「目もくれない」意味は?言い換えは?ビジネスでも使える?失礼ではない使い方例文
「目もくれない」という言葉は、人や物事に対してまったく関心を示さない、全く注意を払わないという意味を持つ慣用句です。文字通り「目を向けない」、つまり視線すら向けずに完全に無視するような態度を示す表現です。これは、人間関係や日常の様々な場面で、誰かの行動や存在が他者に全く気にされていない、相手にされていないことを示す際に用いられます。また、恋愛関係、職場でのやり取り、あるいは競争や評価の場など、多様な状況でこの言葉が使われることがあります。
英語では “not give a glance” や “pay no attention” または “completely ignore” といった表現で訳されることが多いです。特に “didn’t even spare a glance” や “turned a blind eye” のような言い回しも状況によっては対応しています。
たとえば、「彼は私のことなど目もくれなかった」という文を英訳すると、「He didn’t even spare me a glance.」や「He paid me no attention at all.」となります。これらは、相手が完全に自分を無視していた、もしくは無関心だったというニュアンスを的確に伝えます。
この表現は、単に物理的に視線を向けなかったという意味以上に、心情的な距離や冷たさ、無関心さを強調するものとして、非常に印象的に使われます。したがって、会話や文章で用いるときは、その背景にある人間関係や感情の動きに十分注意を払う必要があります。使用する際には、その場の空気や相手の感情を敏感に読み取ることが求められます。
「目もくれない」の一般的な使い方
・駅で困っていた高齢の方がいたのに、多くの人が目もくれないまま素通りしてしまったのを見て、なんとも言えない気持ちになりました。
He saw an elderly person struggling at the station, but most people passed by without even glancing at them, which left him feeling deeply unsettled.
・彼女はずっと彼に想いを寄せていたが、彼は彼女に目もくれず、別の女性とばかり話していた。
She had always had feelings for him, but he completely ignored her and only ever talked to another woman.
・新しい提案を出したが、上司は目もくれず、すぐに却下されてしまったのが悔しかったです。
I presented a new idea, but my boss didn’t even look at it and rejected it immediately, which was frustrating.
・彼は高価なブランドバッグには目もくれず、質素なものばかり選んでいて好感が持てました。
He showed no interest in expensive brand-name bags and instead chose simple items, which made a good impression.
・道端で倒れていた人がいたのに、通行人は誰一人として目もくれないように見えたのが怖かったです。
It was frightening to see someone collapsed on the street while passersby didn’t seem to give them a single glance.
似ている表現
・無視する
・関心を持たない
・気にも留めない
・目にも留めない
・見向きもしない
「目もくれない」のビジネスで使用する場面の例文と英語
この言葉はビジネスの中でも、無関心や評価されない、あるいは対応されないというニュアンスを強調したい場面で使用されます。例えば、提案や資料を提出したのに上司や取引先が全く反応しなかった、プレゼン中に聞く耳を持たなかったなどの状況です。ただし、少々強い表現のため、書き方や伝え方には注意が必要です。
・新企画について詳細にまとめたが、先方は目もくれず、旧案のまま進めることを決定したようです。
I prepared a detailed proposal for the new project, but the client didn’t pay it any attention and decided to proceed with the old plan.
・報告書を提出したものの、目もくれないような態度で非常に残念でした。
Although I submitted the report, it was disappointing to see it completely ignored.
・意見を出しても、部長はいつも目もくれない様子で、改善の余地があると感じています。
Even when suggestions are made, the manager never seems to pay attention, which shows there is room for improvement.
・お客様のご要望をお伝えしたが、開発側は目もくれず対応されなかった点が課題でした。
We conveyed the customer’s requests, but the development team paid no attention to them, which became an issue.
・競合の新製品について社内で話し合ったが、上層部は目もくれない態度で、市場の変化に鈍感になっていると感じました。
Although we discussed the competitor’s new product internally, upper management showed no interest, making us feel they are out of touch with market changes.
「目もくれない」は目上の方にそのまま使ってよい?
「目もくれない」は非常に感情的な言い方であり、目上の方や取引先との会話や文章の中でそのまま使うことは避けた方が良い表現です。直接的な無関心や冷淡さを強調する言い方のため、相手に対して失礼や不快感を与える恐れがあります。たとえば、上司が自分の意見を取り合わなかったときに「上司は目もくれませんでした」と言うと、非難しているような印象を与えてしまいます。
敬語を使っていても、この言葉そのものに持つ強い印象が消えることはありません。代わりに「目を通していただけなかった」「関心をお持ちでないご様子だった」など、柔らかい言い換えを用いるのが望ましいです。また、相手の意図や状況に配慮しながら伝える姿勢も重要です。
・直接的すぎて、相手に不快感を与えることがある
・目上や取引先への批判のように受け取られやすい
・ビジネスメールでは冷たさが強調されるため避けるべき
・感情的な表現になりやすく、場の空気を悪くする危険がある
・丁寧に伝えるためには、別の言い回しを使うことが望ましい
「目もくれない」の失礼がない言い換え
・先日ご提案させていただいた内容につきましては、まだご確認いただけていないようでしたので、改めてご連絡いたしました。
・以前お送りいたしました資料に関しまして、何かご不明点などございましたらお気軽にお申し付けくださいませ。
・お忙しい中とは存じますが、先日のご提案についてご関心をお持ちいただけると幸いでございます。
・先日ご紹介した案件に関しまして、再度ご確認いただく機会をいただければと存じます。
・ご多用のところ恐縮ですが、前回お伝えした内容についてのご意見を頂戴できましたら幸いです。
適した書き出しの挨拶と締めの挨拶は?
