「勇断を下す」意味は?言い換えは?ビジネスでも使える?失礼ではない使い方例文
「勇断を下す」とは、困難な状況や判断が分かれる場面で、周囲の反対や不安を押し切りながらも、責任を持って思い切った決断をすることを意味します。「勇気ある決断」や「断固たる判断」といった意味合いを持ち、慎重さを欠く無謀な決定ではなく、考え抜いた末に下される強い意志をともなう判断であることが特徴です。この言葉には、冷静さ、責任感、そして時には自己犠牲の精神さえ含まれており、単に即断即決するという軽率な印象とは一線を画します。
英語でこの意味に近い言い回しとしては “make a bold decision” や “show courageous judgment” があります。状況によっては “take decisive action” や “make a brave call” と訳されることもありますが、日本語の「勇断」は内面の強い決意に重点があるため、ニュアンスの微妙な違いにも注意が必要です。特に組織内でリーダーシップを発揮する際に使われることが多く、「誰も決断できない局面で、自ら責任を引き受ける」という重さを伴います。そのため、「勇断を下す」という言葉は単なる決定というよりも、時には人生を左右するような重い選択に用いられることが多いです。
「勇断を下す」の一般的な使い方と英語で言うと
・プロジェクトが難航し、多くのメンバーが不安を抱えている中で、リーダーがあえて新しい方向に舵を切るという勇断を下した。
(He made a bold decision to change the direction of the project despite everyone’s uncertainty.)
・予算の都合で開発を中止する案もあったが、社長が製品の可能性を信じて開発を継続するという勇断を下した。
(The president made a courageous judgment to continue development, trusting in the product’s potential despite budget constraints.)
・緊急時に、誰も判断を下せなかったが、責任者が即座に避難指示を出すという勇断を下して多くの命を救った。
(The person in charge took decisive action by ordering an immediate evacuation, saving many lives.)
・進学か就職か迷っていたが、彼は夢を追い海外に留学するという勇断を下した。
(He made a brave decision to study abroad, choosing to follow his dream over a secure job.)
・長年務めた職を辞し、新たな挑戦に踏み出すという勇断を下すには相当な覚悟が必要だった。
(It took immense resolve to make the bold decision to leave his long-term job and start a new challenge.)
似ている表現
- 思い切った決断をする
- 決断力を示す
- 一世一代の決断
- 腹をくくる
- 背水の陣で挑む
「勇断を下す」のビジネスで使用する場面の例文と英語
ビジネスにおいて「勇断を下す」は、リスクがある選択肢を自らの責任で選び取る場面で使用されます。たとえば、新規事業への投資、トラブル発生時の対応方針の決定、長年の取引先との契約見直しなど、簡単には決められない内容に対して、リーダーや決裁者が断固たる意志を示すことを表現する際に適しています。
・市場調査の結果をふまえ、長期的な利益を見据えて新規事業への参入という勇断を下しました。
(After reviewing the market research, we made a bold decision to enter a new business field with long-term profits in mind.)
・品質問題の再発防止を第一に考え、今後のすべての製品を全面的に再検査するという勇断を下しました。
(Putting quality first, we made the courageous judgment to re-inspect all future products thoroughly.)
・赤字が続く中で事業撤退を選ぶという勇断を下したのは、従業員と企業の将来を考えてのことでした。
(The decision to withdraw from the business, though bold, was made with the future of our employees and company in mind.)
・人員削減の代わりに社内教育制度の拡充に投資するという勇断を下しました。
(We chose to invest in internal training programs instead of downsizing, showing decisive leadership.)
・取引先の不正が判明し、信頼を重視して契約を解除するという勇断を下しました。
(Upon discovering fraud, we made the brave call to terminate the contract, valuing trust over continuity.)
「勇断を下す」は目上の方にそのまま使ってよい?
