の原因を仮説検証するために、商談・見積データを収集・可視化し、価格・構成・承認のロジックを標準化して効果を測る。CPQ導入は解の一つだが、先に現状把握と標準ルール策定を行うのが合理的である。
問題50:事例問題(サプライチェーン)
需要予測誤差が大きく在庫が膨張。ITで最も有効な第一歩はどれか。
A. 倉庫を増やす
B. 高度最適化エンジンを即時導入
C. 需要・在庫・リードタイムの単一データモデル整備と可視化
D. 発注担当者を増員
回答
C
解説
精度の高い最適化は前提となるデータ整備に依存する。需要・在庫・補充リードタイムを共通定義で統合し、偏差や在庫構成を可視化することで、補充ポリシーや安全在庫の見直しに根拠を与え、継続的改善につながる。
問題51:CAPEXとOPEXの最適化
新規SaaS導入で初期投資を抑えつつ需要変動に俊敏に対応したい。最も適切な方針はどれか。
A. 期間無制限の一括買い切りライセンス
B. 従量課金+利用停止が容易なプランの採用
C. 5年分の前払一括契約
D. ハードウェアを自社購入して減価償却
回答
B
解説
需要の不確実性が高い場合は固定費化を避け、可変費化できる料金モデルが有効である。従量課金と柔軟な解約条項を組み合わせることで、需要減少時のコスト圧縮、増加時の迅速なスケールが可能となる。
問題52:FinOpsの初手
クラウド費用が予算超過。最初に着手すべき取り組みはどれか。
A. すべての環境をオンプレに戻す
B. コスト可視化のためのタグ設計とアカウント階層整備
C. ベンダに一律値引きを要求
D. 高価な監視ツールを導入
回答
B
解説
FinOpsは「可視化→最適化→運用内在化」の循環が基本である。まずは部門・サービス・環境単位に費用を割当可能にするタグとアカウント設計を整え、利用実績を意思決定に結びつける仕組みを整備する。
問題53:アーキテクチャ更新
レガシー基幹を段階的に刷新したい。最適なパターンはどれか。
A. 一括置換(ビッグバン)
B. ラップアンドリプレイス
C. ストラングラーフィグによる機能単位の段階移行
D. 複製して同時運用
回答
C
解説
ストラングラーフィグは既存システムの周囲に新機能を増殖させ、段階的にトラフィックを切替える手法である。リスク分散と価値の早期提供が可能で、長期化しがちな基幹刷新で現実的な選択となる。
問題54:データ活用組織
全社横断のデータ価値創出を継続させる体制で適切なのはどれか。
A. 各部門に完全分散で連携なし
B. 中央のデータオフィスと事業ドメインのハイブリッド
C. すべて中央集権で現場関与なし
D. 外注に全面委託
回答
B
解説
中央は標準・基盤・ガバナンスを担い、事業側はドメイン知と実行を担うハイブリッドが有効である。共通基盤とデータプロダクト責任の分担を明確化し、意思決定の速度と一貫性を両立させる。
問題55:データメッシュの要諦
データメッシュで最も重視される原則はどれか。
A. ETLの中央集権化
B. ドメイン別のデータプロダクト責任と自律性
C. すべてのデータをデータレイクに集約
D. 自社でDWHを自作
回答
B
解説
データメッシュはドメインオーナがデータを「プロダクト」として提供・運用する分散アーキテクチャである。共通の相互運用性標準とプラットフォーム支援の上で、自律性とスケールを両立させる。
問題56:APIエコノミー戦略
外部開発者に機能を開放し新収益を狙う。最初に定めるべき方針はどれか。
A. UIデザイン規約
B. APIの課金モデルとレート制限、利用規約
C. コード規約のみ
D. バナー広告の色
回答
B
解説
API提供は技術だけでなく事業設計が重要である。価格・無料枠・課金単位、スロットリング、SLA、知財・再配布・責任範囲を明文化し、開発者体験と収益性、リスク管理のバランスを取る必要がある。
問題57:プラットフォーム戦略
補完者の参入を促進する設計として適切なのはどれか。
A. 仕様公開を制限
B. 認定プログラムとマーケットプレイス提供
C. 競合の参加禁止
D. ゲートキーピングで審査を過度に強化
回答
B
解説
プラットフォームはネットワーク効果が価値の源泉である。認定・検証・収益分配ルールを整備し、マーケットプレイスで流通の場を提供することで、補完者の投資動機を高めエコシステムを拡張できる。
