発達障害の知能検査で小学入学に必要な能力テスト・内容と対策(AI作成)
小学校に入るときに「ちゃんと話を聞ける力」は必要なの?
学校では、先生がいろんなことを言葉で説明します。たとえば、「ノートを出して、1ページ目に今日の日付を書いてくださいね」と言われたとき、その全部を聞いて、ちゃんと頭に入れて、動けるかどうか。これが「言葉を理解する力(言語理解)」です。
検査では「これは何という名前かな?」「どうしてこれはこうなるの?」など、質問に言葉で答える課題が出されます。これは、子どもが言葉をちゃんと覚えていて、使えて、考えることができるかを見るためです。
また、「大きい・小さい」「前・後ろ」「上・下」などの位置や大きさを表す言葉がわかることも大切です。これらがあやふやだと、教室での指示についていけなくなることもあります。
「考える力」ってどういうこと?勉強じゃないの?
目で見て、どうすればいいかを考える力が大事です
知能検査では、たとえば積み木を並べて模様を作ったり、パズルみたいに形を合わせたりする課題があります。これは「知覚推理」と呼ばれる力で、「どうすればこれと同じ形になるかな?」と考える力を見ます。
学校では、たとえば「折り紙で三角を作ろう」と言われたとき、折り方がわからないと困ります。先生が見せてくれた折り方を見て「こんなふうに折ればいいんだな」と頭の中で考えてやってみることが必要です。
見て覚える力や、形や順番を考える力は、図工や算数など、いろんな教科でとても大事になります。
集中がすぐ切れちゃう子はやっぱり困るの?
少しの間でもがんばって続けられることが大事です
検査の中には、同じような問題が続いたり、ちょっと考えないといけない問題があります。このとき、「めんどくさい」「もうやらない」とあきらめてしまうと、見たい力が見られなくなってしまいます。
学校でも、授業のあいだじゅう、ずっと集中し続ける必要はありません。でも、「先生の話を5分聞いて、言われたことをやってみる」といった短い時間でも、自分の気持ちを落ちつけて取り組む力は求められます。
また、最後までやりきる力や、やっている途中で気が散らないことも、学びの中ではとても大事になります。
数をなんとなくわかっていないとダメなの?
10までの数やかんたんな計算が少しできると安心です
発達検査では、「数を数える」「数の順番を言う」「同じ数だけ並べる」などの課題が出されます。これは、数の概念がわかっているかを見ています。
たとえば、「おはじきを5つ取ってください」と言われたときに、正しく5つを数えて取ることができるかどうか。これは算数の土台になります。
まだ計算まではできなくても、「1から10まで言える」「3と2を合わせると5になるとわかる」といった基本がわかっていると、学校での学びがスムーズになります。
手先がうまく使えないと不安になる?
えんぴつが持てる、ハサミが使える…その手前の力を見てあげます
知能検査の中では、実際に文字を書かせたりすることは少ないですが、手先を使って物を動かす課題があることもあります。特に就学前の段階では「手を使って操作する力(運動発達)」も見られます。
小学校に入ると、「ノートに文字を書く」「教科書をめくる」「お道具箱を出して、使ったあとにしまう」など、手先の動きが必要な場面がとても多くなります。
「不器用さ」があると、頑張っているのにできない…というストレスがたまりやすくなります。だからこそ、その子のペースにあったサポートが大切です。
お友だちとうまく関われるかどうかって、やっぱり大事?
ルールを守って、相手の気持ちを少しわかろうとする力
検査では「ごっこ遊び」や「人とのやりとり」の観察を通して、社会性や対人理解も見られます。これは「適応行動」と呼ばれる部分です。
学校生活では、「並んで待つ」「話す順番を守る」「相手の気持ちを考える」など、人と関わる中でのルールやマナーを学ぶ必要があります。これが極端に苦手だと、トラブルが増えてしまったり、孤立してしまうこともあります。
ただ、最初から完璧にできる子はいません。だからこそ、今どの段階にいるかを知って、安心できる環境の中で少しずつ伸ばしていくことが大切です。
小学校に入るときに「ちゃんと話を聞ける力」は必要なの?
