「物の数」意味は?言い換えは?ビジネスでも使える?失礼ではない使い方例文
「物の数」という慣用句は、「たいしたことではない」「価値のないこと」「問題にするほどでもない」という意味で使われます。ある出来事や物事、人の行動や発言に対して、それを軽んじたり、取るに足らないこととして扱うときに使用される表現です。誰かが大騒ぎしている出来事でも、自分にとっては大したことない、関係ない、問題にもならないというような冷静または見下した視点を含んでいます。
この言い回しは、相手に対しての価値判断を含むことがあり、使い方によっては冷淡な印象や見下した態度に受け取られる可能性もあります。たとえば、「そんなの物の数じゃないよ」と言えば、「そんなことは全く問題にもならない」と伝える一方で、相手にとっては重要なことを軽視しているように聞こえることもあります。そのため、使用にはある程度の注意が必要です。
英語でこの表現に近い意味を持つ言い回しとしては、“It’s not a big deal.” や “It’s nothing worth mentioning.”、“It’s of no consequence.”、“It’s a trifling matter.”、“It doesn’t amount to much.” などが挙げられます。これらの表現も、事柄の重要性を否定する、または軽視する意味合いを持っており、「物の数じゃない」という日本語のニュアンスに比較的近いとされています。
なお、「物の数」を含む会話や文章では、文脈が非常に重要です。肯定的な場面で使うと励ましや強さの表現になりますが、否定的な文脈では無神経に聞こえることもあるため、相手や関係性、場の空気を読むことが大切になります。
「物の数」の一般的な使い方と英語で言うと
- 彼がいくら文句を言っても、私にとっては物の数じゃない。彼の言うことは全く気にする必要もないくらいのものだ。 (It doesn’t matter to me how much he complains. His words amount to nothing to me.)
- あの程度のトラブルなら、うちのチームにとっては物の数ではない。すぐに対応できるレベルだ。 (A trouble like that is nothing for our team. We can handle it easily.)
- 昨日の失敗なんて、人生全体から見れば物の数じゃない。気にするだけ無駄だよ。 (That mistake yesterday is nothing in the grand scheme of life. It’s not worth worrying about.)
- あの会社の訴訟も、結果的には物の数ではなかった。我々の事業にほとんど影響はなかった。 (That lawsuit from the other company ended up being of no consequence. It barely affected our business.)
- 君の過去の経歴なんて物の数じゃない。今の君を見て評価しているんだよ。 (Your past background doesn’t amount to much. We’re judging you by who you are now.)
似ている表現
- 取るに足らない
- たいしたことではない
- 微々たるもの
- 鼻で笑うようなこと
- どうでもいいこと
「物の数」のビジネスで使用する場面の例文と英語
ビジネスの中では、「物の数」という言い回しは、ある問題やリスクが自社にとって重大ではないことをやや強気に示すために使われます。しかし、使い方を誤ると無神経に聞こえる場合もあるため、状況に応じて使うことが求められます。上司や同僚、取引先などとの信頼関係が前提にある場合に限り、注意深く使用するべき表現です。
- 今回の納期の遅れは、当社にとっては物の数ではありません。対応済みですのでご安心ください。 (This delay in delivery is not a big deal for us. We’ve already handled it, so please rest assured.)
- 他社の値下げ競争も、我々の品質には影響しません。物の数ではないと考えております。 (The price war from other companies does not affect our quality. We consider it insignificant.)
- そのクレーム件数は、全体から見れば物の数ではないレベルで収まっています。 (The number of complaints remains at a negligible level in the overall picture.)
- 資金面の不安は一切ありません。今回の投資額も当社にとって物の数ではありません。 (There are no concerns financially. Even this investment amount is nothing significant to us.)
- 一時的なアクセス障害など、物の数ではないという認識で問題ありません。 (Temporary access issues are nothing to worry about in this context.)
「物の数」は目上の方にそのまま使ってよい?
