小学校1年の算数、足し算が苦手・できない公文が合わないと感じても暗記で算数を好きになる

小学校1年の算数、足し算が苦手・できない公文が合わないと感じても暗記で算数を好きになる

小学校1年の算数、足し算が苦手・できない公文が合わないと感じても暗記で算数を好きになる

なぜうちの子は足し算ができないの?

〜それ、計算じゃなくて「暗記」かもしれません〜

「なんでこんな簡単な計算ができないの?」と思ったことはありませんか?

小学校1年生になったばかりのお子さんに「3+4は?」と聞いてみたとき、指を使って数えたり、うーんと悩んだりする姿を見て、「えっ? なんでこんな簡単な足し算がすぐに出てこないの?」と不思議に思ったことはありませんか?
「7+8って、そんなに難しいことじゃないでしょう? 13って、パッと出てくるはずなのに……」と。

でも、その「パッと出てくる」状態が、実は計算ではなく『暗記』の結果だということに、意外と私たち大人は気づいていません。

実は、親は「計算」していない

私たち大人が「3+4は?」と聞かれて即答できるのは、決して毎回計算しているからではありません。「3に4を足すってことは……4を1ずつ数えて、3から……」なんてやっていませんよね。すでに頭の中に「3+4=7」という**答えが入っている(つまり暗記している)**から、すぐに答えが出てくるのです。

けれど、子どもはまだその状態ではありません。1つずつ数えることでしか答えにたどり着けない時期にいるのです。そこに「なんでそんなに時間がかかるの?」と急かしてしまうと、子どもは「自分はできない」と思い込み、焦りや不安からますます計算に対して苦手意識を抱いてしまいます。

子どもは「初めて見たものを考えて」いる最中

親がすでに覚えてしまっている内容を、子どもはまだ「一つひとつ確かめて」「見て」「考えて」います。指を折りながらでも、目を動かしながらでも、「数の仕組みを理解しようとしている」のです。
その段階を飛ばして、「なんで覚えてないの?」という言葉をぶつけてしまうと、子どもは「わからないことが悪いこと」のように思ってしまい、考えること自体をやめてしまう危険もあります。

教えるつもりが、実は「説明していない」かも

多くの親御さんが「ちゃんと教えているつもりなのに、伝わらない」と感じています。ですが実際は、「自分がどうやってその答えを導き出したか」が説明できていないことが多いのです。なぜなら、大人はもうそのプロセスをとっくに忘れてしまっているから。
「7+8? 13でしょ、当たり前じゃん」と答えるだけで、「なぜ13になるのか」「どうやって考えたか」は説明できない。これは、親が悪いのではありません。無意識に暗記してしまっているからこそ、説明ができないのです。

だからこそ、「一緒に考える」「一緒に覚える」

お子さんが足し算でつまずいていたら、まずは「この子はまだ覚えていないんだ」と認識を改めることが出発点です。指を使っていても、時間がかかっていても、それは決して怠けているのではなく、今まさに理解を深めている段階。
そのときに「こうやるとわかりやすいよ」「一緒にやってみようか」と
寄り添うことが、いちばん効果的なサポートになります。

大人の「当たり前」は、子どもにとって「これからの目標」

子どもは、ある日突然すべてができるようになるわけではありません。大人が当たり前にできることも、子どもにとっては一つずつ積み重ねて身につけていくものです。
足し算ができないのではなく、「まだ覚えていないだけ」。その視点を持つだけで、教え方・関わり方が大きく変わり、子どもにとって「安心して学べる」環境が生まれます。

焦らず、責めず、一歩ずつ一緒に進んでいきましょう。その積み重ねが、子どもにとって一生の力になります。


一桁の足し算は「覚える」が正解?

 

そもそも「一桁の足し算」って何?

