「得手に帆を揚げる」意味は?言い換えは?ビジネスでも使える?失礼ではない使い方例文

「得手に帆を揚げる」意味は?言い換えは?ビジネスでも使える?失礼ではない使い方例文

「得手に帆を揚げる(えてにほをあげる)」とは、自分が得意とすることや有利な条件に出会ったときに、すかさずその利を活かして積極的に行動することを意味します。帆船が風向きに合わせて帆を張り、順風を受けて勢いよく進む様子から来ており、まさに「自分にとって都合のよい流れに乗じて、さらに前進する」イメージです。人の長所や強み、得意分野を最大限に活かす姿勢が感じられる言い回しであり、良い風が吹いた時にそれを逃さずに利用する賢さや柔軟性を表します。似た意味を持つ英語の言い回しとしては、“Make hay while the sun shines.”(太陽が出ているうちに干し草を作れ)、あるいは“Ride the wave.”(波に乗る)といった表現が近いです。いずれも状況を見極め、自分にとって有利な条件が揃ったときに機敏に動くことの大切さを語っています。

この慣用句は、主にポジティブな意味合いで使われるものであり、ただ偶然のチャンスを掴むというよりも、あらかじめ準備されていた人が好機を最大限に活用することに重点が置かれています。たとえば、自分が得意とする交渉術を駆使してビジネスの場で商談を有利に運ぶ、あるいは語学力を活かして海外でのプロジェクトに積極的に参加する、といった状況で「得手に帆を揚げる」という言葉がぴったり当てはまります。ビジネスだけでなく、趣味や勉強、人間関係などあらゆる場面において、自分の得意分野や持ち味を活かすための動きとして意識されるべき姿勢です。また、社会において競争が激しい現代においては、自分の強みを把握し、チャンスに敏感になることがより重要になっており、「得手に帆を揚げる」精神はそのまま現代社会での成功の鍵にも繋がっているのです。

「得手に帆を揚げる」の一般的な使い方と英語で言うと

・彼は英語が得意なので、海外との取引がある部署に異動した途端、得手に帆を揚げたように成果を出し始めた。 (Right after he was transferred to a department dealing with international clients, he began to ride the wave by utilizing his English skills.)

・彼女は人前で話すのが得意なので、プレゼンの機会を得ると得手に帆を揚げたように堂々と発表していた。 (She is good at public speaking, so when given a chance to present, she took full advantage of it and delivered a confident presentation.)

・プログラミングに強い彼は、新しいITプロジェクトが始まるや否や得手に帆を揚げて中心人物となった。 (He is skilled in programming, so when a new IT project started, he rode the momentum and quickly became a key member.)

・営業成績が思わしくなかったが、新商品を扱うようになってからは得手に帆を揚げるように業績が上がった。 (His sales were not doing well, but once he started handling the new product, he caught the tailwind and saw a rapid improvement.)

・趣味で動画編集を学んでいた彼は、社内のPR動画制作の話が出ると得手に帆を揚げるように自ら名乗り出た。 (He had been studying video editing as a hobby, so when the company needed a PR video, he seized the opportunity and volunteered.)

似ている表現

  • 水を得た魚のように
  • 波に乗る
  • 勢いに乗る
  • 追い風に乗る
  • 好機到来

「得手に帆を揚げる」のビジネスで使用する場面の例文と英語

この言い回しはビジネスにおいても頻繁に活用され、自身や他者の強みを活かしながら、与えられたチャンスを迅速に掴む様子を指します。特にプロジェクトの立ち上げ期や商談の場、キャリア形成において多く使われます。

・英語交渉が得意な社員が海外展開のプロジェクトで得手に帆を揚げ、顧客獲得に大きく貢献した。 (The employee skilled in English negotiations seized the opportunity in the overseas expansion project and greatly contributed to customer acquisition.)

・新商品の立ち上げに際して、マーケティングに精通している彼女が得手に帆を揚げてチームを牽引した。 (With the launch of the new product, she, who excels in marketing, took the lead and steered the team to success.)

・AI技術に詳しいエンジニアが、新たなサービス開発で得手に帆を揚げ、競合より先に市場投入を果たした。 (The engineer, well-versed in AI, took the initiative in the new service development and achieved a faster market entry than competitors.)

・クレーム対応の経験が豊富な社員が、トラブル発生時に得手に帆を揚げて事態を迅速に収束させた。 (The employee with extensive experience in handling complaints swiftly resolved the situation by making the most of his skills.)

・グローバルな人脈を持つ営業担当者が、海外取引先との提携話に得手に帆を揚げて交渉をまとめ上げた。 (The sales representative with global connections capitalized on his strengths and successfully concluded negotiations with overseas partners.)

「得手に帆を揚げる」は目上の方にそのまま使ってよい?