「物の数」という表現は、そもそも事柄の重要性を軽視する意味があるため、目上の方や取引先に対してそのまま使用するのは推奨されません。たとえ自分としては軽い気持ちで言ったつもりでも、相手がその事象を重く受け止めている場合、失礼と取られてしまう可能性があります。また、この言い方は砕けた表現に近く、ビジネス上の場面では丁寧さに欠ける印象もあります。上司や顧客の発言に対して「それは物の数ではありません」などと返してしまうと、「軽んじている」「真剣に受け止めていない」と捉えられ、信頼関係にヒビが入るおそれもあるのです。
そのため、相手との距離感や関係性を慎重に見極めた上で、より柔らかく丁寧な言い回しに言い換えることが適切です。状況や相手の気持ちをしっかりと考え、慎重に言葉を選ぶことが求められます。
「物の数」の失礼がない言い換え
- ご心配をおかけいたしましたが、すでに社内で対応済みの案件でございますので、問題は発生しておりません。
- お問い合わせいただいた件につきましては、現在の進捗に大きな影響はございませんので、引き続きご安心ください。
- 対応チームにて優先的に確認を行い、迅速に解決に至りましたので、特段の支障は生じておりません。
- 現在の業務運用には支障なく進行しておりますため、ご懸念の点についてはすでに解消済みと認識しております。
- 影響の範囲が限定的であったため、全体としては安定して業務継続が可能な状態です。
適した書き出しの挨拶と締めの挨拶は?
書き出し
- 日頃より格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。貴社の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。
- 平素より多大なるご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。改めて感謝の気持ちをお伝えさせていただきます。
- 毎々ご丁寧なご対応をいただき、感謝申し上げます。本日は一点ご報告を申し上げたく、ご連絡いたしました。
- 日頃のご厚情に深く感謝申し上げます。今回は弊社対応についてご報告の機会を頂戴したく存じます。
- いつも温かいご支援を賜り、誠にありがとうございます。本件について、改めてご説明の場を設けさせていただきたく存じます。
締めの挨拶
- 引き続きお力添えを賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。今後とも変わらぬご指導をお願い申し上げます。
- ご不明点等ございましたら、いつでもご連絡いただけますと幸いです。今後ともよろしくお願いいたします。
- 末筆ながら、皆様の益々のご健勝とご活躍を心よりお祈り申し上げます。
- お忙しいところ恐れ入りますが、何卒ご確認のほどよろしくお願い申し上げます。
- ご確認のうえ、ご不明な点がございましたら遠慮なくお知らせくださいませ。引き続きよろしくお願い申し上げます。
注意する状況・場面は?
「物の数」という言葉は、相手の言動や出来事を軽視するニュアンスがあるため、対人関係において慎重に扱う必要があります。特に、自分にとっては大したことがないと感じていたとしても、相手にとっては重大であったり、深刻な問題である場合、誤って「物の数じゃない」と言ってしまうと、相手の気持ちを傷つけたり、信頼関係を損なう結果になりかねません。加えて、ビジネスにおいては、リスク管理や事実確認の姿勢が求められる場面で軽視的な態度は厳禁です。たとえば、取引先が問題提起をしている際に「それは物の数ではない」などと返すと、真剣に向き合っていない印象を与えてしまい、以後の関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。
- 取引先が懸念を伝えている最中
- 社内で問題が起こった直後の報告場面
- クレームや問い合わせに対しての返信
- 上司からの指摘や助言への返答
- 初対面の相手との信頼構築段階
細心の注意払った言い方
- 本件については既に社内で確認を進めており、想定内の範囲で対処可能な内容と認識しております。
- ご指摘いただいた内容につきましては、影響範囲を確認の上、全社的に対策を講じておりますのでご安心ください。
- 問題の規模は限定的であると考えておりますが、引き続き注意深く見守り、必要に応じて迅速に対応してまいります。
- 影響度については最小限であるとの分析結果を得ておりますが、万全を期して引き続き注視しております。
- ご報告の通り、今回の件は全体の進行に大きな影響を与えるものではございませんが、真摯に受け止めております。
「物の数」のまとめ・注意点
「物の数」という言葉は、物事の重要性を低く評価する際に使われる言い回しであり、自分にとっては取るに足らないことを示すために便利な表現です。しかし、他者との関係性やその場の空気を誤ると、大変失礼に受け取られるリスクもはらんでいます。ビジネスにおいてこの言い回しを使用する場合は特に慎重であるべきであり、軽々しく他人の課題や発言を否定するような印象を与えてしまうと、信頼や評価に大きな影響を与えます。目上の方や取引先に対しては極力避け、丁寧で柔らかい表現へと言い換えることが重要です。「物の数じゃない」と伝えることで自己の強さや自信を表現できる反面、思わぬ反発や誤解を招く危険性もあるため、日常会話以上に、職場やビジネスでの使用は熟慮の上で選択してください。理解を得たいときこそ、相手の立場に立った言葉選びを心がけましょう。