問題58:プロダクトマネジメント
戦略との整合を保ちながら機能優先度を決める枠組みとして適切なのはどれか。
A. HiPPOの主観
B. RICEやWSJFなどのスコアリング
C. 開発順の早い者勝ち
D. リリース順を固定
回答
B
解説
RICE(Reach/Impact/Confidence/Effort)やWSJF(遅延コスト/作業量)は、価値と工数、確信度を定量的に比較し、戦略整合と機会損失を考慮した意思決定を可能にする。恣意性の低減に有効である。
問題59:アジャイルスケーリング
複数チームの大規模開発でポートフォリオ整合を図る仕組みはどれか。
A. スクラムのみで各自独走
B. SAFeのポートフォリオ層やアーキテクチャランウェイ
C. 個別PMの裁量のみ
D. 会議を廃止
回答
B
解説
大規模では統合ロードマップ、アーキテクチャガイド、依存管理が不可欠である。SAFeはポートフォリオ層で戦略と予算枠、ARTで調整を行い、アーキテクチャランウェイで将来機能の土台を整える。
問題60:DORA指標
開発組織のパフォーマンス測定でDORAに含まれるものはどれか。
A. バグ件数のみ
B. デプロイ頻度、変更のリードタイム、MTTR、変更失敗率
C. 会議回数
D. コード行数
回答
B
解説
DORAはデリバリ能力と安定性の両面を測る4指標で構成される。頻繁かつ安全に価値を届ける力を定量化し、ボトルネック特定と改善の共通言語として用いることで、戦略実行速度の向上につながる。
問題61:SREのSLO運用
SLO違反が続く機能に対する適切な対応はどれか。
A. 機能開発を優先して継続
B. エラーバジェットポリシーに基づき新機能を一時停止し信頼性改善
C. 広告費を増加
D. 監視を無効化
回答
B
解説
SREではSLOに対する消費可能な誤差許容量をエラーバジェットと定義し、超過時は新機能より信頼性改善を優先する。ガバナンスとして事前合意し、顧客価値の毀損を防ぎつつ開発速度との均衡を保つ。
問題62:サイバーセキュリティ枠組
経営層に成熟度を説明しやすいフレームワークはどれか。
A. NIST CSF
B. 画像処理ガイドライン
C. CAD標準
D. SMTP仕様
回答
A
解説
NIST CSFはIdentify/Protect/Detect/Respond/Recoverの5機能で構成され、成熟度評価とロードマップ作成に適する。経営と現場の共通言語として、投資優先度とリスク低減効果を整理しやすい。
問題63:IAM戦略
SaaS乱立でアカウント管理が煩雑。最優先の施策はどれか。
A. 各サービスで個別にID管理
B. IdP統合によるSSOとプロビジョニング連携
C. パスワードの使い回し容認
D. メールでID配布
回答
B
解説
IdPに集約しSSOを実現することで、認証の強化と運用負荷低減を同時に実現できる。SCIM等でプロビジョニング連携を整備し、入退社や権限変更を自動化することがセキュリティと監査対応の要となる。
問題64:PAMの適用
特権ID乱用リスクへの第一歩として適切なのはどれか。
A. 共有アカウントの恒久保存
B. JIT付与とセッション記録を備えるPAM導入
C. 口頭で貸し借り
D. 期限なしの管理者権限
回答
B
解説
特権アクセスは最小期間・最小範囲で発行し、申請・承認・記録・監査までを一貫管理する必要がある。JITとセッション録画を備えるPAMは、インシデント時の追跡と抑止に有効で、コンプライアンスにも資する。
問題65:プライバシー法対応(日本)
新機能で第三者提供を開始。個人情報保護法上、適切な対応はどれか。
A. 目的外利用でも黙認
B. 共同利用と第三者提供の区別を明確化し、本人同意やオプトアウト要件を整備
C. 社内規程だけで運用
D. 保存期間を延長
回答
B
解説
日本の個人情報保護法では、第三者提供の要件や共同利用の通知・公表事項が規定される。目的変更の適法性、同意の取得・撤回、提供先管理、記録義務などを整理し、透明性を確保することが不可欠である。
問題66:データ最小化
プライバシー・バイ・デザインの観点で最も適切なのはどれか。
A. 将来のために可能な限り収集
