Teamsで条件付きアクセスを有効にするとタブが機能しなくなる原因・改善方法

Teamsで条件付きアクセスを有効にするとタブが機能しなくなる?その原因と解決策を徹底解説!

Microsoft Teamsのセキュリティを強化するため、「条件付きアクセス」という設定を有効にしたら、なぜかTeams内の特定のタブ(Planner、Wiki、SharePointなど)が使えなくなってしまった…そんな経験はありませんか? セキュリティは重要ですが、それによってTeamsの便利さが損なわれてしまうのは困りものですよね。まるで、家を泥棒から守るために頑丈な鍵をかけたら、自分も家に入れなくなってしまったような状態です。

この「条件付きアクセスとタブ機能の競合」という問題は、企業のIT管理者やセキュリティ担当者が遭遇しやすい、少し専門的なトラブルです。しかし、その原因を理解し、適切な設定を行うことで、セキュリティを維持しながらTeamsの機能をフル活用できるようになります。


条件付きアクセスでタブが動かないのはなぜ?

Teamsで条件付きアクセスを有効にした際にタブが機能しなくなる原因は、セキュリティポリシーの設定とTeamsの動作メカニズムが複雑に絡み合っているためです。まるで、複数のセキュリティゲートを通過しようとしたら、それぞれのゲートが異なるルールを持っていて、途中で行き詰まってしまうようなものです。ここでは、よくある原因をいくつかご紹介しますので、あなたの組織の状況に当てはまるものがないか確認してみてください。

条件付きアクセスがTeamsに「未承認のアプリ」と誤解しているかも?

条件付きアクセスは、ユーザーが特定のクラウドサービス(Microsoft 365のTeams、SharePoint、Exchangeなど)にアクセスする際に、特定の条件(デバイスの状態、場所、多要素認証など)を満たしているかをチェックする強力なセキュリティ機能です。しかし、Teams内のタブ(Planner、Wiki、SharePointサイトなど)は、Teamsアプリが内部的に別のMicrosoft 365サービスと連携して表示していることがほとんどです。

この時、条件付きアクセスが「Teamsアプリからのアクセス」ではなく、「Teamsアプリを経由した別のMicrosoft 365サービスへのアクセス」を、ポリシーに合わない未承認のアプリからのアクセスと誤解してしまうことがあります。

認証トークンやセッションの扱いに問題があるかも?

Teamsは一度サインインすると、ユーザーの認証情報を「トークン」として保持し、様々なサービスにアクセスします。条件付きアクセスが有効になっている場合、この認証トークンの有効期間や、セッション(接続状態)の管理方法に厳しい制限が課せられることがあります。例えば、短いセッション有効期間が設定されていると、Teamsは頻繁に再認証を求められ、その際にタブの読み込みが中断されてしまうことがあります。

「承認済みクライアントアプリ」の指定が不十分かも?

条件付きアクセスでは、「承認済みクライアントアプリ」という設定があります。これにより、特定のアプリ(例えばTeamsのデスクトップアプリ)からのアクセスのみを許可し、それ以外のアプリからのアクセスをブロックできます。しかし、Teamsが内部で利用する関連サービス(SharePoint OnlineやExchange Onlineなど)へのアクセスがこのポリシーで適切に許可されていない場合、タブが機能しなくなることがあります。

ネットワークやデバイスの条件が厳しすぎるかも?

条件付きアクセスで設定された「特定の場所からのアクセスのみ許可」や「特定の種類のデバイスからのアクセスのみ許可(準拠デバイスなど)」といった条件が厳しすぎると、たとえTeamsアプリが正規のものであっても、これらの条件を満たせないためにタブのコンテンツにアクセスできない、という状況が発生します。


まず試したい!簡単な確認と基本的な改善策

条件付きアクセスとTeamsタブの競合は少し専門的ですが、まずは現状の確認と、簡単な基本的な対処法から見ていきましょう。

エラーメッセージの内容を詳しく見てみよう

エラーが表示された際に、「このサイトにアクセスできません」というメッセージだけでなく、その下にエラーコードやより詳細な説明が表示されていないか確認しましょう。例えば、「AADSTSXXXXX」のようなエラーコードは、Microsoft Entra ID(旧 Azure Active Directory)の認証エラーを示しており、問題の特定に役立ちます。

