小学校受験| この学校に強い塾・弱い塾があるのはどうしてか?

小学校受験で「塾との相性」があるのはなぜ?

合格実績が偏る理由を見てみると…

小学校受験を考えると、まず「どの塾が良いか」という話になりますよね。でも、実際には「この塾はA小学校には強いけど、B小学校には弱い」といった傾向があるのです。これはなぜなのでしょうか。

いちばん大きな理由は、それぞれの学校ごとに出題傾向・求める子ども像・面接方針などがまったく違うからです。そして、塾ごとにその学校に合わせて対策しているかどうか、その精度に差があるのです。

「学校別対策」の精度に差があるから

たとえば、ある塾では雙葉小学校の過去問研究を長年続けていて、過去10年の出題傾向や、合格者の行動パターンまで細かく分析しています。模擬面接の形式も、雙葉小の面接官の質問傾向を反映させています。

一方で、同じ塾でも他校(たとえば立教小学校など)にはあまり力を入れていない場合、どうしても対策が甘くなります。「この学校に強い塾・弱い塾」というのは、まさにこの分析・対策の深さの差から生まれているのです。


志望校と塾のミスマッチで落ちる例

「合格実績がある=すべての学校に強い」ではない

たとえば、ある保護者の方が「とにかく合格者数が多い有名塾なら安心だろう」と思って、志望校に合わせず入塾を決めてしまうケースがあります。

けれど、その塾は慶應系や国立小学校には強いけれど、女子御三家(白百合・田園調布雙葉・聖心)には力を入れていなかった…。その結果、志望校の出題に沿わない勉強が続き、試験当日もずれた準備になってしまうのです。

こういったミスマッチは、塾選びの段階で気づいていれば防げたかもしれません。塾選びは、「全体の合格実績」ではなく「わが子の志望校に対して、どのくらい細かい対策ができるか」を見る必要があります。

面接指導も塾によってまったく違う

もうひとつ大きな落とし穴が「面接指導の質の差」です。小学校によっては、母子面接が重視される学校と、家庭の教育方針を掘り下げて聞く学校があります。

でも、塾によっては「どの学校でも同じような面接練習しかしてくれない」ところもあります。それでは、本番の面接で的外れな受け答えになってしまい、印象が悪くなってしまいます。

面接対策に強い塾は、志望校別に模擬面接の台本まで変えてきますし、保護者の服装や話し方まで細かくアドバイスしてくれるのです。


「受かる子の通う塾」にはこんな特徴がある

過去にその学校にたくさん受かった子がいる

まず基本的な話として、実際にその学校に受かった子が多く通っていた塾は、やはり対策ノウハウが蓄積されています。

「この先生の模擬試験でこういう問題が出た」「この塾のプリントで毎週やっていた内容が、そっくり本番で出た」というように、受かった子の口から聞かれる内容に共通点があるのです。

もちろん、全員が塾のおかげだけで受かるわけではないですが、「出やすい問題」や「合格する子の習慣」を知っている先生がそばにいるというのは、大きな安心材料です。

お教室がその学校の文化を理解している

また、たとえば「田園調布雙葉に通わせたい」と考えているなら、雙葉の教育方針や、お母さま方の雰囲気をよく知っている先生がいるかどうかも大切です。

入試問題だけでなく、「学校の空気感に合った子に見えるようにする指導」ができる塾は、強いです。逆に、家庭的で自由な雰囲気の学校に対して、かちかちの「お受験型の子ども像」を押しつける塾では、違和感が出てしまいます。


学校と塾が「つながっている」って本当ですか?

直接的な「つながり」は基本的にはありません

よく「この塾に通っていれば○○小学校に入りやすい」といった話を耳にしますが、学校と塾が裏でつながっているということは、基本的にはありません。特定の塾の子どもだからといって、学校が便宜を図るようなことは制度上もありえないです。

ただし、「学校が好む子ども像を知っている塾」「合格する子の育ち方を研究している塾」というのは、たしかに存在します。

「合格する子ども像」を熟知している塾が強い

たとえば、ある学校では「自由にのびのび発想できる子」「言葉で自分の考えを伝えられる子」が求められています。一方、別の学校では「集団で我慢ができる子」「空気を読む力がある子」が好まれることもあります。

この“傾向”を熟知している塾は、その学校に合ったふるまい方や話し方まで細かく練習してくれるため、結果的に受かりやすくなるのです。これが「この塾が○○小に強い」と言われる理由になっています。


塾の先生が変わると合格率が下がることもあります

「あの先生がいた頃は強かったのに…」という話

小学校受験の世界では、先生ひとりの影響がとても大きいです。たとえば、かつて雙葉小学校にたくさんの合格者を出していた塾が、ある年からまったく受からなくなったというケースがありました。

よくよく聞いてみると、雙葉対策を長年担当していたベテランの先生が、別の塾に移ってしまっていたのです。そしてその年から、今度はその新しい塾の方が合格者を出すようになったんです。

