小学校受験|スケ参戦(スケジュール参戦)とは?
スケ参戦ってなに?聞いたことはあるけどよくわからない…
最近、小学校受験に関わるご家庭のあいだで「スケ参戦(すけさんせん)」という言葉を耳にするようになりました。
これは「スケジュール参戦」の略で、受験本番までのあいだに、塾・模試・説明会・学校見学・外部の講習会など、あらゆる予定を次から次へと入れ込んでいくことをさしています。
日々の生活が、「この日は模試」「次の日は学校行事」「週末は別の塾の行事」と、びっしり詰まっていくような状態です。
このような状態に、あえて参戦する=意図的に巻き込んでいく、というニュアンスを含めて「スケ参戦」と呼ぶことがあります。
もともとは一部の受験コミュニティやSNS上の表現でしたが、近年では、塾の先生や受験対策本などにもこの言葉が出てくるようになりました。
なんで今、スケ参戦が当たり前みたいになってきたの?
昔の小学校受験では、「きちんと塾に通って、落ち着いて練習すればなんとかなる」という空気がまだありました。
でも今は、少し違ってきています。とくに、首都圏や関西圏の人気校では倍率が跳ね上がり、「ご縁をいただく」ためには想像以上の準備が必要になってきているのです。
具体的にはこんな流れで、スケ参戦の必要性が高まってきました。
- 志望校の併願対策が必要になってきた(1校だけではリスクが高い)
- 試験や面接の実践的な経験値が求められている
- 子ども自身が本番慣れしていないと、実力が出せないまま終わってしまう
- 学校によって求める子どものタイプや受け答えが違うので、親も学校研究が必要
- 模試や講習を通して、現状を把握して立て直す時間が必要
そのため、自然と「行くべき予定」「出ておきたい模試」「見ておきたい説明会」が増えてしまい、週に3〜5本、多い人で毎日何かしら入っているようなスケジュールになっていきます。
この状態を「スケ参戦」と呼ぶのは、まさに戦いのような気持ちだからかもしれません。
スケ参戦をしているご家庭のスケジュールってどんな感じ?
たとえば、年長の6月ごろを想定した例をひとつご紹介します。
月曜日:午前は母親だけで学校説明会(オンライン)
火曜日:午後から個別塾での行動観察対策
水曜日:午前は公開模試、午後は家庭学習のフォロー
木曜日:午前に願書添削の面談、夕方から面接練習
金曜日:別の塾で模擬面接
土曜日:志望校別の公開講習会
日曜日:ご両親と一緒に学校見学イベント参加(私立第2志望)
このように、予定を詰めれば詰めるほど、手ごたえがあるようにも見えますが、やりすぎれば「疲れ」が出てしまうのも事実です。
スケ参戦をがんばっても、落ちてしまうケースってある?
はい、あります。むしろ、スケ参戦をしすぎて「本来持っていた力が発揮できなかった」お子さんも少なくありません。
よくある落ちるケースは、こういったものです。
- 子どもが毎日予定に追われて、疲れてしまい、当日ぼんやりしていた
- どの学校の対策も中途半端になってしまい、本番でずれたことをしてしまった
- 模試の結果に一喜一憂して、家の中がピリピリしすぎてしまった
- 「行かなきゃいけない」と詰め込むことで、子どもが受験を嫌がるようになってしまった
- 親が塾や講習の情報に振り回されすぎて、子どもをじっくり見る余裕がなくなってしまった
このような状態では、スケ参戦をがんばったからといって、うまくいくとは限らないのです。むしろ、やりすぎが仇になることもあります。
でも、スケ参戦をうまく使ったご家庭はどうして受かったの?
