「水に流す」意味は?言い換えは?ビジネスでも使える?失礼ではない使い方例文
「水に流す」とは、過去のいさかいや嫌な出来事、誤解やトラブルなどをいつまでも引きずらず、きれいさっぱりと忘れてしまう、もしくは不問にするという意味で使われる言い回しです。この言い方には、過去の過ちや争いごとを許し合い、未来に向かって前向きな関係を築こうとする前提が含まれており、人間関係において非常に重要な意味を持ちます。人との関係において、どんなに仲が良くても、意見の食い違いや誤解が生まれることは避けられません。そのような時、「水に流す」ことで、相手を許し、心の中のしこりを取り除くことができ、再び信頼を築く第一歩となるのです。
この言い回しを英語で表現すると、「let bygones be bygones」や「forgive and forget」がよく使われます。「let bygones be bygones」は「過去のことは過去のこととして流してしまおう」という意味で、日本語の「水に流す」に最も近い感覚です。一方で「forgive and forget」は、相手を許し、そのことを記憶から消すという意味で使われるため、より強い許しの姿勢を表します。また、カジュアルな場面では「move on」や「get over it」なども用いられることがありますが、これらはやや突き放した印象を与えることもあるため、注意が必要です。
「水に流す」の一般的な使い方
- 昨日の口論は私の言い過ぎだったかもしれない。もう水に流して、これからも仲良くやっていけたら嬉しいです。
(Let’s forget about our argument yesterday. I might have said too much. I hope we can let bygones be bygones and stay close.) - 彼の過去の失敗をいつまでも責めても仕方がないよ。もう水に流して、次のプロジェクトに集中しよう。
(There’s no point in blaming him forever for his past mistakes. Let’s just forgive and forget and focus on the next project.) - あのときのことはお互いに誤解があっただけだと思うし、もう水に流して一からやり直そうよ。
(I think there was just a misunderstanding back then. Let’s just move on and start over.) - 昔のことはもうどうでもいいよ。水に流して、新しい関係を築いていきたいと思っているんだ。
(The past doesn’t matter anymore. I want to let it go and build a new relationship with you.) - あんな小さなことで喧嘩してたなんて今思えばくだらなかったよね。水に流して、今度飲みに行こうか。
(Thinking back, it was silly to fight over such a trivial thing. Let’s let bygones be bygones and grab a drink sometime soon.)
似ている言い回し
- 目をつぶる
- 忘れたことにする
- 許す
- 根に持たない
- 気にしない
「水に流す」のビジネスで使用する場面の例文と英語
ビジネスの場面では、過去のトラブルや取引上の行き違いがあったとしても、感情的にならずに今後の関係を円滑に進めるために「水に流す」という姿勢を取ることが求められる場合があります。もちろん、過去の出来事をなかったことにするのではなく、相互理解と信頼を再構築するために前向きに話を進めるための一歩として使われます。
- 前回の納期の件については、双方に確認不足があったかと思います。今回は水に流して、今後の連携に注力しましょう。
(Regarding the delivery delay last time, I believe there were misunderstandings on both sides. Let’s put it behind us and focus on our future collaboration.) - 以前のトラブルに関しては既に解決済みと理解しています。今後は水に流して、より良い関係を築いていければと存じます。
(I understand the past issue has been resolved. I hope we can move forward and build a better working relationship.) - あの時の対応に不手際があったことは認識しております。ご迷惑をおかけしましたが、今後の改善に努めますので、水に流していただければ幸いです。
(We acknowledge the mishandling of the situation. We apologize for the inconvenience, and we will take steps to improve. We hope you can let it go.) - これまでの行き違いは、お互いの立場を理解する貴重な機会だったと思います。水に流して、新しいスタートを切りましょう。
(I believe the past misunderstandings were a valuable opportunity to understand each other’s perspectives. Let’s move on and start fresh.) - ご不快な思いをさせてしまったことは反省しております。今後の信頼回復のためにも、水に流していただければと願っております。
(We deeply regret causing any discomfort. For the sake of rebuilding trust, we hope you can forgive and forget.)
「水に流す」は目上の方にそのまま使ってよい?