「勇断を下す」は非常に力強い言い回しであり、目上の方に使う場合には注意が必要です。尊敬語や謙譲語が含まれていないため、そのまま使用すると、無意識のうちに相手に対して命令的、あるいは評価的に聞こえる可能性があります。特に取引先や上司など、敬意を払うべき相手に対しては、慎重な言い回しが求められます。たとえば、「〜というご決断をされたことに敬意を表します」のように、相手の立場を立てる表現に置き換えると、誤解を避けることができます。
・「勇断を下す」という言い方は、自己または同僚について述べる場合に限るのが無難です。
・目上の方には、「ご英断」「ご判断」「ご決定」などに言い換えるのが望ましいです。
・相手の判断に対して評価を加える場合には、謙虚な敬意を込めて言い添えるべきです。
・使う際には、「さすがでございます」「深く感銘を受けました」などの補足を添えると丁寧さが伝わります。
・文脈によっては直接の使用を避け、間接的に意思を伝える形が好まれます。
「勇断を下す」の失礼がない言い換え
・このたびのご決断に深い敬意を抱いております。今後のご発展を心よりお祈り申し上げます。
・ご判断の迅速さと的確さに、改めて敬意を表する次第でございます。
・ご決定の内容を拝見し、御社の理念と覚悟の強さを感じ取りました。
・このような困難な状況下でのご判断に、ただただ感服しております。
・御社の将来を見据えたご判断に、心より賛同いたします。引き続きよろしくお願い申し上げます。
適した書き出しの挨拶と締めの挨拶は?
書き出しをそのまま使用
・先日は大変お忙しい中にも関わらず、貴重なお時間を頂戴し誠にありがとうございました。
・このたびのご判断について、御社の誠実な姿勢に深く感銘を受けました。
・平素より格別のご高配を賜り、心より感謝申し上げます。
・先日のご説明により、御社の未来への展望に対して理解が一層深まりました。
・厳しい状況の中でのご決定について、改めてご説明を頂き、誠にありがとうございました。
締めの挨拶をそのまま使用
・今後とも変わらぬご指導とご鞭撻を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
・引き続き、ご厚情を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。
・貴重なお時間を割いてご対応いただき、誠にありがとうございました。
・何かご不明な点がございましたら、どうぞご遠慮なくお申し付けください。
・今後とも末永いお付き合いを賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
注意する状況・場面は?
「勇断を下す」という言葉は、その意味の強さから使う場面を慎重に選ばなければなりません。特に相手に不快感を与えてしまう恐れがあるのは、以下のような場面です。一つは、本人が望んでいない判断を「勇断」と表現してしまう場合です。たとえば、経営上のリストラや苦渋の決定を「勇断」と称してしまうと、当事者にとっては無神経に感じることがあります。また、判断に対して個人的な評価を添えてしまうことで、「上から目線」と捉えられることもあります。さらに、部下の決定に対して「勇断を下したね」と言うと、場合によっては皮肉にも聞こえてしまうため注意が必要です。言葉の選び方とタイミング、そして相手との関係性により、同じ言葉でも大きく印象が変わります。
・相手の失敗を「勇断」として美化しないこと
・結果が出ていない段階で「勇断」と持ち上げるのは避ける
・本人が明言していない決断を勝手に「勇断」と言わない
・部下に対して使うと上から目線に捉えられやすい
・退職や異動など、複雑な事情が絡む場面では使用を控える
細心の注意払った言い方
・このたびのご決断につきまして、様々な角度からご検討を重ねられた末のご判断であることと拝察しております。
・困難な局面においても常に冷静にご対応されるご姿勢に、深く敬意を表する次第でございます。
・御社のご方針に従い、私どもも最大限の努力をもってお手伝いさせていただく所存です。
・このような状況において、貴社の迅速なご判断がもたらした効果の大きさを改めて実感しております。
・さまざまなご事情を総合的に勘案された上でのご決定と存じます。今後の成功を心より祈念申し上げます。
「勇断を下す」のまとめ・注意点
「勇断を下す」という言葉は、重大な判断を下す際の強い決意や責任感を伝える言葉として非常に有効です。しかし、相手や場面によってはその力強さが不適切と受け取られることもあります。特に、目上の方や外部の関係者に使う際は、敬意と慎重さをもって言葉を選ぶことが大切です。また、「勇断」という言葉には必ずしもポジティブな意味合いだけでなく、時には切羽詰まった判断や苦渋の選択というニュアンスも含まれているため、結果や背景を理解した上での使用が求められます。日常会話や社内でのやり取りにおいては活用しやすい言葉ですが、公式な文章やビジネスメールでは、適切な敬語表現に置き換えることでより丁寧な印象を与えることができます。言葉の重さをよく理解し、場面に応じた配慮ある使用を心がけましょう。