お話をちゃんと聞いて、動けるってどういうこと?
小学校に入ると、ほとんどの学びが「先生の言葉」から始まります。「ノートを出して」「名前を書いて」「算数の教科書の12ページを開いて」…それぞれの言葉に意味があって、順番どおりにやらないと授業に参加できません。この「言葉を聞いて、理解して、行動に移す」力が、言語理解と呼ばれるものです。
「話を聞く力」といっても、ただ音として耳に入っているだけでは不十分です。その内容を頭の中でイメージできること、そして自分が何をすればいいのかを判断できることが大切です。子どもが自分の行動を先生の言葉に合わせて切り替えられる力、これがあると授業がとてもスムーズに感じられます。
発達障害の検査では何を見ているの?
WISC(ウィスク)や田中ビネー、KABC-IIといった知能検査の中では、「言語理解」にあたる部分で次のような課題が出されます。
- 「これは何という名前ですか?」と絵を見せて答える(語彙理解)
- 「〜はなぜ必要だと思いますか?」という問いに自分の言葉で説明する(理解・常識)
- 「もし〜だったら、どうしますか?」という想像問題に答える(状況理解・応答力)
- 「3つの単語を聞いて、そこに共通するものを言ってください」(言語的分類)
たとえば、「コップ・お皿・スプーン」と聞かれて、「食べるときに使うもの」と答えられるかどうか。このような課題を通して、子どもがどれだけ言葉での意味理解や考える力を持っているかを見ていきます。
よくあるつまずきってどんなこと?
就学前の段階でよく見られるのは、以下のような困りごとです。
- 言葉を一度で理解できず、「え?何て言ったの?」と何度も聞き返す
- 「赤い鉛筆を出して」と言われても、色に注目できず違うものを出してしまう
- 複数の指示を一度にされると、途中で混乱して止まってしまう
- 「大きい・小さい」「前・後ろ」などの言葉の意味があいまいで、行動がずれる
こうしたつまずきがあると、「聞いていない子」と誤解されたり、「ちゃんとやって」と叱られてしまうことがあります。でも実際には、脳の中で言葉を処理する部分がまだうまく育っていないだけ、ということもあるのです。
どんな練習が役に立つの?
家庭や園でできるサポートもたくさんあります。たとえばこんなことが役立ちます。
- 絵本の読み聞かせで、「これは誰が言ったの?」「次はどうなると思う?」と問いかける
- お手伝いのときに、「最初にお皿を出して、次にお箸ね」と順番のある指示を伝えてやってもらう
- 遊びの中で、「右の箱から青い積み木を3個とって、左の机に置いてね」など、ちょっと長めの指示を経験させる
- 子どもの言い間違いをやさしく言い換えて返してあげる(例:「ごはんたべる」→「うん、ごはんを食べるんだね」)
こうした関わりで、子どもが「言葉を聞いて理解する経験」を積みやすくなります。時間はかかっても、繰り返し経験することで、理解力はゆっくり育っていきます。
「話を聞けるか不安です」と感じている方へ
「うちの子、話を最後まで聞いていない気がする」「聞いてるのに、動けないことが多い」そんな不安を抱えている親御さんは少なくありません。でも、それは「話を聞く力がない」わけではなく、「話をどう処理したらいいか」が難しいだけのことも多いのです。
検査では、その子の今の状態を、言葉の数・理解の深さ・応答の力などいろんな面から見ていきます。苦手なところが見つかれば、それに合わせた支援を考えることができます。決して「ダメだから落ちる」ではなく、「どう伸ばせるかを見る」ものです。
「考える力」ってどういうこと?勉強じゃないの?
目で見て、どうすればいいかを考える力って?