「得手に帆を揚げる」という言い回しはやや口語的で、場面や相手によっては馴れ馴れしく聞こえてしまうことがあります。特に目上の方や取引先などに対して使用する際には、注意が必要です。直訳的に伝えると、「得意なことを利用してぐいぐい進んでいる」という印象を持たれ、謙虚さを欠いた表現と受け取られる可能性があります。あまりに勢いを強調することで、自己主張が強すぎる、あるいは周囲を置き去りにしているように感じさせる危険性もあります。したがって、目上の方に対しては、やわらかく間接的にその意味を伝えることが大切です。丁寧で配慮のある言い回しに置き換えることが望ましく、相手に対して敬意を払いながら、自分や他者の強みを活かして行動していることを伝えるよう心がけましょう。

  • 表現が馴れ馴れしく感じられる可能性がある
  • 謙虚さに欠けると受け取られる場合がある
  • 自己主張が強く見える可能性がある
  • 相手によっては不快に感じられることがある
  • 柔らかい言い回しへの置き換えが適切

「得手に帆を揚げる」の失礼がない言い換え

  • 今回の件につきましては、〇〇様のご経験が非常に活きる内容であると感じております。
  • ご専門分野である〇〇において、ご活躍が一層期待される局面かと存じます。
  • 本件は貴殿の知識や知見が存分に活かされる場面と考えております。
  • 得意分野での貢献がこれからますます重要になってくると確信しております。
  • 今後はより一層、〇〇分野でのご尽力をお願いできればと存じます。

適した書き出しの挨拶と締めの挨拶は?

書き出し

  • 平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。このたびは〇〇において貴殿のご尽力が非常に光っております。
  • いつも温かいご支援をいただき、心より感謝申し上げます。〇〇の件につきまして、早速ご対応いただき誠にありがとうございます。
  • 貴重なお時間を割いていただき、誠にありがとうございます。〇〇に関するご助言、非常に参考になりました。
  • 日頃より並々ならぬご指導を賜り、深く感謝申し上げます。本件に関しまして、貴殿の知識に支えられております。
  • いつも大変お世話になっております。今回の業務に際しても、ご指導ご鞭撻をいただけましたこと心より御礼申し上げます。

締めの挨拶

  • 今後とも〇〇の面においてご指導を賜れましたら幸いに存じます。引き続き何卒よろしくお願い申し上げます。
  • ご多忙の中恐縮ではございますが、今後とも変わらぬご助力をお願い申し上げます。心より感謝申し上げます。
  • 皆様のご期待に添えますよう、引き続き努めてまいりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。
  • 本件に関しましてご不明点などございましたら、いつでもご連絡くださいませ。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
  • 今後のプロジェクトにおいても引き続きお力添えを賜れれば幸甚に存じます。何卒よろしくお願い申し上げます。

注意する状況・場面は?

「得手に帆を揚げる」という言葉は、誰かが得意な分野や好機を得たときに、それを活かして積極的に行動する様子を表すもので、一般的には良い意味合いで使われます。しかしながら、使い方によっては相手に不快感を与えてしまう恐れがあります。たとえば、自分の実力を誇示するような文脈で使えば、自慢や押しつけの印象を与えることがあります。また、他人の成功や行動をこの言葉で表現した際に、皮肉や揶揄として受け取られる場合もあるため注意が必要です。さらに、失敗している相手に対してこの言葉を使うのは厳禁です。得意なことで成果を上げていることを称賛する際も、表現方法に十分配慮し、謙虚な姿勢を崩さないようにすることが重要です。

  • 自慢や過剰な自己主張と誤解される可能性がある
  • 他人への皮肉や揶揄として伝わる場合がある
  • 成果が出ていない人の前では配慮が必要
  • 謙虚な語り口を保つ必要がある
  • 実力を押しつけるような印象にならないよう注意が必要

細心の注意払った言い方

  • このたびの件では、〇〇様のご専門領域におけるご知見が実に的確に発揮されており、私ども一同深く感銘を受けております。
  • 〇〇様が長年積み重ねてこられたご経験が、このようなかたちで活かされていることに、敬意を表する次第でございます。
  • ご対応いただきました内容から、〇〇に関する高いご理解と、持ち前のご判断力が随所に見られ、大変勉強になりました。
  • 今回の業務に際しまして、〇〇様の力量が改めて周囲に認識され、その存在感の大きさを感じております。
  • ご多忙の折にも関わらず、的確かつ迅速なご判断をいただき、改めてそのご実力に敬服いたしました。

「得手に帆を揚げる」のまとめ・注意点

「得手に帆を揚げる」という言い回しは、自分の得意分野や強みを活かして、好機が訪れたときに素早く行動を起こすという前向きな姿勢を表します。これは現代において非常に重要な考え方であり、常に自分の能力を把握し、それを適切なタイミングで活かす柔軟性と実行力が求められます。ただし、使い方には十分な配慮が必要です。特に目上の方や取引先など、敬意をもって接すべき相手に対しては、直接的にこの言い回しを使うことを避け、やわらかく丁寧に伝える工夫が求められます。また、謙虚さを欠いた印象にならないように注意することも大切です。他人の活躍を称賛する際にも、配慮のある表現に置き換えることで、より円滑な関係構築が可能となります。この言い回しは非常に便利で力強い意味を持ちますが、だからこそ使用には細心の注意が必要であり、相手との関係や場面に合わせた言葉遣いが求められます。