B. 目的達成に必要最小限の収集と保存期間の明確化
C. 無期限保存
D. 収集目的を非公開
回答
B
解説
データ最小化は過剰収集によるリスクとコストを抑え、信頼性を高める基本原則である。目的ごとの必要性を再評価し、保存期間と削除手順を定め、匿名化・仮名化の適用可能性も検討する。
問題67:AIガバナンス
生成AIの業務利用方針として適切なのはどれか。
A. 機密を自由入力
B. 入力データ分類と禁止情報、人間の最終確認、出力記録の保持
C. 監督不要
D. 評価なしで本番投入
回答
B
解説
生成AIは漏洩・幻覚・バイアス等のリスクがある。入力データの取扱いルール、品質評価、出力の人間による検証、監査ログの保持、提供先・学習利用範囲の確認を定め、用途別ガードレールを敷く。
問題68:RAG戦略
社内文書を活用する検索型生成AIの品質向上で最も効果的なのはどれか。
A. 大規模モデルのサイズだけ拡大
B. 高品質ベクトル化と権限連動のリトリーバ改善、文書整備
C. 乱数種を固定
D. 出力温度を最大化
回答
B
解説
RAGの精度は検索品質に強く依存する。分割戦略、埋め込み品質、関連度評価、メタデータ検索、権限制御、文書正規化と鮮度管理を整えることで、回答の根拠性と一貫性が大きく向上する。
問題69:AIの評価
生成AIの業務利用における評価で適切なのはどれか。
A. 例示1件のみで判断
B. タスク別評価基準と人手評価、ガードレールテストの自動化
C. ベンダの主張を鵜呑み
D. 期待精度に達しなくても本番
回答
B
解説
評価は用途別の成功基準を定め、網羅的サンプルで再現可能に行う。自動テストに人手レビューを組み合わせ、ハルシネーション、機密混入、プロンプトインジェクション耐性などリスク項目も検証する。
問題70:ベンダマネジメント
SaaSのベンダロックインリスクを評価する際の重要観点はどれか。
A. ロゴの好み
B. データのエクスポート容易性と標準API、解約後データ保持方針
C. 営業の愛想
D. 交通の便
回答
B
解説
ロックインはデータ移行と相互運用性の困難さが主因となる。標準API、スキーマ公開、エクスポート手段、ベンダ終了時の措置、SLA・責任分界を確認し、依存の受容可能水準を明確にする。
問題71:ITポートフォリオ合理化
冗長なアプリ群を統合する優先順位付けで適切なのはどれか。
A. 利用者の声が大きい順
B. 価値×コスト×リスク×依存関係でスコアリング
C. 導入年が古い順
D. 画面が似ている順
回答
B
解説
機能重複、保守費、セキュリティリスク、データ連携、ユーザ影響、規制要件など多面的に評価し、統合効果と移行難易度のバランスで順序を決める。ロードマップに反映し段階的に実行する。
問題72:グリーンIT
データセンタの環境負荷を削減する施策として適切なのはどれか。
A. 常時最大クロック運用
B. ワークロードの自動スケジューリングと電源効率の高いリージョン選択
C. 空調温度を最低に固定
D. 使わないサーバを放置
回答
B
解説
ピーク時以外は自動でスケールダウンし、PUEの良い施設や再生可能エネルギー比率の高いリージョンを選ぶことで、CO2とコストの両方を削減できる。アイドル資源の削除とジョブ統合も有効である。
問題73:品質保証戦略
リリース品質の底上げに最も寄与する仕組みはどれか。
A. 手作業テストのみ
B. シフトレフトによる自動テストと静的解析のパイプライン化
C. 受け入れテストだけ強化
D. 本番での手直し
回答
B
解説
開発初期段階にテストと品質活動を組み込むことで、欠陥を早期かつ低コストに除去できる。CI/CDに単体・結合・セキュリティ検査を統合し、品質ゲートで基準を満たさない変更を遮断する。
問題74:価値流れ改善
バリューストリームマッピングの目的として適切なのはどれか。
A. 会議体の整理
B. 構想から価値提供までの待ち時間と手戻りの可視化
C. 画面デザイン変更
D. ハード購入
回答
B
解説
価値流れを可視化し、ボトルネックとムダを特定してリードタイム短縮を図る。部門横断のハンドオフや承認待ち、環境準備の遅延など、全体最適の観点で改善点を抽出し、KPIに接続する。
問題75:マーケティング分析