「2+3」や「7+1」など、0から9までの小さな数字同士を組み合わせた計算を、一桁の足し算といいます。大人にとっては何でもないような内容ですが、小学校1年生にとっては、初めての「数字を使った本格的な計算」であり、算数の学習が本格的に始まる第一歩です。この一桁の足し算をしっかり身につけているかどうかが、今後の算数力全体に深く関わってきます。

一桁の足し算は、合計で全部で45通り(順序を入れ替えない場合)あります。たとえば、「1+2」「3+5」「6+3」など、ほんの少しの数の違いで結果が変わるものがたくさんあります。こうした基本の計算がパッと答えられるようになることは、掛け算や筆算、分数など、将来的に出てくるすべての単元の土台になります。逆に、ここで「あれ、いくつだったかな」と迷うようだと、その都度考えることに時間を取られてしまい、算数全体の理解やスピードが遅れてしまいます。

たとえば、「7+5」の答えがすぐに出てこないと、「2けたの筆算」や「繰り上がりの計算」に入ったときに苦労します。「7+5って何だっけ?」「えっと、7の次が8、9、10…」というように指を使って数えていると、次のステップに進むのが遅くなり、全体の流れに乗れなくなってしまいます。これが毎回だと、お子さま本人も「なんだか難しい」「遅れちゃう」と感じてしまい、自信を失いかねません。

そのため、一桁の足し算は単なる「簡単な計算」ではなく、言わば「算数の扉を開ける鍵」のような存在です。この鍵をしっかり手にしておくことが、2年生以降の学習をスムーズに進める最大のポイントです。ここでつまずくと、その後に習うすべての内容が「わかりにくいもの」として積み重なっていってしまいます。

さらに、小学校の先生も「一桁の足し算は覚えている前提」で次の授業を組み立てていくことが多いため、そこで止まってしまうと、授業についていけない原因にもなってしまいます。つまり、一桁の足し算をしっかり覚えておくことは、単に計算が早くなるというだけでなく、「その後のすべての学習のベースを築く」意味があるのです。

なぜ「考える」より「覚える」がいいの?

一桁の足し算は数字が小さいため、たしかにその場で考えても答えを出すことは可能です。指を使って一つずつ数えたり、頭の中で順番に数を足したりして、最終的に正しい答えにたどり着ける子も多いでしょう。しかし、問題はそこに「時間」と「労力」がかかってしまうという点にあります。計算自体はできていても、その都度考えていては、集中力が分散し、問題全体に向き合う余裕がなくなってしまうのです。

たとえば「8+7」を考えるとき、「8の次は9、10、11、12、13、14、15」と、頭の中で数える方法があります。これは間違っていないし、初めて習ったときにはとても大切なステップです。しかし、これを何ヶ月、何年と続けてしまうと、どうしてもスピードが遅くなり、応用問題や文章問題への対応力が育ちません。「8+7=15」がすぐに出る子は、問題文を読むことや、答えの根拠を考えることに余力を回せますが、そうでない子は「この計算で手いっぱい」となってしまい、学習の幅が狭くなります。

また、算数はこの先、「複数の考え方を同時に扱う」内容が急激に増えていきます。たとえば、文章題では「どんな数式を立てるか」と「その計算をどう進めるか」という二重の思考が必要になりますし、図形の問題では「どの部分を見ればいいか」と「数値の関係をどう読み取るか」など、多角的な見方が求められます。このとき、一桁の足し算に時間を使っていては、思考がそちらに引っ張られてしまい、本来考えるべき問題の本質に集中できません。

さらに「覚えることの良さ」は、解答スピードだけでなく、「学習への安心感」にもつながります。「これはもうわかってる」「何回もやってるから大丈夫」という経験がある子どもは、次の単元に対しても前向きに取り組めます。一方、毎回手探りで考えている状態だと、「今度もまたわからないかも」という不安が先に立ち、新しい学習への抵抗感が生まれてしまいます。

つまり、覚えておくことは単に早く正確に計算するためだけでなく、「考えるべきことに集中する力」「自分への信頼」「学習に対する前向きな姿勢」など、多くの学びの土台になる力を育ててくれるのです。そのため、一桁の足し算は、じっくり時間をかけてでも「覚えた状態にしておく」ことが、結果的にお子さまの負担を減らす一番の近道になります。

