レガシーとは?ビジネスでの意味・日本語での言い換え・言い回しての使い方と注意点
ビジネスの場面で使われる「レガシー」という言葉は、本来の「遺産」「受け継がれたもの」という意味から派生しており、特に企業活動やシステム開発、組織の運営などにおいて「過去の慣習や技術」「古い体制」「今では非効率だが依然として存在する仕組み」などを指して使われます。
たとえば、IT分野では「レガシーシステム」という言い回しがよく登場します。これは、古くから使われているが最新の技術に対応できていない、保守が難しい、柔軟性に欠けるといった問題を抱えているシステムのことを指します。多くの場合、業務に深く関わっているため、完全に取り除くのが困難で、かえって新しい技術導入の妨げになるケースもあります。
また、経営の分野では「レガシーな制度」「レガシーな考え方」という言い回しも使われます。これは、すでに時代遅れとなった考え方や風土、組織構造などを表しており、現代の多様で柔軟な働き方にはそぐわないことが多いです。これらが企業文化として根強く残っていることで、新しい挑戦を阻む原因となることもあります。
一方で、「レガシー」という言葉には必ずしもネガティブな意味だけではなく、長年培われてきた実績や伝統、技術力、信頼の蓄積といったポジティブな意味合いで使われることもあります。たとえば「企業のレガシーを継承する」「先人のレガシーを受け継ぐ」という使い方では、歴史ある価値や経験を尊重し、今後に活かすという前向きな姿勢を示す言い方です。
このように、「レガシー」は時には足かせとなる過去の遺物として、時には財産としての意味で使い分けられているため、文脈をよく読んで使うことが大切です。
まとめ
- 古くからの慣習や技術、システムを意味する
- 時代に合わない非効率なものという意味で使われることが多い
- ただし、伝統や実績など前向きな意味もある
- 使用時は前後の流れや意図を明確にしておくことが重要
「レガシー」を英語で言うと?
そのまま Legacy という単語が使われます。英語でも同様に、ポジティブ・ネガティブ両方の意味で使われます。
言い換え・言い回しは?
- 古い体制
- 過去の制度
- 旧来の仕組み
- 伝統的な方式
- 従来の考え方
レガシーが使われる場面
- 古いシステムが業務に支障をきたしているとき
- 新しい制度導入の際に障害となる慣習が残っているとき
- 長年使ってきた仕組みを刷新する場面
- 会社の歴史や文化を尊重して語るとき
- 経営戦略の転換時に変化への対応を促す場面
レガシーを言い換えて失礼がない伝え方・目上・取引先に送る場合
- 長年ご使用のシステムに関し、今後の運用面でのご相談がございます。
(We would like to discuss the future operation of your long-standing system.) - これまで培ってこられた仕組みに対して、改良のご提案がございます。
(We have suggestions for enhancing your well-established processes.) - 御社の長い歴史に基づいた制度に敬意を表しつつ、改善の余地をご案内いたします。
(While respecting your company’s rich history, we would like to present areas for potential improvement.) - 旧来より受け継がれてきた体制をふまえ、今後の柔軟な運用方法をご提案いたします。
(Based on your traditional system, we propose a more flexible approach going forward.) - 御社のこれまでのご実績を尊重しつつ、次のステップをご一緒に考えてまいりたいと存じます。
(While valuing your achievements to date, we would like to explore the next steps together.)
社内メールで言い換えて使用する例文
- 現行のシステムに関して、改善提案の資料を添付いたします。ご確認お願いいたします。
(Please find attached our improvement proposal for the current system.) - 長年使用している仕組みに不具合が見られたため、代替案を検討中です。
(Due to issues with our long-used structure, we are considering alternatives.) - 旧来のルールについて、部署内で見直しを進めています。
(We are currently reviewing the traditional rules within the department.) - 長期間使われてきた方式に関して、最新の手法との比較資料を作成しました。
(We have prepared a comparison document between the long-used method and the latest techniques.) - 従来の業務フローをもとに、効率化のアイデアを共有いたします。
(Based on our existing workflow, I would like to share ideas for streamlining.)
レガシーを使用した本文
- 本プロジェクトでは、現在の仕組みが新しい取り組みの障壁になっている可能性があるため、改善の必要性を感じています。
(The current framework may be hindering the progress of our new project, indicating a need for improvement.) - 古くから続く制度が柔軟な対応を難しくしているため、見直しを提案したいと考えています。
(The long-standing system is limiting flexibility, so I would like to propose a review.) - 過去のやり方に固執せず、今後の変化に備えることが重要だと感じています。
(It’s important not to cling to past methods and instead prepare for future changes.) - これまで大切にしてきた手法に感謝しつつも、時代に合わせた変革が求められています。
(While appreciating our valued methods, change is needed to adapt to the current times.) - 長年守ってきたスタイルですが、今回の見直しを機に再構築を検討しています。
(Although it has been our style for many years, we are now considering rebuilding it.)
