パタハラって?聞いたことある?意味を詳しく知ろう
パタハラとは、男性が育児休業(育休)や時短勤務を申請・取得した際に、会社や上司、同僚から嫌がらせや不利益な扱いを受けることを指します。これは「パタニティー・ハラスメント(Paternity Harassment)」の略で、「パタニティー」は英語で「父性」を意味します。
本来、育児休業は法律で定められた労働者の権利であり、男性が取得するのも当然のことです。ですが、昔からの価値観が根強く残る職場では、「男は仕事、女は家庭」という固定観念が邪魔をして、育休を取る男性に対する偏見が今もなお続いています。
例えば、育休を申請したら「男が育休を取るなんて甘えるな」「仕事を投げ出す気か」と上司に言われたり、育休を取った後に「お前のせいでみんな大変だったんだぞ」と嫌味を言われることがあります。さらに、育休後に復帰したら仕事を与えられなくなったり、昇進の機会を奪われたりするケースもあります。
このような嫌がらせや不利益な扱いはパタハラと呼ばれ、決して許されるものではありません。会社がこれを放置してしまうと、育児と仕事を両立したい男性社員が萎縮し、育休を取得しづらい環境が続いてしまいます。
では、パタハラには具体的にどんなものがあるのか、もう少し詳しく見ていきましょう。
どんな嫌がらせがあるの?パタハラの具体的な事例
パタハラにはさまざまなパターンがあるけれど、大きく分けると「育休を取る前」「育休中」「育休後」の3つのタイミングで発生することが多いです。それぞれのケースを具体的に見ていこう。
育休を取る前に起こるパタハラ
- 「育休を取るなんてありえない」と拒否される
育休は法律で認められた権利なのに、「うちの会社でそんな前例はない」「男の育休は聞いたことがない」と一方的に拒否されるケースがある。本来なら、会社が拒否する権利はないのに、「みんなが迷惑するぞ」などと言われると、萎縮して諦めてしまう人も多い。 - 「育休を取ったら出世に響くぞ」と脅される
「お前、本当に育休なんて取るの?そんなことしてたら昇進は難しくなるぞ」「会社に貢献していない奴にボーナスは出せない」などとプレッシャーをかけられる。昇進や評価が気になる人ほど、こうした言葉で追い込まれてしまう。 - 「お前がいなくなったらみんな困る」と責められる
直属の上司や同僚から「今のタイミングで休まれたら、仕事が回らない」「お前が育休を取ったら、他の人がその分残業しないといけない」と言われ、まるで迷惑をかけているかのように扱われる。これが原因で、申し訳なくなって育休を諦める人もいる。
育休中に起こるパタハラ
- 「育休中なのに仕事しろ」と圧力をかけられる
「少しだけでいいから、メールの確認くらいできるよな?」「リモートで会議に参加してくれない?」などと、育休中にもかかわらず仕事をさせようとする会社がある。育休は「仕事を休んで育児に専念するための期間」なのに、会社が育休を取ることを理解していない。 - 育休中に突然「辞めろ」と言われる
「正直、育休を取るようなやつはこの会社には向いてないんじゃないか?」「長く休むくらいなら、もう退職したほうがいいんじゃない?」などと、辞職を迫られることも。これは完全に違法行為だけど、知識がないと会社の言いなりになってしまうこともある。
育休後に起こるパタハラ
- 復帰したら仕事を干される
育休から戻ったら「お前の仕事はもう別の人が担当してる」「今はやれる仕事がない」と言われ、まともな仕事を与えられないケースがある。「いなくても問題なかった」と言わんばかりの態度を取られると、精神的にかなり辛い。 - 昇進・昇給の対象から外される
「お前、長く休んでたから評価が難しいんだよね」「子育てするなら、責任のある仕事は任せられない」などと言われ、昇進の機会を失うことがある。明らかに不当な扱いなのに、「仕方ないか…」と諦めてしまう人も多い。 - 「育休を取ったせいでみんな大変だった」と嫌味を言われる
復帰した途端、「お前が休んでる間、大変だったんだからな」「休んだ分、取り返せよ」と嫌味を言われる。特に、長時間労働が当たり前の職場ほど、こうした発言が目立つ。
パタハラは、育休を取ろうとする段階から復帰後まで、さまざまな形で現れる。それが原因で、「育休を取りたいけど、職場の雰囲気が怖くて取れない」「育休を取ったことを後悔してしまう」という人もいるのが現実だ。
どうしてパタハラが起こるの?その原因を深掘りしてみよう
