「あたらし」とは?意味は?使い方は?大河ドラマや古語・古典を詳しく現代風に解説
古典において「あたらし」は主に「惜しい」「もったいない」という意味で使われ、期待や可能性を前提とした未練や悔しさを含んだ語でした。この語は「あたら(惜)」という形容動詞の語幹に形容詞語尾「し」が付いたもので、語源的には「惜しむべき」「残念に思うべき状態」といった意味を持ちます。成立は平安時代からとされ、和歌や物語などでも広く用いられました。このため、現代人が「新しい」の意味と混同して読むと文意を取り違える恐れがあります。対して江戸期以降、特に口語や時代劇、大衆小説の中では「あたらし」は「目新しい」「今までになく斬新」「新鮮で現代的」という意味で一般化しました。特に「新しきもの好き」や「新時代の価値」といった意味合いが込められることも多く、現代人の感覚に直結する意味です。ただし、時代劇の台詞で「この若造、あたらしゅうていかんわい」といった形で使われる場合は、単に「新しい」というより「なまいき」「慣れていないくせに目立とうとしている」という否定的な意味が含まれることもあります。古典では惜しむ気持ちを、近世以降は物事の新規性や目新しさを指すため、意味の根本が異なります。現代での誤解として、古文を読解する際に「新しい」と安易に訳してしまい、内容の本質を取り違えることが挙げられます。
一言で言うと?
- 古典:惜しまれるほど価値があるのに失われることがもったいない(regrettable)
- 近世:目新しくて現代的である(novel)
- 時代劇:新しさが出過ぎて生意気・無遠慮(too forward, impudent)
「あたらし」の一般的な使い方と英語で言うと
- 本日の新製品説明会にご参加いただければ、弊社のあたらしい取り組みをご理解いただけるかと存じます。
(new) - こちらはあたらしい様式の帳票でございまして、従来と操作方法が異なりますのでご注意くださいませ。
(new format) - 今期の提案はこれまでにないあたらしさを追求した設計となっております、ぜひご確認ください。
(innovative) - 社内でもあたらしい方針が導入され、すべての部門で手順の見直しが行われております。
(new policy) - 今回の取り組みは非常にあたらしく、これまでの弊社の姿勢を根底から見直すものと自負しております。
(radical change)
似ている表現と失礼がない言い回し
- 目新しい
- 今風
- 新規性がある
- 革新的である
- 現代的である
性格や人格として言われた場合は?
「あたらし」が性格や人柄について使われるときは、主に時代劇などにおいて「新しい考えや態度が目立ちすぎる人」「出しゃばっている印象を持たれる人物」という含意で使われることがあります。「あたらしゅうして、生意気な若造め」などの言い回しでは、伝統や年長者を無視する態度への不満や皮肉が込められています。古典においては人柄に直接使われることはまれで、むしろその人物の行為や状況に対して「惜しい」「もっと評価されるべきである」といった意味で使われました。
「あたらし」をビジネスで使用する場面の例文と英語
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(new workflow) - 社内制度の見直しに伴い、来月からあたらしい評価基準が適用される予定でございます。
(new evaluation criteria) - 本プロジェクトはあたらしい市場への参入を意図して企画された重要な第一歩です。
(new market entry)
「あたらし」は目上の方にそのまま使ってよい?
「あたらし」という語は現代では違和感なく使える言葉ですが、相手や文脈によっては馴れ馴れしく響くことがあります。特に目上の方や取引先との文面では、単に「新しい」という言葉よりも、その意義や背景を丁寧に補足する表現のほうが適切とされます。単語そのものに失礼な意味は含まれませんが、ビジネス文書では簡潔ながら敬意を込めた語を使う方が望ましいです。
- あたらしい→革新的・画期的など、少し意味を補足した語が丁寧
- 単語だけで使わず、「~という新たな取り組み」のように文脈で支える
- 相手の提案を評する際は、「御社のあたらしいご提案」といった尊敬語を添える
- 口頭より文書では控えめな表現が適切
- 目上や取引先には簡略な単語のみではなく、背景を説明する姿勢が礼儀正しい
「あたらし」の失礼がない言い換え
- 今回の内容は、極めて革新的な手法が盛り込まれており、今後の展開が大いに期待されます。
- このたびの資料には新規性の高い観点が複数含まれており、詳細を共有させていただきます。
- 御社が提示された案は非常に先進的で、今後の基準となり得る要素を多数備えております。
- 本件は従来にない観点から構成されており、全社的な検討に値すると考えております。
- 市場動向をふまえた極めて現代的なご提案、誠に参考になりました。
注意する状況・場面は?
「あたらし」は一見すると肯定的な意味を持つため、気軽に使われがちですが、相手や場面によっては誤解を招くことがあります。特に年長者や伝統を重視する業界においては、「あたらしい=軽薄・経験不足」と受け取られる可能性があります。また、褒め言葉としてのつもりでも、内容や本質に触れず外見や目新しさだけを指摘した場合には、不誠実な評価と取られることがあります。さらに、古典的な文脈では「あたらし」が「惜しい」「残念だ」という意味になるため、文学作品の解釈を誤る要因にもなります。
- 相手の年齢や価値観を確認せずに「新しさ」を強調すると軽く見える場合がある
- 本質的な評価が伴わない「あたらしい」は誠実さを欠く印象を与える
- 古典作品の解釈において意味を取り違える危険性がある
- 慣用句や古語の中では意味が全く異なるため注意が必要
- 「あたらしい」が必ずしも誉め言葉とは限らないという前提で使用すべき
「あたらし」のまとめ・注意点
「あたらし」は古典においては「惜しい」「もったいない」という意味であり、主に失われるものへの悔しさを表す語でした。平安時代の和歌や物語でも用いられ、その文脈を理解せず現代の「新しい」と混同すると誤読の原因となります。一方、江戸期以降は「新しくて目新しい」「現代的で今風」といった意味で広く使われ、現在も一般的に用いられています。ただし、時代劇や特定の文脈では否定的な意味も含むことがあり、また、丁寧な場面では相手に敬意を込めて背景や意義を添えた言い回しを選ぶことが求められます。特にビジネス文書においては「新しい」という単語をただ使うだけでなく、その意図や内容の詳細を丁寧に説明することで、誤解を避け信頼を築くことができます。古典と現代の意味の違いを理解し、文脈に応じた使い分けを行うことが大切です。