レガシーをメールで使用すると不適切な場面は?
「レガシー」という言葉は、場合によっては相手の努力や会社の歴史を軽視しているように感じられることがあります。特に、目上の方や取引先に対して「レガシーなシステム」「レガシーな考え方」と直接言ってしまうと、「古くて時代遅れ」「足を引っ張っている」と受け取られ、不快な印象を与える可能性があります。
また、企業の伝統や理念に誇りを持っている方に対して、「レガシー」という言葉をマイナスの意味で使ってしまうと、その価値を否定するような印象になります。言葉の響きとしても、カタカナ語であるため馴染みが薄い場合、唐突に感じられることもあるでしょう。
そのため、特にビジネスメールでは「古い」「改善すべき」という意図があるなら、丁寧に背景を伝えつつ、直接的な言い回しを避ける方が無難です。
細心の注意を払い誰にでも不快感を与えない伝え方
- 現在の仕組みについて、より良い形を一緒に検討できれば幸いです。
(We would be glad to explore better options for our current structure together.) - これまで大切にされてきた方法に敬意を表しつつ、改善点を見つけられればと思います。
(With respect for the valued methods, we hope to identify areas for improvement.) - 長く使われてきた体制をもとに、今後に向けた柔軟な方法を考えていければと思います。
(Based on the long-standing structure, we would like to explore flexible future approaches.) - 御社の伝統に敬意を持ちつつ、新たな可能性についてご提案申し上げます。
(While respecting your company’s traditions, we would like to suggest new possibilities.) - これまでの実績を大切にしながら、次の一手をご一緒に考えてまいりたいと考えております。
(We would like to work together to take the next step, while honoring past achievements.)
メール例文集
目上の方・取引先の企業へ言い換え適したメール例文
古いシステムの見直しに丁寧な相談をしたい時
いつもお世話になっております。貴社で長年ご活用されているシステムにつきまして、今後の保守対応や拡張性の観点から一度ご相談の機会をいただけますと幸いです。これまでの運用実績に敬意を表しつつ、さらにご活用いただけるような改善案を準備しております。ぜひご検討いただけますと幸いです。
これまでの制度に配慮した提案をしたい時
平素より格別のご高配を賜り誠にありがとうございます。御社の業務運用において、従来より継続されてきた制度に関し、今後の業務効率化や環境変化への対応も踏まえたご提案を差し上げたくご連絡いたしました。これまでの制度を尊重しつつ、より良い形をご一緒に検討できれば幸いです。
顧客・お客様へ言い換え適したメール例文
サービス更新に関するご案内
このたび、弊社ではより快適にご利用いただけるよう、従来のご契約内容の一部見直しを進めております。これまでご利用いただいていた内容を大切にしながら、お客様にとってさらに便利で効率的なサービスのご提案をさせていただきます。何卒ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
サポート体制変更のお知らせ
平素より格別のご愛顧をいただき誠にありがとうございます。長年にわたりご利用いただいていたサポート体制につきまして、このたび新たな対応窓口へと移行させていただくこととなりました。従来のご対応内容を引き継ぎつつ、より一層の迅速対応を実現する体制を整えておりますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
社内メールで使う際に言い換え適したメール例文
業務フロー改善提案について
お疲れ様です。これまで続けてきた業務フローについてですが、一部作業に時間がかかる部分が見受けられるため、改善の提案をまとめました。チーム全体で効率化を進めるきっかけになればと考えています。ご確認いただけますと幸いです。
社内ツールの刷新に関する案内
こんにちは。社内で長らく使ってきたツールの更新を検討しています。新しいツール導入に向けた準備を進めており、必要な情報をまとめましたので、ご確認の上ご意見をいただければ助かります。
レガシー 相手に送る際の注意点・まとめ
「レガシー」という言葉を相手に使う際は、その意味が相手にとってどのように受け止められるかを慎重に考える必要があります。たとえば、長年の努力や工夫によって築かれた仕組みや文化を「時代遅れ」として一括りに扱ってしまうと、相手の誇りを傷つけてしまう恐れがあります。
特にメールや文章ではニュアンスが伝わりにくいため、できる限り具体的な状況や目的を丁寧に説明したうえで、言い換えた表現を使うことが重要です。「改善したい」「効率を上げたい」といった意図がある場合でも、まずは現状を尊重する気持ちを言葉に込めることで、相手との信頼関係を保ちつつ前向きな提案へとつなげることができます。
ですので、「レガシー」という言葉をそのまま使うよりも、やわらかい言い回しを選び、相手の立場に配慮することを大切にしていきましょう。