書き出しをそのまま使用
・日頃より大変お世話になっておりますが、先日お届けいたしました資料について再度ご案内させていただきます。
・いつも格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。先日ご案内申し上げた内容について、改めてご連絡いたしました。
・平素より大変お世話になっております。ご多忙の折とは存じますが、先日ご提案いたしました件に関してのご確認をお願い申し上げます。
・毎々ご丁寧なご対応をいただき、心より感謝申し上げます。以前お送りしました内容について再度ご検討いただければと存じます。
・いつも迅速なご対応を賜り、誠にありがとうございます。お時間を頂戴して恐縮ですが、先日ご案内した件につきまして再度ご案内申し上げます。
締めの挨拶をそのまま使用
・何卒ご確認のほど、よろしくお願い申し上げますとともに、ご意見を頂戴できますと幸甚に存じます。
・ご多用の中恐縮ではございますが、ご検討いただけますと誠にありがたく存じます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
・ご確認のうえ、ご指導ご鞭撻を賜れますよう、心よりお願い申し上げます。
・本件につきまして何かご不明な点等ございましたら、お気軽にご連絡いただけますと幸いです。今後ともよろしくお願いいたします。
・以上、何卒よろしくお願い申し上げますとともに、引き続きのご支援を賜れますようお願い申し上げます。
使用してはいけない場面・相手に不快感を与えるかもしれない伝え方
「目もくれない」という言い方は、相手が無関心で冷たい態度を取ったという強い印象を与えるため、注意深く使うべき言葉です。とくにビジネスのやり取りや、目上の人に対して使うと、感情的すぎる、攻撃的、あるいは皮肉に聞こえてしまうことがあります。相手に悪意がなかった場合でも、こちらが「無視された」と解釈してしまうと、誤解や対立を生む原因になります。
また、たとえば相手が忙しくて対応できなかっただけなのに「目もくれない」と言ってしまうと、非難されたと感じる可能性があります。このように、背景や事情を考慮せずに使うことで、コミュニケーションの信頼関係を損ねることにもつながります。
・上司や役員に対して、自分の提案が「目もくれなかった」と表現する
・取引先が連絡に返答しなかったことを「目もくれない」と言い表す
・顧客が他社に関心を示した際に「うちには目もくれなかった」と言う
・同僚が意見を採用しなかった際に使うことで対立を生む
・感情的になって使うことで、自分の評価を下げる恐れがある
細心の注意払った言い方
・先日ご提案させていただいた件について、ご多忙の中とは存じますが、改めてご検討いただけましたら幸いです。
・お忙しいところ恐縮ですが、以前ご提示させていただいた内容について、再度ご確認いただけますと幸いに存じます。
・お手数をおかけして申し訳ございませんが、前回ご案内した事項につきまして、何卒ご一考いただければと存じます。
・ご確認の機会を頂戴できればと存じ、再度ご連絡を差し上げました。どうぞよろしくお願い申し上げます。
・貴重なお時間を頂戴し恐縮ですが、前回お届けした資料についてご意見をお聞かせいただけますとありがたく存じます。
「目もくれない」のまとめ・注意点
「目もくれない」という慣用句は、日常の中で誰かが他人や物事に全く関心を示さない様子を的確に表す強い言葉です。感情的なニュアンスが強く、人間関係の冷たさや断絶を印象づけることがあるため、使いどころには細心の注意が必要です。特にビジネスや目上の人に対するやり取りの中では、不用意にこの言葉を使うことで、意図しない誤解や不快感を招くリスクがあります。
言葉選び一つで、相手との信頼関係が大きく左右されるのが社会人としてのやり取りです。相手が関心を示さなかったことを責めるのではなく、相手の立場や状況に配慮しながら、丁寧に、冷静に言い換えて伝えることが求められます。ビジネスの場面では、主観を交えず客観的に伝える言葉を選ぶことが、誤解のない円滑なやり取りに繋がります。
このように、「目もくれない」は日常では便利でも、ビジネスや公の場では慎重な言い回しに置き換える必要があるという点を、常に念頭に置いて使用するべきです。

