社内研修受講状況をTeams・Power Automateで管理する!作成方法

社内研修受講状況をTeams・Power Automateで管理する!

、研修後の受講状況の把握や集計作業に、多くの時間と手間がかかっていませんか?「誰がどの研修を受けたのか、手動で確認するのは大変」「受講状況のレポート作成がいつも後回しになる」そうお感じになったことはないでしょうか。もし、研修の申し込みから受講状況の記録、そして情報共有までの一連の流れが、自動でスムーズに行われたら、どれほど業務が楽になるだろう…そう願われた方もいらっしゃるはずです。

Microsoft TeamsとPower Automateを連携させ、社内研修の受講状況を効率的に管理する方法を説明します。この仕組みを導入することで、研修管理の負担を大幅に軽減し、より戦略的な人材育成に集中できるようになることでしょう。


 

社内研修受講状況管理の重要性

社内研修の受講状況を適切に管理することは、単なる記録以上の意味を持ちます。組織の成長と個人のスキルアップに直結するため、その重要性を改めて確認しましょう。

 

なぜ管理が必要なのか?

研修は、従業員のスキル向上や知識習得のための重要な投資です。この投資の効果を最大化するためには、誰がどの研修を受講し、どのような成果を得たのかを正確に把握する必要があります。管理が不十分だと、重複した研修の受講や、特定のスキル不足が見過ごされるといった問題が発生する可能性があります。また、コンプライアンス要件に基づき、特定の研修の受講履歴を証明する必要がある場合もあります。

 

どんなメリットがあるのか?

受講状況をしっかりと管理することで、多くのメリットが生まれます。まず、従業員のスキルマップを正確に作成でき、個々の成長を支援するための適切な研修プランを立てやすくなります。次に、研修の予算やリソースをより効率的に配分できるようになります。さらに、研修の効果測定が可能になり、研修プログラム自体の改善にも繋がります。最終的には、組織全体の生産性向上と競争力強化に貢献することでしょう。

 

TeamsとPower Automate活用の強み

TeamsとPower Automateを組み合わせることで、受講状況管理のプロセスを劇的に効率化できます。Teamsは日常のコミュニケーションハブとして機能するため、受講者への案内や受講後の確認、情報共有がスムーズに行えます。Power Automateは、手動で行っていたデータ入力や通知、集計といった定型作業を自動化し、ヒューマンエラーを削減します。この連携により、リアルタイムでの状況把握が可能となり、迅速な意思決定をサポートする強固な管理体制を構築できるのです。


 

管理システムの準備をしよう

自動で受講状況を管理する仕組みを構築する前に、いくつか準備しておくべきことがあります。これらをきちんと設定しておくことで、スムーズに自動化を進めることができます。

 

受講状況の入力方法を決める

研修の受講状況をどのように記録するかは、システムの使いやすさに直結します。ここでは、最も手軽で自動化しやすい「Microsoft Forms」を活用する方法を推奨します。

  • Microsoft Formsの活用: 研修の最後にアンケート形式で受講完了を申告してもらう、あるいは受講者が研修後に自らフォームから受講を登録する形式が考えられます。フォームには、「受講者名」「社員番号」「研修名」「受講日」「簡単な感想」などの項目を含めると良いでしょう。
  • 他の方法の検討(補足):
    • Power Apps: より複雑な入力フォームや、既存のデータとの連携が必要な場合は、Power Appsでカスタムアプリを作成することも可能です。
    • SharePointリストへの直接入力: 管理者や研修担当者が直接SharePointリストに入力する方法も考えられますが、手動の手間は残ります。

 

SharePointリストの設計

Formsから収集したデータを保存し、管理するための中央リポジトリとしてSharePointリストを設計します。リストの列(カラム)は、後からデータを分析しやすく、また検索しやすいように工夫しましょう。

