TeamsとPower Automate連携で研修受講履歴の自動更新をしたい!作り方を分かりやすく説明

TeamsとPower Automate連携で研修受講履歴の自動更新をしたい!

こんな悩みを抱えていませんか?「研修が終わるたびに、手動で受講履歴を更新するのが大変」「受講忘れや、提出物の遅延状況を把握しにくい」「受講データの集計に時間がかかる」。従業員のスキルアップに欠かせない研修ですが、その受講履歴の管理が煩雑だと、担当者の負担が増え、データが最新の状態に保たれず、教育効果の分析も難しくなってしまいますよね。

Power AutomateとTeams、そして研修情報や受講履歴を管理するSharePointリストを組み合わせることで、従業員の研修受講履歴を自動で更新し、担当者や管理者へ通知する仕組みを構築できます。これにより、受講履歴管理の効率を飛躍的に向上させ、より正確な人材育成とスキル管理を実現できますよ。


 

なぜ研修受講履歴の自動更新が大切なの?

従業員の研修受講履歴を適切に管理することは、人材育成の成果を最大化し、企業の競争力を高める上で不可欠です。自動更新がもたらす具体的なメリットについて、一緒に見ていきましょう。

 

常に最新の受講履歴で人材育成を最適化できるから

従業員のスキルアップ状況や、どの研修を誰が受講したのかを正確に把握することは、個々のキャリアパス支援や、次なる研修プログラムの企画に欠かせません。自動更新システムは、研修の受講完了を検知した時点で、受講履歴を最新の状態に保ちます。これにより、人事担当者は常に正確なデータに基づいて人材育成計画を立案し、教育投資の最適化を図れるでしょう。

 

担当者の業務負担を大幅に軽減できるから

研修終了後、受講者からの報告を受け付け、手動で受講履歴台帳(ExcelやSharePointリスト)を更新する作業は、非常に手間がかかる定型業務です。特に研修の種類や受講者が多い企業では、その負担は無視できません。自動更新システムを導入することで、これらのルーティンワークから解放され、担当者は研修コンテンツの改善や、受講者への個別フォローといった、より価値の高い業務に集中できるようになります。

 

コンプライアンス遵守と内部監査への対応を強化できるから

業種によっては、特定の研修(例:情報セキュリティ研修、ハラスメント研修)の受講が法令で義務付けられていたり、内部監査で受講履歴の提出が求められたりすることがあります。自動更新システムは、受講履歴の正確性を高め、必要な情報がいつでも取り出せる状態に保つため、コンプライアンス遵守を強化し、内部監査へのスムーズな対応を可能にします。

 

従業員の学習意欲と透明性を向上できるから

受講履歴が常に最新の状態に保たれ、必要であれば従業員自身も自分の受講状況を確認できる環境は、学習のモチベーションを高めます。また、チームや部署で受講状況が共有されることで、学習への意識が高まり、相互のスキルアップを促すことに繋がるでしょう。


 

構築システムの準備を始めよう

研修受講履歴の自動更新システムを作る前に、いくつか確認し、準備しておくべきことがあります。これらを事前に整理しておくことで、スムーズに自動化を進められます。

 

