「口をつぐむ」意味は?言い換えは?ビジネスでも使える?失礼ではない使い方例文
「口をつぐむ」とは、何も話さず沈黙を守ることや、あえて発言を控える態度を表す慣用句です。たとえば何かを話したい、あるいは話すべき場面においても、事情があって口を閉ざすことや、意図的に黙っている場合に使われます。この表現は、自らの意志による沈黙を含む場合が多く、時には責任回避や秘密保持、あるいは対立を避けるための手段としても使用されます。たとえば、議論の中で不利な発言を避けるために黙っていたり、他人の秘密を漏らさないように一切口に出さなかったりするときなどに、「口をつぐむ」という言い回しが適しています。また、個人の気持ちや心情を誰にも明かさず黙っているときにも使われることがあります。英語では “keep silent” や “shut one’s mouth”、あるいは “remain tight-lipped” といった表現が近い意味を持ちます。特に “remain tight-lipped” は、何かを知っているけれどもそれを話さない、というニュアンスが含まれており、「口をつぐむ」に非常に似た意味合いを持つ表現です。その他、“say nothing” や “refuse to comment” などの表現も状況に応じて使い分けられます。
「口をつぐむ」の一般的な使い方と英語で言うと
- 彼は会議中にその話題になると急に口をつぐんでしまい、誰も理由がわからなかったが、どうやら過去に何か関係があったようだった。
(He suddenly kept silent during the meeting when that topic came up, and nobody knew why, but it seemed he had some past connection to it.) - 子どもが母親に嘘をついたことを指摘された瞬間、彼は恥ずかしそうに口をつぐんで何も言えなくなってしまった。
(The moment the child was confronted by his mother for lying, he looked embarrassed and clammed up, unable to say a word.) - 部下のミスをかばうため、彼はあえて口をつぐんで上司からの厳しい追及をすべて受け止めた。
(In order to protect his subordinate’s mistake, he deliberately kept silent and bore all the harsh questioning from the boss.) - 彼女は友人の秘密を絶対に守ると誓い、その話題になると固く口をつぐんだままだった。
(She swore to protect her friend’s secret and stayed tight-lipped whenever the topic came up.) - 記者からの執拗な質問に対して、社長は無言を貫き、最後まで口をつぐんだまま会場を後にした。
(Under persistent questioning from the reporters, the CEO remained silent and left the venue without uttering a word.)
似ている表現
- 黙り込む
- 無言を貫く
- 沈黙を守る
- 一言も発しない
- 声を発さない
「口をつぐむ」のビジネスで使用する場面の例文と英語
ビジネスの場面では、「口をつぐむ」は、発言を差し控えることや、社内外のデリケートな情報に対して沈黙を守ることを指して使われます。特に、社内の機密情報や進行中のプロジェクト、あるいは内部問題に関する問い合わせに対して、意図的に何も語らない、あるいは回答を控えるという態度が求められることがあります。単に話さないというだけではなく、戦略的な沈黙である場合も多く、誤解を招かないように丁寧な対応が必要とされます。
- 契約交渉中の情報について尋ねられましたが、未確定の部分も多く、私は口をつぐむしかありませんでした。
(I was asked about the contract negotiations, but as many details were still pending, I had no choice but to keep silent.) - 社内の人事異動に関する問い合わせに対しては、確定していない段階なので一切口をつぐんでいます。
(Regarding inquiries about internal personnel changes, I have remained completely silent as nothing has been finalized yet.) - 他部署の不祥事については情報が交錯しているため、今の段階では口をつぐむよう指示されています。
(Due to conflicting information regarding the other department’s scandal, we’ve been instructed to keep silent at this point.) - 顧客との交渉の詳細は極秘のため、関係者以外には口をつぐむことを徹底しています。
(Since the negotiation details with the client are confidential, we strictly keep silent to all non-involved parties.) - 上層部の方針変更に関しては、正式発表までは口をつぐむよう全社員に通知が出されました。
(Regarding the management’s policy change, all employees have been notified to remain silent until the official announcement.)
「口をつぐむ」は目上の方にそのまま使ってよい?