デジタル施策の効果測定で因果推論を用いる利点はどれか。
A. 直感に頼る
B. A/Bの差をそのまま解釈
C. 混合要因を統制し施策の真の効果を推定
D. クリック数のみで判断
回答
C
解説
広告やUI変更の影響は外的要因で歪む。因果推論や準実験法を適用することで、選択バイアスや季節性を統制し、施策による純増効果を推定できる。限られた予算配分の最適化に資する。
問題76:カスタマージャーニー
BtoBの長期検討商材で有効なデータ結合はどれか。
A. Web行動のみ
B. Web行動とMA、CRM、オフライン接点の統合
C. 名刺枚数のカウント
D. テレアポ回数のみ
回答
B
解説
複数接点を跨ぐ意思決定を理解するには、MAとCRM、イベント参加、営業活動、コンテンツ消費を統合する必要がある。アカウントベースでの可視化は、優先度付けと適切なコンテンツ投資に直結する。
問題77:価格戦略の弾力性
サブスク解約率が価格改定で上昇。適切な分析はどれか。
A. 顧客の声を無視
B. 価格弾力性と機能束の再設計、セグメント別A/B検証
C. 一律で値下げ戻し
D. 競合を無視
回答
B
解説
価格受容度はセグメントや機能価値によって異なる。弾力性推定やバンドル設計を行い、対象顧客・期間・機能差を変えてテストすることで、収益最大化と解約抑制のバランスを検証できる。
問題78:エコシステムKPI
パートナーとの共同売上を拡大したい。第一に設計すべきKPIはどれか。
A. 純広告表示回数
B. 共同パイプライン額、成約率、パートナー有効化率
C. 社内ミーティング数
D. 名刺交換数
回答
B
解説
エコシステムの価値は共同で創出されるパイプラインと実際の成約で測られる。認定・有効化(Enablement)指標と合わせて管理することで、投資対効果とボトルネックの特定が可能となる。
問題79:データ品質管理
データ品質ルールの運用で適切なのはどれか。
A. 初回だけ実施
B. 規則・閾値・責任者を明記し、例外処理と継続監視を自動化
C. 口頭で周知
D. 重大欠陥でも黙認
回答
B
解説
完全性・一貫性・正確性・鮮度などの基準を定義し、検知→通知→是正のワークフローを自動化する。データオーナとスチュワードを明確にして、例外承認と改善サイクルを回すことが継続品質に不可欠である。
問題80:EAI/iPaaS選定
多数のSaaSを連携するにあたり、初期方針で正しいのはどれか。
A. 個別にスクリプト乱立
B. iPaaSで標準コネクタと監視・再試行を活用
C. メール転送で代替
D. CSVの手動取込
回答
B
解説
iPaaSは接続・変換・オーケストレーション・監視を一体で提供する。再試行やデッドレタ処理、権限分離により運用負荷を下げ、スケールと可視性を確保できる。スクリプト乱立は技術的負債化しやすい。
問題81:イベント駆動設計
疎結合とリアルタイム性を両立する設計として適切なのはどれか。
A. 同期APIを多段連鎖
B. イベントブローカーによるPub/Subとスキーマ管理
C. バッチのみ
D. 共有DBへの直接書込み
回答
B
解説
イベント駆動は発行者と購読者を疎結合化し、拡張性と耐障害性を高める。スキーマ登録と互換性方針を定め、リプレイや順序制御を備えることで、将来の機能追加にも柔軟に対応できる。
問題82:マイクロサービス適用判断
マイクロサービス化の適用が適切な状況はどれか。
A. チーム規模が極小で変化がない
B. ドメイン境界が明確で独立デプロイの価値が高い
C. 単機能でトラフィック極小
D. モノリスで問題なし
回答
B
解説
独立したビジネス能力単位で境界づけられ、チームが自律してデプロイ可能な状況で効果が高い。逆に規模が小さく変化が少ない場合は、運用複雑性が増すだけでメリットが薄い。
問題83:ソフトウェア資産計上
自社開発の新機能について、会計上資産計上の検討で重要なのはどれか。
A. 企画段階から全額資産
B. 研究開発のうち開発段階要件の充足可否
C. 広告費化
D. 減価償却不要
回答
B
解説
会計基準では、研究段階は費用計上、開発段階で技術的実現可能性・完成意図・資源確保・将来経済的便益の合理的見積などの要件を満たす場合に資産計上が検討される。判断基準の整備が重要である。