  • SharePointリストの作成:
    1. SharePointサイトにアクセスし、「サイトコンテンツ」から「新しいリスト」を選択します。
    2. 「空のリスト」を選択し、リスト名(例:社内研修受講履歴)を入力して作成します。
  • 必要な列の追加(例):
    • タイトル(既定): 受講者名(または社員番号と氏名を組み合わせる)
    • 社員番号: テキスト(1行)、必須
    • 研修名: 選択肢(ドロップダウンリストで研修名を事前に登録)またはテキスト(1行)
    • 受講日: 日付と時刻
    • 受講ステータス: 選択肢(例:「完了」「欠席」「途中離脱」など)
    • 担当部署: 選択肢またはテキスト(1行)
    • 研修時間: 数値
    • 備考: 複数行テキスト
    • メールアドレス: テキスト(1行) – 通知用

 

Teamsでの情報共有チャネルを決める

受講状況に関する通知や、研修担当者への情報共有を行うためのTeamsチャネルを準備しましょう。

  • 専用チャネルの作成: 研修に関する情報共有や問い合わせを一元化するために、研修管理受講状況連絡といった専用のTeamsチャネルを作成することをお勧めします。
  • 通知先の検討: 受講完了の通知をどこに送るか(受講者個人、研修担当部署のチャネル、全社員向けチャネルなど)を事前に決めておきましょう。

 

通知内容とタイミングを考える

どのような情報を、どのタイミングで通知するかを具体的に検討します。

受講完了通知

  • タイミング: 受講完了フォームが送信された直後。
  • 内容: 受講完了のお礼、登録された研修名・受講日の確認、今後の案内など。受講者本人へ、または研修担当部署へ通知。

集計完了通知/レポート配信

  • タイミング: 月末や四半期末など、定期的な集計時。
  • 内容: 集計結果の概要、詳細レポートへのリンク、次回の研修案内など。研修担当部署や経営層へ通知。

未受講者へのリマインダー(応用編)

  • タイミング: 研修開催日の前日や数日前。
  • 内容: 研修参加の再確認、参加方法の案内、キャンセル方法など。未受講者個人へ通知。

 

Power Automateで自動化を設定しよう(基本編)

Power Automateを使って研修受講状況管理のフローを作成していきます。まずは、Microsoft Formsの回答をSharePointリストに記録し、Teamsに通知を送る基本的なフローから見ていきましょう。

 

フローを作成する場所

Power Automateのウェブサイトにアクセスし、左側のメニューから「作成」を選択します。今回は、特定のイベント(フォームの回答)が発生したときに自動的に実行されるフローなので、「自動化したクラウド フロー」を選択します。

 

トリガーを設定する

フローのトリガーとは、「いつ」このフローを実行するかを決定するものです。Microsoft Formsの回答が送信されたときにフローを実行したいので、トリガーには「新しい応答が送信されるとき (Microsoft Forms)」を選択します。


作成例:基本的なPower Automateフロー(FormsからSharePointリストに登録し、Teamsに通知)

ここでは、Microsoft Formsで受講状況が送信された際に、SharePointリストに情報を記録し、Teamsに通知を送るフローの作成手順をご紹介します。

