ファング(ハグリッドのペット)見た目に反して超ビビり、何をした?どう描かれている?

ファングって、ただの犬?──小説・映画・呪いの子から見える本当の姿

見た目は大きいけど、心はすごく小さい?それってどういうこと?

ファングはホグワーツの森番・ハグリッドが飼っている犬で、原作でも映画でも何度も登場します。彼は「ボアールハウンド」と呼ばれる大型犬で、体格はがっしりしていて見た目はこわそう。でも実は、とっても怖がりで、すぐに尻尾を巻いて逃げ出すような性格なんです。

ファングが初めて登場したのは『賢者の石』。ハリーたちが禁じられた森に入るとき、ハグリッドの代わりに同行したのがファングでした。でも、いざ森の中で不気味な雰囲気になると、ファングは誰よりも怖がっていました。このギャップがまず読者の印象に強く残ります。

一見「役に立たない」ように見えるこの犬が、なぜシリーズを通して何度も登場するのか。物語に深く関わることはないけど、ずっとそこにいる安心感。それって、作者が意図的に作った存在だと思えてなりません。

ハグリッドの“家族”としての位置──ただのペットじゃない

ファングはただの犬ではなく、ハグリッドにとっては「家族」です。ハグリッドはホグワーツではちょっと浮いた存在で、人間社会からも魔法界からも距離を置かれてきた人物。そんな彼にとって、何も言わず、いつも側にいるファングは心の支えだったんじゃないでしょうか。

『炎のゴブレット』では、ハグリッドが「巨人の血を引いている」と暴露されて落ち込んでいた時期にも、ファングは彼の小屋にずっと寄り添っていました。言葉は話せなくても、そばにいてくれる存在って本当に大事なんです。ファングは、誰よりもハグリッドのそばにいました。

そして『死の秘宝』の戦争の時代にも、ファングは無事でした。戦いの中心にはいなかったけど、ハグリッドの小屋が破壊される場面でも、ちゃんと彼の“日常”の一部として描かれていた。そのことからも、「戦わなくても、そこにいることに意味がある」っていう象徴みたいな存在なんです。

映画ではさらに“かわいさ”が強調されてる?ビビり犬の魅力

映画版でファングを見ると、より「かわいさ」が伝わってきます。大きな体でハリーに飛びついたり、しっぽを振って歓迎したり。怖がりで、森に入るのを嫌がって踏ん張るシーンもありました。人間だったらちょっと情けない。でも、だからこそ守りたくなるような存在

ハグリッドが「ドラゴンを飼いたい」とか、「巨人の兄を連れてくる」とか、ちょっとぶっ飛んだ行動をとるのに対して、ファングは「日常」にとどまってくれるんです。変わらず、そこにいてくれるだけで、なんだかホッとする。これは映画でもすごく大事にされている部分です。

また、映画の演出として「犬が怖がっている=それだけヤバい状況」っていう演出も多い。例えば禁じられた森のシーンでファングがブルブル震えていたら、「あ、これはヤバいな」って視聴者もわかるんです。つまり、ファングはちょっとした“センサー”の役割も果たしていたわけです。

『呪いの子』には出ないけど、その“穴”が語っていること

『ハリー・ポッターと呪いの子』には、残念ながらファングの名前は登場しません。でも、逆に考えてみてください。ファングがいないということが、どれほど物語に静かな変化をもたらしたか

『呪いの子』ではハグリッドがハリーの子どもたちと関わる場面が少し出てきますが、彼が語る過去にはいつも「静かな小屋」と「やさしい時間」がありました。その中に、本当はファングもいたはずなんです。

つまり、ファングの不在はホグワーツの“昔のぬくもり”が少しずつ失われていることを表している気がします。魔法界が戦争を越え、時代が変わっていく中で、戦わない優しさや、変わらない日常の象徴だったファングの存在は、どこかに消えてしまった。でも、その“いたはずの存在”を私たちはちゃんと覚えてる。そこに、深い意味があると思いませんか?


作者のメッセージは「強いだけじゃダメ」ってこと?

ファングというキャラを見て思うのは、「強い=すごい」だけじゃないっていう考え方が、J.K.ローリングの中にはあったってこと。たとえばダンブルドアやスネイプ、ヴォルデモートのようなキャラたちは、みんな複雑で強さや賢さが描かれてる。でも、ファングはそのどれにも属さない

それなのに何度も登場して、読者や観客の記憶に残ってる。それは、彼が「戦わない側」「目立たない側」の代表だったからこそ。そういう存在にも価値があるって、ちゃんと伝えたかったんじゃないでしょうか

怖がりで、すぐ隠れる。だけど、ハグリッドが必要としている時は、ちゃんと寄り添っていた。そういう優しさや忠誠心は、力よりももっと大事なものかもしれません。ファングは、戦いの物語の中で「戦わないことの意味」を静かに教えてくれる、大事なキャラなんです。