問題84:IT投資と実物オプション
不確実性が高い新規事業のIT投資評価に適した考え方はどれか。
A. 静的なNPVのみ
B. 実物オプション(段階投資で中止・拡張の権利を評価)
C. 回収期間のみ
D. 感覚的判断
回答
B
解説
段階投資で学習しながら拡張・中止を選べる権利には価値がある。実物オプションは柔軟性を貨幣換算し、単純なNPVが過小評価しがちな機会価値を反映できるため、不確実性の高い案件に適する。
問題85:シナリオプランニング
マクロ環境の変動に備えた戦略立案で適切なのはどれか。
A. 単一予測に依存
B. 複数の一貫した将来シナリオとトリガーを定義
C. 現状維持
D. 競合の模倣
回答
B
解説
PESTやメガトレンドから不確実性の軸を抽出し、複数の筋の通った未来像を描く。各シナリオでの戦略オプションと早期警戒指標を定め、外部変化に応じて素早く意思決定できる態勢を整える。
問題86:ESG/CSRD対応
サプライチェーン排出量の開示要求が高まる。ITとして優先すべきはどれか。
A. 手作業の集計
B. 活動データと排出係数の共通データモデル整備
C. 年1回の勘で報告
D. 競合の数字を流用
回答
B
解説
スコープ1〜3の算定には活動データと排出係数の整合性が重要である。共通データモデルとトレーサビリティを整備し、監査可能な計算根拠を保持することで、規制対応と改善施策の特定が可能となる。
問題87:BCPの演習
BCP計画は整備済みだが実効性に不安。効果的な施策はどれか。
A. 文書の配布のみ
B. テーブルトップ演習と実地復旧訓練を定期化
C. 経営層だけ参加
D. 設計担当に一任
回答
B
解説
計画は演習で磨かれる。机上と実地の両方で、役割・連絡系統・代替手順・復旧時間を検証し、ギャップを是正する。演習結果を指標化し、継続的改善に反映することで復元力が高まる。
問題88:OTセキュリティ
工場のOTネットワーク保護で初手として適切なのはどれか。
A. ITと同一平面で運用
B. ゾーン&コンジットでセグメンテーション
C. インターネット直結
D. 管理者なし
回答
B
解説
制御系は可用性と安全性が最優先である。ISA/IEC 62443に基づきゾーン分割とコンジット制御を設計し、境界での監視・許可リスト・資産台帳の整備を行うことで、侵入拡大と横展開を抑止する。
問題89:データ越境
海外SaaS利用で個人データが域外移転される。適切な検討はどれか。
A. 無条件で許可
B. 移転先法制の十分性、契約上の保護措置、本人同意や代替手段の確認
C. 公開不要
D. 監査拒否
回答
B
解説
域外移転は法域ごとに要件が異なる。十分性認定や標準契約条項、技術的保護策(暗号化等)、本人の権利行使手段を確認し、透明性を確保することで、法令順守と事業継続性を両立させる。
問題90:eディスカバリ
訴訟・監査に備えた情報管理で重要なのはどれか。
A. メールを随時削除
B. リーガルホールドと監査証跡の確保
C. 保存場所の秘匿
D. 全社員に自由編集権
回答
B
解説
関連情報の変更を防ぐリーガルホールドと、アクセス・変更履歴の完全な監査証跡は、法的要請に応える基盤である。データ分類と保存ポリシーも併せて整備し、迅速な開示とリスク低減を図る。
問題91:知識経営
属人知識の形式知化で効果的な施策はどれか。
A. 暗黙知の保持者に依存
B. 標準化テンプレートとレビュー、検索性の高いリポジトリ整備
C. 口頭伝承のみ
D. 個人ドライブに保存
回答
B
解説
ナレッジは記録様式と検索性が品質を左右する。目的・前提・手順・注意点を揃えたテンプレートで記述し、レビューで品質を確保する。メタデータ設計とアクセス権管理で再利用性が高まる。
問題92:契約リスク分担
SaaSのSLA違反時の補償として妥当なのはどれか。
A. 罰金刑
B. サービスクレジットと解約権、上限責任の明確化
C. 無制限の損害賠償
D. 口頭合意
回答
B
解説
SaaSではSLA違反に対し、月額料金の一定割合をサービスクレジットで補填するのが一般的である。重大違反時の解約権、間接損害の除外、責任上限などを明確化し、予見可能なリスク管理を行う。
問題93:ステークホルダマップ
大規模刷新での合意形成に最適な初期作業はどれか。