  1. Power Automateにサインインします。お使いのMicrosoft 365アカウントでPower Automateのウェブサイト(https://make.powerautomate.com/)にアクセスし、サインインします。
  2. 「作成」から「自動化したクラウド フロー」を選択します。左側のナビゲーションペインにある「作成」をクリックし、表示されるオプションの中から「自動化したクラウド フロー」を選択します。
  3. フロー名を指定し、トリガーを検索します。フロー名には「研修受講状況登録&通知」など、分かりやすい名前を付けます。「フローのトリガーを選択してください」の検索ボックスに「Forms」と入力し、「新しい応答が送信されるとき (Microsoft Forms)」を選択して「作成」をクリックします。
  4. トリガーの詳細を設定します。
    • フォーム ID: 受講状況を収集するために作成したMicrosoft Formsのフォームを選択します。ドロップダウンリストに表示されない場合は、「カスタム値の入力」を選択し、フォームのID(URLのformId=以降の部分)を貼り付けます。
  5. 新しいステップを追加し、フォームの応答詳細を取得します。「+ 新しいステップ」をクリックします。検索ボックスに「Forms」と入力し、「応答の詳細を取得します (Microsoft Forms)」を選択します。
    • フォーム ID: トリガーで選択したフォームと同じものを選択します。
    • 応答 ID: 動的なコンテンツのリストから「応答 ID」(「新しい応答が送信されるとき」トリガーからの出力)を選択します。
  6. 新しいステップを追加し、SharePointリストにアイテムを作成します。「+ 新しいステップ」をクリックします。検索ボックスに「SharePoint」と入力し、「新しいアイテムを作成します (SharePoint)」を選択します。
    • サイトのアドレス: SharePointリストを作成したサイトのURLを選択します。
    • リスト名: 作成したSharePointリスト(例:社内研修受講履歴)を選択します。
    • 各列に値をマッピングします。 Formsの質問項目とSharePointリストの列を対応付けます。
      • タイトル: フォームの「受講者名」の質問に対する回答(動的なコンテンツから選択)
      • 社員番号: フォームの「社員番号」の質問に対する回答
      • 研修名: フォームの「研修名」の質問に対する回答
      • 受講日: フォームの「受講日」の質問に対する回答
      • 受講ステータス: フォームの「受講ステータス」の質問に対する回答(または固定値「完了」)
      • メールアドレス: フォームの「受講者のメールアドレス」の質問に対する回答(またはFormsの既定の回答者メールアドレス Responder's Email
      • 補足:Formsの質問名とSharePointリストの列名が異なる場合は、対応するものを正しく選択してください。
  7. 新しいステップを追加し、Teamsに通知を投稿します。「+ 新しいステップ」をクリックします。検索ボックスに「Teams」と入力し、「チャットまたはチャネルにメッセージを投稿する (Teams)」を選択します。
    • 投稿者:Flow bot」または「ユーザー」を選択します。通常はFlow botで問題ありません。
    • 投稿先:チャネル」(研修担当部署への通知)または「チャット」(受講者本人への通知)を選択します。
    • 投稿先がチャネルの場合:
      • チーム: 通知を投稿したいTeamsのチームを選択します。
      • チャネル: 研修担当部署が利用するチャネル(例:研修管理)を選択します。
      • メッセージ:
        新しい研修受講登録がありました。
        
        受講者: @{outputs('応答の詳細を取得します')?['body/r〇〇〇']} (〇〇〇はFormsの質問ID)
        社員番号: @{outputs('応答の詳細を取得します')?['body/r〇〇〇']}
        研修名: @{outputs('応答の詳細を取得します')?['body/r〇〇〇']}
        受講日: @{outputs('応答の詳細を取得します')?['body/r〇〇〇']}
        
        詳細はこちらからご確認ください: [SharePointリストへのリンク]
        

        補足:outputs('応答の詳細を取得します')?['body/r〇〇〇']の部分は、実際のFormsの質問IDに置き換えてください。Formsの応答詳細アクションの出力を確認すると、各質問のIDが分かります。

    • 投稿先がチャットの場合(受講者本人への通知):
      • 受信者: フォームの応答詳細から取得した「受講者のメールアドレス」を選択します。
      • メッセージ:
        @{outputs('応答の詳細を取得します')?['body/r〇〇〇']}様
        
        社内研修「@{outputs('応答の詳細を取得します')?['body/r〇〇〇']}」の受講登録が完了しました。
        受講日: @{outputs('応答の詳細を取得します')?['body/r〇〇〇']}
        
        ご受講いただきありがとうございます。
        
  8. フローを保存してテストします。画面右上の「保存」をクリックします。保存後、「テスト」をクリックし、「手動」を選択して「テスト」をクリックします。作成したMicrosoft Formsのフォームにテストデータを入力して送信します。

    Power Automateのフロー実行履歴を確認し、SharePointリストにアイテムが作成され、Teamsに通知が届いていることを確認します。


 

Power Automateで自動化を設定しよう(応用編)

基本編で作成したフローをさらに便利にするための応用テクニックを見ていきましょう。

 

