「ののしる」とは?意味は?使い方は?大河ドラマや古語・古典を詳しく現代風に解説

「ののしる」とは?意味は?使い方は?大河ドラマや古語・古典を詳しく現代風に解説

  • 声や評判が大きく広がる(英語:become renowned)
  • 騒がしく勢い立つ(英語:make a commotion)
  • 口汚く悪く言う(英語:speak ill of)

古典での意味と近世以降の使われ方の違い

古典における「ののしる」は、もともと人々の評判が高まったり、声が周囲に響き渡るさまを指して用いられた動詞です。語源は「の(音)」「しる(知れる)」の組み合わせとされ、「声や音が人々の間に知れ渡ること」が本義です。そのため、もとは「評判になる」「にぎやかである」「勢いがある」といった肯定的な意味を持っていました。たとえば、貴族が華やかに屋敷を飾った様子や、才ある人物の名声が高まっていく場面で「ののしる」が使われており、まったく攻撃的な意味はありませんでした。ところが、時代が下るにつれ、「騒がしい」「騒動を起こす」「口うるさい」といった印象が加わり、江戸時代以降には、特に時代劇などで「他人を悪く言い立てる」「怒りをぶつけて叫ぶ」といった使い方が主流になりました。たとえば、武家屋敷の中で女中が「何をののしっておるのじゃ!」と怒られる場面などでは、すでに悪口を言う意味での「ののしる」が定着しています。現代では完全に「口汚く罵倒する」という意味で定着しており、古典の美意識や賛美の用法はほぼ失われています。この変化は、「音や評判が広がる」ことが「騒がしい」「迷惑」という負の印象に結びついていった歴史的経緯を示しています。

ののしるの一般的な使い方と英語で言うと

  • 電車内でトラブルになった男性が周囲に対して怒鳴りながらののしり続け、周囲の乗客が困惑していました。
    (英語:A man got into trouble on the train and kept shouting insults at others, leaving passengers bewildered.)
  • 友人が少しのミスをしただけなのに、延々と責め立ててののしるような態度は、あまりにも大人気ないと感じました。
    (英語:Scolding a friend endlessly over a small mistake seemed extremely immature and insulting.)
  • インターネットの掲示板で相手をののしるような書き込みを見かけ、読んでいて非常に不快な気分になりました。
    (英語:I came across insulting posts on a forum, and it made me feel very uncomfortable.)
  • 上司の前では丁寧な態度をとりながら、陰で同僚をののしるような発言をする姿には信頼を感じられませんでした。
    (英語:Someone who speaks respectfully in front of the boss but insults colleagues behind their back cannot be trusted.)
  • 他人をののしるような発言を続けた結果、職場の雰囲気が悪化し、本人も信用を失うこととなりました。
    (英語:Continued insulting remarks led to a tense workplace atmosphere and the speaker losing credibility.)

似ている言い回しと失礼がない言い回し

  • 厳しい口調で非難する
  • 不快な言葉を口にする
  • 感情的に叱責する
  • 強い言葉で批判する
  • 心ない発言をする

性格や人格として言われた場合は

「ののしる」という言葉が性格や人格に対して使われるとき、それは他人に対して感情を抑えず攻撃的な言葉をぶつける傾向があることを示します。この場合、性格が粗暴であったり、他人への思いやりに欠ける人物として見られる可能性があります。また、冷静な対話をせず、自分の意見を通すために怒声や悪口に頼るという印象が伴います。結果として、人間関係のトラブルを招きやすい人物像と結びつき、周囲から敬遠される要因となります。したがって、この言葉を人に対して用いる際には、慎重な判断が必要です。

ののしるをビジネスで使用する場面の例文と英語

  • 社内での感情的な発言が目立ち、他の社員をののしるような口調になってしまったことを深く反省しています。
    (英語:I deeply regret that my emotional remarks in the office turned into an insulting tone toward other employees.)
  • 部下に対してののしるような発言が続いたため、本人のモチベーションが著しく低下してしまいました。
    (英語:Due to continued insulting remarks toward the subordinate, their motivation has significantly declined.)
  • 社外の会議で取引先をののしるような発言をしたことが問題となり、謝罪対応に追われました。
    (英語:Insulting remarks toward a client during an external meeting caused an issue, requiring an apology.)
  • 感情に任せて部下をののしった結果、チームの信頼関係に深刻なひびが入ってしまいました。
    (英語:Letting emotions take over and insulting subordinates damaged the team’s trust deeply.)
  • 会議中の不用意な言葉が相手をののしるように聞こえてしまい、誤解を招いたことをお詫びしました。
    (英語:My careless words during the meeting sounded insulting and caused a misunderstanding, for which I apologized.)

ののしるは目上の方にそのまま使ってよい?

