トンクスとルーピンって、いつ恋人になってたの?

トンクスとルーピンって、いつ恋人になってたの?

小説には「はっきり書いてない」…だからこそ気になる

ハリー・ポッターの本編を読んでいた人なら、こう思ったことがあるかもしれません。「あれ?トンクスとルーピンって、いつ付き合ってたの?」と。シリーズを通してふたりの恋の描写はとても控えめで、いきなり交際していたり、いきなり結婚していたり、読者が心の準備をする前に話が進んでいる印象があります。

その理由ははっきりしています。作者のJ.K.ローリングは、このふたりを“背景のカップル”として描くことに決めていたからです。トンクスとルーピンの関係は、ハリーの物語に直接大きな影響を与えるものではなく、むしろ「戦争のなかで芽生える不器用で複雑な愛」の象徴として使われています。ふたりがどうやって惹かれ合ったのか、その過程は明かされません。でも、実は作中に“気づけるヒント”はちゃんと残されています。


ふたりの出会い:原作『不死鳥の騎士団』から始まっていた

最初の出会いは『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』(第5巻)。トンクスがオーダー・オブ・フェニックス(不死鳥の騎士団)の一員としてルーピンとともに登場します。その時点ではまだ恋愛感情の描写は一切ありません。でも、トンクスの明るく自由な性格と、ルーピンの真面目で自分に自信がない性格は、すでに“正反対の魅力”として描かれていたんです。

彼女は変身術に長けていて、髪の色を自由自在に変えられるメタモルフォマグス。いつもふざけているようで、でも死喰い人との戦いには真剣な覚悟を持っている。一方ルーピンは、過去に受けた差別と自己嫌悪をずっと抱えながら、それでも前線に立ち続ける強さを持つ人。ふたりの出会いは、戦争のなかでの仲間という立場が最初でした。でもその“緊張と信頼”の中で、静かに愛が育っていたように感じられます。


6巻での変化:トンクスの“変身できない髪”に込められた想い

『ハリー・ポッターと謎のプリンス』(第6巻)では、トンクスの姿が明らかに変わっています。彼女の代名詞だったピンクの髪が見られず、常に暗い顔つき。そしてルーピンに近づこうとするたびに、彼がそれをはねのける様子も描かれます。

ここで読者はやっと、「あ、彼女はルーピンに恋をしてるんだ」と気づきます。でもルーピンはそれを受け入れません。理由はただ一つ。「自分にはふさわしくない」と思っているからです。自分が狼人間であること、年齢差があること、トンクスを危険に巻き込むことへの強い罪悪感が彼を押しとどめていた。これは“愛しているからこそ遠ざける”という、ものすごく切ない恋の形です。

そして、それを示すのがトンクスの変身能力が弱まっていたこと。彼女の能力は感情に大きく影響されるため、失恋のショックで自由に変身できなくなっていたんです。あの鮮やかな髪色を失ったトンクスは、心の傷を全身で表現していたといえます。


7巻でようやくの告白:戦争の中で生まれた“あきらめない愛”

『ハリー・ポッターと死の秘宝』(第7巻)でふたりは結婚していたことが明らかになります。恋人になったときの描写はありません。でも、“戦争の直前に駆け込むように結ばれた”ことだけは確か。トンクスはルーピンの罪悪感を何度も打ち破って、ついに彼の心を開かせたのです。

でも、幸せは長く続きませんでした。子ども(テディ)が生まれて間もなく、ふたりとも戦死します。トンクスはルーピンを追いかけるようにしてホグワーツの最終決戦に向かい、最後まで彼のそばにいた。

これが「戦争がふたりから時間を奪ってしまった」という最も悲しい形の愛です。ローリングはふたりの死について「彼らの死は、オリジナルの父母(ジェームズとリリー)と同じように、次の世代に希望を託す象徴」だと語っています。


映画では、もっと短く・もっと急に

映画では、ふたりの関係はさらにぼんやりと描かれています。とくに6作目では、原作にあった“トンクスの変化”や“ルーピンの葛藤”がほとんど削られていて、唐突にふたりが手をつないでいたり、夫婦になっていたりします。

ただ、これは映画という時間の制限がある媒体ではやむをえなかったことで、代わりに**「戦時下のすべての人々が愛を急ぐしかなかった」**という雰囲気が、空気として伝わってきます。言葉ではなく“間”や“目線”で見せるやり方ですね。


呪いの子ではどうなっていた?

『ハリー・ポッターと呪いの子』では、トンクスとルーピンのことはほとんど描かれません。でも彼らの息子、テディ・ルーピンが存在していることで、ふたりの愛は“結果として残された”という形で物語に生きています。テディはハリーたちにとって「戦友の遺児」として大切に育てられており、物語の“次の世代”が希望をつなぐ象徴でもあります。

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