重複登録を防ぐ

受講者が誤って同じ研修を複数回登録してしまうことを防ぐために、重複チェックの仕組みを導入できます。


作成例:重複登録を防ぐPower Automateフロー

SharePointリストに登録する前に、既に同じ受講者と研修名の組み合わせが存在しないかを確認するステップを追加します。

  1. 基本編のフローを開きます。Power Automateの「マイ フロー」から、作成済みの基本編のフローを開きます。
  2. 「応答の詳細を取得します」アクションの後に「アイテムの取得」アクションを追加します。「+ 新しいステップ」をクリックします。検索ボックスに「SharePoint」と入力し、「アイテムの取得 (SharePoint)」を選択します。
    • サイトのアドレス: SharePointリストを作成したサイトのURLを選択します。
    • リスト名: 社内研修受講履歴リストを選択します。
    • フィルタークエリ: ここで重複をチェックする条件を指定します。例: Title eq ‘@{outputs(‘応答の詳細を取得します’)?[‘body/r〇〇〇’]}’ and 研修名 eq ‘@{outputs(‘応答の詳細を取得します’)?[‘body/r〇〇〇’]}’補足:TitleはSharePointリストの「タイトル」列、研修名はSharePointリストの「研修名」列に対応します。r〇〇〇はFormsの質問IDです。このフィルターは、同じ受講者名と研修名の組み合わせのアイテムが存在するかどうかをチェックします。
  3. 新しいステップを追加し、条件分岐を設定します。「+ 新しいステップ」をクリックし、「条件」を検索して選択します。
    • 左側の値: 「式」タブを選択し、以下の式を入力します。length(outputs(‘アイテムの取得’)?[‘body/value’])補足:これは「アイテムの取得」で取得されたアイテムの数(つまり、重複する登録の数)を取得します。
    • 演算子:次の値と等しい」を選択します。
    • 右側の値: 0 を入力します。
    • 補足:これにより、「重複する登録がない(アイテムの数が0)」場合に「はい」のパスに進み、新規登録を行うように設定されます。
  4. 「新しいアイテムを作成します」アクションとTeamsへの通知アクションを「はい」のパスに移動します。既存の「新しいアイテムを作成します」アクションと「チャットまたはチャネルにメッセージを投稿する」アクションをドラッグ&ドロップで、新しく追加した条件分岐の「はい」のパスの中に移動させます。
  5. 「いいえ」のパスに重複登録の通知アクションを追加します(オプション)。「いいえ」のパスの「アクションの追加」をクリックし、「チャットまたはチャネルにメッセージを投稿する」アクションを追加します。
    • 投稿先:チャット」(受講者本人へ)または「チャネル」(研修担当部署へ)
    • メッセージ:
      @{outputs('応答の詳細を取得します')?['body/r〇〇〇']}様
      
      研修「@{outputs('応答の詳細を取得します')?['body/r〇〇〇']}」は既に登録済みです。
      ご不明な点がございましたら、研修担当までお問い合わせください。
      
  6. フローを保存してテストします。画面右上の「保存」をクリックします。作成したMicrosoft Formsのフォームで、同じ内容を2回送信してみて、2回目には重複通知が届き、SharePointリストには新しいアイテムが追加されないことを確認します。

 

研修名に応じて処理を分岐する

特定の研修にのみ特別な処理(例えば、特定の担当者への通知や、別のSharePointリストへの登録など)を行いたい場合があります。


作成例:研修名に応じて処理を分岐するPower Automateフロー

フォームから取得した研修名に基づいて、フローの処理を分岐させます。

  1. 基本編のフローを開きます。Power Automateの「マイ フロー」から、作成済みの基本編のフローを開きます。
  2. 「新しいアイテムを作成します」アクションの後に条件分岐を追加します。「+ 新しいステップ」をクリックし、「条件」を検索して選択します。
  3. 条件を設定します。
    • 左側の値: フォームの応答詳細から取得した「研修名」を選択します。
    • 演算子:次の値と等しい」を選択します。
    • 右側の値: 特定の研修名を入力します。例:「新人向けビジネスマナー研修
  4. 「はい」のパスに特定の研修向けの追加アクションを追加します。例えば、「新人向けビジネスマナー研修」が登録された場合に、人事部の特定のチャネルに通知を送るアクションを追加します。
    • チャットまたはチャネルにメッセージを投稿する」アクションを追加し、投稿先を人事部のチャネルに設定し、特別なメッセージを記述します。
  5. 「いいえ」のパスに、その他の研修に対する既定のアクションを移動します(オプション)。もし、既定の通知(基本編で作成した通知)を「特定の研修以外」にのみ送りたい場合は、既存の通知アクションを「いいえ」のパスに移動させます。
  6. フローを保存してテストします。画面右上の「保存」をクリックします。Formsで特定の研修名を入力して送信し、設定した分岐が正しく動作することを確認します。