研修情報の「置き場所」と「受講完了の検知方法」を決めよう

Power Automateが研修受講完了を検知するためには、その情報がどこかに保存されており、どのように受講完了を判断したいのかを明確にする必要があります。

  • SharePointリストの活用(推奨):
    • 研修の受講履歴を管理するためのSharePointリスト(例:研修受講履歴)を作成しましょう。
    • 必要な列(例):
      • タイトル(既定): 従業員氏名
      • 社員番号: テキスト(1行)
      • メールアドレス: テキスト(1行)
      • 研修名: テキスト(1行)または選択肢(開催研修名を事前登録)
      • 受講日: 日付と時刻(必須、研修受講日)
      • 受講ステータス: 選択肢(例:未受講受講完了課題提出済認定済)、**既定値は未受講**とします。
      • 提出物URL: ハイパーリンクまたは画像(提出された課題ファイルへのリンク、任意)
      • 受講確認済(人事): はい/いいえ(人事担当者が最終確認済みかどうかのフラグ)
      • 自動更新済: はい/いいえ(Power Automateで処理済みかどうかのフラグ)
  • 受講完了の検知方法(トリガーの選び方):
    • Microsoft Formsで「受講完了報告」を行う:
      • 研修終了後、従業員にFormsで「研修を受講しました」という報告をしてもらう。
      • トリガー:新しい応答が送信されるとき (Microsoft Forms)」。
    • SharePointリストの「受講ステータス」を手動で「受講完了」に更新:
      • 従業員が自分で、または講師が手動でリストのステータスを変更する。
      • トリガー:項目が変更または作成されたとき (SharePoint)」。
    • 既存のLMS(学習管理システム)や外部システムからの連携:
      • LMSがPower Automateコネクタを提供している場合、LMSでのコース完了イベントをトリガーにする。
      • LMSから受講完了CSVファイルを定期的に出力し、SharePointに保存したらトリガー。
    • Teams会議の出席者レポート:
      • Teams会議(研修)の出席者レポートをダウンロードし、出席者を検知して自動更新(高度)。

 

通知を送るTeamsの「場所」を決めよう

受講履歴が更新されたことを、どこに、誰に対して通知したいのかを決定します。

  • 人事・総務部門チャネル(推奨): 受講履歴の更新状況や、未受講者への対応状況を把握するため(例:人事部_研修管理)。
  • 担当者(従業員)への個人チャット: 受講完了の確認、感謝メッセージ、次のステップの案内。
  • 上長への個人チャット(オプション): 部下の受講状況の完了通知。
  • 研修運営担当者へのチャット: 受講完了通知の処理状況やエラー通知用。

 

通知する「メッセージ内容」を考えよう

自動でTeamsに投稿されるメッセージは、簡潔かつ明確で、受け手が次の行動に移しやすいように工夫しましょう。

  • 受講完了通知(人事・総務部門向け):
    • 件名: 【研修受講完了】〇〇さんが〇〇研修を修了しました
    • 本文: 従業員氏名、研修名、受講日、受講ステータス、受講履歴リストへのリンク。
  • 受講完了通知(従業員本人向け):
    • 件名: 【研修修了おめでとうございます!】
    • 本文: 感謝、修了証発行案内、次のステップ、アンケート依頼など。
  • 課題提出依頼/受領通知(オプション):
    • 課題の提出期限リマインド、提出フォームへのリンク。
    • 課題が提出された旨の受領通知。

 

必要な「権限」を確認しよう

Power Automateでフローを作成し、Formsの回答を読み取り、SharePointリストの情報を読み書きし、Teamsにメッセージを送信するためには、フローを実行するアカウントが適切な権限を持っている必要があります。

  • Formsへのアクセス権: 受講完了報告フォームのURLと回答内容を取得できる権限。
  • SharePointリストへのアクセス権: 研修受講履歴リストに対する「読み取り」および「書き込み」権限が必要です。
  • Teamsチャネル/チャットへのメッセージ投稿権: 投稿先のTeamsチャネルまたは個人チャットへのメッセージ投稿権限が必要です。

 

Power Automateで自動化を設定しましょう(基本編)

ここからはいよいよ、Power Automateを使って研修受講履歴の自動更新フローを作成していきます。従業員がMicrosoft Formsで「受講完了報告」を送信したことをトリガーに、SharePointリストの受講ステータスを更新し、人事・総務部門へTeamsで通知する基本的なフローから見ていきましょう。

 

フローを作成する場所を決めましょう

Power Automateのウェブサイトにアクセスし、左側のメニューから「作成」を選択します。今回は、特定のイベント(Formsの回答)が発生したときに自動的に実行されるフローなので、「自動化したクラウド フロー」を選択します。

 

トリガーを設定しましょう

フローのトリガーとは、「いつ」このフローを実行するかを決定するものです。ここでは、Formsで「受講完了報告」が送信されたときにフローを実行したいので、トリガーには「新しい応答が送信されるとき (Microsoft Forms)」を選択します。


作成例1:Formsの受講完了報告でSharePointリスト更新&人事へ通知

このフローは、従業員がFormsで研修受講完了報告を送信した際に、その内容を基にSharePointリストの受講ステータスを更新し、人事・総務部門へTeamsチャネルで通知します。

