「プレゼン型入試」とは?中学受験で知っておく知識・準備・対策は?合格するには?

「プレゼン型入試」とは?中学受験で知っておく知識・準備・対策は?合格するには?

なぜ中学受験で「プレゼン型入試」が導入されているのか?

これまでの中学受験では、国語・算数・理科・社会の4教科(または2教科) の学力を測る試験が一般的でした。この方式は、多くの受験生が同じ基準で評価され、数値化された「偏差値」という形で学力を比較することができるため、公平性があると言われています。

しかし最近の社会では、知識だけでなく 「自分の意見を伝える力」や「問題を解決する力」 も大切になってきました。そのため、学校ごとに「これからの社会で活躍できる力」を持つ生徒を選ぶための新しい「モノサシ」が求められるようになってきたのです

「プレゼン型入試」は、そうした新しい時代の流れに合わせて生まれた入試方式です。学力試験では測れない「考える力」や「伝える力」を評価することで、より幅広いタイプの生徒にチャンスを与える仕組みになっています


知識だけでは足りない?これからの時代に求められる力

これまでの受験勉強では、「決まった答えを出す力」が重要視されてきました。しかし、現代社会では 「正解のない問題にどう向き合うか?」 という力が求められています。

例えば、AI(人工知能)が発達したことで、計算や暗記といった作業はコンピューターが簡単にできるようになりました。そのため、これからの時代に必要なのは、単に「知識を持っていること」ではなく、「その知識をどう活用するか?」 という発想力や応用力なのです。

プレゼン型入試では、
✔ 自分の考えをわかりやすく伝える力
✔ 物事を論理的に整理する力
✔ 問題に対して新しい視点でアイデアを出す力
といった 「知識を使いこなす力」 が評価されます。

つまりプレゼン型入試は これからの社会で求められる能力を伸ばし、未来のリーダーやクリエイターを育てるための入試方式 なのです。


「VUCAの時代」と教育の変化

最近よく使われる言葉に 「VUCA(ブーカ)」 というものがあります。これは、
Volatility(変動性) → 予測が難しいほど社会が変化すること
Uncertainty(不確実性) → 未来がどうなるかわからないこと
Complexity(複雑性) → さまざまな要素が絡み合っていること
Ambiguity(曖昧性) → 物事の正解が一つではないこと
の頭文字を取った言葉です

昔は、ある程度予測ができる未来がありました。例えば「良い大学を出て、良い会社に入れば、一生安定して暮らせる」という考えが一般的でした。しかし今は 世界の変化がとても早く、数年後の仕事や生活スタイルすら誰にもわからない時代 になっています。

そんな中で必要なのは、「変化に柔軟に対応できる力」や「新しいものを生み出す力」 です。だからこそ、教育の世界でも「知識を詰め込むだけの学習」ではなく、「考える力を育てる学習」へとシフトしつつあります。

プレゼン型入試は、このような 「新しい時代に必要な力を持つ生徒を育てる」 ために導入されたのです。


中学受験の多様化で、子どもたちに新たなチャンスが生まれる

これまでの中学受験は、「学力試験を突破すること」がすべてでした。そのため、
コツコツ努力できる子
長時間の勉強に耐えられる子
問題を素早く解ける子
が有利でした。

しかし「勉強だけが得意なわけではないけれど、すごいアイデアを持っている」「何かに対する情熱や努力がすごい」といった子どもたちもいますよね。そういった子どもたちは、これまでの「教科型入試」では評価されにくかったのです。

プレゼン型入試では、こうした 「教科型入試では測れなかった能力」 を持つ子どもにもチャンスが広がります。

✔ 「自分のアイデアを伝えるのが得意な子」
✔ 「人前で話すのが好きな子」
✔ 「リーダーシップを発揮できる子」
✔ 「探究心が強く、自分で深く考えるのが得意な子」
などが、自分の力を発揮できる場が増えている のです。


どんな生徒を求めているのか?学校ごとの違いを知る

「プレゼン型入試」は、すべての中学校が同じ基準で行っているわけではありません。学校ごとに「どんな生徒を求めているのか」が違い、それに合わせて試験の形式や評価の基準が変わります。

「自分の考えを論理的に説明できる力」を重視する学校 → ディスカッション型の試験を実施
「創造力や発想力」を重視する学校 → 自由なテーマでプレゼンをさせる
「協調性やコミュニケーション力」を評価する学校 → グループワークを取り入れる

このように、学校ごとに異なる評価基準があるため、事前にしっかり調べておくことが大切 です


「プレゼン型入試」とはどんな入試?