 

未受講者へのリマインダーを送信する

研修の参加を申し込んだものの、まだ受講が確認されていない人に対して、自動でリマインダーを送る仕組みを構築できます。これは、上記フローとは別の「スケジュール済みクラウド フロー」として作成するのが適切です。


作成例:未受講者へのリマインダー送信Power Automateフロー(別フロー)

このフローは、定期的に実行され、未受講者(SharePointリストに受講記録がない人)を特定してTeamsでリマインダーを送信します。

  1. 新しいフローを「スケジュール済みクラウド フロー」として作成します。
    • フロー名:「未受講者リマインダー」
    • 繰り返し: フローを実行したい頻度を設定します。例:毎週特定の曜日、研修日の2日前など。
  2. SharePointリストから予定されている研修情報を取得します。「アイテムの取得 (SharePoint)」アクションを追加します。
    • サイトのアドレス: 研修一覧が管理されているサイトを選択します(これは受講履歴リストとは別のリストでも良い)。
    • リスト名: 研修の開催予定が登録されているリスト(例:社内研修開催予定)を選択します。
    • フィルタークエリ(オプション): 現在開催が近い研修のみを取得するようにフィルターを設定します。例:研修開始日 ge '@{utcNow()}' and 研修開始日 le '@{addDays(utcNow(), 7)}' (今後7日以内に開始する研修)
  3. 取得した各研修に対して処理を繰り返します(アプライ トゥー イーチ)。「アプライ トゥー イーチ」コントロールを追加し、「値」(「アイテムの取得」からの出力)を選択します。
  4. 各研修の参加予定者を取得します。もし参加予定者が別のリストやグループで管理されている場合、その情報を取得するアクションを追加します(例:Azure ADのグループメンバーを取得、SharePointリストから参加者リストを取得など)。
  5. SharePoint受講履歴リストから、その研修の受講完了者を特定します。「アイテムの取得 (SharePoint)」アクションを再度追加します。
    • サイトのアドレス: 社内研修受講履歴リストのサイト
    • リスト名: 社内研修受講履歴
    • フィルタークエリ: 研修名 eq ‘@{items(‘アプライ_トゥー_イーチ’)?[‘研修名’]}’補足:items(‘アプライ_トゥー_イーチ’)?[‘研修名’]は、現在処理中の研修名を指します。
  6. 参加予定者と受講完了者を比較し、未受講者を特定します。これはPower Automateの標準アクションだけでは複雑になる可能性があります。
    • 方法A (簡易版): 参加予定者リストをループし、各参加者が受講履歴リストに存在するかどうかを「条件」アクションでチェックします。存在しない場合が未受講者です。
    • 方法B (詳細版): Power Automateで配列操作の関数(例:union, intersection, except)を使用して、予定者リストから受講済みリストを差し引くことで未受講者を特定します。この操作は「変数を初期化する」「適用範囲」などと組み合わせて、より高度なロジックを構築する必要があります。
  7. 特定した未受講者にTeamsでリマインダーを送信します。「チャットまたはチャネルにメッセージを投稿する」アクションを追加します。
    • 投稿先:チャット
    • 受信者: 未受講者のメールアドレス
    • メッセージ:
      〇〇様
      
      まもなく研修「@{items('アプライ_トゥー_イーチ')?['研修名']}」が開催されます。
      開催日時: @{formatDateTime(items('アプライ_トゥー_イーチ')?['研修開始日'], 'yyyy/MM/dd HH:mm')}
      会議リンク: [会議URL]
      事前に資料をご確認の上、ご参加ください。
      
      ご都合が悪い場合は、早めに研修担当までご連絡ください。
      
  8. フローを保存してテストします。実際にテスト用の研修と参加者、受講履歴を設定し、スケジュール実行でフローが正しく未受講者にリマインダーを送ることを確認します。

 