  1. Power Automateにサインインします。お使いのMicrosoft 365アカウントでPower Automateのウェブサイト(https://make.powerautomate.com/)にアクセスし、サインインします。
  2. 「作成」から「自動化したクラウド フロー」を選択します。左側のナビゲーションペインにある「作成」をクリックし、表示されるオプションの中から「自動化したクラウド フロー」を選択します。
  3. フロー名を指定し、トリガーを選択します。フロー名には「研修受講履歴_自動更新」など、分かりやすい名前を付けます。「フローのトリガーを選択してください」の検索ボックスに「Forms」と入力し、「新しい応答が送信されるとき (Microsoft Forms)」を選択して「作成」をクリックします。
  4. トリガーの詳細を設定します。
    • フォーム ID: 事前に作成した「研修受講完了報告フォーム」(Microsoft Forms)を選択します。このフォームには、「従業員氏名」「社員番号」「受講した研修名」「受講日」などの質問項目を含めておきます。
  5. 新しいステップを追加し、フォームの応答詳細を取得します。「+ 新しいステップ」をクリックします。検索ボックスに「Forms」と入力し、「応答の詳細を取得します (Microsoft Forms)」を選択します。
    • フォーム ID: トリガーで選択したフォームと同じものを選択します。
    • 応答 ID: 動的なコンテンツのリストから「応答 ID」(「新しい応答が送信されるとき」トリガーからの出力)を選択します。
  6. 新しいステップを追加し、SharePointリストから該当の受講履歴アイテムを検索します。Formsの回答(従業員氏名、研修名、受講日など)をキーに、SharePointリストの既存の受講履歴アイテムを検索します。
    • 「アイテムの取得 (SharePoint)」アクション:
      • サイトのアドレス: 研修受講履歴リストのSharePointサイトを選択します。
      • リスト名: 研修受講履歴リストを選択します。
      • フィルタークエリ: Title eq '@{outputs('応答の詳細を取得します')?['body/r〇〇〇']}' and 研修名 eq '@{outputs('応答の詳細を取得します')?['body/r〇〇〇']}' and 受講ステータス eq '未受講'
        • 補足: r〇〇〇はFormsの質問IDです。ここでは、「氏名」と「研修名」でフィルタリングし、まだ「未受講」状態のアイテムを特定します。
  7. 新しいステップを追加し、検索結果があるかどうかの条件分岐を設定します。これにより、該当する受講履歴が見つかった場合のみ更新処理に進みます。
    • 「条件」アクション:
      • 左側の値: length(outputs('アイテムの取得')?['body/value']) (検索結果の件数)
      • 演算子:次の値より大きい
      • 右側の値: 0
  8. 「はい」のパス(該当の受講履歴が見つかった場合)に、SharePointリストの受講ステータスを更新するアクションを追加します。
    • 「アプライ トゥー イーチ」コントロール: 検索結果が複数返る可能性があるため、ループします。
      • 以前の手順からの出力を選択: 「アイテムの取得」アクションのbody/valueを選択。
    • 内側に「項目を更新します (SharePoint)」アクション:
      • サイトのアドレス: 研修受講履歴リストのサイト
      • リスト名: 研修受講履歴リスト
      • ID: アプライ トゥー イーチ内のアイテムのID
      • 受講ステータス:受講完了」を選択します。
      • 受講日: Formsから取得した「受講日」
      • 自動更新済:はい」を選択します。
  9. 新しいステップを追加し、Teamsに人事・総務部門へ通知します。この通知は、SharePointリストが更新された後に実行します。
    • 「チャットまたはチャネルにメッセージを投稿する (Teams)」アクション:
      • 投稿者:Flow bot」を選択します。
      • 投稿先:チャネル」を選択します。
      • チーム: 人事・総務部門が所属するTeamsのチームを選択します。
      • チャネル: 受講履歴管理用チャネル(例: 人事部_研修管理)を選択します。
      • メッセージ:
        【✅研修受講完了通知】
        
        @{outputs('応答の詳細を取得します')?['body/r〇〇〇']}様が研修を修了しました。
        
        従業員名: @{outputs('応答の詳細を取得します')?['body/r〇〇〇']}
        研修名: @{outputs('応答の詳細を取得します')?['body/r〇〇〇']}
        受講日: @{formatDateTime(outputs('応答の詳細を取得します')?['body/r〇〇〇'], 'yyyy/MM/dd')}
        