「プレゼン型入試」は、受験生が 自分の考えや経験を発表し、その表現力や思考力を評価する試験 です。

一般的な「教科型入試」では、国語・算数・理科・社会といった 学力テスト を行い、受験生の点数を基準に合否が決まります。一方で、「プレゼン型入試」は、知識を問うのではなく、その知識をどう活かすか、自分の考えをどう伝えるか という点が評価されます。

このため、点数化しやすい「教科型入試」と違い、「プレゼン型入試」では 一人ひとりの個性や得意分野を大切にしながら評価する ことが特徴です。

また、「プレゼン型入試」は 学校ごとに形式や出題内容が異なる ため、どのような試験が行われるのかを事前に調べ、しっかりと準備することが大切です。


「プレゼン型入試」の主な形式

「プレゼン型入試」には、学校によってさまざまな形がありますが、主に以下の 3つの形式 に分けられます。


① テーマ型プレゼンテーション

受験生に 事前にテーマが与えられ、そのテーマについて 自分の考えをまとめ、発表する 形式です。

発表の際には、
スライドや資料を使って説明する
身振りや声のトーンを工夫して伝える
質問に対して的確に答えられるようにする
といったスキルが求められます。

例題:

「未来の社会をより良くするために、あなたが考える新しいアイデアを提案してください」
「環境問題を解決するために、あなたができることを考えなさい」

この形式では、論理的な思考力・表現力・説得力 が評価されます。
発表する内容がどれだけ 相手に分かりやすく伝わるか が重要なポイントです。


② 自己PR型プレゼンテーション

受験生が 「自分の強み」や「これまでに取り組んできたこと」 について 自由にプレゼンする 形式です。

これは、「学力テストでは測れない個性や才能を評価する」 ための試験とも言えます。

例題:
「あなたがこれまでに一番力を入れて取り組んできたことを説明してください」
「あなたの好きなことや得意なことを、自分の言葉で紹介してください」

この形式では、
自分の経験をどれだけ深く分析できているか
他の人にはない「自分ならではの強み」があるか
聞いている人に魅力的に伝えられるか
といった点が評価されます。

ポイントは 「話し方」だけでなく、「何を伝えるか」 です。
受験生のこれまでの経験や価値観、好きなことへの熱意が試験官に伝わるように準備しましょう。


③ グループディスカッション型

複数の受験生が 同じテーマについて話し合い、意見を出し合う 形式です。
この試験では、単に「自分の意見を主張する」だけでなく、他の人の意見を尊重しながら、議論を進めていく力 が求められます。

例題:
「日本の未来を考えたとき、どのような政策を実行すべきか話し合いましょう」
「学校生活をより良くするために、あなたならどんなルールを作りますか?」

この試験では、
人の話をしっかりと聞く力(傾聴力)
自分の意見を適切なタイミングで伝える力
相手と協力しながら、結論を導き出す力
が評価されます。

グループワークでは、
相手の意見を否定しない
意見が違っても、うまくまとめる努力をする
自分の意見を持ちつつも、周囲と調和する
といった「協調性」が重要になります。


「プレゼン型入試」で求められる力とは?

「プレゼン型入試」では、学力テストでは測れない能力 を評価します。

特に重要視されるのは、次の4つの力です。

① 論理的思考力

「自分の意見を、理由をつけて説明できるか」 という能力です。
「なぜそう思うのか?」を 具体的な根拠をもとに話せるか がポイントになります。

② 表現力・説得力

「伝えたいことを、分かりやすく伝えることができるか」 という能力です。
相手に理解してもらうために、話し方や声のトーン、ジェスチャーなどを工夫することが大切 です。

③ 創造力

「新しいアイデアや視点を持っているか」 という能力です。
課題に対して、「決まった答え」ではなく、「自分なりのユニークな解決策」を提案できるか が評価されます。

④ コミュニケーション力

「人の意見を受け入れながら、自分の考えを伝えることができるか」 という能力です。
特にグループディスカッションでは、自分の意見を押しつけるのではなく、相手の考えを理解しながら議論を進めることが大切 です。


「プレゼン型入試」はどんな子に向いている?