A. 全員に同じ資料を配布
B. 利害と影響度で利害関係者を分類し、期待と懸念を可視化
C. CTOの独断
D. 意見募集なし
回答
B
解説
ステークホルダの期待・懸念・影響力を把握し、関与戦略(巻き込み・通知・相談)を定めることで、後の抵抗や遅延を減らせる。早期の共感形成は、投資承認と実行速度に直接効く。
問題94:ロードマップ可視化
複数施策の依存関係と効果発現時期を役員に示すのに有効なのはどれか。
A. 単純なToDoリスト
B. ポートフォリオカンバンとロードマップ(ギャント+マイルストン+価値指標)
C. 機能一覧のみ
D. コードフロー図
回答
B
解説
施策の開始・終了、依存・リスク、価値の着地時点を一枚で示すことで、意思決定が迅速になる。価値指標の到達条件を併記し、資源配分や順序の再調整に役立てる。
問題95:組織設計
プラットフォームチームとプロダクトチームの関係で適切なのはどれか。
A. プラットフォームが全機能を支配
B. 内部製品として明確なAPIとSLOで提供、選択可能性を担保
C. 強制利用のみ
D. 相互不干渉
回答
B
解説
プラットフォームは自律チームが安全に素早く価値を届けるための共通能力を提供する。明確なAPI・SLO・課金(内部チャージ)を定義し、選択可能性と支援で採用を促すのが健全である。
問題96:ガードレール型ガバナンス
アジャイル組織に適したガバナンスはどれか。
A. 事前承認の多層化
B. 原則と自動チェック(ポリシー・アズ・コード)で逸脱を検知
C. すべて自由
D. 全件役員承認
回答
B
解説
スピードを損なわずに品質・安全を担保するには、コーディフィケーションされた原則で自動検証するのが有効である。IaCやセキュリティポリシーにより、逸脱時のみ人手介入する運用が望ましい。
問題97:リリース戦略
本番影響を抑えつつ機能検証を行う方法で適切なのはどれか。
A. 一斉切替のみ
B. フィーチャーフラグと段階ロールアウト
C. 夜間にだけ配布
D. 手作業配布
回答
B
解説
フィーチャーフラグはコードをリリースしても機能を無効化でき、限定ユーザでの検証や素早いロールバックが可能である。段階展開と指標監視を組み合わせることで、リスクを最小化できる。
問題98:A/Bテストの倫理
有料プラン価格のA/Bテストで留意すべきはどれか。
A. 同意や説明不要
B. 公正性・透明性と顧客影響の最小化、逸脱時の救済措置
C. 収益最大化のみ
D. 極端な差を無通知で適用
回答
B
解説
価格は顧客に直接影響するため、適切な実験設計と公平性、必要に応じた説明や救済措置が求められる。過度な差で不利益が生じないよう監視し、苦情窓口とロールバック条件を明確にする。
問題99:レガシーデータ移行
移行プロジェクトの初動で最も重要なのはどれか。
A. 一気に全量移行
B. データクレンジング方針とカットオーバー戦略、差分同期手順の定義
C. アプリ改修のみ
D. テスト不要
回答
B
解説
移行では品質と整合性が要である。重複・表記ゆれ・欠損の是正、移行窓の停止時間、ロールバック手順、差分同期の方法を明確にし、リハーサルで検証して本番リスクを下げる。
問題100:ERP刷新戦略
ERPの次期更改で中核プロセスは標準化、差別化領域は柔軟性を確保したい。適切な方針はどれか。
A. すべてカスタマイズ
B. 標準機能優先+拡張は疎結合の拡張層や拡張点で実装
C. 外部連携を禁止
D. 現行踏襲
回答
B
解説
ERPの強みは標準プロセスのベストプラクティスに乗ることにある。差別化は拡張層(拡張点、外部マイクロサービス、iPaaS)で疎結合に実装し、アップグレード耐性と俊敏性を同時に確保する。
問題101:コスト配賦
共通基盤費用の公平な負担方法として適切なのはどれか。
A. 売上比で一律
B. 実使用量やSLO水準に基づく配賦
C. 任意
D. 人数割のみ
回答
B
解説
利用実績と要求品質に応じて負担することで、インセンティブの歪みを避けられる。タグやメータリングで可視化し、コスト意識を行動に結びつけ、無駄なリソース消費を抑制できる。
問題102:組織KPIの罠
KPIが各部門で最適化され全体最適が崩れている。是正策はどれか。
A. 罰則強化