「考える力」というと、どうしても「勉強ができる力」と思われがちですが、ここで言うのはもっと土台になるような力です。たとえば、何かの形を見て、それを同じように作ってみようとしたとき、どうやって作ればいいのかを頭の中で考えて試してみる。そんな力のことです。
これを、発達の検査では「知覚推理(ちかくすいり)」という言い方で評価することが多いです。これは「目で見た情報を頭の中で整理して、問題を解く力」と言い換えることもできます。
この力が育っていると、たとえば先生が黒板に図形を描いて、「同じようにノートに描いてみてね」と言ったときに、自分でそれをまねして書けるようになります。逆にこの力が弱いと、先生の見せてくれたものがよくわからなかったり、まねしてやることが難しかったりするのです。
知能検査ではどんな問題が出るの?
知覚推理を調べる問題には、こんなものがあります。
- 積み木模様:赤と白の模様がついた積み木を使って、見本と同じ模様を作る
- 絵の並びかえ:バラバラの絵を、順番通りにつなげて、意味のある流れにする
- 図形パズル:形の一部だけを見せて「これに合う形はどれかな?」と選ぶ
- 完成図:穴が空いた絵を見て、そこに何が入るかを選ぶ(ジグソーパズルのような課題)
たとえば、四角い図形の右下にだけ空白があって、「この空白に合うパーツはどれでしょう?」というような問題です。このとき、形の大きさや角度をイメージできないと、選べないんですね。
これは、目で見た情報を「そのまま見て終わり」ではなく、頭の中でぐるぐる動かしたり、他と比べたりしながら考える力を見ているのです。
どんな場面でこの力が必要になるの?
学校生活の中で、意外なところにこの力は使われています。
- 黒板を見て、同じ形や文字をノートに書く
- 折り紙で「こう折ったら三角になるよ」と先生が折るのを見て、自分もやってみる
- 算数で「同じ数ずつに分けてね」と言われたときに、頭の中で分ける数を考える
- 図工で見本を見て「どこからどう作ればいいか」を考える
知覚推理が弱いと、たとえば「積み木を片づけて」と言われたときに、どうやって箱に入れれば収まるかがわからず、ぐちゃぐちゃに入れてしまう…なんてこともあります。
また、算数の「図形」の単元では、「回す・折る・合わせる」といった空間の考え方が多く使われます。このときに知覚推理が弱いと、「なぜか図形の問題だけ急にできなくなる」などのつまずきが出やすくなります。
よくある誤解と、その裏にある思い
保育園や家庭では、「うちの子はお話が上手だから、きっと勉強もできるはず」と思っていたのに、小学校に入って急に「なんだか図形や操作が苦手」と気づくことがあります。逆に、「口数が少なくて大丈夫かな」と思っていた子が、パズルをどんどん解いていく姿に驚くこともあります。
これは、「話す力(言語理解)」と「考える力(知覚推理)」が別のもので、それぞれ違う得意・不得意があるからです。
だから、知能検査ではいろいろな種類の力を見て、どの力がどれくらい育っているかをバランスよく見るようにできています。
家庭でできる遊びや声かけの工夫
この「考える力」を伸ばすには、日常の中でちょっとした工夫がとても役立ちます。
- パズルや積み木遊びを一緒にして、「どうすればうまくいくか」を言葉で一緒に考える
- 折り紙や工作で「見本と同じものを作ってみよう」という遊びをしてみる
- 「これはどうやって使うのかな?」「もしこうしたらどうなる?」と、一緒に考える時間を作る
- 答えをすぐに教えず、「どうすればいいと思う?」と考える機会を大切にする
大人が「失敗してもいいよ」「試してみよう」と安心させてあげることで、子どもは「やってみようかな」という気持ちになります。自分でやってみて、うまくいった経験が、少しずつ「考えるのって楽しい」と思える気持ちに変わっていきます。
まとめ:考える力があると「自分で動ける」力になる
考える力は、「勉強が得意かどうか」ではなく、「困ったときに自分でどうすればいいかを見つける力」です。この力があると、学校生活のいろんな場面で、自信をもって動けるようになります。
検査ではその土台になる部分を、ゲームのような形で見ていきます。できた・できないではなく、その子に合った方法で伸ばしていけるように、一緒に見つけていくことが大切です。
集中がすぐ切れちゃう子はやっぱり困るの?
集中できないって、どういうこと?