「プレゼン型入試」は、次のような 特性を持つ子ども に向いています。

「人前で話すのが得意な子」
「考えることが好きな子」
「自分の意見を持っている子」
「人と話すことが好きな子」
「何かに熱中して頑張ってきた経験がある子」

一方で、「自分の考えをうまく伝えるのが苦手な子」や「人前で話すのが怖い子」でも、しっかりと準備をすれば力を発揮できる 試験です。

話す練習をして、自信をつける
自分の考えを紙に書いて整理する
家族や友達と模擬発表をしてみる
といった練習をすることで、プレゼン力を伸ばすことができます。


「プレゼン型入試」のメリット

「プレゼン型入試」は、従来の「教科型入試」とは異なる視点から受験生を評価する試験です。
この入試方式には、受験生や保護者にとって多くのメリットがあります。


教科型入試では測れない力を評価できる

「プレゼン型入試」最大のメリットは、「知識量」だけでなく、考える力・伝える力を評価できる という点です。
通常の学力試験では測ることが難しい、創造力・個性・発想力 などが評価されるため、学力以外の強みを持つ子どもにとっては 新しいチャンス になります。

具体的には、以下のような点が評価される特徴があります。

知識量ではなく、考える力・伝える力を重視
→ 「どれだけ知っているか」ではなく、「どのように考えるか」が試される試験

「受験勉強以外の経験」も評価される
→ 例えば、スポーツ・芸術・プログラミング・ボランティア活動など、学校の勉強以外で頑張ってきたことが評価の対象になる

数値化できない個性や創造力を活かせる
「自分だけの考え」や「独自の視点」が武器になる 入試方式

このように、「プレゼン型入試」は 学力テストでは測れない能力を持つ受験生にとって、大きなチャンスとなる 入試なのです。


受験生の自己肯定感・自己効力感を高める

「プレゼン型入試」は、受験勉強だけでなく、これまで努力してきたことが評価される 入試です。
このため、受験生は 「自分の強みを活かせた!」という実感を持ちやすくなる というメリットがあります。

自己肯定感とは?
「自分は価値のある存在だ」と思える気持ち

自己効力感とは?
「自分は努力すればできる」と思える自信

通常の「教科型入試」では、試験の結果が点数や偏差値として数値化されるため、「どれだけ努力しても成績が伸びない…」と感じると、自信を失ってしまう子どもも少なくありません。

一方で、「プレゼン型入試」は 「学力以外の力」も評価されるため、自己肯定感や自己効力感が高まりやすい のが特徴です。


入学後の学習意欲や積極性を高める

「プレゼン型入試」で合格した生徒は、
「自分の経験や考え方が認められた!」という達成感 を持って入学します。

その結果、
自分に自信を持ちやすくなる
学校生活に積極的に取り組むようになる
新しいことに挑戦しやすくなる
といった 前向きな変化 が見られることが多いのです。

また、「プレゼン型入試」で合格した生徒は、自己表現が得意なことが多いため、学校生活でもリーダーシップを発揮する傾向がある という特徴もあります。

例:
学校のイベントで司会やリーダーを務める
部活動や生徒会活動に積極的に参加する
学習の中でもプレゼン力を活かし、発表やディスカッションで活躍する

「プレゼン型入試」を通じて、自分の強みを発見し、それを学校生活でも活かしていく ことができるのは、大きなメリットと言えるでしょう。


「プレゼン型入試」に向けた準備方法

「プレゼン型入試」は、通常の学力試験とは異なり、事前の知識だけでなく 「考えを深め、わかりやすく伝える力」 が求められます。
そのため、しっかりとした準備が合格へのカギとなります。

ここでは、プレゼン型入試に向けた具体的な対策方法 を詳しく紹介します。


「プレゼン型入試」の対策

プレゼン型入試では、自分の考えをしっかり整理し、相手に伝える力を鍛えること が重要です。
そのため、次のような準備を進めていきましょう。


① テーマについて考えを深める

プレゼン型入試では、「あらかじめ決められたテーマ」について話す場合が多い です。
そのため、事前にテーマについて調べ、自分の意見をまとめておくことが大切です。

テーマのリサーチをする
→ テーマが与えられた場合は、関連するニュースや事例を調べ、理解を深める。
自分の考えを整理する
→ そのテーマについて、なぜそう思うのか? どうすればより良くなるのか? などを言葉にしてみる。
論理的な流れを作る
→ 「意見 → 理由 → 具体例 → 結論」 の流れで話せるように構成を考える。