塾の名前よりも「今、誰が教えているか」

こういうことから、塾選びでは「名前」や「昔の実績」だけでなく、いま現在、誰がどの学校対策を担当しているかがとても大切になります。

保護者の間では、「○○先生が△△校対策を見ているなら安心」といった情報が飛び交います。塾選びの際には、担当の先生の異動情報や、現在のコース体制まで見ておくと良いです。


模試も塾によって出題傾向がちがいます

模試の内容は塾が独自に作っています

小学校受験の模試は、学校のように「全国で同じ問題」というわけではありません。ほとんどの模試は、塾や模試会社が独自に出題内容を決めて作っています。

そのため、「この塾の模試は○○小に似ている」「こっちの塾は△△小の傾向がよく出ている」といったことがあるんです。

たとえば、ある模試では「丁寧さ」や「順序立てて考える力」が問われやすいのに対し、別の模試では「スピードと発想力」を重視している、といった違いがはっきり出てきます。

自分の志望校に合った模試を受けないと逆効果に…

もし「とにかく偏差値が高ければいい」と思って、志望校に合わない模試ばかり受けていると、本番で必要な力が育たないということもあります。

とくに、「毎回、違う塾の模試ばかり受けていると、子どもが戸惑ってしまう」といった声もあります。大切なのは、志望校の出題傾向に近い模試を、同じ形式で何度も練習していくことです。


子どもの性格と塾の雰囲気が合っていないと逆効果になることも

「厳しい指導」に向いている子、向いていない子

受験に強い塾=どんな子でも伸びる、というわけではないんです。実際には、その塾の指導スタイルとお子さまの性格が合っているかがとても大きく関わってきます。

たとえば、元気で自由な発想が得意な子が、ひたすら座って聞くような「板書型の指導」に通うと、だんだん自信を失ってしまうことがあります。

逆に、きちんとルールに従って取り組める子は、細かい練習が多い塾の方が力を発揮できるかもしれません。

「この塾に通わせたい」という思いだけではなく、お子さま自身がその塾で笑顔になれるか、活き活きしているかという視点も、大切にしてあげたいところです。


有名塾に入っても伸びないケースって?

課題が多すぎて親子ともに疲れきってしまう

名前のある有名塾に入ると、プリント量や課題のボリュームもぐっと増えます。もちろん、それがしっかり消化できるご家庭なら力になりますが、無理を重ねるとかえって疲弊してしまうこともあるのです。

「毎日プリント30枚」「口頭試問の練習を1日3回」といったメニューを全部こなそうとすると、お子さまが消耗してしまうことがあります。とくに、年中や年長の秋にそれが起きてしまうと、本番に向けての大事な時期に伸び悩んでしまう原因になります。

塾のレベルではなく、「わが子の今に合った負荷かどうか」が大事になってきます。

自信をなくすことで「当日の表情」にも影響が

有名塾に通っていても、自信を失ったまま本番を迎えると、当日の雰囲気に影響が出てしまうこともあります。

試験は学力だけでなく、表情や話し方、他の子とのかかわり方も見られています。「うちの子、普段は笑顔なのに、なぜか面接では声が出なかった」というようなご相談も少なくありません。

それは、塾の授業で毎回プレッシャーばかり受けてきたせいで、「間違ってはいけない」「黙っていたほうが怒られない」と思い込んでしまった結果かもしれません。

合格する子は、緊張していても、自分らしさが出せる子です。そのためには、塾での時間が「練習」ではなく「自信の積み重ね」になっていくことが大切なんです。


無名塾・小さな教室でも合格できる理由

先生がその学校に合っていれば、小規模でも強い

あまり知られていない小さな教室でも、特定の学校にとても強いところはあります。とくに、元・出題関係者が講師をしている教室や、学校の行事や指導方針を深く研究している塾などは、情報の深さと的確さが違います。

また、人数が少ない分、子ども一人ひとりをしっかり見てくれることが多く、指導が行き届いているというメリットもあります。

保護者面談も頻繁にあり、志望校に向けて「このタイミングでこの力を伸ばしましょう」といった具体的なアドバイスが受けられるため、安心感もあります。

「うちの子はこの教室で伸びた」と感じられることが大切

最終的に、合格に一番つながるのは「塾の知名度」ではなく、「わが子がその塾で育ったかどうか」です。

有名塾で埋もれてしまうよりも、小規模塾で丁寧に見てもらえて、表情や返答の仕方までその子に合わせた指導をしてくれる方が、本番の力になることもあります。


塾選びでいちばん大事なこと

塾選びは、本当に悩ましいテーマですよね。でも、**合格させるために一番大切なのは「相性」と「対策の質」**です。

● 志望校に対して、どこまで深く研究してくれているか
● その学校に合った子ども像を、一緒に育ててくれるか
● 子どもと先生との間に信頼関係があるか
● 親の不安にも寄り添ってくれる環境か

これらがそろっていれば、たとえその塾が無名であっても、しっかり合格まで導いてくれます。

見た目の実績や宣伝に惑わされず、「わが家に合っているかどうか」を大切にすることが、合格への近道だと思います。