「集中力がない」と言われると、「落ち着きがない」「すぐよそ見をする」「話を聞いていない」などを思い浮かべるかもしれません。でも、集中力ってただ「じっとしていること」ではなく、「やるべきことを、決めた時間のあいだ続けられる力」のことなんです。
小学校では、授業という決まった時間の中で、先生の話を聞いたり、ノートに書いたり、考えたりすることが求められます。このとき、「気が散らないこと」「途中でやめずに続けること」「先生の言ったことを覚えて実行すること」ができるかがとても大事になります。
知能検査でどんなことを見ているの?
発達検査や知能検査では、「作業にどれだけ集中して取り組めるか」「注意がどこまで持続できるか」「短い時間で記憶して行動に移す力(ワーキングメモリ)」が見られます。たとえばWISCでは、以下のような課題が出されます。
- 数唱:聞いた数字を、そのまま言う(順唱)・逆にして言う(逆唱)
- 絵の記憶:短い時間だけ見せた絵を、あとから思い出して並べる
- 符号:数字と記号のルールを見て、同じものをできるだけ速く書いていく
- 記号探し:たくさんのマークの中から、見本と同じものを見つける
これらは、「集中を保ちながら作業する力」「途中であきらめずに手を動かす力」「覚えたことを頭の中にとどめる力」を見ています。こういった力が弱いと、「やればできる子」なのに、検査の途中で疲れてミスが増えてしまったり、「飽きた」とやめてしまうことがあります。
学校でどんな困りごとにつながるの?
注意の持続が難しいと、こんなことが起こりやすくなります。
- 授業の最初は集中しているのに、途中から落ち着かなくなってしまう
- 先生の話を聞いているのに、あとで「え、何すればいいの?」と聞き返す
- ノートを書き写す途中で手が止まり、空白が増えてしまう
- 問題を最後まで読まずに答えてしまい、間違いが増える
- 同じ作業が続くと「もう飽きた」と投げ出してしまう
これらの行動は、本人のやる気や性格の問題ではありません。頭の中の「注意をコントロールする力」がまだ育ちきっていないだけなんです。
ADHD(注意欠如多動症)との関係は?
発達障害の中でもADHDの傾向がある子は、「注意がそれやすい」「作業が続かない」「忘れっぽい」といった特徴が見られやすいです。特に「不注意型」と呼ばれるタイプの子は、じっとしていても話を聞き逃したり、集中が切れやすかったりします。
検査では、そういった「気になる特性」が見える場合もありますが、必ずしも診断にはつながりません。大切なのは「この子にとって、どんな環境が集中しやすいのか」「どれくらいの時間ならがんばれるのか」を知ることです。
家庭でできる工夫や声かけってあるの?
集中する力を育てるには、毎日の中で少しずつ「がんばれる時間」をのばしていくことが大切です。いきなり長い時間を求めるのではなく、「1分からでもいいから、できたことを喜ぶ」ことが基本です。
たとえばこんな工夫が役立ちます。
- タイマーを使って「3分間だけパズルやってみよう」と区切る
- できたら「すごいね、最後までできたね」とすぐに褒める
- 同じ作業が続くと飽きるので、違う遊びを挟んで変化をつける
- 「先生の話を聞いたら、最初に何をすればいいか教えてね」と、話をまとめる力を練習する
- 「気がそれたらどうするか」を一緒に考えて、対策を用意しておく(メモ、図、指さしなど)
無理に長くがんばらせるのではなく、「少しずつ集中できる時間をのばしていく」ことが大切です。その積み重ねが、自信につながっていきます。
「すぐ飽きちゃう子」に悩んでいる方へ
子どもがすぐ飽きてしまったり、集中が続かないと、「こんなんで小学校、大丈夫かな…」と心配になることもありますよね。でも、最初からずっと集中できる子なんて、ほとんどいません。特に、発達のスピードにゆらぎがある子は、「好きなことなら続けられるけど、そうじゃないとすぐやめちゃう」ということもよくあります。
知能検査では、「どんなときに集中が切れるのか」「どのくらいのペースが合っているのか」を客観的に見ることができます。検査の結果をもとに、「この子には、こういうやり方が向いているかもね」と一緒に考えることができれば、ずっと気持ちがラクになります。
数をなんとなくわかっていないとダメなの?
