ホグワーツ学期の始まりや終わりってどうなってるの?
はじまり:全部がはじめてで、全部がドキドキ
9月1日、キングズ・クロス駅でハリーが9と3/4番線の存在を知らずに困っているところに、ウィーズリー一家が現れる。ここで「壁に向かって突っ込む」という最初の魔法的体験を通じて、「現実から魔法界への切り替え」が描かれる。
汽車の中ではロンとの出会い、ハーマイオニーとのぶつかり合い、ドラコとの確執…いきなり色々な人間関係が生まれていく。その流れで、ホグワーツに到着すると「組み分け帽子」によって生徒が各寮に振り分けられる儀式が行われる。
この一連の流れは、まるで「魔法の世界に迎え入れられる洗礼式」みたい。初めて魔法を学ぶ人間が、自分の居場所を見つけていく儀式的な演出が徹底されていて、まさに「旅の始まり」にふさわしい空気感。
作者はこの「初登校」の場面で、子ども読者にとっても「自分もホグワーツに入学したみたい」って思わせる導入を意図していたと思う。汽車、食堂、ローブ、呪文、杖、組み分け、全部が読者の想像をかき立てる設計。
おわり:グリフィンドールの大逆転、友情と誇り
1年目の終わりは、グリフィンドールが最後の最後で寮杯を勝ち取るという大逆転で終わる。ここがポイントなのは、「学力」や「成績」ではなく、「勇気ある行動」に対して評価が与えられたというところ。
ハリー、ロン、ハーマイオニー、そしてネビルの4人に点数が与えられ、スリザリンの長年の勝利を覆す。この場面はただの「勝ち負け」の話じゃない。「友情と正しさが報われる」ことの象徴として描かれている。
そして帰りの汽車では、「ダドリーのことを魔法で驚かせたいな」と話すハリーが描かれる。このセリフの裏には、「もう自分は前の自分じゃない」という成長の証がある。
ローリングはここで、「学校での1年が人生をどう変えるか」をさりげなく示している。始まりは不安と好奇心、終わりは誇りと自信。成長の1サイクルを、すでにこの1年目で形にしているのがすごい。
【2年目】秘密の部屋と恐怖、でも強くなる
はじまり:知らないうちに敵をつくるって、しんどい
2年目の始まりはちょっと不穏。ドビーの登場からして、「戻っちゃいけない」という忠告で不安にさせられる。しかもキングズ・クロス駅に入れず、ロンと車で空を飛ぶという波乱の幕開け。
この時点で「ホグワーツは安全じゃないかも」という空気ができてる。でも同時に、空飛ぶ車や暴れる木との衝突など、魔法世界の危うさと楽しさが同時に描かれる。
生徒たちはすでに去年の経験を経て、「魔法の世界での自分の位置」を意識している。ハリーは「パーセルマウス(蛇語を話せる)」であることが知られ、一気に周囲から距離を置かれる。始まりの季節なのに、「孤立」のテーマが混じってるのが特徴。
おわり:トム・リドルとの対決、そして「選ばれた寮」の意味
終わりでは、ハリーがバジリスクを倒し、ジニーを救い、トム・リドルの記憶と戦う。これによって「スリザリンの継承者」ではないことが証明され、ホグワーツ内での信頼も戻る。
でもそれ以上に大きいのは、ダンブルドアがハリーに「自分の選択が自分を形づくる」と言ってくれたこと。「どの寮に入ったか」ではなく、「なぜその寮を選んだのか」が大事だというメッセージ。
この「選択」がテーマになることで、ホグワーツでの学年が単なる成績や戦いではなく、「自分自身との向き合い」だと伝えている。