        ▼受講履歴を確認
        [SharePointリストを開く]@{outputs('アイテムの取得')?['body/value'][0]?['WebUrl']}
        
      • 重要度:標準」を選択します。
  10. フローを保存してテストします。画面右上の「保存」をクリックします。保存後、「テスト」をクリックし、「手動」を選択して「テスト」をクリックします。

    SharePointリスト(研修受講履歴)に、テスト用の従業員と研修情報(受講ステータスを未受講に設定)を登録し、その従業員名と研修名でFormsの「受講完了報告フォーム」を送信します。

    Power Automateのフロー実行履歴を確認し、SharePointリストの受講ステータスが「受講完了」に更新され、Teamsに通知が届いていることを確認します。


 

アクションを設定しましょう

トリガーが発動したら、次に「何を」するのかを設定します。これがアクションです。

  • Formsアクション:
    • 新しい応答が送信されるとき」: 研修受講完了報告フォームが送信されたことを検知するトリガー。
    • 応答の詳細を取得します」: フォームから送信された受講報告内容の詳細を取得します。
  • SharePointアクション:
    • アイテムの取得」: Formsからの情報に基づいて、SharePointリストの既存の受講履歴アイテムを検索します。
    • 「項目を更新します」: 該当する受講履歴アイテムの「受講ステータス」などを更新します。
  • 制御アクション:
    • 条件」: 該当の受講履歴アイテムが見つかったか、または他の条件に基づいて処理を分岐させます。
    • アプライ トゥー イーチ」: 検索結果が複数返る可能性がある場合や、複数の処理を行う場合にループ処理を行います。
  • Teamsアクション:
    • チャットまたはチャネルにメッセージを投稿する」: 人事・総務部門へ受講完了通知を送信します。

 

通知メッセージのカスタマイズをしましょう

メッセージの内容は、動的なコンテンツを利用して、従業員氏名、研修名、受講日、受講ステータス、受講履歴リストへのリンクなどを自動的に埋め込むことができます。

  • 従業員名: outputs('応答の詳細を取得します')?['body/r〇〇〇'] (Formsからの氏名)
  • 研修名: outputs('応答の詳細を取得します')?['body/r〇〇〇'] (Formsからの研修名)
  • 受講日: outputs('応答の詳細を取得します')?['body/r〇〇〇'] (Formsからの受講日)
  • 受講履歴リストへのリンク: WebUrl (SharePointリストアイテムへの直接リンク)

これらの情報を適切に配置することで、人事担当者が、誰が、何の研修を、いつ修了したのかを、一目で把握できるように工夫しましょう。


 

Power Automateで自動化を設定しましょう(応用編)

 

基本編で作成したフローをさらに便利にするための応用テクニックを見ていきましょう。

 

受講完了後、従業員本人へお祝いメッセージとアンケートを自動送信する

研修を修了した従業員に対し、その努力を称えるお祝いメッセージとともに、研修のフィードバックアンケートや修了証の案内を自動で送信することで、従業員満足度と研修の改善に繋げます。


作成例2:受講完了後、従業員本人へお祝いメッセージとアンケートを自動送信するPower Automateフロー

これは、基本編のフローのSharePointリスト更新後に組み込みます。

  1. 基本編のフロー(研修受講履歴_自動更新)を開きます。
  2. ステップ9のTeams通知アクション(人事向け)の後に、新しいステップを追加します。
    • 「チャットまたはチャネルにメッセージを投稿する (Teams)」アクション(従業員本人向け):
      • 投稿者: Flow bot
      • 投稿先: チャット
      • 受信者: @{outputs('応答の詳細を取得します')?['body/responder']?['email']} (Forms回答者のメールアドレス)
      • メッセージ:
        @{outputs('応答の詳細を取得します')?['body/r〇〇〇']}様
        
        ✨研修修了おめでとうございます!✨
        
        この度は、「@{outputs('応答の詳細を取得します')?['body/r〇〇〇']}」研修の修了、誠におめでとうございます!
        研修で学んだことをぜひ今後の業務に活かしてください。
        
