Power AutomateでTeamsのタブに福利厚生情報を集約する!
「あの制度ってどこで確認するんだっけ?」「申請フォームのリンクが見つからない…」。従業員が福利厚生制度を利用しようとしたとき、情報が散らばっていたり、必要なフォームが見つからなかったりすると、大きなストレスになってしまいますよね。総務や人事部門にとっても、問い合わせ対応に追われ、本来の業務に集中できない、といった悩みがあるかもしれません。
Power AutomateとTeams、そしてSharePointを組み合わせることで、福利厚生に関するあらゆる情報をTeamsの特定のタブに集約し、従業員がいつでも簡単にアクセスできるようにする仕組みを構築できます。
なぜTeamsのタブに福利厚生情報を集約することが大切なのでしょう?
福利厚生は従業員の満足度やエンゲージメントに直結する重要な要素です。その情報にスムーズにアクセスできることは、組織にとって大きなメリットをもたらします。どんな良いことがあるのか、一緒に見ていきましょう。
従業員が必要な情報にすぐにアクセスできるから
福利厚生に関する情報が社内ポータルやイントラネット、共有フォルダなど、あちこちに散らばっていると、従業員は必要な情報を見つけるまでに時間がかかります。Teamsのタブに集約することで、日々の業務で慣れ親しんだTeamsアプリから、ワンクリックで福利厚生情報にアクセスできるようになります。これにより、従業員の利便性が向上し、制度の利用促進にも繋がるでしょう。
総務・人事部門の問い合わせ対応が減るから
福利厚生に関する従業員からの問い合わせは、総務や人事部門の業務負担となることが少なくありません。「〇〇制度ってどうなっていますか?」「申請書のリンクを教えてください」といった定型的な問い合わせに時間を割く必要がなくなれば、部門のメンバーはより戦略的な人事施策や従業員支援に集中できるようになります。これにより、部門全体の生産性向上とストレス軽減に貢献するでしょう。
情報の鮮度と正確性を保ちやすくなるから
福利厚生制度は、法改正や社内規定の変更によって内容が変わることがあります。情報が複数の場所に点在していると、更新漏れや古い情報の残存が発生しやすくなります。Teamsのタブに集約することで、情報の一元管理が容易になり、更新作業も効率化できます。これにより、従業員は常に最新で正確な情報にアクセスできるようになり、誤解や混乱を防げます。
従業員満足度とエンゲージメントを高められるから
従業員が福利厚生制度について十分に理解し、活用できる環境は、会社への満足度とエンゲージメントを高めます。情報へのアクセスが容易になることで、従業員は会社が提供するメリットをより実感しやすくなり、ワークライフバランスの向上や長期的な定着に繋がるでしょう。これは、優秀な人材の確保と育成においても重要な要素です。
管理システムの準備を始めましょう
福利厚生情報をTeamsのタブに集約する仕組みを構築する前に、いくつか確認し、準備しておくべきことがあります。これらを事前に整理しておくことで、スムーズに情報集約を進めることができます。
福利厚生情報の「置き場所」を決めましょう
Teamsのタブに表示する福利厚生情報をどこに保存するかを決めます。Teamsと最も相性の良い「SharePoint」を利用するのが最適です。
- SharePointサイトの作成/活用:
- 福利厚生情報専用のSharePointサイトを作成するか、既存の社内ポータルサイト内に福利厚生に関するページやドキュメントライブラリを作成します。
- 情報の種類に応じた保存方法:
- 制度説明などの情報ページ: SharePointの「ページ」機能を使って、各制度の詳細説明ページを作成します。見出しや画像を使い、分かりやすく整理しましょう。
- 申請書やガイドライン: SharePointの「ドキュメントライブラリ」にWord、Excel、PDFなどのファイルとして保存します。
- よくある質問(FAQ): SharePointの「リスト」機能を使って、FAQリストを作成すると、検索性が高まります。
- 申請フォームへのリンク: 各種申請フォーム(Microsoft FormsやPower Appsなど)へのリンクを集約するページを作成します。
Teamsで福利厚生情報を表示するチャネルを決めましょう
福利厚生情報を集約したタブを表示するTeamsのチャネルを決定します。
- 全社向けチャネル: 全従業員がアクセスできる「一般」チャネルや、
福利厚生情報といった専用のチャネルを作成することをお勧めします。これにより、従業員全員が情報に簡単にアクセスできます。 - 人事・総務部門向けチャネル: 申請の通知や内部管理のためのチャネルとは別に、従業員向けの情報を集約するチャネルを区別して設定しましょう。
どのような情報を表示するか計画しましょう