B. ノーススター指標と連鎖KPI設計、相反指標の併置
C. KPIを廃止
D. 現場に一任
回答
B
解説
全社の価値を示すノーススターを定め、それに連鎖するKPIを設計する。速度と品質のような相反指標を併置し、偏りを抑える。レビューのリズムを合わせ、組織間で学習を共有する。
問題103:ITガバナンスとJ-SOX
財務報告の信頼性を高めるためにITが担う役割として適切なのはどれか。
A. 開発効率のみ追求
B. 主要アプリのアクセス管理・変更管理・運用管理の統制整備
C. 監査は拒否
D. ベンダ任せ
回答
B
解説
J-SOXではITGCが財務データの完全性・正確性を支える。アクセス権限の適正化、変更管理の証跡、運用の職務分掌、バックアップと復旧手順などを整備し、統制の有効性を検証する。
問題104:カスタマーサクセス
解約の主要因が「未活用」である。最適な打ち手はどれか。
A. 値上げ
B. ヘルススコアに基づくハイタッチ介入とプロダクト内ガイド
C. 広告増量
D. SEO強化のみ
回答
B
解説
利用度が低い顧客にはオンボーディング支援、教育コンテンツ、プロダクト内ガイドを組み合わせる。ヘルススコアで兆候を検知し、タイムリーに介入することで、解約抑制と拡張売上の機会が増える。
問題105:チャネル戦略
直販とパートナー販路の競合を抑える設計として適切なのはどれか。
A. 価格を秘密にする
B. セグメント・ディール登録・マージン設計の明確化
C. 取り合いを放置
D. 直販のみ
回答
B
解説
チャネルコンフリクトはルール設計で予防できる。ターゲット顧客の分担、先着ディール登録、差別化されたマージン・インセンティブを定め、透明性の高い運用で信頼を維持する。
問題106:5G/エッジの活用
製造現場で検査AIの遅延を最小化したい。最適な構成はどれか。
A. クラウド推論のみ
B. エッジ推論+必要データのみクラウド送信
C. すべて人手検査
D. 4Gで十分
回答
B
解説
現場での即時判定が必要な場合は、エッジで推論し、学習や監視に必要なデータのみをクラウド送信する構成が有効である。帯域コストと遅延を抑え、稼働率への影響を最小化できる。
問題107:デジタルツイン
設備の予知保全を高度化する第一歩はどれか。
A. 図面だけ収集
B. センサーデータと保全履歴の統合、正常系モデルの確立
C. 故障時の勘頼み
D. 現場の感想集約
回答
B
解説
デジタルツインは現実の状態を反映するデータ統合とモデル化が基礎となる。正常挙動の学習と異常検知の基準を定め、アラートの適合率を高めることで、計画保全と部品在庫の最適化に繋がる。
問題108:ゼロトラスト実装段階
段階導入で最初に実施する優先度が高いものはどれか。
A. 端末健全性評価なしでMFAだけ
B. ID基盤の強化(MFA/条件付アクセス)と端末健全性の可視化
C. 物理鍵の配布
D. ネットワークアドレスで許可
回答
B
解説
ゼロトラストはIDと端末の健全性が土台である。MFAや条件付アクセスで認証を強化し、端末状態の可視化・準拠判定を行うことで、以降のセグメント化やデータ保護の効果が高まる。
問題109:クラウド移行判断
「Lift & Shift」と比較した「Replatform」の特徴はどれか。
A. 変更を加えない
B. マネージドサービス活用等で運用負荷を下げる小変更を加える
C. 完全再構築
D. 物理移設
回答
B
解説
Replatformはアプリのコアは変えず、データベースやミドルウェアをマネージドへ置換するなど、小変更で運用性・可用性を改善する。短期の効果と長期の最適化の橋渡しとなる選択肢である。
問題110:クラウドコスト最適化
常時稼働の安定ワークロードに適した費用最適化はどれか。
A. スポットのみ
B. リザーブド/セービングプランの活用
C. 常にオンデマンド
D. 自作課金
回答
B
解説
稼働が予測可能なワークロードは、長期割引を活用するのが合理的である。利用実績を分析して適切な期間・カバレッジを選定し、リスクと柔軟性のバランスを取る。
問題111:データ保持と削除
規制とコストの両面を満たすための基本方針はどれか。
A. すべて永久保存
B. データ分類に基づく保持期間と自動削除の実装
C. 必要時に手作業削除