一方で、スケ参戦を上手に使って、第一志望や準第一志望に合格された方もたくさんいらっしゃいます。
そのようなご家庭に共通していたのは、「予定を詰めること」が目的ではなかったことです。
うまくいったご家庭は、こんなふうに考えていました。
- お子さんの気持ちと体力を見ながら、週に1〜2日は完全にオフにする
- 1本の説明会や模試を「ただ参加する」のではなく、「次の対策につなげる」ように整理していた
- 模試で結果が悪くても、それをヒントにやるべきことを洗い出し、冷静に動いていた
- 「やったほうがいい」と言われたことを全部入れるのではなく、自分たちの方針に合うものだけにしぼっていた
- 予定を入れるたびに、「これは今のうちの子に本当に必要か?」と問い直していた
このように、スケ参戦を「量」で勝負せず、「質」に落とし込んで動いたご家庭は、確実に成果を出しやすい傾向があります。
スケ参戦は「作戦」として使うもの
スケ参戦は、ただ予定を入れるためのものではありません。
あくまで、子どもにとっての経験値を高めたり、親が学校や受験の本質を理解したりするための「作戦」のひとつです。
予定が多ければ安心、というわけではありません。
本当に必要な機会を選び取り、無理のない形で積み上げていくことが、小学校受験におけるスケ参戦の成功のカギだと感じます。
小学校受験|スケ参戦でよくある失敗と、落とし穴に気づけなかったケース
予定を入れすぎて失敗…気づけば「追われる受験」に
スケ参戦をがんばろうと思うと、どうしても「もっと入れなきゃ」「あの子も行くからうちも」と焦ってしまうものです。
でも、予定を入れすぎた結果、まるでマラソンのラストスパートをずっと続けているような状態に…というご家庭は意外と多いのです。
とくに、こんな状態になると要注意です。
- 朝から夜まで、毎日のように塾・模試・説明会でカレンダーがまっ黒
- 親も子どもも疲れてきているのに、「やめると不安」だからと無理に続けてしまう
- 行ったあとの振り返りや整理の時間がなくて、「ただ行っただけ」になっている
- 外で得た情報ばかりを重視して、家庭の方針がぶれてくる
- 子どもが「今日もまた塾?」と、目をそらすようになってきた
最初はやる気を出してスタートしたはずなのに、いつの間にか「誰のための受験かわからない」「目的が見えなくなった」と感じる方も少なくありません。
よくある落ちる例:詰め込みすぎた失敗パターン
では実際に、スケ参戦を頑張ったのに残念な結果になってしまったご家庭では、どのようなことが起きていたのでしょうか。
いくつか典型的な失敗パターンを挙げてみます。
子どもが体力的に限界を迎えてしまった
一番多いのは「疲れ切ってしまった」というケースです。
毎日予定がある生活の中で、お子さんは「また塾か」「また知らない場所に行くのか」と、だんだん気力を失っていきます。
あるお母さまは「模試中に突然、泣いてしまったんです」と語っていました。
緊張と疲れが積み重なり、本番のような場で急に感情が出てしまったのです。
模試や講習を入れすぎて、本番対策が手薄になってしまった
「公開模試に出る=準備になる」と思っていたら、本番の過去問対策や個別面接の練習に使う時間がなくなってしまった、という例もあります。
結果的に、「うちの子にはこういう出題が苦手」という気づきが遅れてしまい、慌てて修正しても間に合わなかった、ということも。
模試は、ただ出るだけでは成果になりません。
あくまで分析と振り返りを含めて初めて「力になる」ものです。
学校見学や説明会が多すぎて、どこを受けたいのかわからなくなった
情報が多すぎると、今度は「選べない」迷いに入ってしまいます。
志望校をしぼりきれず、併願も毎週変わるような状態になってしまい、「ここに行かせたい」という気持ちが伝わらないまま願書を出すことに…。
先生方は、親の言葉の奥にある「この学校に入りたいという気持ち」を見ています。
学校選びがぶれていると、子どもの志望動機もあいまいになりやすいのです。
うまくいったご家庭が避けた「落とし穴」
逆に、スケ参戦をしていても上手に結果につなげたご家庭は、いくつかの落とし穴を事前に避けていました。
すべての予定を「目的ありき」で選んでいた
たとえば、あるご家庭では、毎週の模試に出る代わりに、2週に1回だけ出て、空いた週で自宅復習を徹底していました。
外に行くことを優先するのではなく、「どの機会がうちの子の成長につながるか」で選んでいたのです。
説明会も、5校すべてに行くのではなく、絞った2校にだけ参加し、そのぶん願書作成と対策に時間を使いました。
予定の後に「整理の時間」をきちんと取っていた
たとえば、模試のあとには、親子でお茶を飲みながらその日のふり返りを話していたご家庭もあります。
お子さん自身が、「今日はこんなところが難しかった」と言葉にすることで、自己理解が深まり、自信も育っていきます。
また、学校見学のあとは、ノートに感想を親がまとめておき、あとから「どこに心が動いたのか」を思い返せるようにしていたという方もいました。
親自身の「疲れ」にも気づいてあげたい
スケ参戦で疲れてしまうのは、子どもだけではありません。
むしろ、親のほうがプレッシャーを感じやすく、思っている以上に消耗していることも多いです。
- SNSで他のご家庭の情報を見て、不安になる
- 塾の先生や先輩ママのアドバイスが多すぎて、どれを信じればいいのかわからなくなる
- 志望校の最新情報が出るたびにスケジュールを組み直して、心が休まらない
- 願書や面接準備が重なって、毎晩寝るのが遅くなる