「口をつぐむ」という言葉は日常的には広く使われているものの、目上の方や取引先に対して直接使用する場合には、配慮が必要です。この言い回しは、状況によっては無愛想、あるいは不誠実と受け取られてしまう恐れがあるためです。特にビジネスの場では、言葉の選び方一つで相手の信頼を得るか失うかが決まってしまうこともあります。「口をつぐむ」はやや強い表現であり、「話すべきことを意図的に話さない」といった印象を与える可能性があるため、丁寧な言い回しに置き換えるのが適切です。特に目上の方に対しては、あからさまな沈黙や無言の態度ではなく、「回答を控える」「お答えを差し控える」といった婉曲的な言い方を選ぶべきです。
- 「口をつぐむ」は、目上の方に対して直接使うと無礼に受け取られることがある
- より丁寧な言い回しに置き換えるのが無難
- 「申し上げる立場にない」「お答えを差し控えます」などが好ましい
- 相手の立場を尊重する表現を選ぶことが大切
- 適切な言葉遣いによって信頼関係を損なわずに済む
「口をつぐむ」の失礼がない言い換え
- 詳細については現時点でお伝えできる立場にございませんが、進展があり次第ご報告申し上げます。
- 現在確認中の事項につきましては、誤解を避けるため差し控えさせていただきます。
- 申し訳ございませんが、その点につきましては今はお答えを控えさせていただいております。
- 社内の調整中のため、詳細については後ほど改めてご案内させていただきます。
- 関係各所と確認を取っている段階ですので、今しばらくお時間を頂戴できればと存じます。
適した書き出しの挨拶と締めの挨拶は?
書き出し
- 平素より格別のお引き立てを賜り、誠にありがとうございます。突然のご連絡となりますことをお詫び申し上げます。
- 日頃より温かいご支援を賜りまして、心より御礼申し上げます。大変恐縮ではございますが、ご確認のお願いがございます。
- いつも大変お世話になっております。早速ではございますが、本件についてご説明申し上げます。
- 皆様には平素より格別のお力添えをいただき、心より感謝申し上げます。さて、表題の件につきまして、下記ご連絡申し上げます。
- 平素は大変お世話になっております。恐縮ながら、本日は重要なご案内がありご連絡させていただいております。
締めの挨拶
- 本件につきましてご不明点などございましたら、どうかご遠慮なくお申し付けくださいませ。今後ともよろしくお願い申し上げます。
- ご多忙の折恐縮ではございますが、ご確認いただけますと幸いでございます。引き続きよろしくお願いいたします。
- 最後までお読みいただき誠にありがとうございます。何卒ご理解賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
- 何かとご面倒をおかけいたしますが、引き続きご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
- ご不明点などございましたら、いつでもご連絡いただけますようお願いいたします。今後ともお付き合いのほどよろしくお願い申し上げます。
注意する状況・場面は?
「口をつぐむ」は一見無難な言い方のように思えますが、使い方によっては相手に不快な印象を与えてしまうことがあります。特に、説明を求められている場面や、誠意を持って対応すべき場面で沈黙を選ぶと、「逃げている」「隠している」と捉えられてしまうことがあるため注意が必要です。また、無言の態度が逆に状況を悪化させる可能性もあるため、話さないのではなく、話せない理由を丁寧に伝える必要があります。感情的になって発言を避ける場面では、「口をつぐむ」が不機嫌さや無責任に見える場合もあります。沈黙を守る理由があるなら、その旨をきちんと伝えることで、信頼を損なわずに済むのです。
- 説明責任が求められる場面で使うと不信感を与える
- 無言が誤解を招くリスクがある
- 感情的な場面で使うと無責任と見なされる恐れあり
- 相手に配慮した説明を加えることが重要
- 自身の立場を明確にしたうえで控える姿勢を見せる
細心の注意払った言い方
- 大変恐縮ですが、本件につきましては現時点ではご案内できかねますこと、何卒ご理解いただきますようお願い申し上げます。
- 恐れ入りますが、確認が必要な部分が多く、情報が整い次第改めてご説明差し上げたく存じます。
- ご期待に沿えず申し訳ございませんが、社内での協議が続いているため、いましばらくお時間を頂戴できますと幸いです。
- お問い合わせいただき誠にありがとうございます。ただいま社内で慎重に対応を検討しておりますため、追ってご報告いたします。
- 現在の段階では確定情報が少なく、誤解を避けるためにも本件につきましては控えさせていただけますようお願いいたします。
「口をつぐむ」のまとめ・注意点
「口をつぐむ」は、発言を控えることで何かを守ったり、慎重な態度を示したりするために使われる便利な言い回しですが、その使い方には細やかな配慮が必要です。特にビジネスや目上の方への対応においては、言葉を選ばずに「口をつぐむ」としてしまうと、相手に不快感や不信感を抱かせる可能性があります。単なる沈黙ではなく、「発言を控える理由」を伝えることで、沈黙にも誠意がこもるように感じられるのです。また、情報の取扱いや対話の場では、「何も言わない」ことが時に大きな影響を持ちます。だからこそ、黙ることが必要なときには、その背景にある思いや状況を丁寧に補足し、相手との信頼関係を大切にする必要があります。沈黙は時に最良の選択となり得ますが、それが誤解や不信を生まないよう、慎重に対応する姿勢が求められます。