「かず」って、ただ1から10まで言えればいいの?
「数をわかっているか」と聞かれると、つい「1から10まで言える」「数が書ける」ことが大事だと思われがちです。でも実際には、それだけでは「数を理解している」とは言えないんです。
たとえば「5ってどれくらい?」と聞いたときに、実際におはじきを5個並べられるか、「3つのおかしがあって、2つもらったら何個になるかな?」と考えられるか。こうした実感をともなった理解が「数の概念」であり、学校での算数の土台になります。
検査では、どんな「かずの力」を見ているの?
発達検査や知能検査(KABC-IIや田中ビネーなど)では、以下のような数に関する課題が出されます。
- 「この数だけ積み木を出してみて」と言われて、正確に数を数えて取れるかどうか
- 「りんごが3つあります。もう1つ増えたら何個になる?」という簡単な加減算ができるか
- 「1から10までの中で、大きい数はどれかな?」と比べられるか
- 「数字カードを見て、正しく名前を言えるか」「数字を順番に並べられるか」などの課題もあります
これらはすべて、「量としての理解」「数の順序の認識」「数同士の関係(多い・少ない・同じ)」を把握する力があるかどうかを見ています。
たとえば、「6と7、どっちが大きい?」と聞かれて「6」と答えてしまう場合、数の順序は言えても大小の感覚が育っていないことがあります。こういった見落とされがちな部分を、検査では丁寧に見ていきます。
小学校ではどんな力が求められるの?
1年生の算数では、まず「数の構成」と「10までの計算」から始まります。たとえば、「7は3と4に分けられるね」「2と5で7になるね」という考え方がたくさん出てきます。
このとき、数のイメージがぼんやりしていると、「どうしてこうなるのか」がピンとこないまま丸暗記になってしまうことがあります。また、「指を使って数えること」が禁止される場面では、頭の中に数のイメージ(数概念)がないと困ってしまいます。
数の理解が弱い子には、こんな困りごとが見られることがあります。
- 数を順番に数えるのはできるが、実際にその数だけ物を取れない
- 数字は読めるが、「5ってどれくらい?」と聞くと答えられない
- かんたんな足し算で指が10本あっても足りずに止まってしまう
- 書く数字がよく反転する(例:3を反対に書いてしまう)
これらはすべて「理解が追いついていないこと」が原因で、知能の問題ではなく、認知の段階がまだ整っていないだけのこともあります。
家庭で気づけるヒントってあるの?
こんな場面に注意して見てみると、お子さんの「数の力」がどのくらい育っているかが見えてきます。
- おもちゃを数えて遊んでいるときに、1つ1つ指さして数えているかどうか
- 数えながら物を取っても、実際の数と合っていないことがある
- 数を言いながら、すでに数えたものをもう一度数えてしまう
- 指で「4」を表してと言ったとき、正しく出せない(4本指を出せない)
数を数えるだけでなく、「数と物の対応が取れているか」「順序と量を一緒に理解できているか」を見ることが大切です。
家庭でできる「かずの力」を育てる遊び
難しいプリントやドリルをやらなくても、遊びの中で十分に数の理解を育てることができます。たとえばこんな遊びがおすすめです。
- おはじきやブロックを使って「同じ数だけお皿に入れてみよう」ゲーム
- サイコロを振って出た数だけ進むすごろく(目と数の一致が育ちます)
- 「りんごを3つと2つ合わせるといくつ?」と、実際の物で確認するごっこ遊び
- 「5より1つ大きい数は?」「7は3といくつでできる?」など、会話の中でさりげなく数のやりとりをする
こういった遊びを通して、数の「意味」を自然に感じられるようになります。「数っておもしろい」「考えたらわかる!」という気持ちが育つと、算数への苦手意識がうまれにくくなります。
「かずが弱いかも…」と思ったときの考え方
お子さんが数字に興味を持たない、数を理解していないかも…と心配される方もいらっしゃいます。でも、数の力は「急にできるようになる」ものではなく、「目で見て、手で動かして、声に出して」何度も経験する中で育っていく力です。
知能検査を通して「いま、どこまで数がわかっているのか」「どんな場面なら数を使えるのか」が見えてくると、家庭でも支え方が具体的にわかってきます。
手先がうまく使えないと不安になる?