        ▼研修のフィードバックにご協力ください(3分程度)
        [アンケート回答]https://forms.office.com/Pages/ResponsePage.aspx?id=... (研修後アンケート用FormsのURL)
        
        ▼修了証はこちらからダウンロードできます(発行される場合)
        [修了証ダウンロード]https://yourcompany.sharepoint.com/sites/hr/certs/... (SharePointの修了証フォルダURL)
        
      • 重要度:標準」を選択します。
  3. フローを保存してテストします。Formsから受講完了報告を送信し、人事への通知に加えて、従業員個人のTeamsチャットにもお祝いメッセージと案内が届くことを確認します。

 

未受講者へ研修のリマインダーや受講状況確認を促す

研修への申し込みはあったものの、受講が確認できていない従業員に対し、自動でリマインダー通知を送信したり、受講状況を確認したりすることで、受講忘れを防止し、研修参加率の向上を図ります。


作成例3:未受講者へ研修のリマインダーや受講状況確認を促すPower Automateフロー(別フロー)

このフローは、毎週または毎日特定の時間に実行され、未受講者を検索し、リマインダーを送信します。

  1. 新しいフローを「スケジュール済みクラウド フロー」として作成します。
    • フロー名:「研修_未受講者リマインダー
    • 繰り返し: 毎週、特定の曜日(例:月曜日)、午前9時。
  2. 新しいステップを追加し、SharePointリストから未受講の研修項目を取得します。「アイテムの取得 (SharePoint)」アクションを追加します。
    • サイトのアドレス: 研修受講履歴リストのサイト
    • リスト名: 研修受講履歴リスト
    • フィルタークエリ: 受講ステータス eq '未受講' and 受講日 lt '@{formatDateTime(utcNow(), 'yyyy-MM-dd')}'
      • 補足: これは「受講ステータスが『未受講』」で、かつ「受講日が今日より過去」のアイテムを抽出します(つまり、受講期限が過ぎている未受講者)。
  3. 新しいステップを追加し、取得した各未受講者に対して処理を繰り返します。「アプライ トゥー イーチ」コントロールを追加し、「アイテムの取得」アクションの値を選択します。
  4. 「アプライ トゥー イーチ」の中にTeamsへのリマインダー通知アクションを追加します。
    • 「チャットまたはチャネルにメッセージを投稿する (Teams)」アクション:
      • 投稿者: Flow bot
      • 投稿先: チャット
      • 受信者: アプライ トゥー イーチ内のアイテムから取得した「メールアドレス」
      • メッセージ:
        @{items('アプライ_トゥー_イーチ')?['Title']}様
        
        【研修受講リマインダー】
        
        研修「@{items('アプライ_トゥー_イーチ')?['研修名']}」の受講がまだ完了していないようです。
        お忘れのないよう、速やかにご受講をお願いいたします。
        
        ▼研修はこちらから
        [研修URL] (研修の参加URLや動画へのリンク)
        
        ご不明な点がございましたら、人事/総務部門までご連絡ください。
        
      • 重要度:重要」を選択します。
  5. フローを保存してテストします。SharePointリストにテスト用の未受講者情報(受講ステータスを未受講、受講日を過去に設定)を登録し、フローが動作し、未受講者にリマインダーが届くことを確認します。

 

Power BIで受講状況ダッシュボードを可視化する

SharePointリストに蓄積された研修受講履歴データをPower BIで可視化し、部署ごとの受講率、特定の研修の進捗、未受講者リストなどをダッシュボードで一目で確認できるようにします。Teamsチャネルにタブとして埋め込むと、常時アクセス可能な「見える化」のハブとなります。