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暗記で得られる「算数の自信」

一桁の足し算を暗記しておくことの最大のメリットは、「計算が速くなる」ことではありません。もっと大切なのは、お子さまが自分に対して『できる』という実感を持てるようになることです。この「できる」という気持ちは、学年が上がってもずっと残り、他の教科にもよい影響を与えます。

たとえば、授業中に先生が「7+6はいくつかな?」と尋ねたとき、「13!」とすぐに答えられる子は、それだけで大きな達成感を味わうことができます。手を挙げて正解した瞬間のうれしさは、本人の中で「私は算数が得意かもしれない」という自信へと変わっていきます。逆に、指を折りながら数えたり、迷って黙ってしまったりすると、「自分だけできていないかもしれない」「また間違えたらどうしよう」と不安になり、次に手を挙げる勇気が出なくなってしまうこともあります。

このように、ちょっとした暗記の積み重ねが、教室での自己肯定感に直結するのです。わかるから自信が持てる。自信があるから積極的になる。積極的になるからさらに学びが深まる。こうした良い循環が、お子さまの学習全体に広がっていきます。

また、先生や周りの友達から「すごいね」と言われる経験が増えることも、自信につながります。計算がスムーズだと、「〇〇ちゃんに聞いたら早いよね」などと自然に頼りにされるようになり、学級の中でも前向きな立ち位置を築いていけるようになります。この「周囲から信頼される」経験もまた、内面の安定や積極性を支える大きな力になります。

さらに、保護者の方が「すごいね!もう覚えたんだね!」と声をかけてあげることでも、子どもは「ちゃんと見てもらえている」「頑張ったことが認められている」と感じ、さらに意欲的に取り組めるようになります。こうした家庭内での小さな成功体験の積み重ねが、子どもの自己肯定感を育て、長く続く学習意欲の土台になります。

ですので、一桁の足し算を暗記しておくことは、単に「早く正確に計算する」ための手段ではなく、「自分はできる」という強い気持ちを育てるための手段でもあるのです。そして、この「自信」は一度身につくと、学年が上がって内容が難しくなっても、学びに向かう姿勢を支える大切な支えになります。


「1日3回、足し算の音読」で育つちから

足し算は「声に出して読む」ことで身につく

小学校1年生で学ぶ一桁同士の足し算――たとえば「3+4=7」や「6+2=8」など。これらを覚えさせるとき、単に計算させるだけではなく、「〇たす〇は〇」と声に出して読ませることがとても効果的です。音読することで、リズムよく数字の並びを記憶に刻み込みやすくなり、繰り返すほどにスムーズに反応できるようになります。

たとえば、「5たす3は8」と何度も口に出していると、頭で考える前に自然に答えが出てくるようになっていきます。この状態は、まさに「暗記が完成した」証。計算にかかる時間が短くなることで、算数全体の理解や処理にも余裕が生まれます。


「音読」は国語の力にもつながる

足し算の音読が効果を発揮するのは、算数だけではありません。実は、これは国語の音読練習としても非常に優れたトレーニングになります。
「3たす4は7」というように、数式を一定のリズムで話す習慣をつけると、自然と「文章を区切って読む感覚」が身についてきます。これは、国語で習う音読や黙読の基本である「文章の流れを感じて読む」力の土台になるのです。

一語一語でしか読めないお子さんの場合でも、足し算の音読のように短く区切られたフレーズを繰り返し話すことで、語と語をつなげて読む感覚が少しずつ育っていきます。つまり、「計算の音読」が「文の音読」への橋渡しになるのです。


1日3回の習慣で、基礎が定着する

この音読練習を「朝・帰宅後・寝る前」など1日3回のタイミングに分けて行うと、無理なく習慣になり、定着率もぐっと高まります。特に、朝の5分は脳が一番吸収しやすい時間。声に出して読むことで、ただの記憶ではなく、「体で覚える」学習ができます。