えんぴつやハサミがうまく使えない子って大丈夫?
小学校に入ると、いきなり「えんぴつを持ってノートに字を書く」「定規を使って線を引く」「ハサミで図形を切る」といった動作が当たり前に求められるようになります。でも、まだ手の力が弱かったり、手先の動きがぎこちないと、こうした活動がとても苦痛に感じられることがあります。
「手先の不器用さ」は、本人の努力不足ではなく、発達のペースや、目と手の連動がうまく育っていないことが原因であることが多いです。特に発達障害をもつお子さんの中には、「目ではわかっているのに、手がうまく動かない」というタイプの子もいます。
発達検査ではどこを見ているの?
運動発達は、知能検査の中でも重要な観点です。新版K式発達検査や田中ビネーでは、「手の使い方」「目と手の協調動作」「手指の細かさ」などを細かく見ていきます。
具体的な課題としては、次のようなものがあります。
- 積み木を指示通りに並べる(形や向きも含めて)
- ビーズをひもに通す(指先の細かい操作を確認)
- 線に沿って鉛筆を動かす(視覚と手の協調が必要)
- 図形の模写(見たものを写す力、空間認識と指先操作の両方を見る)
これらの課題を通じて、以下のような力が見えてきます。
- 手先の器用さ(鉛筆やハサミの操作ができるか)
- 視覚と運動のつながり(見た通りに動かせるか)
- 動作の正確さ(形のズレや線の乱れがあるか)
- 作業持続力(途中でやめたり、疲れてしまわないか)
これらがスムーズにできない場合でも、それは「その子なりの発達段階の通過途中」として受け止めることが大切です。
学校生活でどんな困りごとになるの?
手先の動きが不安定だったり、指先の力が弱かったりすると、次のようなつまずきが起こりやすくなります。
- えんぴつを持つのに力が入りすぎて、すぐ疲れてしまう
- 線をなぞる・字を書くのに時間がかかり、授業についていけない
- ハサミでうまく紙を切れず、図工や工作で落ち込んでしまう
- 消しゴムでうまく消せなかったり、ノートがぐちゃぐちゃになってしまう
- 折り紙がうまく折れなくて、「できない…」と泣いてしまう
こうしたことが毎日のようにあると、子ども自身が「またできない」「どうせ無理」と思い込み、自信をなくしてしまうこともあります。でも、これは能力の問題ではなく、環境や支援で変わっていく力なのです。
おうちで気づけるサインや工夫って?
普段の生活の中でも、次のような様子が見られたら「手先の不器用さ」があるかもしれません。
- ボタンをとめたり、ファスナーを上げるのが苦手
- 食事のときにスプーンやお箸をうまく使えない
- お絵描きが嫌い、線が薄くて見えないほど弱い力で描く
- 折り紙を折るときに、ずれてしまってイライラする
- 工作のときに「ママやって」と全部任せてしまう
こうしたときは、焦らずに「できたこと」をしっかり認めてあげることがとても大切です。
たとえば、「線が最後まで書けたね」「角まで折れたね」「少しずつ速くなってるね」など、部分的にでも伸びているところに注目してあげましょう。
家庭でできる練習やあそびの例
無理に勉強としてやらせるのではなく、「手を使って遊ぶ」ことが自然と練習になります。おすすめの遊びをいくつかご紹介します。
- ねんど遊び(丸める、ちぎる、のばすことで指先の力を育てる)
- シール貼り(小さな丸いシールを指定の場所に貼ると集中力も育ちます)
- 洗濯バサミ遊び(バネの強さで指の力を調整)
- 紐通しやビーズ遊び(目と手の協調と細かさが養われます)
- 折り紙(段階を踏んで難度を上げると達成感が得られやすいです)
いずれも「楽しい!」という気持ちが基本です。「失敗しても笑ってやり直せる」雰囲気づくりが、手の動きを伸ばす第一歩です。
お子さんの「できない」に寄り添う大切さ
手先の不器用さは、「がんばっても報われない」ことが多いため、自己否定の気持ちが育ちやすくなります。でも、それは努力不足ではありません。大人でも、手先の細かい作業が得意な人と苦手な人がいるように、子どもにも向き不向きがあります。
大切なのは、「何ができないか」よりも、「どうすれば負担なくできるようになるか」を考えてあげることです。検査を通してわかる得意・不得意をヒントにすれば、支援や声かけもずっと的確になります。
お友だちとうまく関われるかどうかって、やっぱり大事?