Teamsタブで表示したいコンテンツの種類と、その見せ方を計画します。
- 情報カテゴリーの整理: 例:「住宅関連」「健康・医療」「育児・介護」「自己啓発」「休暇制度」など、カテゴリーに分けて整理すると探しやすくなります。
- 表示方法の検討:
- SharePointページをタブに追加: 最もシンプルな方法です。作成した福利厚生のトップページをTeamsのタブとして直接表示します。
- SharePointドキュメントライブラリをタブに追加: 特定の申請書ファイルなどを直接表示したい場合に有効です。
- Webサイト(URL)をタブに追加: SharePoint以外のWebサイトをタブに表示したい場合に利用します。
必要な権限があるか確認しましょう
Power Automateを使用するわけではありませんが、Teamsのタブ設定を行うために、適切な権限が必要です。
- Teamsチャネルへのアクセス権: タブを追加するTeamsチャネルの「所有者」権限を持っている必要があります。
- SharePointサイトへのアクセス権: Teamsタブに表示するSharePointサイトやコンテンツに対して、従業員全員が「読み取り」権限を持っていることを確認してください。
Teamsのタブに福利厚生情報を集約する設定を始めましょう(Power Automateは不要)
Power Automateを使わずに、Teamsの標準機能でSharePointの福利厚生情報をタブとして追加する手順を解説します。この作業自体にPower Automateは不要ですが、その後の情報更新の通知などに応用できます。
TeamsチャネルにSharePointページを追加しましょう
福利厚生の概要ページや、申請フォームへのリンクを集約したSharePointページをTeamsのタブとして追加します。
- Teamsを開き、福利厚生情報を表示したいチャネル(例:
全社共通または福利厚生情報)を選択します。 - チャネルの上部にある「+」ボタンをクリックし、新しいタブを追加します。
- 「SharePoint」アプリを検索して選択します。
- 「SharePoint ページ」を選択し、タブとして追加したい福利厚生のトップページや概要ページを選択します。
- ヒント: もし目的のページが表示されない場合は、「SharePoint サイト」を選択し、福利厚生情報があるSharePointサイトのURLを入力した後、そのサイト内のページを選択することも可能です。
- 「保存」をクリックします。
これにより、選択したSharePointページがTeamsチャネルの新しいタブとして表示されます。従業員はTeamsを離れることなく、福利厚生のトップページにアクセスできるようになります。
Teamsチャネルに申請フォームへのリンクを集約したタブを追加しましょう
もし申請フォームへのリンクを特に目立たせたい場合は、専用のタブを作成することもできます。これは、SharePointページにリンクをまとめるか、「Webサイト」タブとして直接FormsのURLなどを埋め込む方法があります。
作成例:TeamsチャネルにWebサイトタブを追加
この例では、Microsoft Formsで作成した申請フォームを直接タブとして表示します。
- Teamsを開き、福利厚生情報を表示したいチャネルを選択します。
- チャネルの上部にある「+」ボタンをクリックし、新しいタブを追加します。
- 「Webサイト」アプリを検索して選択します。
- タブ名に「名刺発注フォーム」など、分かりやすい名前を入力します。
- URLの欄に、Microsoft Formsで作成した申請フォームの共有リンク(回答の収集用URL)を貼り付けます。
- 「保存」をクリックします。
これで、従業員はTeamsから直接、名刺発注フォームなどの申請フォームにアクセスできるようになります。
Power Automateで「情報更新」を通知する応用編
Teamsのタブに福利厚生情報を集約する作業自体にPower Automateは必要ありませんが、集約した情報が更新された際に、従業員に通知を送ることで、常に最新の情報にアクセスしてもらうことができます。
福利厚生情報(SharePointページ)が更新されたら通知する
SharePointの福利厚生に関するページやドキュメントが更新された際に、Teamsのチャネルに自動で通知を送るフローを作成します。
作成例:SharePointコンテンツの更新をTeamsに通知するPower Automateフロー
このフローは、SharePointサイトの特定のライブラリやリスト、またはサイト全体でアイテムが変更されたことをトリガーに、Teamsに通知します。
- Power Automateにサインインします。
- 「作成」から「自動化したクラウド フロー」を選択します。