別のタブや機能は正常に使えるか確認してみよう

Plannerタブが機能しない場合でも、Teamsの基本的なチャット機能や会議機能、あるいは他のタブ(例えばファイルタブ)は正常に使えるか確認してみましょう。特定のタブだけが問題を起こしているのか、Teams全体の問題なのかを切り分けることができます。

Teamsアプリを再起動してみよう

一時的なアプリの不具合であれば、Teamsアプリを完全に終了させてから再度起動することで問題が解決することがあります。単にウィンドウを閉じるだけでなく、タスクマネージャー(Windowsの場合: Ctrl + Shift + Esc、Macの場合: Command + Option + Esc)からTeamsのプロセスを終了させると確実です。

タスクマネージャーを使ったTeamsの強制終了例

Windowsの場合、キーボードの Ctrl キーと Shift キーと Esc キーを同時に押してタスクマネージャーを起動します。「プロセス」タブの中で「Microsoft Teams」または「Teams」という名前を探します。見つけたら、それを選択して画面右下の「タスクの終了」ボタンをクリックします。これでTeamsが完全に閉じられます。その後、再度Teamsを起動してタブの動作を試してみてください。

// WindowsタスクマネージャーでのTeams終了手順
1. キーボードで Ctrl + Shift + Esc を押して「タスクマネージャー」を開く。
2. 「プロセス」タブをクリック。
3. アプリケーションの一覧から「Microsoft Teams」を探す。
4. 「Microsoft Teams」を選択し、「タスクの終了」ボタンをクリック。
5. タスクマネージャーを閉じ、再度Teamsを起動する。

Teamsアプリのキャッシュを消してみよう

Teamsアプリのキャッシュ破損が、内部的なタブの動作に影響を与えている可能性があります。これをクリアすることで、問題が解決することがあります。Teamsアプリは、動作を速くするために一時ファイル(キャッシュ)を保存しています。このキャッシュが破損したり古くなったりすると、Teamsの正常な動作に悪影響を与えることがあります。

Teamsキャッシュのクリア方法例

Windowsの場合

  1. Teamsアプリを完全に終了させます(タスクマネージャーからも終了していることを確認)。
  2. ファイルエクスプローラーを開き、アドレスバーに %appdata%\Microsoft\Teams と入力してEnterキーを押します。
  3. 開いたフォルダ内の「Cache」フォルダと「GPUCache」フォルダ、さらに「IndexedDB」フォルダの内容(IndexedDBフォルダ自体ではなくその中のファイル)を削除します。重要なファイルは含まれていませんのでご安心ください。
  4. パソコンを再起動し、Teamsを再度起動してタブの動作を試してみてください。

Macの場合

  1. Teamsアプリを完全に終了させます。
  2. Finderを開き、「移動」メニューから「フォルダへ移動」を選択します。
  3. ボックスに ~/Library/Application Support/Microsoft/Teams と入力して「移動」をクリックします。
  4. 開いたフォルダ内の「Application Cache」「Cache」「Code Cache」「GPUCache」「IndexedDB」などの全てのフォルダを削除します。
  5. パソコンを再起動し、Teamsを再度起動してタブの動作を試してみてください。

組織のIT管理者向け!条件付きアクセス設定の確認と改善策

この問題は、ユーザー側でできることが限られている場合が多く、Microsoft 365/Azure AD(現 Microsoft Entra ID)の条件付きアクセス設定を管理しているIT管理者の方による確認と調整が必要になります。

条件付きアクセス ポリシーを見直してみよう

条件付きアクセス ポリシーが、Teamsのタブ機能に必要な他のMicrosoft 365サービスへのアクセスをブロックしていないか確認します。特に以下の点に注意してください。

対象となるクラウドアプリ

  • Teamsだけでなく、SharePoint Online、Exchange Online、Microsoft Plannerなど、Teamsのタブ機能が依存している関連サービスがポリシーの対象に含まれているか確認します。
  • もし、これらのサービスがポリシーに含まれていない場合、Teamsアプリからのアクセスがブロックされる可能性があります。

 

「許可」セクションの「アクセス許可の付与」

  • 「承認済みクライアントアプリが必要」または「準拠デバイスが必要」といった条件を設定している場合、Teamsアプリやユーザーのデバイスがその条件を満たしているか確認します。
  • Teamsのデスクトップアプリは通常「承認済みクライアントアプリ」と認識されますが、意図せずブロックされている可能性も考慮します。
  • 可能であれば、一時的にポリシーを「レポートのみ」モードで実行し、ブロックされる通信がないかログを確認することも有効です。