パタハラが起こる理由には、職場の環境や社会の価値観、人手不足など、いくつかの要因が絡み合っているんだ。単に「意地悪な上司がいるから」という問題じゃなく、もっと深いところに根本的な原因がある。一つひとつ見ていこう。
「男は仕事、女は育児」という古い考えが残っている
まず大きな原因として、日本には「男は仕事、女は家庭」という価値観が今でも根強く残っていることがある。
昔の日本では、「男性は外で働いてお金を稼ぐ、女性は家を守る」というのが一般的な考え方だった。でも、今は共働きが当たり前の時代。それなのに、職場では「育児は女性の仕事」という考えが根強く残っていて、男性が育休を取ることをおかしく思う人がいる
「男なのに育休を取るの?」
「育児は奥さんがやるものでしょ?」
「男が子育てのために仕事を休むなんて、甘えじゃない?」
こういう発言をする人がまだまだ多い。特に年配の上司や、昔ながらの企業文化が強い会社ほど、こういう考えが残りやすい。
「休まれると困る」という職場の事情
もう一つの大きな理由は、職場の人手不足や仕事の割り振りがうまくいっていないこと。
育休を取ると、当然のことながらその間は職場にいない。その分の仕事を誰かがカバーしなきゃいけないけど、そもそも人手が足りていない会社だと、残された社員の負担が大きくなる。
「お前が休んだ分、こっちは残業が増えたんだぞ」
「人が足りないのに休むなんて、どうかしてる」
こんなふうに言われると、育休を取りたい男性も気を使って「やっぱり取るのはやめようかな…」って思ってしまうよね。これは、本当は会社が人員の調整をしっかりやるべき問題なのに、個人の責任にされてしまうから起こるんだ。
会社が「男性の育休」に理解がない
企業の中には、「男性が育休を取るのは普通のこと」と考えている会社も増えてきているけど、まだまだそう思っていない会社も多い。
・そもそも男性社員の育休取得を想定していない
・「育休を取られると困る」と思っている
・「女性が育休を取るのは当たり前だけど、男性が取るのは特別なこと」と考えている
こういう会社では、育休を取ろうとする男性に対して圧力をかけたり、育休を取った人を冷遇するような雰囲気がある。
たとえば、
「男性社員の育休取得率を上げろと国から言われているけど、実際に取る人がいると困るんだよね」
みたいに、制度はあるのに実際に使おうとすると文句を言われる、みたいなケースもあるんだ。
「育休を取る=出世コースから外れる」という暗黙のルール
これもパタハラが起こる大きな理由の一つ。
日本の会社では、「長時間働ける人が評価される」という文化が今も残っている。
・遅くまで残業している人が「頑張っている」と評価される
・育休を取って「仕事より家庭を優先した人」は「やる気がない」とみなされる
・出世するのは「会社に貢献した人」、育休を取るのは「会社より家庭を優先した人」
こういう考え方があるせいで、育休を取ると「昇進に影響するんじゃないか?」と心配する男性社員が多いんだ。
実際、「育休を取ったら、それ以降重要な仕事を任されなくなった」「同期が次々に昇進する中、自分だけ置いていかれた」なんてケースもある。
これは会社の評価制度そのものが時代遅れになっていることが原因。でも、それが変わらない限り、男性社員は育休を取りづらいままなんだよね。
そもそも「パタハラ」自体が知られていない
最後に、そもそも「パタハラ」という言葉自体を知らない人も多い。
「セクハラ(セクシャルハラスメント)」や「パワハラ(パワーハラスメント)」は有名だけど、「パタハラ」という言葉はまだまだ広まっていないのが現実。
だから、上司や同僚も「自分の発言がパタハラだ」と気づかずに言ってしまうことがある。
「嫌がらせをしているつもりはなかった」と言われても、受ける側にとっては十分に嫌な気持ちになるし、職場の環境も悪くなる。
パタハラを防ぐには?会社や社会ができる対策を考えよう
パタハラが起こる原因を見てきたけれど、「じゃあ、どうしたらパタハラを防げるの?」というのが次に考えるべきことだよね。育休は法律で認められた権利なのに、それを理由に嫌がらせを受けるのはおかしい。でも、それをなくすためには、会社だけじゃなく、社会全体の意識を変えていく必要があるんだ。
ここでは、企業がやるべきこと・職場の環境を整える方法・社会の意識を変えるためにできることを詳しく考えてみよう。
企業がやるべきパタハラ対策
まずは、パタハラを防ぐために企業がしなければならないことを見ていこう。会社の対応次第で、パタハラが起こりにくくなるかどうかが決まるんだ。
- 「育休は権利である」と社内で明確に伝える