作成例4:Power BIで受講状況ダッシュボードを可視化する

これはPower Automateのフロー自体ではなく、Power BIとTeamsの連携機能です。

  1. SharePointリストのデータ準備:
    • 上記フローでデータを自動登録している研修受講履歴リストが、Power BIのデータソースとなります。
  2. Power BI Desktopでレポート作成:
    • Power BI Desktopを開き、「データの取得」から「SharePointオンラインリスト」を選択し、研修受講履歴リストをデータソースとして追加します。
    • データを加工し、以下のレポートを作成します。
      • KPIカード: 全体受講率、完了研修数、未受講者数。
      • 棒グラフ: 部署別の受講率、研修名別の受講者数。
      • テーブル: 未受講者の一覧(氏名、研修名、受講期限)。
      • スライサー: 研修名や部署でデータを絞り込めるようにします。
    • これらのレポートを分かりやすいダッシュボードにまとめます。
  3. Power BI Serviceに発行:
    • 作成したレポートをPower BI DesktopからPower BI Service(クラウドサービス)に発行します。
  4. TeamsにPower BIレポートをタブとして追加:
    • Teamsを開き、研修状況を可視化したいチャネル(例: 人事部_研修管理)を選択します。
    • チャネルの上部にある「+」ボタンをクリックし、新しいタブを追加します。
    • Power BI」アプリを検索して選択します。
    • 表示されたワークスペースから、先ほど発行したレポートまたはダッシュボードを選択します。
    • 保存」をクリックします。

メリット: 人事・総務部門や教育担当者はTeamsを離れることなく、常に最新の受講状況ダッシュボードを確認できます。これにより、問題の早期発見、ボトルネックの特定、研修プログラム改善をデータに基づいて行うことができます。


 

エラー対策とトラブルシューティングを確認しましょう

Power Automateフローは、確実に動作することが求められます。特に研修受講履歴は、人事管理やコンプライアンスに関わるため、信頼性が非常に重要です。誤作動も避けたいものです。よくあるエラーとその対策、そしてトラブルシューティングのポイントをご紹介します。

権限不足のエラーが出た場合

「アクセスが拒否されました」といったエラーメッセージが表示される場合、Power AutomateがSharePointのリストを操作したり、Formsの回答を読み取ったり、Teamsにメッセージを送信したりするための権限が不足している可能性があります。

フローを実行するアカウントが、対象のSharePointリスト、Forms、Teamsチャネルに対して適切な権限を持っていることを確認してください。人事・総務部門やシステム管理者がフローを作成・管理するのが望ましいでしょう。

 

Formsの入力ミスやSharePoint列との不一致の場合

Formsで受講報告を入力する際、入力ミスや、SharePointリストの列のデータ型と合致しない形式で入力される場合に、フローがエラーになることがあります。特に氏名や研修名、受講日が正しくマッピングされない場合に注意が必要です。

  • Formsでの入力規則の設定: 従業員氏名や研修名を自由入力ではなく、SharePointリスト(社員マスタ、研修マスタ)のデータと連携するプルダウンリストで選択させることで、入力ミスを減らせます。
  • SharePoint列のデータ型: SharePointリストの列のデータ型が、Formsからのデータと一致しているか確認しましょう。
  • Power Automateでのデータ変換: 必要に応じてformatDateTime()int()といった関数を使って、明示的なデータ型変換を行うことで、堅牢性を高めましょう。
  • 氏名からメールアドレスを特定できない場合は、別途社員名簿リストなどから検索するロジックを組み込みましょう。

 

通知がTeamsに届かない場合(フローは成功しているのに)

Power Automateの実行履歴ではフローが「成功」しているのに、Teamsに通知が届かない場合があります。

  • Teamsの通知設定: 受信者(従業員本人、人事担当者など)のTeamsアプリの通知設定で、Flow botからの通知がブロックされていないか、ミュートされていないかなどを確認してください。
  • 受信者のメールアドレス: Teamsのチャット通知の場合、受信者のメールアドレスが正確であるかを確認しましょう。SharePointリストのメールアドレスが最新であるかを定期的に確認する運用も重要です。
  • 接続の正常性: Power Automateの「データ」→「接続」で、Teamsへの接続が正常に確立されているかを確認しましょう。

 

フローの履歴を確認しましょう

エラーが発生した場合や、フローが意図通りに動作しない場合は、Power Automateのフロー実行履歴を確認することが最も重要ですされます。

  1. Power Automateの「マイ フロー」から、該当のフローを選択します。
  2. 実行履歴」タブをクリックします。
  3. 失敗した実行、または成功したものの動作が怪しい実行を選択すると、フローの各ステップがどのように処理され、どこでエラーが発生したか、そして入力/出力データやエラーメッセージの詳細を確認できます。