D. 削除しない
回答
B
解説
データは目的・規制・価値に応じて保持期間を定め、満了時は自動削除するのが望ましい。訴訟保全の例外もルール化し、監査可能な記録を残すことで、リスクとコストを抑制できる。
問題112:情報公開と信頼
インシデント発生時に顧客信頼を損なわない対応はどれか。
A. 隠蔽
B. 事実確認と影響範囲、再発防止策の迅速な開示
C. 競合批判
D. 数字を曖昧化
回答
B
解説
初動で事実と仮説を分け、影響と対策、顧客の取るべき行動を明確に伝える。継続的なアップデートと学びの共有は、短期の不利益を超えて長期の信頼につながる。
問題113:ナレッジ検索性
社内ポータルが使われない原因として最もありがちなのはどれか。
A. 色味
B. メタデータ設計と検索品質が弱い
C. URLが短い
D. 画像が多い
回答
B
解説
検索性はメタデータと同義語辞書、権限連動、品質レビューに依存する。分類・タグ・所有者・最終更新日を明示し、古い情報のアーカイブを徹底することで、利用価値が向上する。
問題114:プロキュアメント戦略
複数ベンダを競争させる際の留意点はどれか。
A. 評価軸は後出し
B. 事前に評価基準・重みを開示し、公正な比較が可能なRFPを用意
C. 価格のみで決定
D. 口頭のみ
回答
B
解説
評価基準を明示して提案の質を高め、比較可能性を担保する。要件・制約・評価重み・スケジュールをRFPで示し、質問回答と差分表で透明性を確保することが成功の鍵である。
問題115:バージョン管理
IaCとアプリを統合的に管理する利点はどれか。
A. 変更追跡が困難
B. 変更が分離し監査が困難
C. コードレビューと監査証跡が統一され、再現性が高まる
D. 手作業の方が速い
回答
C
解説
インフラとアプリの変更が同一リポジトリや連携した管理下にあると、レビュー、CI/CD、ロールバックが一貫する。環境の再現性が向上し、セキュリティとコンプライアンスにも寄与する。
問題116:データ民主化
全社員のデータ利活用を促進する施策として適切なのはどれか。
A. 高度SQLのみ要求
B. セマンティックレイヤと認証連携、セルフBIのガードレール整備
C. 説明資料なし
D. 専門家以外アクセス禁止
回答
B
解説
ビジネス定義とメトリクスを統一するセマンティック層と、セルフBIの利用権限・認可・データ保護を整備することで、現場での意思決定速度が上がる。教育と標準ダッシュボードも重要である。
問題117:プロダクト分析
アクティブ率停滞のボトルネック特定に有効なのはどれか。
A. 月次売上だけ確認
B. AARRR等のファネルとコホート分析
C. 感想を集めるのみ
D. 広告を増やす
回答
B
解説
獲得から定着までの各段階で離脱点を定量化し、コホートで継続率を比較することで、優先すべき改善箇所が明確になる。イベント計測の整備と仮説検証で、施策の効果を迅速に学習できる。
問題118:組織の学習
失敗から学ぶ仕組みとして適切なのはどれか。
A. 責任追及を最優先
B. ブレームレス・ポストモーテムと行動可能な是正計画
C. 公開禁止
D. 記録しない
回答
B
解説
人を責めるのではなく、システムとプロセスの改善点に焦点を当てる。事実の時系列、検知・影響、再発防止の施策を具体化し、フォローアップで実装状況を確認する。
問題119:ロードマップの資源制約
人員不足で同時並行が困難。最適な対応はどれか。
A. すべて延期
B. 依存関係を見直しクリティカルチェーンを短縮、WIP制限
C. 作業を細分化して同時進行
D. 無計画に外注
回答
B
解説
WIP制限で多重作業による切替コストを減らし、依存関係の解消とバッファ管理で工期短縮を図る。資源に合わせた現実的な並行度を設定し、価値の早期着地を優先する。
問題120:海外展開のIT
多国通貨・多言語・税制対応が必要。適切な方針はどれか。
A. 国ごとに別製品
B. ローカリゼーション対応の共通プラットフォームと設定駆動
C. 翻訳は手作業のみ
D. 税制を無視
回答
B
解説
為替・言語・税制を設定で切替可能にし、共通プラットフォームで再利用することで、展開コストを抑えつつ一貫性を維持できる。税率更新や領収書要件は法改正に追随できる設計が必要である。