1回あたりの時間は2〜3分で十分です。毎日続けることで、子どもの口から自然と「7たす3は10」などと出てくるようになります。数字への抵抗がなくなり、自信とテンポが育つことで、次の学びへもスムーズにつながっていきます。


計算と国語、両方の土台を同時につくる

足し算の音読は、「計算が速くなる」「覚えやすくなる」だけではありません。文章を読んで理解する力、語のリズムを感じる力、話す力――すべての基本につながる学習法です。


暗記=苦しさではありません

「暗記」という言葉には、どうしても「つらい」「退屈」「詰め込み」というような、あまりよくない印象を持たれる方も多いかもしれません。たしかに、大量のことを無理に頭に詰め込むような勉強は、大人でもつらいものです。ですが、一桁の足し算の暗記は、そうした『苦しみ』とはまったく異なる性質のものです

まず、一桁の足し算は、すべて10以下の数字を組み合わせたものであり、その種類も限られています。たとえば、「2+3」「4+5」「7+6」など、パターンとしては約45種類程度。これは繰り返し練習すれば、自然と体にしみこむ量です。「覚えさせる」よりも、「自然に覚えてしまう」ような環境や習慣をつくることが重要です。

たとえば、計算カードを使って「今日は5+4を何秒で言えるかな?」というふうに、ちょっとしたゲーム感覚で取り組むと、子どもは驚くほど素直に、しかも楽しみながら計算を覚えていきます。タイマーで時間を測って記録に挑戦したり、親子でクイズ形式にしたりするだけで、学習は一気に遊びになります。さらに、正解したら「よくできたね!」と一言ほめるだけでも、子どものやる気はぐんと高まります。

また、毎日数分間だけでも計算に触れる時間をつくることで、子どもは無理なく、反復の力で記憶を定着させていきます。「朝ごはんの前に3問だけ」や「寝る前に1分だけ」など、日常の中に自然と組み込むのがポイントです。継続は力なりという言葉のとおり、毎日少しずつ続けるだけで、驚くほど計算が速く正確になります。

そして、子どもは「できたこと」に対してとても素直に喜びます。ですから、暗記は決して苦しみではなく、「毎日小さな達成を重ねることができる、前向きな学びの手段」として活用することができます。ここで大人が注意すべきなのは、「全部覚えて!」と急かしたり、「どうして覚えられないの?」と叱ったりすることを避けることです。それでは本来楽しいはずの学びが、プレッシャーになってしまいます。

暗記とは、正しい方法と関わり方さえあれば、子どもにとって「達成の喜び」を毎日感じられる、もっとも手軽で効果的な学習方法の一つです。一桁の足し算は、親子で楽しみながら、無理なく取り組める暗記の好例と言えるでしょう。


先の学年で困らないために、今がチャンス

小学校1年生のうちに学ぶ一桁の足し算は、算数のなかでは最も基本的な内容のひとつですが、実はこの段階での定着度が、2年生以降の学習に大きな影響を及ぼすということをご存じでしょうか。たった1年の違いですが、学習内容の複雑さと量は急に増え、計算処理においては「早く、正確に、当たり前のようにできる」ことが前提として扱われ始めます。

2年生になると、繰り上がり・繰り下がりのある筆算や、掛け算(九九)の学習が始まります。これらの単元では、一桁の計算がスムーズにできることが「できていて当然」とされる土台になります。「5+3」や「7+6」といった基本的な計算に時間がかかってしまう子は、新しく学ぶ内容に集中することが難しくなり、「なぜそうなるのか」を理解する余裕がなくなってしまうのです。