- フロー名を指定し、トリガーを検索します。フロー名には「福利厚生情報更新通知」など、分かりやすい名前を付けます。「フローのトリガーを選択してください」の検索ボックスに「SharePoint」と入力し、「ファイルが変更されたとき (プロパティのみ) (SharePoint)」または「項目が変更または作成されたとき (SharePoint)」を選択して「作成」をクリックします。
- 補足: SharePointページやWord/PDFファイル(ドキュメントライブラリ内)の更新を検知する場合は「ファイルが変更されたとき (プロパティのみ)」、FAQリスト(リスト内)の項目更新を検知する場合は「項目が変更または作成されたとき」が適しています。ここでは「ファイルが変更されたとき (プロパティのみ)」の例で進めます。
- トリガーの詳細を設定します。
- サイトのアドレス: 福利厚生情報が保存されているSharePointサイトのURLを選択します。
- ライブラリ名: 福利厚生関連のファイル(ページ、ドキュメントなど)が保存されているドキュメントライブラリを選択します。通常、サイトの「サイトページ」ライブラリや「ドキュメント」ライブラリになるでしょう。
- 新しいステップを追加し、Teamsにメッセージを投稿します。「+ 新しいステップ」をクリックします。検索ボックスに「Teams」と入力し、「チャットまたはチャネルにメッセージを投稿する (Teams)」を選択します。
- 投稿者: Flow bot
- 投稿先: チャネル
- チーム: 福利厚生情報更新を通知したいTeamsのチームを選択します。
- チャネル: 全従業員がアクセスするチャネル(例:
全社共通)や、福利厚生情報専用チャネルを選択します。 - メッセージ:
【📣福利厚生情報が更新されました】 〇〇制度に関する情報が更新されましたので、ご確認ください。 更新されたファイル/ページ: @{triggerOutputs()?['body/{Path}']}/@{triggerOutputs()?['body/{FilenameWithExtension}']} 最終更新日時: @{formatDateTime(triggerOutputs()?['body/LastModified'], 'yyyy/MM/dd HH:mm')} 詳細はこちらのTeamsタブからアクセスできます: [福利厚生タブへのリンク]- 補足:
@{triggerOutputs()?['body/{Path}']}と@{triggerOutputs()?['body/{FilenameWithExtension}']}は、更新されたファイルのパスとファイル名です。Teamsタブへのリンクは、Teamsの該当タブを右クリックして「タブへのリンクをコピー」で取得したURLを貼り付けます。
- 補足:
- フローを保存してテストします。フローを保存後、SharePointの福利厚生関連のページやドキュメントを少し編集して保存し、フローが動作してTeamsに通知が届くことを確認します。
エラー対策とトラブルシューティングを確認しましょう
Power Automateフローは、確実に動作することが求められます。よくあるエラーとその対策、そしてトラブルシューティングのポイントをご紹介します。
権限不足のエラーが出た場合
「アクセスが拒否されました」といったエラーメッセージが表示される場合、Power AutomateがSharePointのコンテンツを読み取ったり、Teamsにメッセージを送信するための権限が不足している可能性があります。
対策: フローを実行するアカウントが、対象のSharePointサイトやライブラリに対して「読み取り」権限、そしてTeamsチャネルへのメッセージ投稿権限を持っていることを確認してください。人事・総務部門の担当者、または専用のサービスアカウントがフローを作成・管理するのが望ましいでしょう。
通知がTeamsに届かない場合(フローは成功しているのに)
Power Automateの実行履歴ではフローが「成功」しているのに、Teamsに通知が届かない場合があります。
対策
- Teamsの通知設定: 受信側のTeamsで、Flow botからの通知がブロックされていないか、ミュートされていないかなどを確認してください。
- チャネルの選択ミス: 「チャットまたはチャネルにメッセージを投稿する」アクションで、意図したチャネルが正しく選択されているか、タイプミスがないかを再確認しましょう。
- 接続の正常性: Power Automateの「データ」→「接続」で、Teamsへの接続が正常に確立されているかを確認しましょう。
トリガーが動作しない場合
フローが全く実行されない場合、設定したトリガーの条件が満たされていない可能性があります。
対策