「人と仲良くする力」って、どんな力のこと?
小学校に入ると、勉強だけではなく、友だちと一緒に活動したり、ルールを守って集団生活を送ることがとても大切になります。でも、「仲良くする」「一緒に遊ぶ」というのは、ただ性格が明るいとか、おしゃべりが上手というだけではありません。
たとえば…
- ちゃんと順番を待てる
- 相手の気持ちに気づこうとできる
- ケンカしても仲直りしようとする
- 「これ貸して」と言われたときにどうするか考えられる
こうした力は「社会性」や「対人スキル」と呼ばれます。これらが育っていると、集団の中で安心して過ごしやすくなります。
発達検査では、どうやって見ているの?
WISCなどの知能検査では社会性そのものは直接的には測定しませんが、K式発達検査や行動観察、適応行動尺度(Vineland-IIなど)などでは、子どもの「他者とのかかわり方」「ルールの理解」「自分の感情のコントロール」などを丁寧に見ていきます。
検査で見られるのは、たとえば次のようなことです。
- 「ごっこ遊び」を通して役割のやり取りができるか
- 「どうしてこの子は泣いていると思う?」という質問への反応
- 試験官の顔色を見ながら、言われたことを理解して行動できるか
- 初対面の大人とのやりとりで、適度な距離感を保てるか
また、日常生活の中での行動(「あいさつができる」「友だちと順番を守って遊べる」など)について、保護者からの聞き取りを通して評価する検査もあります。
友だちとトラブルが多い子の特徴って?
学校や園で「集団になじめない」「すぐケンカになる」と言われる子は、以下のような特徴を持っていることがあります。
- 自分の気持ちを言葉にするのが難しく、怒ったり泣いたりで表現してしまう
- 相手の言葉を深く受け取りすぎて、すぐに傷ついてしまう
- 「遊ぼう」と声をかけたいけど、どうしていいかわからず後ろから見ている
- ルールが変わったときに気持ちを切り替えられない
こうした行動は、一見すると「わがまま」「空気が読めない」と思われることもありますが、実際には「自分の気持ちを伝える方法」や「相手の気持ちを想像する力」がまだ育っていないだけのことも多いのです。
学校生活では、なぜここが大事なの?