たとえば、掛け算で「3×2=6」という式を覚えるとき、「3+3=6」という感覚が身についていると、「あ、これは同じ数を2回足しているんだ」と自然に結びつけて考えることができます。しかし、もしこの基本的な加算があやふやだと、「これは何を意味しているのか?」という理解が追いつかず、丸暗記に頼るしかなくなってしまいます。結果として、九九の意味が分からないまま丸暗記に偏り、応用がきかなくなってしまうのです。

また、文章題も一気に複雑になります。「合計はいくつですか」「あといくつ必要ですか」といった問いに対して、文章の意味を読み取る力と、それを計算で表現する力の両方が求められます。ここでも、一桁の計算が即座に出てこないと、「まず計算をしなきゃ」という意識が先に立ち、肝心の文章の意味を見落としがちになります。

さらに、3年生以降に入ると、分数、時刻、単位換算、面積、体積といった内容が次々と登場します。**これらの単元すべてに共通して必要なのが、「一桁の計算が身についていること」なのです。**その力があるかないかで、授業についていけるかどうか、問題に取り組む時間配分、自信の有無などがはっきり分かれてきます。

では、いつそれを身につければよいのでしょうか? 答えは明確です。まさに「今」こそが、そのチャンスなのです。1年生のうちに、まだ学ぶ内容が少なく、余裕のあるこの時期に、一桁の足し算をしっかりと身につけておけば、次の学年以降で学ぶすべての内容がぐんと楽になります。逆に言えば、この時期を逃してしまうと、学年が上がるにつれて復習に割ける時間も減り、苦手が積み重なってしまう可能性が高まります。

つまり、「簡単だからあとでいい」ではなく、「簡単なうちに定着させる」ことが、先々の複雑な学習への最大の備えになるのです。今ここで確実に一桁の足し算を覚えておくことで、お子さまは自信をもって2年生のスタートを切ることができ、学びの流れに無理なく乗ることができます。

教育とは「子どもの頭で考えられるように整える」こと~“子どもに合わせる”とは教え込むことではなく、同じ目線に立つこと~

  • 足し算の暗記の必要範囲について
    足し算の暗記は、単に小学校低学年の計算力を高めるだけでなく、数学全体の基礎となる重要な力です。特に、「一桁同士の足し算(二数の合計が20まで)」を瞬時に答えられる状態が、算数から数学へスムーズに進むための理想的な水準とされています。たとえば、3+7や8+9、6+5など、一桁の足し算をすべて暗記していると、二桁の計算や分数の加減、連立方程式、関数などに進んだ際も計算速度が落ちず、思考力を妨げることがありません。
  • なぜ一桁の足し算を徹底的に暗記するべきか
    一桁同士の計算をいちいち指を使ったり考えたりする癖が残っていると、数学の問題演習中に計算速度が極端に遅くなり、複雑な問題になるほどミスも増加します。また、九九の暗記と同様に、一桁の加算を「暗記によって一瞬で答えが出る」状態にしておくことで、繰り上がり・繰り下がりのある計算や、分数、小数、負の数などを含む計算も、スムーズかつ確実に行うことができます。
  • どこまで暗記しておくと中学以降が楽になるか
    目安として、1+1から9+9までの全パターン(合計81通り)を、どの順番でも即答できるようにしておくことが推奨されます。また、10+1、10+2、…、10+9など、「10を超える二桁同士の計算」についても、10+4=14や12+6=18など、感覚的に答えがわかる状態まで練習しておくと、桁の大きい計算や連立方程式、代数計算、関数のグラフなど数学的な応用問題でも困ることが減ります。さらに、繰り上がりや繰り下がりが発生する計算パターンも重点的に暗記しておくとよいでしょう。
  • 足し算の暗記が数学全般に与えるメリット
    足し算の計算を暗記していると、計算過程に意識を割かずに「式の意味」や「問題の本質」に集中することができます。特に中学・高校数学では、多項式の計算、因数分解、分数の加減、関数の値の計算など、様々な場面で小さな加算が何度も必要になります。もし一つ一つの計算で止まることがなくなれば、理解や応用にも余裕が生まれ、数学を楽しむ余地が大きく広がります。
  • 暗記の効果をさらに高める工夫
    単なる暗記だけでなく、計算カードや暗算アプリ、日常のちょっとしたすき間時間を利用して反復練習することが大切です。また、足し算と合わせて引き算(特に繰り下がりを含むもの)もセットで覚えておくと、数学の文章題や図形問題の理解にも役立ちます。保護者や指導者は、子どもが飽きずに楽しく続けられるよう、ゲーム形式やご褒美なども取り入れると効果的です。
  • まとめ
    小学校で習う一桁の足し算を全パターン暗記し、できれば10を超える二桁の計算にも慣れておくことで、中学・高校・大学の数学に進んでも「計算が遅い」「ケアレスミスが多い」といった悩みが大幅に減ります。計算力の自動化は、より高度な数学的思考への扉を開く第一歩です。地味に見えても、足し算の暗記は将来の数学の力を支える最強の基礎となるため、できるだけ早いうちに徹底しておくことを強くおすすめします。

