シリウスとスネイプの因縁って何があったの?
学生時代からの”始まり”がずっと尾を引いてる
シリウス・ブラックとセブルス・スネイプ。この二人の間に流れるものは、ただの「嫌い合ってた」なんてもんじゃありませんでした。もっとドロドロしてて、根っこが深くて、心の奥をずっとえぐり続けるような、そういう因縁。
この因縁のスタート地点は、ホグワーツの学生時代。シリウスはマローダーズと呼ばれる4人組(ジェームズ、リーマス、ピーター)とつるんでいて、スネイプとは真逆の立場。スリザリンにいて、暗くて、孤独なスネイプは、グリフィンドールの人気者であるシリウスたちにとって格好の”遊び相手”だったんです。
だけど、そのいじめは笑って許せるようなものじゃなかった。
スネイプは何度も魔法で侮辱されたり、浮かされたり、ひどく扱われてきた。しかもその仕掛け人はシリウスとジェームズ。これは単なるいたずらじゃなくて、名誉や心に深い傷を残すようなもの。
そして決定的だったのが、「あの事件」。
人を殺しかけた”悪ふざけ”と呼べない罠
シリウスがスネイプに「暴れ柳の下に行ってみろ」って唆した件、覚えていますか? それ、普通にリーマスが狼男になる瞬間をスネイプに見せようとした、いわば殺人未遂レベルのいたずら。結果的にジェームズがギリギリで止めたけど、あれがスネイプにとっての「一線を超えた瞬間」だったのは間違いない。
彼にとっては、「命を狙われた」という記憶です。シリウスたちにとっては「やりすぎちゃった」くらいのことかもしれないけど、スネイプの中では、許されない裏切りとして刻まれた。
しかも、ダンブルドアによって口止めされ、その怒りを表に出すことすら許されなかった。心の中で何度も何度も、あの夜のことを反芻したはずです。
それでも大人になっても、何一つ変わらなかった
時が流れても、あのときの因縁は消えませんでした。むしろ悪化しました。シリウスはアズカバンに投獄され、無実と分かってもなお、世間からは嫌われ者。スネイプはダンブルドアの信用を得て教授になったけど、内面ではずっと闇を抱えたまま。
そんな中で、ふたりは再会します。ハリー・ポッターをめぐって。
スネイプにとって、ハリーは憎きジェームズの生き写し。でも、シリウスにとってハリーは「親友の忘れ形見」。それぞれの思いがあって、でも全然交わらない。そのせいで、ふたりは顔を合わせれば言い争い、信頼なんて一度も築けなかった。
ダンブルドアの言う「共通の目的」はあっても、心はバラバラ。二人が和解することは、ついに一度もなかった。
作者はなぜこんなに根深い対立を書いたのか?
「正義の味方」だけじゃ、人は動かないという現実
J.K.ローリングがこの二人に込めた意図、それは「敵味方で分けきれない人間のリアル」だと思います。シリウスもスネイプも、どっちも“正しい”とは言えません。だけど、どっちも“悪”でもない。
シリウスは仲間想いで勇敢だけど、思いやりや反省はあまりなかった。スネイプは冷たくて偏屈だけど、リリーへの一途な愛や、後の命がけのスパイ活動を見ると、彼の中にも「正義」がある。
作者はたぶん、「人の中には両方ある」っていうのを伝えたかったんじゃないでしょうか。白と黒で分けるのってすごく簡単だけど、現実の人間関係ってそうじゃない。だからこの因縁も、「どっちが悪い」で片付けられないように描いた。
仲直りしないことも、ひとつのリアル
大人になっても仲直りできない人、いますよね。人生で「和解」がないまま終わることって、実はたくさんある。ローリングは、そこに嘘をつかなかった。シリウスとスネイプを最後まで「仲直りさせない」ことで、人間関係の本当の難しさを描ききった。
しかも、スネイプの心の中にあったリリーへの愛も、シリウスの中にあったジェームズへの想いも、どちらも一生消えなかった。だからこそ、互いがどうしても許せなかった。思い出すたびに傷が開く。そんな関係だったと思います。