各アクションの「入力」と「出力」を確認することで、どのデータがどのように処理され、どこで問題が発生したのかを詳細に把握できます。特にSharePointリストのアイテム検索(アイテムの取得アクション)が期待通りの結果を返しているか、フィルタークエリが正しく機能しているかを確認しましょう。


 

セキュリティとアクセス管理を確認しましょう

研修受講履歴は、従業員の学習状況や個人情報を含むため、自動化システムを構築する際は、セキュリティとアクセス管理に十分な配慮が必要です。

 

SharePointリストの権限設定を適切にしましょう

研修受講履歴リストに保存されたデータは、誰が閲覧・編集できるべきかを厳密に管理する必要があります。

  • 編集権限: 人事・総務部門の限られたメンバーにのみ「編集」権限を付与しましょう。
  • 閲覧権限: 従業員は自分自身の受講履歴のみを閲覧できるように設定し、他者の受講履歴は閲覧できないようにしましょう。上長は自身の部下の受講履歴のみ閲覧可能とします。
  • 最小限の原則: 必要な人にのみ最小限の権限を与えましょう。
  • グループの活用: 個々のユーザーに権限を付与するのではなく、Active DirectoryグループやMicrosoft 365グループを利用して権限を管理することで、運用が容易になります。

 

Teamsチャネル/チャットの権限設定を適切にしましょう

研修受講に関する通知が送信されるTeamsチャネルやチャットのメンバーシップも適切に管理しましょう。

  • 個人チャットの利用: 従業員本人への通知は、個人チャットが最も安全で適切です。
  • プライベートチャネルの利用: 人事・総務部門向けの受講履歴管理チャネルは、必ず「プライベート」チャネルとし、関係者以外が閲覧できないようにしましょう。
  • 一般チャネルへの通知の制限: 全員がアクセスできる「一般」チャネルには、機密性の低い、概要のみの情報に留めるか、通知自体を行わないようにしましょう。

 

フローの作成と実行権限を管理しましょう

この自動化フローは、従業員の学習履歴や個人情報を扱うため、不用意に作成・変更・実行できないように、適切な権限管理が必要です。

  • フロー作成者の制限: 重要なフローの作成権限は、人事・総務部門の責任者や特定のシステム管理者にのみ付与することを検討しましょう。
  • 共有の最小化: フローを他のユーザーと共有する際は、実行のみの権限に限定し、共同所有者としての共有は慎重に検討しましょう。共同所有者はフローを編集できるため、意図しない変更のリスクがあります。
  • サービスアカウントの利用: フローの実行アカウントが個人アカウントではなく、専用のサービスアカウントであれば、個人の人事異動や退職の影響を受けにくく、権限管理も一元化しやすいでしょう。

 

個人情報保護への配慮を忘れずに

研修の申し込み情報や受講履歴には、氏名、メールアドレス、研修内容といった個人情報が含まれます。個人情報保護法などの関連法令や社内規定を遵守するよう細心の注意を払いましょう。

  • 利用目的の明確化: 研修の目的と、参加者情報の利用方法を従業員に明確に伝え、同意を得ましょう。
  • 安全な保管: 不必要なアクセスを制限し、データの安全な保管に努めましょう。
  • 保持期間の検討: 参加者情報の保持期間を定め、期間経過後は適切に廃棄する運用を検討しましょう。

 

まとめ

Power AutomateとTeams、SharePointリストを組み合わせることで、研修受講履歴の自動更新を行う方法について、基本的な設定から応用、エラー対策、そしてセキュリティとアクセス管理まで、詳細に解説してきました。

この自動化されたシステムは、受講履歴管理の負担を軽減し、データの正確性を向上させ、研修の効果を最大化するための強力なツールとなるでしょう。結果として、人事・総務部門の業務効率向上と、従業員のスキルアップ促進に大きく貢献できます。

まずは、この記事で紹介した基本的なフローを実際に作成し、ご自身の環境で試してみてください。そして、貴社の研修運営プロセスや情報共有のニーズに合わせて、応用編で紹介した機能を追加したり、さらに独自のカスタマイズを加えたりすることで、より洗練された研修管理システムを実現できるはずです。