子どもは大人と“見えているもの”が違う

子どもにとって世界はまだ未整理で、経験も少なく、思考の順序もバラバラです。
にもかかわらず、大人が「こんなこともわからないの?」「これは当たり前」と言い放つのは、階段を一気に飛ばせと言うのと同じことです。

大人が考える“簡単”と、子どもが感じる“わかる”には、大きな差がある。
まずそこを、親がきちんと認識していなければ、教えるどころか、子どもの理解を止める存在になってしまいます。


「同じ目線に立つ」とは、“理解するプロセス”に並んであげること

子どもの隣に立つとは、子どもの考え方・視点・つまずき方に合わせて、順序を合わせて進むことです。
それは、
・正解を言ってあげることではなく
・先回りして答えを出すことでもなく
・つまずいたときに「どこで止まっているのか?」を一緒に探すこと

つまり、“一緒に見て、一緒に動いて、一緒に分かっていく”ことが、本当の意味での「教える」なのです。


教えるとは、言葉ではなく「学びの環境」を整えること

本来の教育は、
・わかりやすい例を用意する
・手元に考えやすいツールを置く
・試してみたくなる問いを準備する
・理解できる順序をつくる

つまり、子どもが自力で考えられる環境を用意することが教育の本質です。

ツールや工夫、声かけ、タイミング、雰囲気――
それらすべてを“整える力”がある人が、「教えられる人」です。


「任せればいい」「そのうちできる」は教育の放棄

「学校で教わるから」
「塾に行けば解決する」
「そのうち慣れるよ」

こうした“受け身の姿勢”は、子どもの学びを他人任せにするだけでなく、子どもが困ったときに支える人が誰もいない状況を生み出します。

「自分の子どもを最初に支えるのは、自分である」という覚悟がない人は、教育者になれません。


最短で身につけさせたいなら、整備と支援の設計が要る

「早く覚えさせたい」「得意にさせたい」と願うなら、
以下を“本人の思考に合わせて”準備する必要があります:

● 使える道具(数の具体物、図形カード、並べ替えアイテム)

→ 見て、触って、動かして理解できるもの

● わかりやすい順序(例から一般へ/簡単から複雑へ)

→ 子どもの今の思考範囲に合わせて積み上げていく

● 口出しではなく「問い返し」

→ 考えるチャンスを奪わず、自分でたどり着けるよう導く

● 成功体験を得やすい“簡単に気づける工夫”

→ 「できた!」が連続するよう仕掛ける


まとめ:「教える」は“共に考え、共に登る”こと

教えるとは、子どもに合わせて“考える高さをそろえる”行為であり、
「教える前に、何をそろえるか?」を親が整えることです。

整えられない親は、教えることができません。
“わかって当然”としか思えない親は、子どもの考え方を理解できません。

だからこそ、
「今、どこでつまずいている?」
「その考え方は、どう進めていけばいい?」
と問いながら、一緒に階段を登ることが、本当の“家庭教育”の始まりです。