育休は労働者の権利。会社の許可がなくても取得できるものなんだ。
でも、上司がそれを知らないまま「許可しない」と言ったり、「男が育休を取るなんて」と否定的な発言をすることがある。
だから、企業はまず、育休のルールや法律を明確にし、社内でしっかり伝えることが大事。 - ハラスメント防止研修を実施する
会社で「パワハラ防止研修」をやっているところは増えてきたけど、「パタハラ」に関してはまだまだ研修が足りないところが多い。
上司や管理職向けに「男性の育休を妨害することはハラスメントになる」と理解させる研修を行うのが効果的。
「無意識にパタハラをしてしまうこともある」と知ることで、職場の雰囲気が変わるかもしれない。 - 育休を取る人が不利益を受けない仕組みをつくる
「育休を取ると昇進が遅れる」「評価が下がる」という問題をなくすために、企業は育休取得を理由に不利な評価をしないことを明確に決めるべき。
たとえば、「育休を取った人は、原則として復職後も同じポジション・給与を維持する」といったルールを作ることが大切。 - 育休を取りやすい職場の環境を整える
育休を取りやすくするには、職場の負担を軽減することも必要。
「育休を取ると、他の社員の負担が増える」という状況を防ぐために、チームで仕事を分担する仕組みを作ることがポイント。
「誰かが休んでも問題なく仕事が回る」という環境ができれば、育休を取りたい人も遠慮しなくて済む。 - 育休を取った人の事例を社内で共有する
「うちの会社では男性も育休を取れる」という空気を作るためには、実際に育休を取った人の事例を社内で共有するのが効果的。
育休取得者が、どんなふうに仕事と育児を両立しているのか、復帰後の働き方はどうなったのかを伝えることで、これから育休を考えている人も安心できる。
職場の環境を変えて、育休が取りやすい空気をつくる
企業の対策だけじゃなく、職場全体の空気を変えることも重要。
「育休を取る人がいて当たり前」「育児は男性も女性もするもの」という意識を持つことが大事なんだ。
- 育休を取ることが普通になるようにする
「育休を取る男性は特別」「勇気がいること」という雰囲気があると、取りづらくなるよね。
男性も育休を取るのが当たり前になるような職場環境を作ることが必要。
たとえば、「上司や管理職が率先して育休を取る」というのも効果的。上の立場の人が取れば、「自分も取っていいんだ」と思いやすくなるからね。 - 「みんなでカバーする」意識を持つ
育休を取る人がいると、「休んだ分の仕事を誰がやるの?」という問題が出てくる。
でも、それを「休む人が悪い」と考えるのではなく、「育休は誰でも取れるもの。お互いにカバーし合うのが当然」という意識を持つことが大事。
そうすれば、育休を取る人も「申し訳ない」と思わずに済むし、職場全体の雰囲気も良くなる。
社会全体の意識を変えていく
パタハラをなくすためには、社会全体の価値観も変えていかなければならない。
- 男性の育休取得をもっと広める
日本の男性の育休取得率は、まだまだ低い。
だからこそ、「育休を取る男性が増えている」「育休を取るのは普通のこと」ということをもっと広める必要がある。
企業の広告やテレビCMで「パパの育休」が取り上げられることが増えてきたけど、もっと日常的な話題にしていきたいよね。 - 法律をもっと厳しくする
日本にはすでに「育児・介護休業法」があるけど、パタハラをなくすために、さらに厳しく取り締まる仕組みが必要。
たとえば、「育休を取る男性に不利益を与えた企業には罰則を与える」などの仕組みを強化することも一つの手だよね。
まとめ
パタハラを防ぐためには、
・企業が育休制度をしっかり整備し、社内に周知すること
・職場全体で「育休を取るのは当たり前」という空気をつくること
・社会全体で「男性も育児をするのが普通」と認識すること
パタハラをなくせば会社の離職率が下がる!人材流出を防ぐためにできること
「パタハラがある会社」と「パタハラがない会社」、どちらの会社で働きたい?
もしあなたが育児をする立場になったとき、「育休を取るのが当たり前の職場」と「育休を取ったら嫌がらせを受ける職場」、どちらを選ぶだろうか?
多くの人は、「働きやすい職場」「育児と仕事を両立しやすい職場」を求めるはず。でも、現実にはパタハラが原因で、「育児と仕事の両立が難しい」と感じて会社を辞めてしまう人が後を絶たない。
今回は、「パタハラを防ぐことで優秀な人材の流出を防ぐことができる」という視点で、企業が取り組むべきポイントについて詳しく考えていこう。
どうしてパタハラが人材流出につながるの?