1年生になると、「みんなで一緒にやる」「自分だけで動かない」という場面が急に増えます。たとえば…
- 朝の会で名前を呼ばれたら返事をする
- 体育で並んで順番を守る
- 図工で道具をみんなで使いながら作業する
- 給食で配膳係と協力する
こうしたときに、自分の思い通りにならないことがあっても、「まあいっか」と思えたり、「ごめんね」と言えるかどうかが、とても大切になります。
もちろん、すべてを完璧にこなす必要はありません。でも、周りとあまりにもずれてしまうと、「なにか違う」と見なされてしまい、孤立感や不安が育ちやすくなってしまいます。
おうちでできるサポートや工夫
社会性や対人理解は、特別な教材を使わなくても、毎日の関わりの中で少しずつ育てることができます。たとえば…
- 一緒に絵本を読んで、「この子はどんな気持ちかな?」と話し合う
- 家族とボードゲームをして、勝ち負けの気持ちを体験する
- 「ありがとう」「ごめんなさい」「貸してね」といったやり取りの練習
- ごっこ遊びで、店員さんやお客さんなどの立場を入れ替える経験をする
また、「うまく話せなかったとき」「ケンカしちゃったとき」に、「どうしたらよかったかな?」と一緒に振り返る時間をもつこともとても大切です。
「人との関わりが苦手かも…」と思ったときの受け止め方
「友だちとうまくいかないのでは…」という不安をもつ親御さんはとても多いです。でも、それは「人が嫌い」「関わりたくない」わけではなく、「どう関わったらいいか」がまだわからないだけ、という子もたくさんいます。
特に発達特性のある子は、「他人との関わりがわからない」「言葉より行動が先に出てしまう」など、社会性の育ちに時間がかかることがあります。
検査では、その子の社会的な理解力や関わり方の特徴を把握することで、どうサポートすればよいかを一緒に考える材料になります。苦手なことを責めるのではなく、「この子には、このやり方が合ってるんだね」と見つけてあげられる機会になります。
小学校入学前に必要な力【要約とチェックリスト】
① 言葉を理解して行動できる力(言語理解)
要約:
先生の話を聞き、指示の意味を理解し、自分で行動に移す力。語彙力、文の理解、位置関係の言葉の意味などを含む。
チェックリスト:
- □ 「ノートを出して、名前を書いて」と言われたときに一人で行動できる
- □ 「前・後ろ」「上・下」「大きい・小さい」の言葉を理解して使える
- □ 簡単な話を聞いて内容を説明できる
- □ 3つ以上の順番ある指示を理解して動ける
- □ 自分の気持ちを言葉で伝えることができる
② 見て考えて解決する力(知覚推理)
要約:
目で見た情報をもとに「どうすればいいか」を考える力。図形、順序、模倣、パズル的な問題への対応力が問われる。
チェックリスト:
- □ 見本の通りに積み木を並べたり、折り紙を折ったりできる
- □ ジグソーパズルを一人で完成できる
- □ 迷路や図形の問題が好き、または集中して取り組める
- □ 写し絵や模写がある程度正確にできる
- □ 抽象的な形の違いを見て区別できる
③ 集中して取り組み続ける力(注意・作業持続)
要約:
気が散らずに一定時間活動を続ける力。注意の切り替え、作業の持続、指示を覚えて行動に移す力も含む。
チェックリスト:
- □ 5〜10分程度、同じ活動に取り組むことができる
- □ 指示されたことを途中で忘れずにやりきれる
- □ 最後までやる、片づけるなど一連の流れをこなせる
- □ 他のことが気になって作業が止まることが少ない
- □ 数を覚えて言いかえる(4→2+2 など)作業ができる
④ 数の意味をわかって使える力(数概念)
要約:
1〜10の数字をただ言えるだけでなく、その「量」や「関係性」を理解する力。簡単な加減、順序、比較も含まれる。
チェックリスト:
- □ 「りんごを3個ちょうだい」と言われて正しく渡せる
- □ 数を数えながら物を正しく1対1対応させられる
- □ 10までの数で、大小・前後・順番を正しく言える
- □ 簡単な足し算・引き算(2+1、5-2)が感覚でわかる
- □ 数を見てその「多さ」をイメージできる(例:6は5より多い)
⑤ 手を使って物を操作する力(手先の器用さ)
要約:
えんぴつやハサミなど道具を扱う手先の細かい動き。目で見た情報に合わせて手を動かす力、力加減も含む。
チェックリスト:
- □ えんぴつを正しく持ち、短い線や形をなぞれる
- □ ハサミで線に沿って切れる
- □ 折り紙で角を合わせて折れる
- □ ビーズを糸に通すなどの細かい作業ができる
- □ 服のボタンやチャックを自分で扱える
⑥ 友だちとうまくやっていく力(社会性・対人スキル)
要約:
集団行動の中で、人と適切に関わるための力。ルール理解、感情コントロール、他人の気持ちの理解、言葉でのやりとり。
チェックリスト:
- □ 「順番ね」「貸してね」などのやり取りができる
- □ ケンカのあとに謝ったり、仲直りしようとできる
- □ 周りの子に興味があり、一緒に遊びたがる
- □ 自分の要求を言葉で伝えようとする
- □ ごっこ遊びなど、役割を交代しながら遊べる