「水に流す」という言い方は非常に口語的で、日常会話で使われる分には問題ありませんが、目上の方や取引先に対してそのまま使うのは控えたほうが良いでしょう。特にビジネスメールや正式な場では、相手に不快感や軽視された印象を与えてしまう可能性があります。言い換えや丁寧な言い回しを選ぶことで、より礼儀正しく、信頼関係を大切にする姿勢を示すことができます。相手に敬意を示しながら、過去の出来事を前向きに受け止め、未来に向かって話を進める言い方を心がけることが大切です。
- ストレートに伝えず、「改めて前向きに取り組む姿勢」を見せる
- 過去のことは「解決済み」と表現し、相手の立場を尊重する
- 相手の寛容さに感謝の意を込める
- ネガティブな言い方は避ける
- 丁寧な敬語と柔らかい表現を心がける
失礼がない言い換え
- 先般の件につきましては、すでに解決済みと理解しておりますので、今後の更なるご協力をお願い申し上げます。
- 過日の件につきましては、改めて気持ちを新たにし、より良い関係を築けますよう尽力いたします。
- これまでの経緯を踏まえ、今後は相互に信頼を深められるよう努めてまいります。
- ご迷惑をおかけした件につきましては重ねてお詫び申し上げ、今後は誠心誠意対応させていただきます。
- 過去の行き違いを真摯に受け止め、今後はより円滑な連携を目指してまいります。
適した書き出しの挨拶と締めの挨拶は?
書き出し
- この度は過去の件につきまして改めてご対応いただきましたこと、心より御礼申し上げます。
- 以前のご対応につきまして、迅速かつ丁寧なご配慮を賜りましたこと、誠にありがとうございます。
- 長らくのやりとりにもかかわらず、終始ご丁寧にご対応いただき、感謝申し上げます。
- 昨今のやり取りの中でご心配をおかけしましたこと、まずは深くお詫び申し上げます。
- 前回の件につきましては、ご寛容なお取り計らいをいただき、心より感謝しております。
締めの挨拶
- 今後もご信頼にお応えできるよう、一層努力してまいりますので、引き続き何卒よろしくお願い申し上げます。
- 今後とも変わらぬご愛顧を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
- 末永く良好な関係を築いてまいりたく、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
- お手数をおかけすることもあるかと存じますが、今後とも変わらぬご指導のほどお願い申し上げます。
- ご多忙の折とは存じますが、引き続きご指導ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
注意する状況・場面は?
「水に流す」は便利な言い回しではありますが、全ての場で使えるわけではありません。特に、相手がまだ怒りや不満を抱えている場合や、過去の問題が解決していない状況で使うと、逆効果になる恐れがあります。過去の出来事を軽んじるような印象を与えてしまったり、謝罪や説明が不十分だと受け止められてしまう可能性があります。また、深刻なトラブルや不祥事に関して安易に使うのは非常に危険で、責任逃れや誠意の欠如と受け取られることもあるため、注意が必要です。
- 相手の感情がまだ整理されていないときには控える
- 十分な謝罪や説明が先に必要な場合は絶対に先走らない
- 責任をあいまいにしてはいけない
- 上から目線のように取られないよう慎重に言葉を選ぶ
- 深刻なトラブルには誠意ある対応を徹底し、「水に流す」は使わない
細心の注意払った言い方
- 先日はご不快な思いをさせてしまいましたことを深くお詫び申し上げます。今後は同様のことがないよう徹底してまいります。
- 過去の件に関しましては、関係各位のご理解とご支援のおかげで前向きな形で進めることができ、心より感謝申し上げます。
- あの際の行き違いを教訓とし、より良い関係構築に努めてまいりますので、今後とも何卒よろしくお願いいたします。
- 結果としてご迷惑をおかけしましたこと、真摯に受け止めております。今後の業務改善に活かしてまいります。
- 本件に関するすべての対応につきまして、今後は誠実かつ迅速に進めてまいります。引き続きご指導いただけますと幸いです。
「水に流す」のまとめ・注意点
「水に流す」という言い回しは、人間関係の中でトラブルや誤解があった後、相手を許し、過去のことを引きずらずに未来に目を向けるための重要な考え方です。友人関係はもちろん、ビジネスの場面においても円滑な関係を築くために必要不可欠な姿勢といえます。ただし、この言葉を使うタイミングや相手によっては、逆に失礼に受け取られるリスクもあります。特に正式な場面や相手が目上の方である場合、安易な使用は避けるべきです。感情的な問題や過去の深刻な失敗に関しては、まず丁寧な謝罪と説明を尽くすことが第一であり、「水に流す」という言葉を使うのはその後です。相手の心情や状況をよく見極めたうえで、適切に使うことが信頼関係を築く鍵となります。