このような状態が続くと、親子の関係にも影響が出てしまいます。
「どうしてちゃんとやらないの」と強く言ってしまったり、「うちだけうまくいってないのでは」と落ち込んでしまったり…。
だからこそ、スケ参戦をするなら、親の心と体の余裕も意識して整えておくことが、とても大切です。
詰め込むのではなく、意味を持たせる
スケ参戦は、予定を増やせば増やすほど良いというものではありません。
むしろ、「なぜこれに参加するのか」「本当に今のうちの子に必要か」と、一つひとつを見直すことが結果につながります。
受験までの時間は限られていますが、そこに何を詰めるか、どう活かすかによって、まったく違う結果が生まれます。
その意味でも、スケ参戦は「戦い」ではなく、「設計」と考えるとよいのかもしれません。
小学校受験|スケ参戦を成功につなげる考え方と、親子で進めるやさしいスケジュール管理
スケ参戦を「子どもが主役」の受験に変えるには
これまで見てきたように、スケ参戦はうまく取り入れればとても力になる反面、やりすぎたり、目的が見えなくなってしまったりすると、かえって逆効果になることもあります。
大切なのは、いつでも「子どもが主役」という視点を忘れないことです。
「予定があるから動く」のではなく、
「この子のために、どんな経験がいちばん良いか」を基準にして、スケジュールを整えていくことで、スケ参戦は単なる詰め込みではなく、意味のある時間になっていきます。
無理のないスケ参戦にするためのポイント
ここでは、実際にスケ参戦をうまく取り入れながら、合格されたご家庭が心がけていたポイントをいくつかご紹介します。
予定を「詰める」のではなく「整える」
たとえば1週間に3件以上の予定を入れるときは、かならず1日は完全な休息日を設けるというご家庭が多くありました。
「今週はがんばったから、日曜日はお出かけなしでゆっくりおうち時間にしようね」と声をかけるだけでも、子どもの気持ちはずいぶん楽になります。
また、1日に予定を2つ以上入れる場合(午前は模試・午後は講習など)は、かならず移動と休憩に1〜2時間のゆとりを持つようにされていました。
そうすることで、「あわただしいまま始まって、終わったらクタクタ」という事態を防げます。
「この予定はなんのため?」と問い直す習慣
何か予定を入れようと思ったとき、「それは本当に今のうちの子に必要な時間か?」と自分に問い直すことも大切です。
まわりが行くから、自信がなくなってきたから、という気持ちだけで予定を組んでいくと、目的のないスケジュールになってしまいます。
あるお母さまは、「模試は全部出るのではなく、うちの子が一度失敗した分野がテーマのものだけ選びました」と話していました。
他の家庭が出ていなくても、逆に出ていても、自分たちにとって必要かどうかで決めていたそうです。
この「自分軸」が、最終的に安定した合格につながったということでした。
スケ参戦を「親子の時間」に変えていく工夫
スケ参戦をただの受験準備ではなく、親子の絆や成長の時間として使うご家庭には、いくつかの共通点があります。
出かけたあとは「感想会」をする
たとえば、学校見学や模試のあとには、カフェでお茶をしながら、その日のお子さんの感想を聞く時間を取るのがおすすめです。
「どうだった?」「楽しかった?」「緊張したところはどこ?」など、答えやすい質問から始めてあげると、自然に本音が出てきます。
「また行きたい」と言った学校は、きっとその子に合っている学校です。
「ちょっと怖かった」という場所は、どうしてそう感じたのかを聞いていくと、その子の性格や敏感なところが見えてくるかもしれません。
カレンダーを「親子で一緒に見る」
小学校受験のスケジュール管理は親がするもの、と考えがちですが、できるだけ親子で一緒に見られるようにすると、子どもの自覚も高まります。
たとえば、月曜日の朝に「今週はこんな予定があるよ」とお話しし、土曜日は「今週がんばったね、ゆっくりしようか」と声をかけるだけでも、子どもにとってはスケジュールが「自分のこと」になっていきます。
予定表に子どもがシールを貼ったり、手帳に絵を描いたりするような小さな工夫でも、自分で受験を意識できるようになります。
スケ参戦を怖がらず、でも焦らずに進むために
最近は、「あの子は週に何本も塾を掛け持ちしているらしい」といった情報が簡単に手に入る時代です。
でも、その情報に引っぱられて、自分の家庭のやり方を見失ってしまうと、結果として子どもも不安になってしまいます。
情報は参考程度に受け止めて、「うちはこうしてみよう」と落ち着いて考えること。
他の家庭と比べるのではなく、「自分の子どもの状態」とだけ比べていくのが、いちばん安定した受験準備になります。
スケ参戦は、合否に直結するように思えるかもしれません。
けれど本当に大事なのは、その予定の中で「何を感じたか」「どう変化したか」を見守ることなのだと感じます。
スケ参戦の本当の意味を考える
スケ参戦は、あくまで手段のひとつです。
受験を有利に進めるために、予定を調整し、経験値を増やすための道具です。
でも、予定が増えれば増えるほど、見失いやすくなるのが「目的」や「軸」なのかもしれません。
いちばん大切なのは、お子さんが自信を持ち、本番でその子らしさを出せること。
そして、その準備をする時間が親子にとって温かいものであることです。
スケ参戦を上手に取り入れるために、焦らず、無理をせず、必要なものだけを丁寧に積み重ねていけますように。
どんなときも、「うちの子らしい受験だったね」と言える日が来るように、心から応援しております。