スネイプとリリーって結局どういう関係だったの?

スネイプとリリーって結局どういう関係だったの?

幼なじみから始まった、たったひとつの優しさ

スネイプとリリー・エバンズの関係は、「友情」と「片思い」が入り混じった複雑な感情の歴史です。物語のすべてが明かされたのは、スネイプの死後でした。彼が人生のほぼすべてをかけて守り続けたのが、リリーの息子であるハリーだったという真実。この一連の流れは、原作最終巻『死の秘宝』の後半で明かされる「プリンスの物語」で明らかになります。

スネイプは、ホグワーツ入学前からリリーと出会い、魔法の素質を見抜いたことがきっかけで彼女との友情が始まりました。家庭環境に恵まれなかったスネイプにとって、明るく思いやり深いリリーはまるで光のような存在だったのです。

しかし、スリザリンに入ったスネイプと、グリフィンドールに入ったリリーの間には、次第に溝が生まれていきます。スネイプがダークアーツに惹かれ、死喰い人の仲間とつるむようになってしまったことが最大の原因です。特に、リリーを「マグル生まれ」と蔑んでしまった“あの一言”が、決定的な別れを生みました。

それでも一生、リリーだけを愛し続けたスネイプ

彼の愛は、実際には「恋」という言葉よりも「執着」に近いものだったかもしれません。ですが、作品中でこれほど一貫して誰か一人のことを想い続ける人物は他にいません。リリーがジェームズと結婚しても、ハリーが生まれても、そしてリリーが亡くなっても、スネイプの愛は止まりませんでした。

最も衝撃的だったのは、リリーがヴォルデモートに殺されると知ったスネイプが、ダンブルドアに懇願した場面です。敵であったはずのダンブルドアと手を組んだ動機はただ一つ、リリーの息子を守るため。それがどれほど苦しく矛盾に満ちた人生だったか、思い出すたびに胸が痛くなるほどです。

ハリーに対するあの厳しさの裏側には…

スネイプのハリーに対する冷たさも、実は“リリーを奪ったジェームズ”に似すぎていたからこその葛藤だったのでしょう。憎しみと愛が混在していたため、素直になれなかったのです。ハリー自身もずっとスネイプを敵視していましたが、真実を知ったとき、彼の名を自分の子に継がせるほど敬意を抱きます。

映画では、スネイプの「Always(いつも)」というセリフが象徴的に使われています。リリーの死後もずっと彼女を愛していたという一言に、多くの人が涙しました。原作ではこの言葉は短いながらも、とても深く、重い意味を持っているのです。

『呪いの子』に見るスネイプの別の可能性

『呪いの子』では、もう一つの可能性として「ハリーが死んだままヴォルデモートが支配した世界」が描かれます。そこでもスネイプは生きていて、オルタナティブな世界でもやはり反乱軍の一員として戦っています。そして何より重要なのは、そこでもリリーを想う姿勢は変わっていない点です。

現実世界とは違ってリリーが死んだあとに“平穏な日常”が続くことはありませんが、それでも彼は立ち上がり、正しいと思うことを貫こうとしています。これはスネイプの「愛の力」がリリーの死を超えても揺るがなかった証です。

J.K.ローリングがこの関係に込めた想い

作者のJ.K.ローリングは、スネイプについて「善人でもなければ悪人でもない」と語っています。彼の行動には間違いや過ちが多く含まれていましたが、愛によって導かれていた部分も大きい。スネイプというキャラクターは、人間の矛盾や複雑さを表すために描かれた象徴的な存在です。

リリーとの関係もまた、「失われたけれど消えなかった愛」を通して、人がどう生き、どう償い、どう誠実であろうとするかを表現する大きなテーマでした。愛は人を変える。それも、死んでなお、生きている人を動かし続けるほどの力で。

スネイプが死喰い人をやめたのはリリーのためだけ?

リリーの死がすべてのきっかけ、でもそれだけじゃない

スネイプが死喰い人をやめた理由として、よく言われるのは「リリー・エバンズが殺されたから」という説明です。実際にその通りです。リリーの命がヴォルデモートによって奪われた瞬間、スネイプはすべての価値観が壊れてしまったのです。

彼はリリーを守るために、ヴォルデモートのもとで情報を流しながらも、裏でダンブルドアに協力していました。しかし結果としてリリーを守りきれなかった。その痛みが、スネイプの人生を完全に変えたのです。

でも、リリーの死だけがきっかけではありません。スネイプの中にはもっと深い後悔と、もっと広い動機がありました。それは「自分が本当にいたい場所はどこなのか」「自分の力を何に使うべきか」に気づいたことでした。

ダークアーツへの憧れは「力を得たい」気持ちの裏返し

スネイプが若いころ、死喰い人に憧れたのは「力がほしい」という思いが強かったからです。家庭では父親に抑えられ、ホグワーツでもいじめを受け、自分の力を証明するには「恐れられる存在」になるしかないと思ってしまったのです。

死喰い人の中には、そんな“孤独な天才”を受け入れる空気がありました。純血主義や残酷な魔法にも惹かれてしまったのは、弱い自分を隠すためだったのです。でも、リリーがその世界に嫌悪感を示し、はっきり拒んだことで、スネイプも自分の選んだ道に疑問を持ち始めました。

本当は誰かを傷つけたいわけじゃない。誰かに必要とされたいだけだった。そんな思いが、リリーの死をきっかけに爆発してしまったのです。

ダンブルドアとの出会いで、スネイプは初めて“許される”体験をした

リリーの死後、スネイプは絶望のなかでダンブルドアを訪れます。この時、スネイプは決して“謝るため”に行ったわけではありません。“償いたい”という気持ちが先にありました。

ダンブルドアはスネイプを責めることはしませんでした。冷静に、でも確かに彼の痛みを受け止めたのです。スネイプが「私のせいで彼女が死んだ」と言ったとき、ダンブルドアは「では、その息子を守りなさい」と答えました。

このやり取りが、スネイプの人生を変えました。リリーへの償いを通して、自分の過去と向き合い、誰かのために生きることを選んだのです。この瞬間、スネイプは死喰い人という「奪う側」の立場から、「守る側」へと静かに移動しました。

本当に守りたかったのは、リリーの“意思”だったのかもしれない

スネイプはハリー・ポッターのことを、ずっと嫌っていたように見えます。でも、その裏では、ハリーに手を出す者を容赦なく排除していました。ヴォルデモートにも逆らい、ダンブルドアの命令にも逆らうほど、ハリーの安全を守っていたのです。

これは「リリーのため」だけではありません。リリーが守ろうとしたもの、愛したもの、信じたもの。その“全部”を、自分も守りたかった。そうしないと、自分自身が壊れてしまうと知っていたからです。

そして、物語の終盤、スネイプはついにすべてを明かします。「Always(いつも)」という一言に、すべてが詰まっていました。彼の愛は消えていなかったし、自分の人生そのものを変えるだけの力があったのです。

 

This website stores cookies on your computer. These cookies are used to provide a more personalized experience and to track your whereabouts around our website in compliance with the European General Data Protection Regulation. If you decide to to opt-out of any future tracking, a cookie will be setup in your browser to remember this choice for one year.

Accept or Deny