 

「SharePoint Online」へのアクセスポリシーを確認しよう

TeamsのファイルタブやWiki、その他多くのタブ機能は、バックエンドでSharePoint Onlineを利用しています。したがって、SharePoint Onlineへのアクセスを制限する条件付きアクセス ポリシーが設定されている場合、これらのタブが機能しなくなる可能性が非常に高いです。

改善策: SharePoint Onlineへのアクセスを許可するポリシーが適切に設定されているか、特にTeamsからのアクセスを許可するように見直しましょう。

クラウドアプリのセッション管理設定を確認しよう

条件付きアクセスのポリシーで、セッションの有効期間や永続的ブラウザセッションの設定が厳しく制限されている場合、Teamsが認証トークンを維持できなくなり、頻繁に再認証が必要になったり、タブが読み込めなくなったりすることがあります。

改善策: 影響を受けているクラウドアプリ(Teams、SharePoint Onlineなど)に対するセッション管理の設定を見直しましょう。特に「サインイン頻度」や「永続的なブラウザーセッション」の項目を確認し、必要に応じて調整します。

 

「Exchange Online」へのアクセスポリシーを確認しよう

Teamsの一部の機能(会議のスケジュール、カレンダー連携など)はExchange Onlineと連携しています。もしExchange Onlineへのアクセスが条件付きアクセスで厳しく制限されている場合、関連するTeamsタブの機能にも影響が出る可能性があります。

改善策: Exchange Onlineへのアクセスを許可するポリシーが適切に設定されているか確認しましょう。


状況の切り分けと詳細な調査方法(IT管理者向け)

問題の特定と解決をより効率的に行うための、具体的な調査方法をご紹介します。

 

Microsoft Entra ID サインインログを分析しよう

条件付きアクセス ポリシーによってアクセスがブロックされた場合、Microsoft Entra IDのサインインログにその情報が記録されます。

サインインログの確認方法例

  1. Microsoft Entra 管理センター(entra.microsoft.com)にサインインします。
  2. 左側のメニューで「ID」>「監視と正常性」>「サインイン ログ」に移動します。
  3. 問題が発生したユーザーとサービス(Teams、SharePointなど)でフィルターをかけます。
  4. 失敗したサインインエントリの詳細を確認し、「条件付きアクセス」タブで、どのポリシーによってアクセスがブロックされたか、その理由は何だったかを確認します。これにより、具体的な原因となっているポリシーを特定できます。

Microsoft 365 管理センターの正常性を確認しよう

TeamsやPlanner、SharePointなどのMicrosoft 365サービス自体に一時的な障害が発生している可能性もゼロではありません。

サービス正常性の確認方法例

  1. Microsoft 365 管理センター(admin.microsoft.com)にサインインします。
  2. 左側のメニューで「正常性」>「サービス正常性」に移動します。
  3. Teams、SharePoint Online、Microsoft Plannerなどのサービスに、現在進行中の障害やインシデントがないか確認します。もし障害が発生していれば、Microsoft側での復旧を待つ必要があります。

Teams診断ツールを実行してみよう

Microsoft 365 管理センターには、Teamsの特定のトラブルシューティングに役立つ診断ツールが用意されている場合があります。例えば、Teamsの接続性に関する診断や、ポリシーに関する診断などです。

確認方法: Microsoft 365 管理センターの検索バーで「Teams診断」などと検索し、利用可能な診断ツールがないか確認します。


セキュリティと利便性のバランスを取り、Teamsを最大限に活用!

Teamsで条件付きアクセスを有効にした際にタブが機能しなくなる問題は、セキュリティ設定とサービス連携の複雑さから生じることが多いトラブルです。しかし、その主な原因が「未承認のアプリ」と誤解されることや、認証トークンの扱いの問題、そして関連サービスへのアクセス制限にあることを理解いただけたかと思います。

この問題の解決には、IT管理者によるMicrosoft Entra IDの条件付きアクセス ポリシーの慎重な見直しが不可欠です。特に、Teamsが依存するSharePoint OnlineやExchange Online、Microsoft Plannerへのアクセスが適切に許可されているか、セッション管理が厳しすぎないか、といった点を重点的に確認しましょう。