定期的な受講状況レポートを生成する

研修の受講状況をまとめたレポートを定期的に生成し、関係者に自動で共有する仕組みを構築できます。これも、上記フローとは別の「スケジュール済みクラウド フロー」として作成するのが適切です。


作成例:定期的な受講状況レポート生成Power Automateフロー(別フロー)

このフローは、定期的に実行され、SharePointリストのデータを集計して簡易レポートを作成し、Teamsに投稿します。

  1. 新しいフローを「スケジュール済みクラウド フロー」として作成します。
    • フロー名:「研修受講状況月次レポート」
    • 繰り返し: フローを実行したい頻度を設定します。例:毎月1日。
  2. SharePointリストからすべての受講履歴を取得します。「アイテムの取得 (SharePoint)」アクションを追加します。
    • サイトのアドレス: 社内研修受講履歴リストのサイト
    • リスト名: 社内研修受講履歴
    • フィルタークエリ(オプション): 直近の期間のデータのみを対象とする場合。例:受講日 ge '@{startOfMonth(addMonths(utcNow(), -1))}' and 受講日 le '@{endOfMonth(addMonths(utcNow(), -1))}' (前月のデータ)
  3. 取得したデータをHTMLテーブル形式に変換します。「データ操作」カテゴリから「HTML テーブルの作成」アクションを選択します。
    • From:」(「アイテムの取得」からの出力)
    • 列: 「カスタム」を選択し、レポートに表示したいSharePointリストの列とヘッダー名をマッピングします。例: 名前: Title, 研修名: 研修名, 受講日: 受講日, ステータス: 受講ステータス
  4. Teamsにレポートを投稿します。「チャットまたはチャネルにメッセージを投稿する (Teams)」アクションを追加します。
    • 投稿先:チャネル
    • チーム: レポートを投稿したいチーム
    • チャネル: レポート共有用のチャネル(例:研修管理
    • メッセージ:
      皆様、お疲れ様です。
      先月の研修受講状況レポートです。
      
      @{outputs('HTML_テーブルの作成')?['body']}
      
      詳細なデータはSharePointリストをご確認ください: [SharePointリストへのリンク]
      

      補足:@{outputs('HTML_テーブルの作成')?['body']}は、作成されたHTMLテーブルをそのままメッセージに埋め込みます。

  5. フローを保存してテストします。手動でテストを実行し、TeamsにHTML形式のレポートが投稿されることを確認します。

 

エラー対策とトラブルシューティング

せっかく作ったフローも、エラーが出たら困りますよね。よくあるエラーとその対策、そしてトラブルシューティングのポイントをご紹介します。

 

フォームの入力ミス

受講者がフォームに入力する際に、誤った情報(例:社員番号の桁数ミス、研修名の手入力ミスなど)を入力してしまう可能性があります。

対策

  • Formsでの入力規則の設定: Formsで、数値のみ、特定の範囲の数値のみ、特定の長さのテキストのみ、といった入力規則を設定することで、データ形式の誤りを防ぐことができます。
  • 選択肢の活用: 研修名など、固定の選択肢がある項目は、自由入力ではなくドロップダウンリスト形式で選択肢を提供することで、入力ミスや表記ゆれを防ぎます。
  • Formsでの必須項目の設定: 必須の情報は必ず「必須」に設定し、未入力のまま送信できないようにします。

 

SharePointリストへの書き込みエラー

Power AutomateがSharePointリストにアイテムを作成しようとした際に、エラーが発生する場合があります。

対策

  • 権限の確認: フローを実行するアカウントが、対象のSharePointリストに対して「アイテムの追加」権限(通常は「投稿」または「編集」レベル)を持っているか確認してください。
  • 列の型とデータの不一致: SharePointリストの列のデータ型と、Formsから送信されるデータの型が一致しているか確認します。例えば、SharePointの「数値」列にテキストデータが送られようとするとエラーになります。日付形式も注意が必要です。
  • 必須列の未入力: SharePointリストで必須に設定されている列に、Formsからデータが送られていない場合、エラーになります。

 

