ダンブルドアはなぜ杖を墓に埋めたの?

ダンブルドアはなぜ杖を墓に埋めたの?

これはただの終わりじゃない、「償い」だった

ダンブルドアが死んだあと、彼のニワトコの杖が一緒に墓に埋められていたってこと、印象的なシーンでしたよね。映画では白い石の棺の中で、彼の手の上にそっと置かれていたのが映されてたし、小説でもしっかり書かれていました。でも、これって単なる「死んだから持ち物を一緒に入れただけ」じゃない。全然、そんな軽い話じゃないんです。

この行動には、すごく深い理由があります。ダンブルドアは「死を持って杖の力を終わらせる」っていう、とても重たい選択をしたんです。しかもこれは、彼の“人生で犯した過ちすべて”への償いのようにさえ感じられます。

まず、彼がこのニワトコの杖を手に入れたときのことを思い出してみましょう。この杖は「死の秘宝」の一つで、最強の力を持った杖。でも、それって「最も血に染まった杖」でもあった。誰かを倒さないと手に入らないっていう、持つだけで呪われるような存在。しかもその力に魅了された人は、例外なく破滅してきた。ゲラート・グリンデルバルドもそうだし、ヴォルデモートもそう。

でも、ダンブルドアはあの杖を使いこなした数少ない人物でした。理由はかんたん、「自分のためには使わなかったから」です。でも――それでも、ダンブルドアは完璧じゃなかった。

ダンブルドア自身が「過去の自分を許せなかった」

若い頃のダンブルドアは、力にすごく惹かれていました。グリンデルバルドとの友情、そして“よりよい世界”という名目での支配の夢。彼が一番愛していた弟妹たちのうち、アリアナがそのせいで命を落としました。この事件は、彼の心にずっと刺さっていた。

だからこそ、彼は「権力のある場所」からずっと逃げようとした。魔法大臣の座を断り続け、学校という“閉じた世界”にとどまって生きてきた。それでもなお、ニワトコの杖を手に入れてしまった。だからこそ、最後には「この杖は自分と共に消えるべき」と思ったんです。

これは、ただ杖を無効にしたかったとか、ヴォルデモートに使われたくなかったとか、そういう戦略的な理由だけじゃありません。もっと感情的で、もっと人間的な理由。ダンブルドアは自分の人生の中でずっと「力をどう使うべきか」に悩み続けてきた。そして、その最後の答えが「もう誰にもこの力を渡してはならない」だったんです。

「死」でしか終わらない力もある

そして、小説『死の秘宝』でダンブルドアはハリーにこう話します。「もし誰かが私を倒し、その人がまた誰かに倒されたら、この杖の力はずっと続いてしまう」と。つまり、血の連鎖なんです。持つ人が変わるたび、誰かを倒して力を奪う。その連鎖は止まらない。

でも、もし「自然死」で命を終えれば、その瞬間にニワトコの杖は“主を失ったただの木の棒”になる可能性がある。少なくとも、ダンブルドアはそれに賭けたんです。

これは、ヴォルデモートが決して理解できなかったことでもありました。彼は「死」を負けだと思っていた。でもダンブルドアは「死」こそが、力の連鎖を断ち切る唯一の方法だと信じた。だから、自らの死とともに、杖の力も封印しようとしたのです。