《例:テーマ「未来の社会をより良くするためにできること」》
「AIを活用した教育が重要だ」と考えた場合:
「なぜAI教育が必要か?」「どんなメリットがあるのか?」「どのように導入すべきか?」 と順序立てて説明できるようにする。


② 伝え方の練習をする

プレゼン型入試では、話す内容だけでなく、「どう伝えるか?」も評価のポイントになります。
次のような点に注意して、繰り返し練習しましょう。

声の大きさ・話すスピードに気をつける
→ 小さすぎる声や速すぎる話し方は、聞き手に伝わりにくくなります。
適度な声の大きさと、ゆっくり・はっきりした話し方を意識することが大切。

視線を意識し、相手に伝わりやすいように話す
目線が下を向いてしまうと、相手に自信がない印象を与えてしまいます。
→ 面接官や審査員の顔を見て話すことで、説得力のあるプレゼンができます。

ジェスチャーや表情を工夫する
→ 身振り手振りを適度に使うと、話の内容がより伝わりやすくなります。
無表情ではなく、自然な笑顔や真剣な表情を交えて話すと、聞き手の印象が良くなります。

スライドや資料を作る場合は、シンプルにまとめる
長すぎる文章や難しい言葉を使いすぎると、かえって伝わりにくくなります。
図や表を使って、わかりやすい資料を作るのも効果的。


過去問を確認し、模擬練習を行う

「プレゼン型入試」を実施している学校の過去の出題例を調べる ことで、試験の傾向をつかむことができます。

過去のテーマを確認する
→ 例えば、過去に「環境問題」についてプレゼンさせる試験があったなら、「持続可能な社会とは?」 などのテーマで練習しておく。

模擬プレゼンを行う
家族や先生の前で実際にプレゼンをしてみる ことで、本番に近い緊張感を体験する。
録画して自分で見直す ことで、改善点をチェックするのも効果的。

フィードバックをもらう
→ 練習後、「どこが良かったか? どこを直すべきか?」 を周囲の人に聞くと、より良いプレゼンができるようになる。


まとめ|「プレゼン型入試」の準備方法

テーマについてリサーチし、自分の意見を整理する
話し方(声・視線・表情・ジェスチャー)を工夫する
過去問をチェックし、模擬プレゼンで練習する

「プレゼン型入試」は、しっかり準備すれば 学力以外の強みを活かして合格を目指せる 入試です。
自分の個性や考えを伝える力を磨いて、本番に自信を持って臨みましょう!


まとめ|「プレゼン型入試」は「学力」だけでは測れない、子どもの潜在能力を引き出す新しいチャンス

「プレゼン型入試」は、「教科型入試」とは異なる「新しいモノサシ」を導入する試み
知識量ではなく、「考える力」「伝える力」「個性」を評価する入試方式
将来の社会で求められる力を育む入試として注目されている
受験勉強をしてこなかった子どもでも、自分の経験を活かして挑戦できる可能性がある
今後さらに導入する学校が増え、多様な受験の形として定着する可能性が高い


「プレゼン型入試」を考えているご家庭へ

中学受験を考える際、「教科型入試」だけでなく、「プレゼン型入試」という新たな選択肢を検討することは、お子さまの強みを活かす大きなチャンス となります。

「勉強が得意でないから受験は無理かも…」と思っていたご家庭も、お子さまの興味や経験を活かせる「プレゼン型入試」があることを知り、選択肢を広げることができます。


これからの受験は、「個性」が問われる時代に

これまでの受験は、「どれだけ知識を詰め込んだか」が問われるものでした。しかし、現代の社会が求めるのは、「知識を使って新しい価値を生み出し、それを他人に伝えられる力」です。

「プレゼン型入試」は、そのような力を持つ子どもたちにチャンスを与える、新しい形の入試として今後も広がっていくでしょう。

受験を考えているご家庭の皆さんは、「どの入試方式が、子どもにとってベストなのか?」 を考え、お子さまに最適な受験方法を選択することが大切です。

「プレゼン型入試」は 「学力」だけでは測れない子どもの潜在能力を引き出す新しいチャンス であり、これからの教育の在り方を大きく変えていく可能性を秘めた入試方式なのです