通知が届かない

フローは正常に実行されているのに、Teamsに通知が届かない場合、Teamsのアクション設定に問題がある可能性があります。

対策

  • 投稿先チャネル/チャットの確認: 「チャットまたはチャネルにメッセージを投稿する」アクションで指定したチーム、チャネル、または受信者が正しいかを確認します。タイプミスがないか、もう一度確認しましょう。
  • Teamsの通知設定: 受信側のTeamsの通知設定で、Flow botからの通知がブロックされていないか、ミュートされていないかなどを確認します。
  • アカウントの確認: Power Automateの接続が正常か確認します。必要であれば再接続を試みてください。

 

フローの履歴を確認する

エラーが発生した場合や、フローが意図通りに動作しない場合は、Power Automateのフロー実行履歴を確認することが最も重要です。

手順

  1. Power Automateの「マイ フロー」から、該当のフローを選択します。
  2. 実行履歴」タブをクリックします。
  3. 失敗した実行、または成功したものの動作が怪しい実行を選択すると、フローの各ステップがどのように実行されたか、どこでエラーが発生したか、そしてエラーメッセージの詳細を確認できます。

ポイント: エラーメッセージには、問題解決のための具体的なヒントが含まれていることが多いため、必ず確認するようにしましょう。特に、各アクションの「入力」と「出力」を確認することで、どのデータがどのように処理され、どこで問題が発生したのかを詳細に把握できます。


 

セキュリティとアクセス管理

研修受講状況は個人情報や業務に関する重要なデータを含むため、セキュリティとアクセス管理は非常に重要です。適切な設定を行い、情報漏洩のリスクを最小限に抑えましょう。

 

Formsのアクセス設定

Microsoft Formsのフォームは、回答者が誰かを制限できます。

  • 社内限定: 「組織内のユーザーのみが回答できます」に設定し、特定のユーザーやグループに限定することで、部外者からの不正な回答を防ぎます。
  • 匿名回答の禁止: 受講者名や社員番号を正確に取得するため、「名前を記録する」を有効にしましょう。

 

SharePointリストの権限設定

SharePointリストに保存された受講履歴データは、誰が閲覧・編集できるべきかを厳密に管理する必要があります。

  • 最小限の原則: 必要な人(研修担当者、人事部など)にのみ「編集」権限を与え、その他の社員には「読み取り」権限、あるいは全くアクセスさせない、といった権限設定を行いましょう。
  • グループの活用: 個々のユーザーに権限を付与するのではなく、Active DirectoryグループやMicrosoft 365グループを利用して権限を管理することで、運用が容易になります。

 

フローの共有と管理

Power Automateフロー自体もセキュリティの観点から適切に管理する必要があります。

  • 接続の管理: フローで使用するFormsやSharePoint、Teamsへの接続は、慎重に管理しましょう。不要な接続は削除し、定期的にパスワードを更新するなどの対策を講じましょう。
  • フローの共有: フローを他のユーザーと共有する際は、共有の種類(実行のみ、共同所有者など)を適切に選択し、必要最小限のユーザーにのみ共有するようにしましょう。特に、共同所有者として共有すると、他のユーザーもフローを編集できるため、誤操作や意図しない変更のリスクを考慮する必要があります。

 

個人情報保護への配慮

受講状況データには、社員名、社員番号、メールアドレスといった個人情報が含まれます。これら情報の取り扱いには、個人情報保護法などの関連法令や社内規定を遵守するよう細心の注意を払いましょう。

  • 利用目的の明確化: 収集する個人情報の利用目的を明確にし、受講者に通知しましょう。
  • アクセス制限: 不必要なアクセスを制限し、データの安全な保管に努めましょう。
  • 保持期間の検討: データの保持期間を定め、期間経過後は適切に廃棄する運用を検討しましょう。

 

まとめ

Microsoft TeamsとPower Automateを活用し、Microsoft Formsを通じて社内研修の受講状況を管理するシステムを構築する方法について、基本的な設定から応用、エラー対策、そしてセキュリティとアクセス管理まで解説してきました。

この自動化された受講状況管理システムは、手作業による煩雑なデータ入力や集計作業から皆様を解放し、ヒューマンエラーのリスクを大幅に削減します。結果として、研修担当者はより戦略的な研修プログラムの企画や、従業員のスキル開発支援といった本質的な業務に集中できるようになるでしょう。