「ののしる」という言葉は、現代において極めて攻撃的な語感をもっており、特に口頭や文面で用いた場合、強い否定や非難として受け取られる危険があります。したがって、目上の方や取引先に対してこの語をそのまま使用するのは、極めて不適切です。たとえ状況を正確に伝えたい場合であっても、「ののしる」という語を直接的に用いることは避け、穏やかな表現に言い換えることが必須です。誤解を避けるためにも、相手に配慮しながら丁寧な語彙を選ぶ姿勢が求められます。

  • 目上の方には使用不可
  • 強い語感が不快感を与える
  • 言い換えを必ず用いるべき
  • 状況説明の際は事実を穏やかに述べる
  • 相手への敬意を保つ語彙選択が必要

ののしるの失礼がない言い換え

  • 不適切な言葉遣いがありましたことをお詫び申し上げます
  • 感情的な対応となり、配慮に欠ける発言をしてしまいました
  • お相手にご不快な思いをさせたこと、深く反省しております
  • 冷静さを欠いた言動となり、誤解を招いたことをお詫びいたします
  • 言葉の選び方が適切でなく、誤解を与えてしまいました

ののしるを使うときに注意すべき状況

「ののしる」という語を使用する場合には、その語のもつ攻撃的な性質と、相手に与える心理的な影響を十分に理解した上で判断すべきです。特に職場や公的な場面では、感情的な言葉として受け取られる可能性が高く、話し手の品位を損なうばかりか、聞き手との関係性に亀裂を生じさせる原因にもなり得ます。また、文書やメールなど文字で伝える際には、語感がより強調されやすくなるため、状況説明に用いたとしても、誤解や不快感を招く可能性が高まります。使用場面が限られる語であるという認識を持ち、代替表現への切り替えを前提に言葉を選ぶことが重要です。

  • ビジネスでは不適切とされやすい
  • 感情的な人間像を与える恐れがある
  • 受け手の心情を損なう可能性が高い
  • 文章では特に攻撃性が際立つ
  • 代替表現の活用が望まれる

ののしるのまとめ・注意点

「ののしる」という語は、古典においては評判が高まることやにぎやかさ、勢いを表す肯定的な意味を持っていましたが、時代を経るにつれて「騒がしい」「悪く言う」という意味へと変化し、現代においては完全に否定的で攻撃的な意味として定着しています。この変遷は、音や噂が広がること自体が次第に迷惑や不快に結びつけられていった社会背景を映しており、言葉の意味は時代と共に移り変わることの典型例とも言えます。現代では、人間関係を損なう危険のある語として扱われるため、使う際には相手や場面への配慮が必要です。特に目上の方や公的な相手に対しては使わず、穏やかで丁寧な言葉に言い換えることが望まれます。発言一つで信頼を失う可能性もある以上、言葉選びにおいては慎重を極めるべきであり、感情のままに使ってよい語ではありません。意味の強さと語感の鋭さを理解し、正しく使い分けることが、社会的信頼や人間関係を保つうえで非常に重要となります。

古語とは何か

古語とは、昔の時代に使われていた言葉のことで、現代ではほとんど使われなくなった語句を指します。たとえば『いとをかし』『あはれなり』『あいなし』などのように、今の会話では聞かれない表現がそれにあたります。これらは平安時代や鎌倉時代の文章、特に『源氏物語』や『徒然草』といった古典文学の中で使われており、その時代の人々の感情や考え方を知る手がかりとなるものです。現代でも古典の授業や伝統文化を学ぶ際に使われますが、日常生活ではほとんど用いられません。

古語の特徴

古語には、今とはまったく違う語順や助動詞の使い方があることが特徴です。また、一つの言葉に複数の意味があることも多く、文脈によって意味が変わることもあります。たとえば『あはれ』は、感動・悲しみ・愛しさなど、いくつもの感情を含んだ言葉であり、現代語にそのまま訳すことが難しいものです。そのため、古語を学ぶ際には、単に意味を覚えるのではなく、その背景にある文化や当時の生活まで理解することが求められます。

古語の他の言い方

古語にはいくつかの別の言い方があり、場面によって使い分けることができます。たとえば『旧語』という表現は、古語と同じように過去に使われていた言葉を意味しますが、より学術的・記録的な印象を与えます。また『古典語』という言い方もあり、これは特に古典文学の中で使われる言葉に限定して用いられることが多いです。さらに『昔言葉』という呼び方はややくだけた言い回しで、会話の中で親しみをこめて使われることがあります。いずれも内容としては似ていますが、使う相手や文脈によって選び分けることが大切です。

現代での使われ方

古語は学校の授業や古典文学の研究だけでなく、舞台演劇や時代劇の脚本、伝統芸能のせりふ、あるいは文学作品の中でも使われることがあります。特に歌舞伎や能などの世界では、今でも古語がそのまま使われており、当時の雰囲気や世界観を再現するための大切な要素となっています。一般の人にとっては難しく感じるかもしれませんが、意味を知れば知るほど、昔の人の感じ方や考え方に触れることができるため、学ぶ価値の高い分野と言えます。