パタハラがある会社では、育児と仕事の両立をしたい男性社員が働きにくくなり、最終的に辞めることを選んでしまうことが多い。
具体的にどんな理由で人が辞めていくのか、詳しく見ていこう。
1. 育休を取りたくても取れない職場の雰囲気
「育休を取りたいけど、会社の雰囲気的に無理…」と感じた男性社員は、どうすると思う?
多くの場合、「このままでは育児と仕事の両立ができない」と考えて、より柔軟な働き方ができる会社に転職することを選ぶんだ。
たとえば、
・上司に「育休を取りたい」と相談したら「前例がない」と拒否された
・同僚から「お前が休んだら俺たちの負担が増える」と言われた
・育休を取ると昇進が遅れると言われた
こんな経験をしたら、「この会社にいても家族と過ごせない」「ここで働き続けるのは無理かも」と思うのは当然。
そして、「育児に理解がある会社」に転職しようと考えるようになる。
2. 育休を取ったことで不利益を受ける
パタハラの典型的なパターンとして、育休を取った人が復帰後に不当な扱いを受けるケースがある。
・育休後に重要な仕事を外される
・評価が下がり、昇進のチャンスを失う
・「家庭を優先する人には責任のある仕事は任せられない」と言われる
こんなことをされてしまったら、「この会社で頑張る意味があるのか?」と疑問に思うよね。
せっかく育休を取っても、復帰後にキャリアの道が閉ざされてしまうなら、「もっと平等な評価をしてくれる会社に転職しよう」と考えるのは自然な流れ。
3. 「この会社は家庭を大事にできない」と感じる
パタハラがある職場では、「会社は仕事のことしか考えていない」「家庭のことは考慮してくれない」と社員が感じるようになる。
結果として、
・「子どもが病気になっても休みにくい」
・「残業が当たり前で、育児に参加できない」
・「働き続けても、家庭と仕事のバランスが取れない」
こういった悩みを抱えることになり、「家庭を大切にしながら働きたい人」が次々と辞めてしまう。
パタハラをなくせば、社員は定着しやすくなる
逆に言えば、パタハラをなくして育児と仕事を両立しやすい職場を作ることができれば、社員の定着率は上がる。
「この会社なら安心して働き続けられる」と思える環境を作ることが、結果的に会社の利益にもつながるんだ。
1. 育児をしながら働きやすい職場は、長く続けたいと思える
「育休が当たり前に取れる」「復帰後も公平に評価される」
そんな環境なら、わざわざ転職を考える必要がなくなるよね。
「この会社なら家族を大事にしながら働ける」と思えれば、社員は定着しやすくなる。
結果的に、優秀な人材が流出することを防げる。
2. 働きやすい会社は、採用でも有利になる
最近は、転職市場でも「ワークライフバランスを重視する会社」が人気。
育児と仕事を両立しやすい企業は、「ここで働きたい」と思う人が増えるから、優秀な人材を集めやすくなるんだ。
逆に、パタハラがある会社は「ブラック企業」と見なされてしまい、人材が集まらなくなる。
「社員が辞めやすい会社」になってしまうと、採用コストがどんどん増えてしまい、結果的に会社にとってもマイナスになる。
3. チーム全体の雰囲気も良くなる
育休を取ることが当たり前になり、育児に協力的な職場になると、チームの雰囲気も良くなる。
「お互いに助け合おう」という意識が生まれることで、長く働き続けることができる職場になるんだ。
逆に、パタハラが横行している職場は、
・「育休を取るやつは迷惑」とギスギスする
・「助け合う」という意識がなくなり、みんなが疲弊する
・結果的に、他の社員も「こんな職場は嫌だ」と思って辞めていく
こんな悪循環が生まれてしまう。
パタハラをなくせば、社員は辞めにくくなる!
パタハラをなくして、育児と仕事を両立しやすい職場を作ることが、優秀な人材を引き留めるカギになる。
・育休を取りやすい環境を作れば、転職を考える人が減る
・育休取得後の不当な扱いをなくせば、キャリアのために辞める必要がなくなる
・会社の評判が上がり、採用にも有利になる
・チームの雰囲気が良くなり、社員が定着しやすくなる
「育休を取りたいけど、この会社では無理」と思われる会社は、人材がどんどん流出してしまう。
でも、「育休を取っても不利にならない」「育児をしながらでも働きやすい」と思われる会社なら、社員は安心して働き続けられる。
パタハラをなくすことは、社員を守るだけじゃなく、企業の成長にもつながる大切なことなんだよね。
「優秀な人材を手放さない会社」を目指すなら、パタハラのない職場づくりが必要不可欠なんだ。