- SharePointサイト/ライブラリの正確性: トリガーで選択したSharePointサイトとライブラリが、実際に更新されるコンテンツの場所と完全に一致しているか確認しましょう。
- 更新方法の確認: SharePointのコンテンツは、Webブラウザからの直接編集、OneDrive同期、SharePoint Designerなど、様々な方法で更新される可能性があります。トリガーが設定した更新方法(例:プロパティのみの変更を検知するか、ファイルそのものの変更を検知するか)に合致しているかを確認しましょう。
- テスト更新: フローを保存後、対象のSharePointページやドキュメントを実際に編集して保存し、Power Automateの「実行履歴」でフローが起動したかを確認しましょう。
フローの履歴を確認しましょう
エラーが発生した場合や、フローが意図通りに動作しない場合は、Power Automateのフロー実行履歴を確認することが最も重要ですされます。
手順
- Power Automateの「マイ フロー」から、該当のフローを選択します。
- 「実行履歴」タブをクリックします。
- 失敗した実行、または成功したものの動作が怪しい実行を選択すると、フローの各ステップがどのように実行されたか、どこでエラーが発生したか、そしてエラーメッセージの詳細を確認できます。
ポイント: 各アクションの「入力」と「出力」を確認することで、どのデータがどのように処理され、どこで問題が発生したのかを詳細に把握できます。特にSharePointからのデータ取得部分を確認し、期待通りの情報が取れているか、更新が検知されているかを確認しましょう。
セキュリティとアクセス管理を確認しましょう
福利厚生に関する情報は、従業員全員にとって重要な情報であり、時には機密性の高い内容を含む場合もあります。自動通知システムを構築する際は、セキュリティとアクセス管理に十分な配慮が必要です。
SharePointサイト/コンテンツの権限設定を適切にしましょう
Teamsタブに表示する福利厚生情報は、従業員全員が「読み取り」可能であるべきですが、編集権限は人事・総務部門の限られたメンバーにのみ付与すべきです。
- 閲覧権限: 福利厚生情報が保存されているSharePointサイトやドキュメントライブラリ、リストに対して、全従業員が「閲覧者」権限を持っていることを確認してください。
- 編集権限: 情報の更新を担当する人事・総務部門のメンバーにのみ、「編集者」または「貢献」権限を付与しましょう。
- 限定的な公開: 特定の役職者や部署に限定された福利厚生情報がある場合は、アクセス権限を細かく設定し、適切なユーザーにのみ情報が公開されるように注意しましょう。
Teamsチャネルの権限設定を適切にしましょう
福利厚生情報を集約したタブを持つTeamsチャネルのメンバーシップも適切に管理しましょう。
- パブリックチャネル: 全従業員が閲覧できる情報を共有する場合は、「パブリック」チャネルが適しています。
- プライベートチャネル: 特定の部署やグループに限定したい場合は、「プライベート」チャネルを設定し、必要なメンバーのみを招待しましょう。
フローの作成と実行権限を管理しましょう
この自動通知フローは、全従業員に関わる情報を扱うため、不用意に作成・変更・実行できないように、適切な権限管理が必要です。
- フロー作成者の制限: 重要なフローの作成権限は、人事・総務部門の担当者や特定のシステム管理者にのみ付与することを検討しましょう。
- 共有の最小化: フローを他のユーザーと共有する際は、実行のみの権限に限定し、共同所有者としての共有は慎重に検討しましょう。共同所有者はフローを編集できるため、意図しない変更のリスクがあります。
個人情報保護への配慮を忘れずに
福利厚生制度の申請フォームなどで個人情報を収集する場合、その情報の取り扱いには、個人情報保護法などの関連法令や社内規定を遵守するよう細心の注意を払いましょう。
- 利用目的の明確化: 収集する個人情報の利用目的を明確にし、従業員に通知しましょう。
- アクセス制限: 不必要なアクセスを制限し、データの安全な保管に努めましょう。
- 保持期間の検討: データの保持期間を定め、期間経過後は適切に廃棄する運用を検討しましょう。
まとめ
Power AutomateとTeams、SharePointを組み合わせることで、福利厚生に関する情報をTeamsの特定のタブに集約し、さらに情報更新を自動で通知する方法について、基本的な設定から応用、エラー対策、そしてセキュリティとアクセス管理まで、詳細に解説してきました。
この情報集約と自動通知の仕組みは、従業員が福利厚生情報にアクセスしやすくなるだけでなく、人事・総務部門の問い合わせ対応の負担を軽減し、常に最新で正確な情報を維持するのに役立ちます。結果として、従業員満足度の向上と、部門の業務効率化に大きく貢献できるでしょう。

